彼らはなぜ国家を破滅の淵に追いやったのか 昭和陸海軍の失敗 (文春新書 610)
- 文藝春秋 (2007年12月18日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
- / ISBN・EAN: 9784166606108
感想・レビュー・書評
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すごく濃厚な座談会を収録している。今まで海軍しか興味がなかったので陸軍の軍人や体質をあまり知らなかったので前半の話は非常に勉強になった。海軍のメンバーに比べ、陸軍のメンバーの方が細部まで掘り下げて話すため、読者としては前半の方が面白かった。海軍の話は知ってる話が多いため、真新しさなどもあまり感じず。
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半藤氏らが2度の座談会で、陸軍の日本型民主的組織、海軍のエリート集団組織の失敗を詳細な固有名詞で紹介しているもの。その意味で非常に具体的。戦争に突入していく日本がいかに人材に恵まれていなかったのか、お寒い限り。その中で陸軍の栗林忠道、今村均、本間雅晴、海軍の井上成美などの人材が出世を阻まれて、意見が取り入れられなかったなどと、魅力的な人材もいたことが嬉しい。しかし、陸軍の武藤章、杉山元、梅津美治郎や海軍の伏見宮、永野修身など批判点は自分自身を省みて何を言われるかと怖くなる!
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ひとりひとり、その名が歴史家以外には忘れられつつある陸軍、海軍の将官、参謀がどのような人となりであったのか、彼らが何を成し、成さなかったのかを語る座談会。人間性の乏しい人は、それなりの人生を歩む。国の未来を見据えた大局観をもって責任を果たした人が、消えていったのは惜しまれる。近代日本が経験した戦争の評価は歴史家たちの手にゆだねられるものなのだろう。政治、行政の片棒を担いでいる人には身につまされる話もあると思われる。
自分が何に対して筋を通すべきか、考えるヒントになった。 -
▼内容紹介 凡庸なリーダーと下克上の論理、成功体験の驕りと呪縛…。エリートたちはどこで誤ったのか? 昭和の陸海軍の人事を語ることによって見えてくる、日本型組織の弱点とは。『文藝春秋』で反響を呼んだ2つの座談会を収録。
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読みやすく分かりやすく描かれた座談会だった。
人の本質はそうそう変わる事はないんでしょうけど、
いろんな経験を積まざるをえなかった日本の今の、
活かされてなさを感じてしまうような。
人間の生死がかかっている、それを考えてしまうと、
戦争なんて出来ないのかもしれないし、
それぞれ個人を責めてもしようがないけど、
いろいろ考えてしまう。
戦争を物語にしてしまって、
英雄を造ってはいけないのではないのかも、
とも思ってしまった。
英雄は勝者にも敗者にもいないのが戦争なんだろう。 -
感想未記入
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【読書】半藤一利や保坂正康といった昭和史研究家が座談会形式で旧陸海軍のエリート幹部について人物評価を行った本。一人一人の人物像や生涯を追うことで、当時の陸海軍の間にあった対立、それぞれの組織内の対立が浮き彫りになる。旧陸軍は典型的な日本型組織と言われる。そこには現代の日本にも見られる組織構造がある。学ぶべきことは多い。彼らの個々の生涯を追った本を読んでみたい。