ゴールドマン・サックス研究 (文春新書)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 34
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166607808

作品紹介・あらすじ

日本経済を呑み込んで「二番底」は必ず来る。なぜかくも世界経済が混乱を極めているのか。その真相を掴むにはまずゴールドマンをはじめとするウォール街の実態を知らなければならない。

感想・レビュー・書評

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  • GSというよりも30年位世界金融史としいても面白い

    1953年生まれで、住友銀行から84年にゴールドマンサックスに転職、8年後に独立した神谷秀樹さんの本。前著の「強欲資本主義 ウォール街の自爆」も読んでる。

    元GSの方ではあるが、基本的に現在のGS含めたウォール街のあり方に警鐘を鳴らすのがスタンスの方。
    自身が所属していらっしゃった頃のゴールドマンサックスには誇りも持っていらっしゃるようで、「投資銀行の本業とは」とか「現在の投機メインになっている状態は本来ではない」というのがGSに対しての思い。

    間違いなく現在の世界金融をリードしている企業の話なので、その観点でも勉強になるが、どちらかというとそもそも金融のニュースをみても何がどうなっているのか分からない方向けの要素の方が有益に思う。
    絶対にしないと思うけど、「よくわかる世界経済と金融」とかのタイトルだとプロモーションによってはもっと売れる気がします。

    基本的に財政規律派なので、(実は僕も個人的には財政規律派です。ブクログに他派の著作も多いのは勉強の為)個人的な感覚も非常に共感出来て読みやすい本です。

    シェアホルダー(株主)では無く、ステークホルダーを意識することや、イノベーションを生む為の環境をエコシステムとして作ることの重要さ等、
    継続した努力をしなければいけないとハッパをかけていただきました。

  • 30歳でゴールドマン・サックスに転職し、その後、アメリカに住み続け、会社を設立した著者。
    2010年時点でアメリカのアフガン侵攻を断罪し、敗北で終わると断言していました。
    色々と考えさせられる著作でした。

  • 強欲資本主義の権化であるゴールドマン・サックスのやったこと。日本は米国のデトロイトと同様な転落の道を進んでいるとの指摘。

  • ・現在のウォール街と、過去の「古きよき時代」のウォール街を比較することで、失ってしまった「心」や「イノベーション・エコシステム」といったものを浮き上がらせている。
    ・そして、強欲になってしまったウォール街がもたらしたものを語ることで、「虚業」のむなしさと「実業」への転換を述べている。
    ・金融恐慌からの反省(心理的な部分、ドグマ的な部分)を語っているという点では、トレンドに乗っていると言えるだろう。

  • 自分用キーワード
    ジョン・ワインバーグ ファニー・メイ/フレディー・マック(住宅金融機関) CDS(credit default swap) ポーカーチップ フラッシュトレーディング ボルカールール AIG(救済資金をボーナスにした?) フォークロジャー 「ひとが早く死んだら儲かる」証券化商品 ウォール街のデブ猫 バーニー・メイドフ事件 ポンジースキーム 銀行取引税(トービンタックス) レギュラトリー・アービトラージ バーゼル3 グラススティーガル法 プライベート・エクィティー・ファンド ケインズ/シュンペーター/下村治 『世界経済はこう変わる』 安宅産業(かつての商社) TARP(金融安定化) フードスタンプがコカインに イノベーション・エコシステム 『スタートアップ・ネイション』 knowledge supplychain mamagement ドセ河渓谷開発公社→ヴァーレ シリコンバレーの失業率 塩野七生『わが友マキアヴェッリ』 

  • ゴールドマン・サックスの裏話的な内容を期待して読むと肩すかしを食らう。まぁ外資系金融機関で現在も存在している会社のことをいろいろ書くと訴訟リスクがあるからしょうがないのかなぁと思わなくもないですが。
    内容的に面白いエピソードもいくつかあるけど、評価としてはこんなもんでしょう。

  • 1929年に始まった大恐慌は、その後、一旦回復したかに見えたが、38年に二番底に突入する。世界に怒りが充満し、ついには戦争への道を歩むこととなった。今、同じことが起きないとは決して言えない。景気の二番底問題は、それがそれだけに終わらない危険性を孕んでおり、日本は重大な国難の只中にある。にもかかわらず国政を運営する為政者の姿を見る限り危機感の欠片さえ感じられない。本書には景気の二番底を回避するための示唆的方向性が示されている。

  • 今や金の亡者としてのイメージが支配的な投資銀行というものの本来の存在意義とはなんだったのか、どこから道を踏み外してしまったのかを、代表的存在であるゴールドマン・サックス出身の著者が回顧する。
    投資銀行に限らず銀行(とくにメガバンク)、証券会社などの金融機関が持つべき規範とはどういうものかが分かる。
    エリートが道を間違える恐ろしさは戦前の日本をも想起させられる。

  • タイトルはゴールドマン・サックス研究とあるけど、
    ゴールドマンの話は最初の2,3章まで。
    ゴールドマン以外の投資銀行の悪行を非難しつつも、
    著者自身の昔の行いも反省をしているので好感を持てる。


    ギリシャが将来財政危機に落ちることを的確に書いてあるし、
    ギリシャ危機が表面化した今のタイミングで読んでみる価値がある一冊と思う。 

  • 2011/11/20
    強欲資本主義は情報格差から生まれる。つまり市場の失敗。
    ゆえにそこには規制が必要やと思った。
    日本が財政破綻する時にはIMFはお金持ってないから誰も助けてくれない。
    ハイパーインフレか借金棒引きしかないのか。
    そもそも所得目的の資産運用は人生をだめにするんじやないかな。
    この会社に成長して欲しいってのが一番健全なように思う。

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著者プロフィール

ロバーツ・ミタニ・LLC会長

「2008年 『さらば、強欲資本主義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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