ピアニストが読む音楽マンガ ボクたちクラシックつながり (文春新書 622)
- 文藝春秋 (2008年2月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
- / ISBN・EAN: 9784166606221
感想・レビュー・書評
-
帯にー『のだめカンタービレ』『ピアノの森』『神童』はクラシックの世界の「開けゴマ」ーとかかれていたので再読しました。
目当ては、今月末から始まるTVアニメの『ピアノの森』(後編)のことがのっていたような気がしたからですが、数か所にちらっとでてきましたが、ほとんど、『のだめ』で、ちょっと期待はずれでした。
青柳いづみこさんのご著作は、他も拝読していますが、これは少し前の『のだめ』ブームの時にかかれたものでしょう。
たぶん1回目は私もそのころに読んで面白いと思ったので、今回再読しましたが、(もちろん1回読んでいるからですが)知っていることばかりで、青柳さんのご著作の中では最も初心者向けだと思います。
「ピアニストが読む音楽マンガ」とうたっているのだから、『のだめ』以外のマンガにも(特に『ピアノの森』)もっといろいろと触れてほしかったです。
どこかにでてくるんじゃないかと、最初から最後まで、数時間かけて1度読んだのにまるまる1冊読んでしまいました。
ダニエル・バレンボイムの自伝はいつか時間のあるときに読んでみたいです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「のだめ」が好きな人には楽しい一冊。専門家がわかりやすく音楽的背景を説明してくれる。クラシックの歴史についても触れられていて、ふーん、そうなのか、ということが次々出てくる。
一方で、大方の音楽を志す人がたどる厳しい道をあらためて知り、ため息が出る。音楽に限ったことではないが、ごく一握りの一流の人以外にとって、「才能」って残酷だなあと思ってしまう。それでも努力し続ける人にしか見えない景色があるのだろう。 -
のだめとピアノの森を読んでからもう一回読みたくなった。 もし、仮に、ピアニストになりたいって思う子になったらもう一度読み返そう。 ピアノの苦悩を描きつつ、面白さも伝えてくれている。
-
読みやすいエッセイ。漫画をすでに読んでいるので、ウンウンと頷きながら読めた。漫画を知らないとわからないかも。個人的に第8章の音楽は人間が出る に共感。うちの子のピアノはフランクなんだなー。女子だけど。
-
ピアニストで文章も書く著者が、ピアノの森やのだめカンタービレといったマンガをテーマに著述。プロの音楽家の実際、ホンネといったところがなかなかに面白い。
-
のだめカンタービレや森のピアノ(主にのだめ)を例に、クラシック奏者、特にピアニストにまつわる様々の話を綴っている。
クラシック界の懐具合の現実とか、ちょっと驚き。 -
のだめ~はかれこれ15年くらい前のまんがだったと思う。当時今1つピンと来なかったのは、基礎知識(楽典、曲)だけでなく、音大の独特の雰囲気や、学生の習性に関する知識がなかったから。本書でようやく少しその一端を見れた。
本書の各章冒頭にあるようなQは自分は特に持っていなかったが、面白い回答で良かった。一方、所詮芸術、特に音楽は金持ち?の道楽なのかねえ、とか思ってしまった。不良債権とはとても言えないが、現実的な話を読むと、つい・・ -
のだめを読みたくなった。
-
「のだめカンタービレ」「ピアノの森」などを通して、クラッシックの世界がわかりやすく解説されていた。著者の音楽への愛が感じられた。
-
『のだめカンタービレ』や『神童』、『ピアノの森』を導きの糸に、クラシック業界のあれこれを紹介する本。
ピアニストの登竜門は、もはやコンクールが主流ではないとか、世界最高の音楽学校は、パリ音楽院でもないとか、なかなか面白かった。
青柳さんほどの音楽家でも、オーケストラや指揮のことだと難しいこともある(ドボルザークの交響曲で、いくつかわざと通常の演奏と違う音やパートに変えた演奏は、聞き取れない)ということも、驚き。
暗譜のプレッシャー、演奏旅行での消耗、孤独、経済的困難。
こういった、厳しい現実がありながらも、音楽でつながっている幸福を示して本書は締めくくられる。
この結末に納得できるかどうかは、読者次第かな。