生命保険のカラクリ (文春新書 723)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166607235

感想・レビュー・書評

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  • 30代半ばフリーランスで生命保険に入っていないことに気づいた僕はこの手の本を手当たり次第読んだ。
    その中で本書はライフネット生命副社長の岩瀬氏の著書であり、生命保険のメリット・デメリット、思想を学ぶことができた。
    70年以上ぶりに独立系の生命保険会社として設立したライフネット生命。
    日本人が大好きな生命保険は実はガラパゴスな世界であり、大手生保外車の手数料の高さに疑問を持った著者が広告費や手数料を最低限に抑えるために行ったこと。
    インターネットという現代のツールを最大限に使い、無駄なコストカットを徹底的に行う姿勢に大きく共感した。

    消費者目線にたって少しでも安く商品を提供し、結果ユーザー数が増えて会社も潤う、本来のビジネス。あまりにも大きい日本生命の壁に立ち向かうベンチャー気質のネットライフ生命にこれから期待したい。

    最近、一時期に比べてやや鈍化し失速気味にも感じるが、先日KDDIの出資も発表された。
    一昔前のケータイキャリア業界で起きていたガラパゴス的な高い通信料も、ソフトバンクの出現で一気に安くなった。(最近はまた高くなりつつ見えるが)。
    この生保業界も同じようにライフネット生命に風穴を空けてもらいたい。消費者のためにも。

  • 生命保険業界を業界の常識の外から綺麗に解説した本。

    ライフネット生命の岩瀬さんが、他業種から日本の生命保険業界に参入されて気づいた事を丁寧に解説してある。
    まさに生命保険(業界)入門書。

    海外でのインシュアランスと日本のセイホは、想起されるイメージが全く違いますが、その背景を丁寧に解説している。
    戦後、保険のカバー率を高めるためもあり護送船団方式で伸びてきた国内生保は、商品(保険)開発ではなく、チャネル網を張り巡らせることに特化して成長。
    ただし、高度成長時の利率が担保出来ない中、チャネルコストを維持するために収益性の高い複雑な商品にどんどんなっていき、それが国内では消費者の利益とどんどん相反していったという説明は非常にわかりやすい。
    保険の選び方も非常に論理的に説明されているが、一番わかりやすかったのが「自分が約款を理解できない保険には入らない」という項目。
    確かにそれはそうですね。

    ちなみに、以前は個人と企業の情報の非対称性が高く、チャネル網を発達させて成長してきた会社というカテゴリーで企業研究したら、いろいろ興味深いものが見えそうな気付きもありました。

  • シンプルな保険の本、こういう業界にうといので、少し情報を仕入れられた。

  • 生命保険はこれまで人から勧められても契約しませんでしたが、それは必要と自分が考えているわけではなくて、生命保険が必要かそうでないかもわからない自分がいたからでした。
    この本を読んで、生命保険の選び方やどの程度の保障にするかなど、自分で考えなくてはなりませんが、ただこれまで生命保険の仕組みが分からず、何となく怖いものという印象から、生命保険は時間を買うという考え方からも必要なもので、残された家族のためにも自分に合ったものに入っておくことが大切という考え方に変わりました。
    理論は目から鱗の落ちるものばかりで、著者が日本の生命保険に対してたいへんよく考えていて、また文章が恐ろしく読みやすかったので、すごい人だなあという感じを受けました。

  • 保険についてえの知識を得ることができた。
    7ヶ条を参考にしたい。

  • ライフネット生命副社長の著者が書いた生命保険のからくり。…といっても結論は単純で、掛け捨ての定期保険以外はあまり必要性がないという事。まあ低金利の時代、貯蓄性の保険で資金を固定する意味は、あまりないですけどね。

  • 自分が加入する生保については、しっかり考えるのが良い。実用的な意味だと、この本を読むとたとえば生保を選ぶときに、何がキーポイントになるのか意識することができるようになるかもしれないと思う。
    特に様々な商品を、遺族保障、生存保障、貯蓄・年金に分類するという基本の考え方は覚えておいて間違いなさそう。

  • 生命保険て、よくわからないなぁ、て思ってたので、結構、よいベンキョーになった。(13/6/5)

  • 焦って保険に入る必要はないと感じた。
    「時間を買うための高い買い物」という視点が分かりやすい。満足度7

  • 【概要】
    生保の仕組みが分かりやすく解説された書。
    GNP(義理・人情・プレゼント)によって決定されてきた生保の不自然さを指摘し、保険を比較検討して必要な保険を必要期間のみ入ることを説く。
    【著者】
    ライフネット生命社長(元外資コンサル、ハーバードBS)
    【感想・印象に残った点】
    ・日本の生命保険の世帯普及率は90%と非常に高い(フランス:59%、アメリカ:50%、イギリス:36%、ドイツ:40%、フランス:59%)。平均の保障金額も高い。公的保険が充実している日本においてこの数字は過剰に思える。
    ・運用資産は貸付21%、公社債38%、株式10%、外国証券14%、その他リスク性資産(不動産等)4%。アメリカの保険会社が公社債73%、株式5%、抵当貸付10%、契約者貸付4%、その他9%となっているのと比べると、リスクが高い構造になっている。
    ・日本のセイホは利差損のマイナスを死差益と費差益で挽回している構造。運用の失敗を契約者が穴埋めさせられている。

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著者プロフィール

ライフネット生命社長兼COO

「2014年 『楽しい仕事はない。だから楽しくやる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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