彼らはなぜ国家を破滅の淵に追いやったのか 昭和陸海軍の失敗 (文春新書)

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166606108

感想・レビュー・書評

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  • 月刊文藝春秋に掲載された座談会をまとめたものである。戦前、国内最大の官僚組織であった陸海軍の歴史をみると、悲観的な感想だが、結局は日本は進歩していないという事がわかる気がする。

  • [ 内容 ]
    エリートたちはどこで誤ったのか?
    昭和の陸海軍の人材を語ることによって見えてくる、日本型組織の弱点!!
    「文藝春秋」で大反響を呼んだ話題の座談会を収録。

    [ 目次 ]
    第1部 昭和の陸軍 日本型組織の失敗(黒野耐、戸部良一、半藤一利、福田和也、保阪正康)(派閥抗争が改革をつぶした―宇垣一成と荒木貞夫;エリート教育システムの欠陥―東條英機と永田鉄山;天才戦略家の光と影―石原莞爾と武藤章;良識派は出世できない―栗林忠道、今村均、本間雅晴 ほか)
    第2部 昭和の海軍 エリート集団の栄光と失墜(戸高一成、秦郁彦、半藤一利、平間洋一、福田和也)(成功体験の驕りと呪縛―東郷平八郎と加藤友三郎;人事を牛耳る皇族総長―伏見宮博恭王;良識派は孤立する―米内光政と井上成美;必敗の日米開戦をなぜ?―永野修身と嶋田繁太郎 ほか)

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    [ 参考となる書評 ]

  • かつて陸軍大学は難関のエリート校だった。皇族は無試験で入れた。
    大本営があれだけ無能でありながら、第一線の指揮官たちがかなり奮闘しているのが不思議。陸軍士官学校が機能していたから。
    大きな意味での国家戦略(グランドストラテジー)を持っていなかったと軍人を責めるのは酷。総力戦時代になって軍事が複雑化、専門化するほど、軍人たちが他の分野のことまで考えるのは難しくなる。そもそもグランドストラテジーを構築するのは政治家の仕事。
    海軍は陸軍以上のスーパーエリートからなる組織だった。英独から軍艦をはじめとする技術体系、すなわちハードウェアばかりでなく、近代的な組織づくりや国際法などの開明的な知識、マナーなどソフトウェアに至るまで徹底的に吸収した。それを支えたのが少数精鋭のエリート教育、間違いなく日本一のエリート校は海軍兵学校。
    海軍では水兵と将校が全く別のものを食べていた。日本の一般社会てゃ明らかに異質だった。上官も兵隊も同じ釜の飯を食っていた陸軍の方が皮膚感覚として日本人にはなじみやすい。そのルーツからして陸軍は高杉晋作の奇兵隊だから、まさに四民平等の軍隊として出発した。海軍を形成したのは薩摩閥。薩摩は厳しい身分制度が幕末まで根強く残っていて、その序列が海軍の組織に大きな影響を与えていた。

  • 2008/2
    太平洋戦争に向かうに当たって、当時の陸軍と海軍がどのようなものであったか、多くの研究者が座談会方式で語っている。戦前の日本軍を知るために副読本という位置づけで考えるとなかなか面白い一冊。

  • これ、面白いです。
    対談形式で読みやすく、昭和陸軍・海軍のキーパーソンを取り上げて、なぜ無謀な戦争へと突入していったのかを明快に解説しています。
    もちろん、後世の人間だから言えることも多いので全ての内容を鵜呑みにするつもりはないのですが、例えば、日本海軍のターニングポイントとなったミッドウェー海戦は、戦力的には日本が有利でシミュレーションすれば、大勝といわないまでも日本が有利に展開できた戦いである、とか、硫黄島で大半の兵士が餓死した陸軍と異なり、海軍の兵士はほとんど餓死者がいない、など、あまり目にすることのなかった切り口が書かれています。
    組織において、適材適所がいかに大事か、セクショナリズムがいかに組織を破壊させるか、など、現代の組織論にも通じるものがあります。

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著者プロフィール

半藤 一利(はんどう かずとし)
1930年、東京府東京市向島区(現在の東京都墨田区)生まれ。東京大学文学部国文科卒業後、文藝春秋新社に入社。編集者として活動しながら匿名記事も記す。1965年に大宅壮一の名義を借りて『日本のいちばん長い日』を執筆、発行。『漫画読本』『増刊文藝春秋』『週刊文春』『文藝春秋』編集長を歴任。1995年に文藝春秋を退社してから作家・評論活動専任となる。
1993年『漱石先生ぞな、もし』で新田次郎文学賞、1998年『ノモンハンの夏』で山本七平賞、2006年『昭和史』で毎日出版文化賞特別賞をそれぞれ受賞。2009年の語りおろし『昭和史 1926-1945』『昭和史 戦後篇 1945-1989』はベストセラーとなった。
妻の半藤末利子は、松岡譲と、夏目漱石の長女・筆子の四女で、夏目漱石が義祖父にあたる。

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