こんな言葉で叱られたい (文春新書)

著者 :
  • 文藝春秋
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レビュー : 25
  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166607730

作品紹介・あらすじ

巨人軍再建の陰に「言葉の力」あり。球団代表だから書けた、原監督、コーチ陣、ベテラン選手たちの「叱る技術」。

感想・レビュー・書評

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  • プロが涙する「言葉の力」

    「今日の負けにどう対処するか」は2つしかない。辞めてしまうか、一生懸命練習して見返す、それだけである。

    プロ集団であっても人間である。ギリギリに生きる世界だからこそ、人間の本質的な部分が問われる。そんな本質を突いた言葉にこそ人は涙し、奮い立つのである。

  • 私は竜党であって、巨人ファンではない。
    しかし、そうであってもこの本は薦める。
    巨人軍のコーチや選手、監督の人柄が垣間見れて非常に面白いからである。
    特に、色々な意味で熱い豊田選手、及び生真面目な高橋選手には感心するやら笑わせてもらうやらで楽しませて戴いた。
    文章が上手だと感じるのはさすが元新聞記者だと思う。

    竜党から見て、巨人ファンは必見の1冊。

  • 最近は、ストレス社会のせいか、「叱る」ことが忌み嫌われ、「ほ
    める」ことばかりがクローズアップされていますが、「叱る」には、
    「ほめる」にはない、持続的モチベーションの源が含まれています。

    それは、ひと言で言うと、「期待」。

    土井は、かつて中学校の担任になぐられ、社会人になってからは、
    セガの上司に怒鳴られ、雑誌の仕事では、編集担当になぐられまし
    たが、彼らをうらんだことは、一度だってありません。

    むしろ、期待に応えられない自分に腹が立ち、死に物狂いで頑張っ
    た記憶があります。

    本書は、プロ野球の現場の話を主体に、監督やコーチは選手をどう
    叱るべきか、まとめたものですが、それぞれエピソード単位でまと
    められているのが心憎い。

    ときおり、監督、コーチたちの選手を見つめるあたたかい眼差しに
    ぐっとくる、そんな内容です。


    「どんな強気に見える選手でも弱いものです。強気と弱気と、すれ
    すれのところで選手は勝負の世界に生きているんですよ」(原辰徳)

    <最初に危機感をあおるとか「こういうことをしなさい」といって
    人が動いた経験はない>(ダイキン工業 井上礼之会長)

    若者の可能性はどんな目利きにも計ることができない。だから、ひ
    たむきでありさえすれば、いいかげんな部分やそんな時があっても
    よいのだ。私たちに必要なものは、山口のような異能異才、一芸卓
    越の人材をひとりでも多く受け入れる態勢と育成システムの整備、
    そして我慢ごころだ。それが組織を強くする

    ひとは満ち足りた人間と、満足できない人間の二種類に分けられる

    選手の闘志に酔っているようでは、監督は務まらない

    「人生は他動的である」(中西太)

    「コーチの仕事は待つことだ」(内田順三)

    一流の選手は、やる気を自分で維持できるような仕組み、活性のシ
    ステムを持っていることが多い。システムと言ってもそれほど難し
    いことではない。例えば、「ああ、もういいや」と思うときに限っ
    て、「さて今日もひと踏ん張りだぞ」と言ってくれる親身なコーチ
    や監督を持つことである


    見守ってくれる人がなければ、自分の内外に活性の仕組みを自身で
    築き上げるしかない

    上に立つ人間がしてはならないことは、部下の前で愚痴ることと、
    ため息をつくことだ

    落合監督は、抑えの岩瀬仁紀が打たれるたびに、「あいつで負ける
    ならしゃあない」と漏らす。クローザ─を出して負け、平静でいら
    れるはずがないのだが、岩瀬という中日ドラゴンズの功労者に対す
    る期待と気くばりを表現する言葉の技術を持っている

    原監督はレストランなどでおいしい料理に出会うと、お店の人に三
    度、「おいしかったよ」ということにしているという

    「上原、おれには弱音を吐いてもいいんだぞ」(原辰徳)

    「人間性を深める要素は、満ち足りた幸福の中によりもむしろ逆境
    の中にある。その逆境の中で人間を失わないのは愛の力なのである」
    (曽野綾子)


