ピアニストが読む音楽マンガ ボクたちクラシックつながり (文春新書)

  • 文藝春秋 (2008年2月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (232ページ) / ISBN・EAN: 9784166606221

みんなの感想まとめ

音楽とマンガが交差する魅力的な一冊で、特に『のだめカンタービレ』や『ピアノの森』を愛する人々にとっては楽しめる内容となっています。著者が専門的な視点からクラシック音楽の背景をわかりやすく解説し、歴史や...

感想・レビュー・書評

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  • 帯にー『のだめカンタービレ』『ピアノの森』『神童』はクラシックの世界の「開けゴマ」ーとかかれていたので再読しました。
    目当ては、今月末から始まるTVアニメの『ピアノの森』(後編)のことがのっていたような気がしたからですが、数か所にちらっとでてきましたが、ほとんど、『のだめ』で、ちょっと期待はずれでした。
    青柳いづみこさんのご著作は、他も拝読していますが、これは少し前の『のだめ』ブームの時にかかれたものでしょう。
    たぶん1回目は私もそのころに読んで面白いと思ったので、今回再読しましたが、(もちろん1回読んでいるからですが)知っていることばかりで、青柳さんのご著作の中では最も初心者向けだと思います。
    「ピアニストが読む音楽マンガ」とうたっているのだから、『のだめ』以外のマンガにも(特に『ピアノの森』)もっといろいろと触れてほしかったです。
    どこかにでてくるんじゃないかと、最初から最後まで、数時間かけて1度読んだのにまるまる1冊読んでしまいました。
    ダニエル・バレンボイムの自伝はいつか時間のあるときに読んでみたいです。

  • 私の様なクラシック初心者には全力でオススメです。
    本書は「のだめカンタービレ」「ピアノの森」「神童」を副教科として使い、クラシック音楽家の世界をかなり赤裸々に解説しています。
    例えば、日本では毎年約6,000人が音大に入学しますが、クラシック演奏家の場合、演奏だけで300万円以上の年収があるのは全体の0.05%のみ。音楽コンクール優勝者レベルのソリストでも1公演の取り分は、もろもろ差し引き50万円前後。演奏による年収が1,000万円を超えるのは数十人、一流オケやサントリーホール、オーチャードホールでよく名前を見る人たち。300万円〜1,000万円のアーティストは1,500人で、N響(日本で最も待遇がよく平均年収1,000万円)以外のメジャーな交響楽団の団員もこのくらい。フリーや小さなオケの団員なら300万円以下で5,000人、さらに収入ゼロが2万人。(2006年「週刊東洋経済」記事より)
    音大卒業後は半数以上が一般企業に就職、音楽の道に進んでもアルバイトや音楽教室をしなければ生計が立たない。そうした意味では、ピアニストに限らず音楽家という職業はほとんど不良債権(支出が収入を上回り投資効率が悪い)と言える。
    では、彼らはなぜそんな茨の道を選ぶのか?
    「身震いするほどの感動が体験出来る。そして音楽愛がすべての苦労を浄化してくれる」
    我々の知らないそんな音楽家の心の叫びを、マンガの登場人物たちが代弁している。作者の狙いは、音楽マンガを語ることで、音楽家のリアルな気持ちを読者と共有したいということでした。
    全編が面白いのですが、以下は私の備忘録的メモ。
    ・ショパンのほとんどの作品は、即興演奏のあとで楽譜に記されたもの
    ・優勝または入賞したら即プロになれるのは、チャイコフスキー(4年に1回)、エリザベート(4年に1回)、ショパン(5年に1回)、リーズ(3年に1回)などのコンクールのみ
    ・ショパンコンクールでのポゴレリッチ「マズルカ」の超絶技巧の演奏は、曲の解釈が伝統的ではないという理由で、25点満点で5点以下の採点者がいた(25点満点の通常の審査では、水準以上なら20点、平均なら17~18点、水準以下でも12~13点というのが相場だそうです)
    ・指揮者の違いでオケが鳴ったり、鳴らなかったりするのは、指揮者の人間性による。指揮者が個々の奏者の音楽性、色彩感、音程、テンポ感の違いを感じ取ってひとつにまとめて、最適な音を引き出す。
    ・カール・ベームがウィーン・フィルとブラームス2番を演奏中、突然会場が停電になるも、指揮も楽譜も見えなくなった状態で団員たちは記憶を頼りに最後まで交響曲を完奏してみせた
    ・「のだめカンタービレ」のあるシーン
    小さい頃から才能のカタマリだったのだめは、いつも周りからもっと練習して上を目指せと言われ続けていたが、大人になっても自由奔放なピアノを批判される。
    のだめ「自由に楽しくピアノを弾いて何が悪いんですか!?」
    千秋はのだめの才能のためあえて厳しい言葉を言う。そして怒って実家に帰ってしまったのだめの居ない空っぽの部屋で千秋はつぶやく。「いいも悪いも…それじゃあ、俺が聴けなくなるじゃねーか!!」
    のだめの一番のファンは千秋でした。ちゃんちゃん。

