- Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
- / ISBN・EAN: 9784166606856
作品紹介・あらすじ
ファーブル『昆虫記』、ワトソン『二重らせん』、カーソン『沈黙の春』、ガリレオ『星界の報告』、ニュートン『プリンキピア』、アインシュタイン『相対性理論』等々、世界を変えた理系本を取り上げ、知っているようで知らないその中身、当時のエピソード、そして現代にどう役立てるかなどをわかりやすく解説。エデュケイション(教育)とエンターテインメント(娯楽)が合体したエデュテインメントな一冊。
感想・レビュー・書評
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ダーウィン『種の起源』やレイチェル・カーソン『沈黙の春』、アインシュタイン『相対性理論』など、自然科学分野の礎を彩った14の作品が挙げられています。
「著者の生い立ち」から始まり、「本書の概要」「その後の世界への影響」「著者や著書に関するエピソード」「著者の教訓」さらに「本文紹介(一部)」、さらにさらに「本書が関連する現代の本」まで、概要としてはなんとも丁寧なまとめです。
読んでいる最中に“日本へヒアリ初上陸か”というニュースを聞き、ヒアリ(火蟻)に触れているレイチェル・カーソンの『沈黙の春』が再注目されていると耳にしました。この本を読む良いタイミングだったように思います。
理系出身の方にとっては周知の情報かもしれません。しかし著者の名前とタイトル程度しか把握しておらず、原作に手を伸ばすのは少々敷居が高いなぁと思っていた生粋の文系育ちの私にとっては有難い一冊でした。本書で知ったふりをするのではなく、ちゃんと原作にも手を伸ばしたいと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
多くの名著の書いた人、書かれてる内容、本編のさわり、発刊後の影響などが書かれている。
名前は知っているが何をした人か知らない人も多くいた。
著者の理系好きがヒシヒシと伝わって来て、紹介された本をつい読みたくなる。
紹介文では読みやすいと書かれてる本も多いが、素人が読むと難しいのでは?と思うが、どれか1つでも読んでみようと思う。 -
私大文系の僕からは一番距離の遠い本かもしれませんσ^_^;
ただ読んでみて知りたかったことが書かれてるなあと思いました。
「思いつきをサイエンスにするための大切な仮説と実証」
サイエンスは仕事とも言い換えることができます。
仕事も思いつきだけでは前に進みません。
仮説と実証を繰り返して初めて実現に至ります。
昔の偉人も多くの苦労をされたんやなあと思います。
「新しいサイエンスを生み出すと言う本来の仕事の他に社会の圧力に対抗して新たな考え方を世に出さなければならなかった」
単に科学の証明だけでなく非科学とも戦わなくてはいけなかった先人。
ダーウィンの進化論を上げるまでもなく教会との対立はいかばかりやったかと思います。
大きなことをしようと思ったら軋轢に負けず仮説と実証を繰り返すしかないんやなと思います。 -
名著そのものの解説もあるが、ファーブルがどんな人だったかなど、人物像や時代背景などの解説も詳しく、本の中身を知るというより、文系の人が広く知識を得るにはお勧め。
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文系だが、最低限の理系の知識もほしいなと思い読んだ。
非常にわかりやすく、本の内容だけでなく著者の生い立ちやエピソード、その発見がどのように世界に影響したのかなども交えていて、文系寄りの本である。 -
原典が読みたくなった
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ほんわりとは知っているけれどよく知らない、理系の名著の概要を一気に知ることができる。空想を科学にしていくための人々の熱情がびしばし伝わってくる作者の書き味が素敵。
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教科書に出てくるような有名な理系著書14冊について、それぞれ作者のプロフィール、書籍の概要、世界に与えた影響がわかりやすく記載されている。
・ダーウィンは金持ちのおぼっちゃん
・パブロフは犬ではなく消化生理でノーベル賞をとった
・レイチェルカーソンの「沈黙の春」で残留農薬の危険性が知られるようになった
・ハッブルの「銀河の世界」は一般人でも読みやすいらしい -
鎌田浩毅(1955年~)氏は、東大理学部地学科卒、通産省(現・経済産業省)地質調査所主任研究官、米国内務省カスケード火山観測所上級研究員、京大大学院人間・環境学研究科教授等を経て、京大レジリエンス実践ユニット特任教授、京大名誉教授。専門は火山学、地球変動学。「科学の伝道師」を自認し、科学教育、アウトリーチにも力を入れ、京大で行っていた講義「地球科学入門」は毎年数百人を集める、教養科目1位の人気講座。一般向けの科学書や啓蒙書も多数執筆。
本書は、世界の新しい見方を与えると同時に、現代文明の基礎を作ってきた、理系の歴史的名著14冊を取り上げ、それぞれについて、「書いたのはこんな人」「こんなことが書いてある」「その後、世界はどう変わったか」「エピソード」「科学者の教訓」「さわりピックアップ(原書の一部の引用)」という項目で、その魅力を紹介したものである。また、コラムとして、それぞれの名著から著者が想像を膨らました現代の関連書も紹介されている。
尚、取り上げられた14冊は以下である。
第1章:生命の世界・・・ダーウィン『種の起源』、ファーブル『昆虫記』、メンデル『雑種植物の研究』、ワトソン『二重らせん』
第2章:環境と人間の世界・・・ユクスキュル『生物から見た世界』、パヴロフ『大脳半球の働きについて~条件反射学』、カーソン『沈黙の春』
第3章:物理の世界・・・ガリレイ『星界の報告』、ニュートン『プリンキピア』、アインシュタイン『相対性理論』、ハッブル『銀河の世界』
第4章:地球の世界・・・プリニウス『博物誌』、ライエル『地質学原理』、ウェゲナー『大陸と海洋の起源』
私はこれまで、『二重らせん』、『生物から見た世界』、『沈黙の春』の3冊は読んだが、そのほかについては、原著者の歴史的な功績の概要は知りつつも(ライエルのことは知らなかったが)、著作を手に取ることはなかった。それは、現代において読むなら、むしろその後の研究成果などを含んだ、その分野の(一般向け)解説書の方がいいのではないかという考えによる(また、いくつかの本は大部であることにもよる)のだが、本書を読んで、それぞれの著作・原著者の持つ様々な面を知ることができ、とても参考になったし、更には、原書を読んでみたいという思いも喚起された。
「科学の伝道師」の鎌田氏ならではの一冊といえるだろう。
(2022年4月了) -
誰もが名前を知ってる、でもあまり読んだ事はない、そんな名著とその著者を紹介した本。
どの本も大変魅力的に紹介されているため、実際に原著を手にとって読んでみたくなりました。
どの本をとってみても「意外と読みやすい」との事。時代の先駆者達が、自分たちの研究をどうやって伝えるか、苦心した結果と言えるそうです。
天才の人間っぽさが感じられて好きですね。
以下紹介図書のリスト。
ダーウィン「種の起源」
ファーブル「昆虫記」
メンデル「雑種植物の研究」
ワトソン「二重らせん」
ユクスキュル「生物から見た世界」
パブロフ「大脳半球の働きについてー条件反射学」
カーソン「沈黙の春」
ガリレイ「星界の報告」
ニュートン「プリンキピア」
アインシュタイン「相対性理論」
ハッブル「銀河の世界」
プリニウス「博物誌」
ライエル「地質学原理」
ウェゲナー「大陸と海洋の起源」