- Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
- / ISBN・EAN: 9784166607518
作品紹介・あらすじ
約200種の桜を一般公開する個人邸の典雅な庭、奈良漬屋さんで貰える美しい柄の手拭い、老舗漬物屋さんで供される高級試食セットなど。響くことに、これらはすべてタダで手に入れられる。限りなく贅沢な「0円の快楽」をゲットするための35の方法を伝授する。
感想・レビュー・書評
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京都人か京都に長期滞在をしている人じゃないとなかなか味わえない京都の見どころをこれでもかこれでもかと紹介している。いや、紹介というか、はっきり言って「俺はこんなレアな味わいを愉しめるんだぞ」と自慢しているんだよね。神社仏閣をはじめ料理屋、菓子屋、雑貨屋、カフェに、桜、習慣などさまざまな愉しみ。しょっちゅう散歩ができるということが肝だよなあ。
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タダ目当てのよそさん(私の事ですね)は読まん方がよろしい。
タダの裏に潜む意味とか、否定はしないしむしろ妥当な意見だと思うけど、何だか読んでて居心地が悪い。
確かにそれ自体はタダだけどさぁ……というものが多い。
タダ目当てを引き寄せるようなタイトルは、一体誰の案なのか。
「こっちの方が売れますよ!」と編集部がつけたのでなければ、作者は底意地が悪いと思う。
よそさんが思うTHE京都人だ。-
2012/05/10
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<目次>
西 中 東 南 北
<内容>
京都出身のロンドン在住の著者の、京都人の気質を「タダ」(タイトルの「ゼロ円」)というフレーズで表したエッセイ。やや筆が滑る感はあるが、内から見た京都、という点で面白かった。横須賀市図書館 -
「お金をかけたくない人の為の観光案内」を期待する人はがっかりするのではと思います。(笑)
「タダで感じられる'京都人のココロ'」の本という方が近いのでは。(著者自身、Twitterで『タダの京都』というタイトルにしたかったと言っておられたし。)
「タダで京都を」楽しむんじゃなくて、「タダの京都を」楽しむ本、と考えれば非常に興味深い一冊です。
私はこの本で「京都人」がますます好きになりました。 -
西陣育ちの著者がロンドンに住みながら京都について熱く語っています。
今回のコンセプトは「タダ」ということで「京都」らしさを謳っています。
著者は「京都人だけが知っている」とか「イケズ・・・」のひとなので、この新書も(京都人だけが知っている)「ゼロ円で愉しむ極上の京都」とかなるのかと思いましたが、違うようです。
「私にとっての京都の”らしさ”は、タダの流通がことのほか多い」(P7)
「無料、ロハ、タダで物事が動くケースが散見される」(P7)
ところのようです。
私も知っている2点について感想を書いてみました。
1.「京都市考古資料館」のカラーカタログ(P165-169)
著者は「しかし、タダで読める京都ならではの情報という意味では、『京都市考古資料館』や『京都市歴史資料館』でいただけるすばらしいカラーカタログの右に出るものはない」(P166)といっています。
私も旧西陣織会館である京都考古資料館で京都秀吉の時代でもらった「御土居を歩く」(2010年4月)は裏表カラーの資料で散歩に都合がよいと思います。残念ながら特別展示資料は白黒でしたが、展示されていた本能寺跡出土の能銘軒丸瓦は「ヒ」が「去」になっていて、本能寺の変以前からすでに使われていたことがビビッドに分かりました。
残念なことに、寺町通の京都市歴史資料館が2011年(今年ではないか)を目途に閉館する予定と書いてあり(P167)、あの「タダのカラーカタログ」がなくなるのは寂しい気がします。
2.北野をどりの波皿(P180-184)
「たぶん京都で貰える、一番可愛いはタダである。いや、正確には「お土産」であり「ノベルティ」なのかもしれない」(P180)。何をいっているかというと、京都の花街の日本舞踊の会にお茶券付き鑑賞券で入場し場合、お薄を頂くまえに出てくるお饅頭の皿を持って帰えれるという趣向のことです。
このタダの菓子皿が色々あって、「祇園(甲部)は「団子皿」。四つ玉が連なった最も知名度のあるデザインだろう。宮川町が「三ツ輪」唯一の多色使いで、これも可愛い。花見小路(祇園東)と先斗町は無地。柄ナシも使いでがあっていいとは思うけど、正直、残念な気がする」(P182)といっています。上七軒は西陣育ちの著者の個人的思い入れが強いようです。「場所の隔たりゆえでもなかろうか、この皿は地の質感からして他四花街とは別物である。つるりと怜悧で、ゆるりとした曲線で大胆に染め分けられている(P182)。
注)()は私が補いました。
さて、我が家の台所の戸棚を見てみると最近は傾向が違ってきているようです。
祇園甲部は無地に団子が赤、黄、緑、白、茶などで変わりはないようです。2010年の宮川町は小ぶりで無地でした。2009年11月の祇園東も小ぶりで無地でした。2010年の上七軒は白地に緑が染め分けられた小ぶりの皿でした。先斗町の鴨川をどりは2010年5月1日に見てきましたが、この日は漆の象彦さんの四角い漆器の板皿となっていました。「鴨川をどり 象彦」と朱の漆で文字が書かれています。著者は千鳥皿が欲しいといっていますが、去年の黒無地の皿のほうがまだよかったかなあ。私はむしろ千鳥の模様が縁取られたお茶碗のほうが欲しいなあと思っています。(2011年は黒無地皿です。5月1日更新)
Currentを扱うのは川面に浮かぶ泡のようで、すぐに消えてしまったりします。でも、鴨川に泡が絶えず出てくることに変わりはないので、タダの京都は面白く読ませていただきました。 -
京都の中でもいささか「カミ」の人の視点に偏っている気はするが、西陣出身の著者とすれば当然だろう。
僕はカフェ、レストラン、料理屋には興味はないが、「檪谷七野神社」(いちいだにななのじんじゃ)は見たことがないので、いちど行ってみたい。