  • 「のだめ」が好きな人には楽しい一冊。専門家がわかりやすく音楽的背景を説明してくれる。クラシックの歴史についても触れられていて、ふーん、そうなのか、ということが次々出てくる。

    一方で、大方の音楽を志す人がたどる厳しい道をあらためて知り、ため息が出る。音楽に限ったことではないが、ごく一握りの一流の人以外にとって、「才能」って残酷だなあと思ってしまう。それでも努力し続ける人にしか見えない景色があるのだろう。

  • のだめとピアノの森を読んでからもう一回読みたくなった。 もし、仮に、ピアニストになりたいって思う子になったらもう一度読み返そう。 ピアノの苦悩を描きつつ、面白さも伝えてくれている。

  • 読みやすいエッセイ。漫画をすでに読んでいるので、ウンウンと頷きながら読めた。漫画を知らないとわからないかも。個人的に第8章の音楽は人間が出る に共感。うちの子のピアノはフランクなんだなー。女子だけど。

  • ピアニストで文章も書く著者が、ピアノの森やのだめカンタービレといったマンガをテーマに著述。プロの音楽家の実際、ホンネといったところがなかなかに面白い。

  • のだめカンタービレや森のピアノ(主にのだめ)を例に、クラシック奏者、特にピアニストにまつわる様々の話を綴っている。
    クラシック界の懐具合の現実とか、ちょっと驚き。

  •  のだめ~はかれこれ15年くらい前のまんがだったと思う。当時今1つピンと来なかったのは、基礎知識(楽典、曲)だけでなく、音大の独特の雰囲気や、学生の習性に関する知識がなかったから。本書でようやく少しその一端を見れた。
     本書の各章冒頭にあるようなQは自分は特に持っていなかったが、面白い回答で良かった。一方、所詮芸術、特に音楽は金持ち?の道楽なのかねえ、とか思ってしまった。不良債権とはとても言えないが、現実的な話を読むと、つい・・

  • のだめを読みたくなった。

  • 「のだめカンタービレ」「ピアノの森」などを通して、クラッシックの世界がわかりやすく解説されていた。著者の音楽への愛が感じられた。

  • 『のだめカンタービレ』や『神童』、『ピアノの森』を導きの糸に、クラシック業界のあれこれを紹介する本。

    ピアニストの登竜門は、もはやコンクールが主流ではないとか、世界最高の音楽学校は、パリ音楽院でもないとか、なかなか面白かった。
    青柳さんほどの音楽家でも、オーケストラや指揮のことだと難しいこともある(ドボルザークの交響曲で、いくつかわざと通常の演奏と違う音やパートに変えた演奏は、聞き取れない)ということも、驚き。

    暗譜のプレッシャー、演奏旅行での消耗、孤独、経済的困難。
    こういった、厳しい現実がありながらも、音楽でつながっている幸福を示して本書は締めくくられる。
    この結末に納得できるかどうかは、読者次第かな。

  • とても面白かった。

    「のだめカンタービレ」のドラマを見ただけで漫画もほかの作品も知らないのだがそれでも楽しめた。

    演奏会が終わるとすぐサイン会でCDを売るのはなぜなのかなんとなくわかってはいたがこのような仕組みになっているとは知らなかった。

  • のだめ、神童、ピアノの森を取り上げる
    最終章のピアニストの経済状況がリアルで悲惨
    CDのオーダーは200~300枚程度、1000枚は刷らないと
    収支合わないので本人買い取り
    自主公演は満席でも収支とんとん

