零戦と戦艦大和 (文春新書 648)

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (195ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166606481

作品紹介・あらすじ

日本はなぜアメリカに勝てないのか?この問題の原点として太平洋戦争での海軍の戦闘を捉え直す。論客達の議論から日本の現場力・技術力、そして零戦・大和の真の実力が明らかに。「文藝春秋」の人気座談会を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 半藤さんの太平洋戦争ものや昭和史は大好物なのですが、この本は対談形式。
    江畑謙介氏とか懐かしいお名前があって、当時テレビに出演されていたお姿が目に浮かぶ。
    第1部は帝国海軍と米国海軍との比較論。
    結局のところ人の問題に行き着くのだと思う。能力だったり人事とかも含めて。
    第2部は本書のタイトル、零戦と戦艦大和の功罪について。
    如何に当時としては優れた兵器を有効に活かせなかったのか、行き着くところこれまた人の問題になるのか。
    有能な人よりも縁故採用だったり学閥や精神論が幅を利かせるような無能な人が出世するような環境では回りに害悪しか及ぼさないし、ましてや軍隊という組織ではそりゃ戦争に勝てませんよ。
    日本は現代でも同じような状況の組織がまだまだ多いのではないかとふと思ったりもする。現場の人間は有能だけど管理部門が残念だったりとか。
    本書は非常に読みやすかった。脚注も簡潔で。
    似たような対談形式の書籍が他にもあるようなのでそちらも読んでみたいと思う。

  • 2021年末の大掃除で発掘した本です、この本は2021年の間に読む本の様ですね。読みかけになっていたために、評価は「★一つ」にしております。内容が不満足だったわけではありません。

    2021年12月29日作成

  • 少年時代に夢中になったプラモデルの代表格は「ゼロ戦」と「戦艦大和」だった。日本が世界一を誇った戦闘機と巨大戦艦を持ちながら太平洋戦争で勝てなかった理由について、各界の評論家が語った「文藝春秋」の座談会の記録である。 敗戦の原因は枚挙に暇がないが、「零戦と戦艦大和」の悲劇は、〝特攻〟を最後の攻撃手段としたことにある。即ち軍部の戦争に対するインテリジェンスの欠如こそが、敗戦の総体的要因と考えざるを得ない。

  • 戦前の日本の考え方、対応方法について考えさせ、現在の日本の在り方を考えさせられる本。
    おすすめ。

  • 第一部はあまり興味をそそられる内容ではなく、軽く読んだ。第二部はタイトルでもある、零戦と大和について。全体を通して感じた事は今も昔も米国には敵わないという事。だがしかし、今日の日本が発展したのは戦艦大和や零戦の技術だと感じた。

  • ゼロ戦と戦艦大和を題材に、「なぜ日本はアメリカに敗れたのか」について論じた本。ゼロ戦については「固体としての性能を追求したあまり、生産、整備の効率が非常に低い」日本に対し、「固体性能はある程度妥協しても生産、整備の効率重視」と割り切り、トータルの戦力として考えたアメリカ。戦艦大和については「超極秘」として隠し続けた日本の発想とは逆にアメリカなら「存在を喧伝して抑止力として利用する」など彼我の発想の違いを思い知らされます。

  • 本書は文藝春秋誌上で行われた座談会をまとめたものです。座談会は読みやすいので、すらすら読めます。(もっとも内容を理解しているとは限りませんが)
     識者たちが縦横無尽に論じるのが面白いですが、反面、座談会という性格上、根拠がどこから出てきているのか出典が不明確な事が欠点です。また座談であって論争ではない事も残念です。
     本書の感想からはそれますが、研究の成果を論じあい切磋琢磨する場所があってもいいと思います。

  • 対談集なので総論はあるが、結論はない。そういった意味での評価。

  • [ 内容 ]
    日本はなぜアメリカに勝てないのか?
    この問題の原点として太平洋戦争での海軍の戦闘を捉え直す。
    論客達の議論から日本の現場力・技術力、そして零戦・大和の真の実力が明らかに。
    「文藝春秋」の人気座談会を収録。

    [ 目次 ]
    第1部 帝国海軍vs米国海軍―日本はなぜアメリカに勝てないのか?(日米対決の宿命―マハンの『海軍戦略』とルーズベルト家の策略 リーダー、戦略、人事―ニッポン型現場主義vs米国型独裁トップ イノベーションと技術力―職人芸、名人芸vs大量生産、サイエンス インテリジェンス戦争―ミッドウェー海戦と海軍乙事件 上司と部下―戦時の美意識と民主主義 失敗の本質―非常時に求められる「リアリズム」)
    第2部 零戦と戦艦大和―世界最高兵器の栄光と悲惨(無敵戦闘機と巨大戦艦の誕生―“すりあわせ”で世界の頂点に 山本五十六は大和建造に猛反対した?―大艦巨砲か、航空主力か 零戦の致命的弱点は?―「性能」と「戦力」の間 大和をどう使うべきだったのか?―戦略の不在と現場力の凄さ ニッポン技術力の限界―官主導の弊害、後発工業国の哀しさ ものづくり立国への遺産―新幹線、ホンダF1、「世界一」の記憶)

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • Needless to say, Zero-fighter and Yamato are Japanese proud masterpieces. This book discuss their bright and blind sides.

    ZEKE:
    adv:long-reach, good controllability at slow speed, high-powered firearms
    disadv: poor protection of pilot, poor controllability at high speed, low-power engine
    zero fighter: craft products, American battle planes: industry ones

    YAMATO:
    adv:overwhelming cannon, strong protection= thick iron deck,
    disadv: battleship in itself no longer in pivotal role at that time, low-powered engine, enemy move during Yamato shoot cannon = low hit-probability

    differences of philosophy between Japanese and American military:
    (=defects in Japanese military)
    don't expect the worst case (make little of protection, lack of instructions in case of being captured by the enemy, etc)

    Zero fighter and Yamato as heritages for postwar Japan:
    memory that our ancesters once manufactured the world best things
    engineers who had been involved in Z & Y planted seeds of postwar industry in Japan-->NIKON, SHINKANSEN, YS-11, HONDA, SUBARU

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著者プロフィール

半藤 一利(はんどう・かずとし):1930年生まれ。作家。東京大学文学部卒業後、文藝春秋社入社。「文藝春秋」「週刊文春」の編集長を経て専務取締役。同社を退社後、昭和史を中心とした歴史関係、夏目漱石関連の著書を多数出版。主な著書に『昭和史』(平凡社 毎日出版文化賞特別賞受賞)、『漱石先生ぞな、もし』(文春文庫新田次郎文学賞受賞)、『聖断』(PHP文庫)、『決定版 日本のいちばん長い日』(文春文庫)、『幕末史』(新潮文庫)、『それからの海舟』(ちくま文庫)等がある。2015年、菊池寛賞受賞。2021年没。

「2024年 『安吾さんの太平洋戦争』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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