ブログ論壇の誕生 (文春新書)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 253
レビュー : 44
  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166606573

感想・レビュー・書評

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  • 図書館で借りた本。
    ブログで発生した社会的な問題についての論争14件を紹介し、ブログが私的な範囲を超えたテーマを議論する場所=公共圏として機能する姿を追う。

    堅実な語り口で清濁混じった論争をサクサクと紹介していく、佐々木俊尚さん特有のスタイルは議論の概観と、いくつかのブログからの抜書きで構成されている。これが浅く広くという感じで、普段twitterや2ちゃんねるまとめサイトで議論を追っている僕にはいささかあっさりしすぎている。

    個人的に残念なのは、駆け足で紹介されていく個々のテーマに、深く切り込んでいる箇所が乏しいこと。
    ブログの議論をきちんと理解するには、ネットを眺めて分析し、紹介するだけでなく、実際に書き込みを行っている人に直接切り込まないといけないんじゃないかな。

    普段のニュースを、新聞やTVなどのオールドメディアで確認している人向けの本という印象。

  • 情念の表出は、文章のメディアではなく、動画という情念的なメディアとの方がより親和性が高い。ここの圏域に、ニコニコ動画はきわめて見事にはまっているのである。p76

    「(戦争の)悲惨さは『持つ者が何かを失う』から悲惨なのであって、『何も持っていない』私からすれば、戦争は悲惨でも何でもなく、むしろチャンスとなる。(中略)社会に出た時期が人間の序列を決める擬似デモクラティックな社会の中で、一方的にイジメ抜かれる私達にとっての戦争とは、現状をひっくり返して、『丸山眞男』の横っ面をひっぱたける立場にたてるかもしれないという、まさに希望の光なのだ」p129

    「トリアージ」というのは、フランス語の triage(選別)からきた言葉で、地震や火災、列車事故などの大規模災害医療で、けが人に治療の優先順位を付けるシステムだ。p132

    米スタンフォード大のローレンス・レッシング教授は、人間の行動を規定するものとして①規範②法律③市場④アーキテクチャ(システムの設計概念)の四種類を挙げた。p226

    「マスメディアとインターネットの非対称戦争」p232

  • 第4週 2/1(水)~2/7(火)
    テーマ メディアとコミュニケーション


    ↓貸出状況確認はこちら↓
    http://yamato.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/ctlsrh.do?bibid=BB00174072&maxcnt=1000&listcnt=50

  • 「ブログ論壇の誕生」というタイトルだが、内容は「ロストジェネレーションと格差社会」とでもいうべき内容。
    かつては発言の機会もなかった一般層がブログをはじめとしたネットを使った発言が可能となり、その中核が1970年代生まれの「ロストジェネレーション」だ、というお話。
    同じネットを活用する若い世代といっても、実はケータイ育ちのゆとり世代とインターネット黎明期にネットに出会ったロストジェネレーションではイデオロギーも問題意識も全然違う、ということをよく理解しないとブログ論壇(というかネット論壇)は理解できないだろう。

  • キュレーターの佐々木俊尚氏のブログについての新書。2008年第1刷発行。

    ネット上で話題になった事件、いわゆる『祭り』を取り上げ、個々人のブロガーがどう言った反応を閉めしてきたか、といったことをまとめたような内容。

    全体的に、ブログというよりも2ちゃんねるの反応じゃね?と言った感じもしなくはなかった。
    ライブドアの人気記事ランキングは2ちゃんねるのまとめブログ系のサイトばかりであることからもわかるように、ある意味、2ちゃんねらーの反応≒ネット世論の反応とも取ることができるのも事実なのかな?

    とはいえ2011年の現在では、TwitterもUstreamもある。Facebookの勢いも凄い。より個人が世間に対して発信する機会、手段が充実しハードルが下がっている、かつそれを受け取りやすくなっている。

    ***************************

    Ⅰ ブログ論壇はマスコミを揺さぶる
    第1章 毎日新聞低俗記事事件
    第2章 あらたにす
    第3章 ウィキペディア

    Ⅱ ブログ論壇は政治を動かす
    第4章 チベット問題で激突するウヨとサヨ
    第5章 「小沢の走狗」となったニコニコ動画
    第6章 志位和夫の国会質問
    第7章 安倍の窮地に暗躍した広告ロボット

    Ⅲ ブログ論壇は格差社会に苦悩する
    第8章 辛抱を説く団塊への猛反発
    第9章 トリアージ
    第10章 承認という問題
    第11章 ケータイが生み出す新たなネット論壇世界

