- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784166606290
作品紹介・あらすじ
母を信長に殺されて、数奇な生涯を絵筆に託した謎の天才、岩佐又兵衛。江戸初期の生命力と退廃美をきわめた絵師の妖しい魅力を、日本美術の権威・辻惟雄が読み解く。
感想・レビュー・書評
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岩佐又兵衛を「発掘」した著者の新書
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辻惟雄 岩佐又兵衛 評伝
著者の又兵衛論の総まとめ的な内容
副題「浮世絵をつくった男の謎」の通り、又兵衛を浮世絵の祖として、出自から人生をたどり、作品の謎に迫っている
絵巻「山中常盤」と 風俗画「舟木屏風」について、又兵衛作か否かの検証は面白かった。2作品とも又兵衛作という結論なのだが、「舟木屏風」は 著者のこれまでの主張を覆している
徳川と豊臣の対立構図であり、江戸時代を現す風俗図である「舟木屏風」を見てみたい。東京国立博物館にあるらしい
本の表紙になっているグロテスクな絵(常盤の悲惨な死)が印象に残る絵巻「山中常盤」は、又兵衛が 戦国大名の子として生まれながら家門が滅亡し、母の悲惨な死を目にしたことに影響したとしている。絵巻が敵討ちで終わる構造から考えると、その通りだと思う
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又兵衛から浮世絵は始まったって知らなかった。
艶で躍動感があって・・絵が物語っている。 -
私は美術史の素養はまるでないのですが、そんな私でも謎解きのように楽しめる本でした。新書なのにオールカラー。これだけでもすごい。
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新書なのにカラー図版多いのがうれしい
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「浮世絵をつくった男の謎」 と副題された新書版。又兵衛は、荒木村重の末子、母を信長に殺されて、数奇な生涯を辿った、浮世絵の始祖で、岩佐は母方の姓です。
豊頬長頤の顔つき、マンガ的な目つき、「山中常盤物語絵巻」 のおどろおどろしさ、著者は、又兵衛研究の泰斗、その総決算として妖しい魅力に溢れた一冊、カラー写真も豊富です。 -
岩佐又兵衛が描いたと言われる浮世絵の特徴がよく分かり面白い。浮世絵の写真もたくさんカラーで載せられており、わかりやすい。コミカルな表情でいながら、凄惨な場面を描いた絵は圧倒された。