浮世絵をつくった男の謎 岩佐又兵衛 (文春新書 629)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 144
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166606290

作品紹介・あらすじ

母を信長に殺されて、数奇な生涯を絵筆に託した謎の天才、岩佐又兵衛。江戸初期の生命力と退廃美をきわめた絵師の妖しい魅力を、日本美術の権威・辻惟雄が読み解く。

感想・レビュー・書評

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  • 岩佐又兵衛を「発掘」した著者の新書

  • 辻惟雄 岩佐又兵衛 評伝

    著者の又兵衛論の総まとめ的な内容

    副題「浮世絵をつくった男の謎」の通り、又兵衛を浮世絵の祖として、出自から人生をたどり、作品の謎に迫っている




    絵巻「山中常盤」と 風俗画「舟木屏風」について、又兵衛作か否かの検証は面白かった。2作品とも又兵衛作という結論なのだが、「舟木屏風」は 著者のこれまでの主張を覆している


    徳川と豊臣の対立構図であり、江戸時代を現す風俗図である「舟木屏風」を見てみたい。東京国立博物館にあるらしい




    本の表紙になっているグロテスクな絵(常盤の悲惨な死)が印象に残る絵巻「山中常盤」は、又兵衛が 戦国大名の子として生まれながら家門が滅亡し、母の悲惨な死を目にしたことに影響したとしている。絵巻が敵討ちで終わる構造から考えると、その通りだと思う










  • ふむ

  • 又兵衛から浮世絵は始まったって知らなかった。
    艶で躍動感があって・・絵が物語っている。

  • <目次>
    はじめに  又兵衛論の総決算として
    第1章   伝記と落款のある作品
    第2章   又兵衛の謎~没後の言い伝え
    第3章   <又兵衛風絵巻群>の出現と論争
    第4章   <又兵衛風絵巻群>の驚くべき内容
    第5章   又兵衛と風俗画~又兵衛はどんな風俗画を描いたか
    おわりに  又兵衛から浮世絵は始まった

    <内容>
    山下裕二の本を読んでいて、「岩佐又兵衛」をあまり知らないことに気づいて、研究の第一人者の辻先生の本を手に取った。結構グロいのを書いているんですね。また伝記は何となく知っていたが、江戸初期には結構人気で、工房を持っていたとは…。似た作品が作られているのも納得です。本物を見たくなります(舟木本とか山中常盤絵巻の一部は見た気がするけれど…)。

  • 私は美術史の素養はまるでないのですが、そんな私でも謎解きのように楽しめる本でした。新書なのにオールカラー。これだけでもすごい。

  • 新書なのにカラー図版多いのがうれしい

  • 「浮世絵をつくった男の謎」 と副題された新書版。又兵衛は、荒木村重の末子、母を信長に殺されて、数奇な生涯を辿った、浮世絵の始祖で、岩佐は母方の姓です。
    豊頬長頤の顔つき、マンガ的な目つき、「山中常盤物語絵巻」 のおどろおどろしさ、著者は、又兵衛研究の泰斗、その総決算として妖しい魅力に溢れた一冊、カラー写真も豊富です。

  • 2015/12/11購入

  • 岩佐又兵衛が描いたと言われる浮世絵の特徴がよく分かり面白い。浮世絵の写真もたくさんカラーで載せられており、わかりやすい。コミカルな表情でいながら、凄惨な場面を描いた絵は圧倒された。

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著者プロフィール

東京大学名誉教授/多摩美術大学名誉教授

「2021年 『日本美術の歴史 補訂版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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