ミサイル不拡散 (文春新書)

  • 文藝春秋 (2007年1月19日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784166605514

みんなの感想まとめ

国際政治と安全保障の複雑な関係が浮き彫りになる本作は、ミサイル拡散の問題が核拡散と密接に関連していることを考察しています。特に、ミサイル技術が核兵器の運搬手段としての役割を果たす現代において、ウラン濃...

感想・レビュー・書評

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  • ▼「ミサイル拡散」という言葉を聞いて、これが「核拡散」の問題と表裏一体の関係にあることに思い至った人は、国際政治を学んだ上で、ちゃんと安全保障の問題を考えてきた人間だろう。なぜなら、現代において、最たる核兵器の運搬手段の一つがミサイルだから。
    ▼一定程度、ウランを濃縮する技術があって(しかも、その過程では、自動的にプルトニウムも排出される)、人工衛星を飛ばす技術があるとなれば、それはほぼ、「いつでも核爆弾を撃てます」と能力を示すようなもの。筆者も言うように「(一部の技術を除き、)弾道弾ミサイル開発と宇宙ロケット開発が実はほとんど同じ技術開発プロセス」なのだ。
    ▼「国際社会においては、一カ国のみが厳格な輸出管理を行っても、その他の国々が不十分な輸出管理体制であれば、……こうした国々を中継地として活用して、不正な調達活動を続けることができ」てしまう。だからこそ、核の闇ネットワーク同様、ミサイルの拡散に関しても取り締まるための有効打(例えば、国際的な取り決め)が望まれる……のだが。
    ▼それが難しいのは、皆さんもご存じの通り、言わずもがな。かといって、相手が持っている分だけ自分たちも持てば安全!(いわゆる、冷戦期の「相互確証破壊理論」)という主張するのは、“Mad”に感じられてしまう。まぁ、最低限、持っているものを使用させない努力が必要――ということなのだろうな。

  • ミサイル拡散が国際的に深刻な問題として認識され始めたのは、1980年代以降のことである。1980年代前半までのミサイル問題の最大の課題は拡散問題ではなく、米ソ戦略核ミサイルの軍備管理であり、その軍縮であった。
    ミサイル開発は、地域の安全保障問題の中核を占めており、地域の安全保障環境の向上なくして、単にミサイル実験のみを取り出し、これを非難しても実際上、ミサイル開発を抑止する効果がないことも当然である。

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著者プロフィール

1968年、栃木県生まれ。神奈川大学工学部教授。

「2020年 『化学の魅力 Ⅲ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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