    75 ショパン、即興演奏後に譜面に書き起こした
    145 カラヤン、練習短い。チェリビダッケは長。
    でベルリンフィルの指揮者争いに負ける
    172 フランス人、自国の音楽を尊重しない
    177 ベートーベン、少ない素材を最大限に使い緻密に組み立てる
    111 ベートーベンソナタ、新約聖書。平均律クラヴィーアは旧約聖書
    138 ホルン、繊細な楽器。唇の調子が悪いと音が出なくなる

  •  おもにマンガ「のだめカンタービレ」に寄り添いつつ、本物の音楽家としての注釈がおもしろい。多くの音楽を目指した人たちが、食べることすら難しい職業の実際を具体的に伝えてくれます。そして、有名になった人、はまたそのことでの苦労がまた大変なのですとのこと。そうまでして音楽につながっているのは、その魅惑の深さと身につけたものしか味わえない幸せがあるようなのです。簡単にああだ、こうだと批判する自分が薄っぺらく感じられます。

  • 著者のこの本を読んでから、著者の作品を全て読んでみようと思った。素人にも分かりやすく書かれている。なにより、音楽家を目指す子供を抱え、なおかつ、クラシック業界など全く分からない私にとっては、ピアニストになるには、ピアニストになった後は、ピアニストとして維持していくには、など、いろいろと参考になる本である。著者は音楽家ではあるが、作家としても非常に有能だと思った一冊である。

  • 「のだめ」などの音楽マンガをとっかかりにして、クラシック音楽界という特殊な世界を解き明かす。読みやすくて、面白かった。

  • 20130510読了

  • 「のだめカンタービレ」と「ピアノの森」を題材に、それぞれの作品の中で取り上げられたトピックを専門家の立場から解説を試みている。意外にそれらの描写がそれなりに的確であることが分かる。もちろん全てのトピックを取り上げている訳ではないだろうし、たまたま整合の取れるものだけを選んだのかも知れないのだが。

    演奏する曲の選び方、コンクールにまつわるもろもろ、演奏家とその周辺の人々、話題に事欠かない。とても興味深く読むことができる。

    最終章、ピアニストは本当に不良債権か?でしょう。のだめの弟の発した言葉がこの章のきっかけになっている。音楽活動にまつわる費用、収入などなど。あまり魅力のある業界ではない、と言っていいのか。年収300〜1000万円のグループにN響以外のオケのメンバーが含まれる、という記述があるがN響のメンバーはそれ以上貰っているのか?

  • のだめ、や「ピアノの森」は読みましたが、実は「神童」はいつもDVD借りようと思っていてまだ実行していないんですよね。マンガもあったことをこの本で知るととともに、改めて神童を探してみようと決心しました。
    ピアノに関する関心が高まったところで読みきったので面白かったです。でも、ちょっと音楽の門外漢にはマニアックかな。

  • のだめカンタービレ(時々「ピアノの森」「神童」)をピアニスト的に検証するノンフィクション。
    書店員だったら、絶対のだめの側に置いて販売したい一冊。

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著者プロフィール

ピアニスト・文筆家。安川加壽子、ピエール・バルビゼの両氏に師事。フランス国立マルセイユ音楽院卒。東京藝術大学大学院博士課程修了。学術博士。武満徹、矢代秋雄、八村義夫作品を集めたリサイタル『残酷なやさしさ』により平成元年度文化庁芸術祭賞。演奏と文筆を兼ねる存在として注目を集め、安川加壽子の評伝『翼のはえた指』で吉田秀和賞、『青柳瑞穂の生涯』で日本エッセイストクラブ賞、『六本指のゴルトベルク』で講談社エッセイ賞、CD『ロマンティック・ドビュッシー』でミュージックペンクラブ音楽賞。2020年、浜離宮朝日ホールにて演奏生活40周年記念公演を開催。テレビ朝日『題名のない音楽会』、NHK Eテレ『らららクラシック』、『ラ・フォル・ジュルネ音楽祭』『東京・春・音楽祭』等にも出演。日本演奏連盟理事、日本ショパン協会理事、養父市芸術監督。大阪音楽大学名誉教授、神戸女学院大学講師。

「2023年 『安川加壽子の発表会アルバム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

青柳いづみこの作品

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