- Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
- / ISBN・EAN: 9784166605705
作品紹介・あらすじ
著者がいつもそばに置き、くりかえし読んでいる、新井白石から斎藤茂吉までの十人の作品。本書は、それぞれのどの作品がどう好きか、どうすぐれているかを、その人となりをまじえて解説する。
感想・レビュー・書評
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これまた、渡邊十絲子さんオススメの一冊。
森鴎外がそんなに家庭的なパパだったとは!
斎藤茂吉がユーモア溢れる文章を書いたとは!
10人の文章家の知られざる面を知ることで、どうしてもその文章が読んでみたくなってしまう。
とりあえず、『折たく柴の記』と『遠野物語』を、その次は『寺田寅彦随筆集』を。
またまた読みたい本が増えてしまった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
博覧強記ぶりに目を見張るのもさることながら、好きなものを斯様に語り尽くすとで見えてくるものも多く、他の著作も手を出してみたいと思わせるものでした。
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新井白石から斎藤茂吉まで、著者が好きな10人の文章家についてのエッセイ。
編集者の勧めで録音した内容を文字に起こした本とのこと。
特に印象に残ったのは内藤湖南、津田左右吉、柳田國男。
昭和10年代の膨張思想に利用された内藤の仕事。近代以前からの日本の知識人に支那崇拝の鎖を断ち切り、支那学を築いた津田。
三島由紀夫は遠野物語を小説として評価していた。 -
本書は、名文のサマリーではなく、著者の好きな作家の紹介文である。夏目漱石、柳田邦夫、斉藤茂吉、森鴎外などの近代日本を代表する作家を、著者がどのように愛しているか、理解しているかということが書かれている。柳田を小説家と理解していたり、漱石の坊ちゃんを探偵と愛の小説であると主張するようなユニークな捉え方は興味深い。しかも、それらの理由が、回りくどいともいえる深遠なものであり、近代小説好きには面白いと感じられるのではないか。 本書を読んで、自分がいかに、明治、大正の時代の小説家たちの作品を読んでいないか、あらためて気がついた。そもそも小説はあまり好きではないから仕方ないが、明治、大正の文豪たちの小説もたまには読んでみようかという気にさせられた。
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「お言葉ですが…」シリーズで知られる著者が、敬愛する10人の文章家について、それぞれの魅力を語った本です。取り上げられているのは、新井白石、本居宣長、森鴎外、内藤湖南、夏目漱石、幸田露伴、津田左右吉、柳田国男、寺田寅彦、斎藤茂吉です。
「あとがき」によれば、著者が初めて語り下ろしに挑戦した本とのことですが、いずれも思い入れのある文章家だけに、1冊の本の分量にまとめるのに相当苦労したことが書かれています。著者や担当編集者の苦労はたいへんだったのでしょうが、できることなら著者に思う存分語らせたものを読んでみたかったという気がします。 -
東京の漢学と京都の支那学の比較は面白い。また、津田左右吉や内藤湖南についてのエッセイもなかなか面白い。文章の風格ゼロだが、この著者にそんなことをとやかく言っても始まらん。
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この本自体が名文。
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名言集のようなものかと思ったら違った。サブタイトルの通り高島先生が好きな文章家10人について語るもの。歴史の授業等で名前しか知らなかった人たちの生き方が面白く分かる好著です。
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副題の通り、好きな文章家十人についてのつれづれ。文章についてだったり、人柄だったり学説だったり、中々に様々である。題材も面白いのだろうが、紹介文の方も中々面白い。ちょっと実際に読んでみたくなる。
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高島俊男による「わたしの好きな著作家ベストテン」。下記がその10人。数字は生没年。★は私の個人的な「勉強になった指数」です。
新井白石や本居宣長などは、高校の日本史の試験勉強で名前をおぼえたぐらいですが、この著者の手にかかると、歴史的背景や個性的キャラが立ち上がり、実に面白かったです。
新井白石 1657-1725 ★★★
本居宣長 1730-1801 ★★★
森鷗外 1862-1922
内藤湖南 1866-1934 ★★
夏目漱石 1867-1916 ★
幸田露伴 1867-1947 ★
津田左右吉 1873-1961 ★★(仏像を不気味に感じても変じゃないんだ、と安心させてもらいました)
柳田國男 1875-1962
寺田寅彦 1878-1935
斎藤茂吉 1882-1953
著者プロフィール
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