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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784166607501
みんなの感想まとめ
日本型組織の失敗とその影響を深く掘り下げる本作は、日露戦争での成功から昭和に入るまでの陸軍の変遷を描いています。著者は、派閥抗争や下克上が繰り広げられ、無謀な戦争に突入する過程を通じて、組織論の重要性...
感想・レビュー・書評
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明治•大正•昭和と、日本は大きな戦争を経験しながら発展と没落の道を一気に駆け抜けた。日清、日露、第一次世界大戦、そして太平洋戦争(近年はアジア太平洋戦争と呼ぶのが一般的だが)と、その中心は常に軍部にあり、軍隊の強さはイコール国家の強さを表してきたのかもしれない。島国である日本を飛び出して、世界に侵略の目を向ければ、必ず諸外国からの警戒され、そう易々と思い描いた計画を上手に達成していく事などは出来ない。だからこそ、先ずは日本国内を統制できるような力と、その力の集中が必要となる。国家総動員体制の必要性を説いた昭和陸軍の星であった永田鉄山は惨殺された。それ以前からも統制経済を善しとする社会主義的な発想があり、それが日本の軍部を支配していた。近代日本はこの社会主義的な経済統制を持ち込もうとする軍部の政治介入の歴史であったのではないだろうか。
現代でも社会主義国家は存在する。その結果はどうであれ、支持する国民や政治は生きながらえているし、国の経済状態によっては上手くいくケースもある。ソビエト連邦の五カ年計画などは歴史の授業でも学ぶ事ができるが、政治が描いた計画という名の道を、脱輪しないように走らせたケースは、部分的な失敗はありながらも修正を加えて続けられ、最終的にはソ連をアメリカとの二大巨頭の大国まで伸し上げた。日本においては太平洋戦争時の軍需産業や国民への配給制など、これらは国が主導した社会主義的な政策であったと思うが、その目的は国家を繁栄させ、資本の再配分によって貧しきものを救うという社会主義の本来的な目的からは逸脱し、完全に戦争=侵略を成功させるための手段として用いられた。結論からすれば、それが生産力の向上を生み出すわけでもなく革新的な技術をもたらしたわけでもなく、国力差10倍以上のアメリカに敗北した。
軍部が政治を動かすためには、軍人の政治参加が必要であるが、明治から続く近代日本の政治には軍人が多く関わり、特に昭和に入ってからは陸相だけでなく総理大臣までもが軍隊経験者が占めるようになる。よってその時代を動かしたのは、まさしく軍部であり、国家の政策の多くは戦争を目的としたものになる。我々が知る軍人たちの名前も本書には多く登場し、戦場での華々しい戦歴ではなく、政治の世界における生臭いやり取りの中に登場してくる。一つの戦場で局地的な戦いの勝利を目指すのではなく、戦争全体を指揮するようになれば、それは国全体の方向性を仕向ける政治への介入が欠かせない。そうやって日本は太平洋戦争までの戦争の歴史を駆け抜けたのであり、本書はそこに関わる軍人たちのあまりに無謀で無計画な一面を取り上げていく。
所詮は軍人、国民の幸福に目を向けるべき政治が、自分たちの戦争継続を第一目標とした、その先に明るい未来は望めない。日本の近代史と軍部の関わり合いを眺めながら、今の政治の堕落ぶりと、過去の軍事一色の政治を比べ、国家運営の難しさを感じられる一冊である。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日本型組織の失敗の本質を問う
日露戦争の勝利で頂点に立った陸軍は、なぜ昭和に入ると派閥抗争と下克上をくりかえし、ついには無謀な戦争に突入したのか? -
面白い! 戦争・軍事だけでなく「組織論」が科学的理論的
戦略単位の概念の違い 軍団と師団
日本の師団は特殊兵科を中央に集め東京一極集中体制
士官学校 砲工学校 軍医学校 憲兵学校
参謀本部 日本は作戦中心 ドイツは戦争計画
昭和の陸軍は官僚化 自分の栄達が第一 人事権の争い
明治の教育は人材を作れなくなった 現代も同じ
軍人が国防に興味がなく、人事に関心
社会主義=官僚主義の失敗
→現代は? -
読みやすく、わかりやすい
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明治期から太平洋戦争に到る陸軍の内情と動きを追った一冊。太平洋戦争の部分は相当端折られているのが残念なところ。興味深い1冊。
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最近、著者の著書に対する評価が低いものもあると聞いているが、著者の着眼は、これまでに無いもので、とても斬新。興味が持てる。
今回も、日本陸軍をこれまでに無い着眼で評価している。
昭和期に入り、陸軍軍人がどんどん官僚化していき、国家の大系よりも己の人事を大事にするに堕してしまう。
官僚主義の弊害が身にしみて感じる。
翻って、現在の行政機関はどうなのか。
また、よく顧みる必要がある。 -
山県有朋に対する見方が多少変わりました。
別宮暖朗の作品
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