すきやばし次郎 鮨を語る (文春新書)

  • 文藝春秋 (2009年10月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784166607228

みんなの感想まとめ

この作品は、ミシュラン三ツ星を獲得した寿司職人の半生を通じて、彼の思想や生き方を深く掘り下げています。著者はプロの編集者として、職人の心情や経験を巧みに引き出し、バランスの取れた考察を展開しています。...

感想・レビュー・書評

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  • 「すきやばし次郎」は、銀座の数寄屋橋至近のビル地下にある鮨店。2007年に日本で初めて出版されたミシュランガイド東京で三つ星を獲得して一躍有名になり(2019年版まで三つ星を獲得し続けていたが、2020年版より、一般客の予約が取れなくなったことを理由に掲載されなくなった)、2014年、オバマ大統領が訪日した際に、安倍元首相との会食を行ったことは、各メディアで報道された。
    小野二郎(1925年~)氏は、「すきやばし次郎」を開き、現在も現役でつけ場に立つ鮨職人。黄綬褒章受章。
    本書は、二郎氏が、静岡県天竜市(現・浜松市天竜区)に生まれ、7歳で地元の料理店に奉公に出て、その後東京と大阪で修業を重ねて鮨職人になり、1965年に「すきやばし次郎」を開店して、現在に至る半生記を聞き書きでまとめたもの。初出は、読売新聞で2008年に連載された「時代の証言者 小野二郎」22回分で、大幅に加筆修正の上、2009年に出版された。
    宇佐美伸(1961年~)氏は、早大政経学部卒、読売新聞日曜版編集長(2009年時点)で、鮨屋通いを趣味とする。
    二郎氏について書かれた本としては、1997年出版の『すきやばし次郎 旬を握る』(後に文庫化)があり、同書は、二郎氏の鮨作りのエッセンスを、仕込みの段取りまで連続写真で丁寧に説明した、ほぼオールカラーの大作であるが、本書は、二郎氏の人生を綴ったもので、全く趣を異にする。
    私は、芸術でも科学技術でもビジネスでもスポーツでも、一芸に秀でた人の伝記・半生記が好きで、新古書店で偶々本書を見つけ、読んでみた。
    読み終えて、二郎氏が、人並外れて我慢強く、頑固な人物であることがよくわかったし、それゆえに、「すきやばし次郎」はここまでの店になったのだと感じたが、第二次大戦前後の社会で、似たような境遇に置かれ、努力をした人はそれなりにいたと思われる(だからといって、その人たちが皆成功したわけではない)し、エピソードは地味なものが多いという印象は拭えない。
    それでも、二郎氏の職人気質について説明した、「職人技とは、いついかなる場合でも同じものを同じレベルでこしらえる、あるいは表現する腕の確かさだ。そのレベルをどこまで高みに引き上げられるかが職人の力量であり、腕の冴えだ。」という一節は目から鱗だし、自らの仕事に関しても(私は普通の会社員だが)、心に留めておきたいと強く感じた。
    (2023年1月了)

  • 数ある「小野二郎の思想、生き方を語る本」の中でも最高のデキかもしれない。プロの編集者(インタビュアー)によって、プロの職人からとても上手く事象や心情を引き出せていると言える。そこに著者の考察もバランスよく盛り込まれているのがまた良い。

  • ミシュラン三ツ星をとった後,小野二郎さんが語る生い立ちと「すきやばし次郎」を開くまで,そして,今の「次郎」の有り様です。読んでよかったと思える一冊。

  • ミシュランで三ツ星をもらった寿司職人の半生を振り返った一冊。

    好きでもなんでもなかった、好きこそ物の上手なれは当てはまらない、と言いながら、人の何倍も努力した、というのは、好きじゃなかったからなのかもしれないな。
    好きだったら、嫌いになるかもしれない。そんなことが起こり様がなかったから、ここまで続けてこられたのかもね。

    寿司職人として大事なものは何か、それを考え続けた挙句に到達した境地。どうあるべきか、どうしなくてはいけないか、理想とあるべき論を考え続け、追い続けた人間の境地が分かる。

    矢沢永吉もそうだけど、欲を隠してないよね。綺麗事で済ませようとしていない。そこにプライドもあるだろうし、潔さも感じる。

    僕も欲まみれだから、このままで突き進もう。

    追記
    「職人は自己満足の世界」と語ってるが、これは職人だけじゃないよなぁ。仕事ってのは結局自己満足でしかない。それがお客さんにマッチするかどうか。マッチすれば高い評価。アンマッチなら低評価。その繰り返し。自己満足のレベルが高ければ高いほど、大きくなれる、ってことだよなぁ。もっと自己満足するレベルを高くしていこう。

  • ミシュランで一躍有名になったすきやばし次郎の店主の一代記。
    職人の仕事のそのこだわりには背筋が伸びる想いがする。
    いちどでいいから食べてみたいものだ。

  • 「二郎さんに握ってほしい」と言うのは「三億円の当たりくじをくれ」と言っているのと同じ。そう言う人が次郎本を。
    http://www.ne.jp/asahi/behere/now/newpage080.htm

  • 職人の生き方を垣間見た。寿司好きの方は『旬を握る』とセットで。恐れ多くて店にお邪魔したことはありません。

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著者プロフィール

1961年、釧路市生まれ。早稲田大学を卒業後、新聞社へ入社。地方支局を巡るなかで、各地の山海の幸を食べまくる。その豊富な食体験を基に、『寿司おたく、ジバラ街道をゆく』(講談社)や『快食の新・常識—「食」の現場からの73のヒント』(講談社+α文庫)などの著書を持つ食通。

「2007年 『どさんこソウルフード』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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