世界がわかる理系の名著 (文春新書 685)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 75
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  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166606856

感想・レビュー・書評

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  • 名著そのものの解説もあるが、ファーブルがどんな人だったかなど、人物像や時代背景などの解説も詳しく、本の中身を知るというより、文系の人が広く知識を得るにはお勧め。

  • 文系だが、最低限の理系の知識もほしいなと思い読んだ。
    非常にわかりやすく、本の内容だけでなく著者の生い立ちやエピソード、その発見がどのように世界に影響したのかなども交えていて、文系寄りの本である。

  • 教科書に出てくるような有名な理系著書14冊について、それぞれ作者のプロフィール、書籍の概要、世界に与えた影響がわかりやすく記載されている。

    ・ダーウィンは金持ちのおぼっちゃん
    ・パブロフは犬ではなく消化生理でノーベル賞をとった
    ・レイチェルカーソンの「沈黙の春」で残留農薬の危険性が知られるようになった
    ・ハッブルの「銀河の世界」は一般人でも読みやすいらしい

  • ダーウィン「種の起源」
    ファーブル「昆虫記」
    メンデル「雑種植物の研究」
    ワトソン「二重らせん」
    ユクスキュル「生物から見た世界」
    パヴロフ「大脳半球の働きについて」
    カーソン「沈黙の春」
    ガリレイ「星界の報告」
    ニュートン「プリンキピア」
    アインシュタイン「相対性理論」
    ハッブル「銀河の世界」
    プリニウス「博物誌」
    ライエル「地質学原理」
    ウェゲナー「大陸と海洋の起源」

  • 1

  • 社会に影響を与えた科学者を何人も取り上げて次々と紹介している。個々の内容はそこまで踏み込んだものではなく、ここから更に読書を進めていくための道標が示されているような感じ。個人的には少し物足りなかったかな。

  • 世界がわかる理系の名著

    バイト中、理系の話を盗み聞きすることは面白い。うちの大学には理系がいないので、新鮮な感覚を得られる。高校時代から理科系はさっぱりだったが、わからないのは何だがつまらないので、概説書を読んでみた。構成がとても良い。名著の著者のエピソード、本の内容、それが世界に与えた影響などなど、興味深い話ばかりでスラスラよめる。
    本書は生物・環境・物理・地学で分類されており、生物ではダーウィン・メンデル・ファーブル・ワトソンが紹介されている。学者にもモノ派とスジ派という二つのタイプがあり、オタクタイプがモノ派、啓蒙タイプがスジ派らしい。偉大な研究をしていても、オタクタイプは世間から忘れられがちである。面白かったのは、ユクスキュルの本だ。環境とは、主体的なものであり、私たちが普段環境というものは、人間の環境であるだけで、他の動物にとっては全く違うものであるという。本書にも書いてあったが、まさしくカントの認識論的な転回という哲学的なテーマを伺うことが出来る。
    そして、物理であるが、ガリレイと道元が比較されている。科学と宗教や権力は、お互いを補完しながら歩んできたが、ガリレイなどは典型的に宗教によって抑圧された人物の一人である。ガリレイは、啓蒙タイプで、簡易な文章で科学の研究成果を発表したからこそ、宗教裁判にかけられ、道元は、内容こそアウトだが、難解な書物に自分の思想をまとめたがゆえに安定した生活が出来たというのである。意識していようがいまいが、どんなに偉大な人物でも、自分の行動が他者にどのような影響を与えるかをしっかりと考えるべきであるという教訓がうかがえる。物理では、やはりアインシュタインンの相対性理論があった。時間と空間は別のものではなく、実は関連性がある。という理論らしいが、よくわからないので物理学科の友達に聞いてみたが、大方その通りのことが返ってきた。空間は3次元で、x、y、zの座標で表すが、そこにアインシュタインはt(時間)という新たな次元を考えたらしい。相対性理論でいわれている、時空の歪みなどは、どうやら理論的な話であって、人間レベルの大きな質量を持ったものでは適用されても誤差の範囲であるという。究極のところ、古典物理学の世界で説明できない、極小の世界での法則が、相対性理論や量子力学であるという。彼の話に脱線するが、量子力学を推し進めれば、人間が認識した瞬間に、世界は一つに定まるが、認識する前は、多世界が存在するという。これを多世界解釈というらしいが、東大などの高名な先生方がこんなにもSFのような夢のある話を真面目にしていると思うとなんだか面白そうである。
    古典物理学と量子力学の話、大岡昇平の野火や、中島義道の哲学書を読んでいると感じるのだが、全てに妥当する理論とは、往々にして9割に適用する理論とは全く異なる。私たちの生きている世界は、古典物理学のように大方のものは理解できるような理論で動いている。日ごろから、日本はクレームに対して敏感すぎると感じているが、1割に妥当するからと言って、それを全体に適用しようというのは本末転倒であるように思える。100%全員が満足できる方法を追い求めるのは学者の仕事であり、社会には一種のアバウトさも必要なのかなと感じた。
    ほぼほぼ脱線したが、この本は知的好奇心をそそる、良い本であった。

  • 京大で受けたい授業№1の名物教授が世界を変えた理系本(「アインシュタイン」、「ニュートン」等)について分かりやすく解説した本。
    楽に読めて、内容もとても面白い。
    すべて覚えていなくても、ざっくり知識として知っておくことで幅広がると思う。
    以下、印象に残ったこと、考えた内容。

    ・メンデル遺伝 優性、劣性
     →1代目 AA aa
      →2代目 Aa
       →3代目 AA Aa aA aa
        ※隔世遺伝の比率は 3:1
         教科書で習った内容、懐かしい

    ★ユクスキュル
     →「環世界」 ※生物から見た世界
      →主体的に意味を与えたもののみがそこに存在する
     ※ヒト以外の動物は自然環境に適応しようとするが、唯一人間だけが生活しやすいように自然を変えようとする

    ・パブロフ 「学習」
     犬 ベル→エサ
     →繰り返すと、ベルのみで唾液が出るようになる

      部分強化    > 連続強化
      ※ときどきエサ   ※毎回エサ
      たまに嬉しい方が覚える。感覚的にも分かる気がする。

    ・ニュートンの言葉
     「もし私がより遠くまで見ることができているとしたら、それは巨人の肩の上に立っているからである」
     ※人類が進化してきた本質をとらえている。本を読んだ学習することも同義、重要。

  • 理系の名著14冊について、「書いたのはこんな人」「こんなことが書いてある」「その後、世界はどう変わったか」「エピソード」「科学者の教訓」「さわりピックアップ」の項目にそって紹介してある。
    1冊に対して15~6ページ程度。
    他にも似たような本は出ていると思うけど、これは結構わかりやすいのではないかな?
    途中に現代の書籍紹介も。
    著者は火山学が専門の大学教授。

  • 科学の名著14冊を、著者やその歴史的背景などもセットにして紹介している。
    このような本が、科学への興味を広げてくれる、はず。

著者プロフィール

鎌田 浩毅(かまた・ひろき)
1955年東京生まれ。筑波大学附属駒場中・高等学校卒業。東京大学理学部地学科卒業。通産省、京都大学大学院人間・環境学研究科教授を経て、現在京都大学レジリエンス実践ユニット特任教授・同名誉教授。専門は火山学、地球科学、科学教育。「京大人気No.1教授」の「科学の伝道師」。著書は『新版 一生モノの勉強法』『座右の古典』(ちくま文庫)、『やりなおし高校地学』(ちくま新書)、『地学のツボ』(ちくまプリマー新書)など。

「2021年 『100年無敵の勉強法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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