「古事記」の真実 (文春新書)

  • 文藝春秋 (2008年8月20日発売)
3.09
  • (0)
  • (6)
  • (14)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 113
感想 : 12
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (296ページ) / ISBN・EAN: 9784166606498

みんなの感想まとめ

この作品は、古代日本の神話と文化を深く掘り下げ、特に「古事記」に対する新たな視点を提供しています。著者は、稗田阿礼を日本最初の女性作家として位置づけ、彼女の役割や天武天皇の意図を探求することで、日本の...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • <卑弥呼の鏡パワーに拝跪せよ>
    この作者をジャーナリストとして理解していて、学術的な本はあまり信用してしなかったが、この本によって考えを改めた。
    「古事記」に対する深いアプローチは、この作者が只者ではないことを十分に証している。

    稗田阿礼が女性であったと言う過去から何度も指摘されている発想を、「古事記」の記述内容から明らかにしていくプロセスは、最初は「おいおい、いくらなんでもそれはないよ」と思わせるものの、最後は作者の論理に「うーん」と唸らされてしまった。

    「古事記」編集のプロセスそのものが、日本語を作り上げると言う天武天皇の悲願成就だった、と言う指摘は鋭い。
    唐文化に彩られた近江王朝を壬申の乱によって滅ぼすことで、勝者天武は日本のアイデンティティ確立を図った、という見立てだ。
    日本という国家の原型がここに初めて形作られたのだ。

    出雲神話の位置付けを語りゆくと、そこに太古(縄文海進期)の記憶が反映されている!という驚くべき結論に辿り着く。
    古代日本にあって鑑の持った心霊的パワーを掘り下げる記述もスリリングだ。

  • 『古事記』も『日本書紀』も同じような内容の書物だと思っていたが、どうやらそうではないことがよくわかった。
    個人的には、第5章「森鴎外と津田左右吉の苦衷」がおもしろかった。
    後半、特に伊勢神宮の式年遷宮にまつわる説明はくだくだしい。『古事記』との関わりも今ひとつはっきりとはせず、なくてもよかったのではないか。

  • 過去を太安万侶に語った実質的な著者とも言える稗田阿礼が実は女性だった!そして日向の高千穂峡への天孫降臨の神話は、大和ではなく、実際に間違いなく日向の話からスタートしている!常識を打ち破るような主張ですが、説得力があります。古事記が昭和前半に悪用されて非常に残念なことであったと思いますが、改めて映画化された例えば「ザ・ロード・オブ・ザ・リング」などと比較してもひけをとらないファンタジー世界だと感じました。津田左右吉、本居宣長などが古事記をどのように捉えていたか、詳しいです。そして、実は古事記を生んだ事実上の著者は支配者・天武天皇であったというのは疑いを挟むことのない事実なのでしょうね。

  • 史料集としての「日本書紀」とものがたりとしての「古事記」

    学術的展開でも、個人的にはどうかと

  • 第1週 1/11(水)~1/18(火)
    テーマ「日本・日本人・日本語」

    ↓貸出状況確認はこちら↓
    https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/BB00174065

  • 静岡本館開架5F新書 081/B89/S649

  • [ 内容 ]
    恋あり。
    闘いあり。
    和合あり。
    何と『古事記』の人間くさいこと。
    神話と日本語の誕生の謎に迫り、次々に浮かび上がる新たな真実。
    古代をスリリングに実証的に読み解く名ガイド。

    [ 目次 ]
    稗田阿礼は日本最初の女性作家
    日本語の父は天武天皇
    天武天皇の鑑は聖徳太子
    楽劇としての古事記
    森鴎外と津田左右吉の苦衷
    高天原は高千穂峡
    神代を伝える原郷
    須佐之男命とは何者か
    出雲大社の示すもの
    天照大御神の誕生
    古代が息づく伊勢神宮
    われわれにとって「カミ」とは何か

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  •  『古事記』について、ほんの序の口ながら少しずつ扉に近づいている。しかし、その理解たるや遅々としてすすまない。

     有坂秀世の音韻学の業績や、稗田阿礼の女性説、天武天皇の役割など、「戦後日本の最大のタブーを解く」とするサブタイトルに迫ろうとする意欲と斬新さが基調となっている。

     しかし古事記自体の壮大さの前に、読者の立場からする一読では作者の意図を理解するのは難しいとの感をうけた。
     正月など時間のとれるときに、他事をわすれて没頭してみたい。

  • 古事記というのは殆ど神話だと思ってました。歴史的な背景が見えてくると、もう一度読んでみたくなります。

  • 通勤読書で1週間ほど書けて読みましたが、、。興味深かったですが、正直消化不足。これは家でゆっくり読んだほうがよい。
    タイトルにあるような、何らかの真実が語られていたとは思わないではないけれど、、。
    とはいえ、昔過ぎて真実を証明する史料が出るとも思わないから、学者より作家の方が大胆に仮説を立てて、自由に表現できるためか、読み物として面白かった。
    八百神の神々が登場するので、古事記を読み直したくなった。

全10件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

長部日出雄(おさべ ひでお)
1934年9月3日 - 2018年10月18日
青森県弘前市出身の小説家、評論家。故郷である津軽についての小説、エッセイを多数刊行。
早稲田大学文学部哲学科中退。1957年『週刊読売』記者に。その後退職し、雑誌『映画評論』編集者、映画評論家・ルポライターを経て、作家になる。
1973年『津軽じょんから節』『津軽世去れ節』で第69回直木賞、1979年『鬼が来た-棟方志功伝』で第30回芸術選奨文部大臣賞、1986年『見知らぬ戦場』で第6回新田次郎文学賞をそれぞれ受賞。2002年『桜桃とキリスト もう一つの太宰治伝』により第29回大佛次郎賞・第15回和辻哲郎文化賞を受賞。紫綬褒章受章。
それ以外の代表作に『天皇はどこから来たか』『「古事記」の真実』など。2018年10月18日、虚血性心不全のため死去。

長部日出雄の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×