    Ⅳ ブログ論壇はどこへ向かうのか
    第12章『JJ』モデルブログ
    第13章 光市「1.5人」発言ーブログの言論責任は誰にあるのか
    第14章 青少年ネット規制法
    第15章 「ブログ限界論」を超えて

    おわりに
    あとがき
    特別付録/佐々木俊尚が選んだ著名ブロガーリスト

    ***************************

  • 11041

    04/22

    ・ツィッター以前のネット事情。

  • [ 内容 ]
    インターネットの世界に出現した巨大なブログ論壇。
    その新しい言論は、古い言論を支配していた団塊世代と激しく対立し超克しようとしている。
    新たな公共圏生成のインパクトをレポート。
    特別付録・佐々木俊尚が選んだ著名ブロガーリスト。

    [ 目次 ]
    1 ブログ論壇はマスコミを揺さぶる(毎日新聞低俗記事事件 あらたにす ほか)
    2 ブログ論壇は政治を動かす(チベット問題で激突するウヨとサヨ 「小沢の走狗」となったニコニコ動画 ほか)
    3 ブログ論壇は格差社会に苦悩する(辛抱を説く団塊への猛反発 トリアージ ほか)
    4 ブログ論壇はどこへ向かうのか(『JJ』モデルブログ 光市「1・5人」発言?ブログの言論責任は誰にあるのか ほか)

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
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    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 今の「ブログ」によるムーブメント、カルチャーがいかなるものか 複数の観点から経緯やら影響やらを総じて語った本。 かつての「論壇」という世論形成媒体が、実は形を変えて今や Web上に存在するのだよ、ということがタイトルになっている。 まー今や当たり前の「ブログ」を、ここ数年間振り返ってみて 様々なエピソードを筆者の主張とともにまとめてますな。 まとまっていて良いのですが、Webの中の人であれば 読んでも今更新しい発見はないです…当たり前ですが。 Webからちょっと距離のある人にはとてもオススメできる よくできた「まとめ」本ですね。

  • 佐々木俊尚の「ブログ論壇の誕生」を先日読んだ。著者・佐々木俊尚氏は、毎日新聞社からアスキーへとわたり、現在はIT、ネットを主テーマに著作活動を続けているフリーのジャーナリスト。「ブログ論壇」という思い切ったテーマ設定に興味を覚え、購入したという訳である。

    時代は「自己テキスト」の時代である。ブログをはじめとしたITメディアの拡大により、市民は簡易なる自己表現の手段を持つことになった。同書においてもそうしたITネット社会の拡大を基にした綿密な状況分析が述べられている。IT、ネットの専門ライターであるだけに、その検証の筆力には脱帽である。だが、論点を強引に彼自身の結論へと引っ張り込もうとする意図を見て取るにつけ、当初の脱帽は、眉唾へと変わっていた。読了してみれば、彼自身が設定した仮説的論点をこれでもかこれでもかと拡げていくような、なんだか空虚な主張に染められていて、仕舞いには白々した読後感に襲われている。何なんだろうこの空虚な主張の根拠とは?

    最大の疑問は「ネット論壇」なるもの自体が存在し得るのか? という疑問である。「論壇」と云えば聞こえは良いが、所詮不特定多数同士の主張のし合い。しかもそのほとんどが「匿名性」によって庇護された者同士の「議論」である。そもそも本来の議論の名に値しないネット上の遣り取りに根拠を置く代物を指して「論壇」と称すること自体にかなりの無理が生じているのだ。ネット上のコミュニケーションには可能性もあるがその限界も存在する。そのことを忘れてはならないのである。

  • 最初はブログ礼賛的な内容かと思ったが、
    最近の社会事情とネットでの動きがコンパクトに紹介してあって、
    新書にふさわしい内容。
    手軽に今どうなってるのか事情通から教えてもらっている感じで面白かった。
    http://takoashiattack.blog8.fc2.com/blog-entry-1081.html

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著者プロフィール

佐々木 俊尚(ささき としなお)
1961年生まれ、兵庫県出身。早稲田大学政治経済学部政治学科中退後、1988年毎日新聞社入社。記者として勤めたあと、1999年『月刊アスキー』の編集部デスクに転身。2003年退職後、主にIT分野やメディア業界に関わるフリージャーナリストとして活躍。大学非常勤講師なども担当している。
代表作として、2010年度大川出版賞を受賞した『電子書籍の衝撃 -本はいかに崩壊し、いかに復活するか?』、『キュレーションの時代』など。近年は『家めしこそ、最高のごちそうである。』といった自宅料理についての著作もある。

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