    ◆目次◆

    I 「下を向くな!」
    II 「全力でやったものは心に残る」
    III 「我々は戦う武士であり、勝負師だ」

  • 読売巨人軍球団代表・清武氏が、野球人の「叱る力」について、さまざまなエピソードとともに纏めた一冊。ドン底状態のジャイアンツが頂点に至るまでの中、現役の球団代表という格好のポジションで観察しつづけた”叱る技術”は、ビジネスの世界でも有用な内容が多く、ジャイアンツファンならずとも興味深い内容である。
    特に印象的なのは、選手から選手へ”叱る”言葉が発せられる時だ。本来プロ野球選手とはそれぞれが個人事業主で、お互いが競争相手である。そんな中、共通の目標へ突き進むために選手同士で叱咤のメッセージが交わされるときは、どんな場合でも特別な意味合いを持つことが多く、どのエピソードも味わい深い。
    また、当然ながら現巨人軍監督・原 辰徳のエピソードも満載だ。おそらく原 辰徳という人は日本で一番叱れられた野球人なのではないか。高校・大学時代は父子鷹という特別な状況ゆえに父親から怒られ続け、巨人入団後は全国の巨人ファンから“チャンスに弱い“と叱られ続けた。そんな原 辰徳だからこそ、叱る技術も日本一なのかもしれない。
    効果的な叱り方が実践される時には、どんな場合でも、しっかりと”いいね!”ボタンが押されている。それらはいずれも、分かりやすい形ではないかもしれないが、意外な状況で、意外な人から、意外な表情で、意外な言葉とともに、実に効果的な形でボタンは押されているのだ。
    耳に心地良い言葉ばかりを交わし、”いいね!””いいね”!と声をかけあうような場所に進化はない。その世界を生かすも殺すも、”いいね!”ボタンの押し方一つなのである。

  • これが発売されたのが2010年です。
    2018年再び暗黒の時代に突入している巨人軍。

    過去を振り返って、伸び悩んでいる若手や、それを叱咤している先輩に、この当時のことを思い出して読んでほしい一冊です。

     「言葉は足りてますか」意味深である。

  • 原監督 ベテランの心に降臨する弱音 「もういいかな神様」と呼ぶ

    二軍監督 岡田郁 今日の負けにどう対処するか 方法は2つある もう野球をやめてしまうか。練習して力をつけるか それしかない

    一時の不運を嘆いたり、不運を恨んだりすることはない。その不運こそが人間を磨き、跳ね返す強さを生む活力源ではないですか

    部下が失敗した時、咎めるより先に身近な次の目標を与える。プロの監督がしばしば採る手法だ

    前向きに叱って、相手を気持ちよくさせるのが叱責の極意

    原貢 布団の中で考えるな 明るいところで決断する

    小笠原道大 毎年、毎日、同じ練習をずっとやり続けている。長く見ていると、そういう人間が成績を残していることがわかる
    いままでやってないことは僕にはできません。やってきたことをやるだけです

    チャンスは準備をしている選手でないと気づかない

    全力でやったものは心に残る

  • 巨人ファンでもないのに読んでみました。

    木村拓也の話「下を向くな!」にはホロリとしました。続く、「大丈夫だ、届くから」を読み、人を色眼鏡なしで見る事と、肯定する事の大切さを改めて感じました。

  • 第1章を読み終えた。
    理屈ではなく直観的な言葉が人の気持ちをゆさぶることもある、といった内容。
    話があちらこちらに散乱しててまとまりがなく、文章としては読みにくい。
    野球に興味がないとハードルが高い。
    2016/6/20

    読み手のことを書いているとは思えない。
    この本を読むのは時間の無駄だと感じた。
    中途半端ですが読了とします。

  •  巨人ファンなので読んだ。
     清武代表、ナベツネの影に隠れてよくわからない人であった。

     が、社内人事でオーナーになったとかそういうことではなく、ものすごく巨人軍の選手が好きでやってるんだなぁ、ということがよくわかる。

     と、そういう本です。
     自己啓発書としてはそれ以上ではないので、たぶん巨人ファン以外に読まれることはないのであろう。理詰めで叱るのでなく、ノンロジカルな強さも必要だよ、ということではある。野球選手は純粋に野球やってんだなぁ、というのもわかる。

     が、そういう話は他にいくらでもあるので、わざわざ清武代表の本を選ぶとも考えにくい。巨人ファンならば、「堀内監督の日記争奪戦」とか「木村拓哉コーチの臨終の話」あたりが肉薄していて、とても面白い。

  • 巨人軍の代表だった筆者が、プロ野球選手たちの発言などをまとめ、叱り方について述べた本。
    選手たちの発言、考え方はビジネスや人生にも活かせると思える内容があり、参考になった。

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著者プロフィール

清武英利(きよたけ・ひでとし)
1950年宮崎県生まれ。立命館大学経済学部卒業後、75年に読売新聞社入社。青森支局を振り出しに、社会部記者として、警視庁、国税庁などを担当。中部本社(現中部支社)社会部長、東京本社編集委員、運動部長を経て、2004年8月より読売巨人軍球団代表兼編成本部長。11年11月、専務取締役球団代表兼GM・編成本部長・オーナー代行を解任され、係争に。現在はノンフィクション作家として活動。著書『しんがり 山一證券 最後の12人』(講談社+α文庫)で2014年度講談社ノンフィクション賞受賞。近著に『石つぶて 警視庁 二課刑事の残したもの』(講談社)、主な著書に『プライベートバンカー カネ守りと新富裕層』(講談社)、『奪われざるもの SONY「リストラ部屋」で見た夢』(講談社+α文庫)など

「2017年 『空あかり 山一證券“しんがり”百人の言葉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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