本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784166607976
感想・レビュー・書評
-
金氏三代について知りたくて読書。
金氏三代を通じて北朝鮮の現代史を知ることができる。非常にバランスよく分かりやすく紹介されている。
本書発売後に金正日総書記が死去し、2013年末には張成沢国防副委員長が粛清と、北朝鮮は大きく動いた。張成沢が権力奪取を測ったものであるならば、本書で指摘された通りだった。
金正日政権時代と変わらぬ元老体制は続いているようだ。パルチザン派や朝鮮戦争の英雄たちである元老はあと10、20年で世代交代すると思われる。その時、北朝鮮がどうなるかに注目したい。逆に言うとそこまで崩壊することはないと思われる。
李氏朝鮮を現代へ蘇らせた金氏朝鮮と表現する専門家がいる。本書の結論として、今後、北朝鮮は王政国家、王国を目指すのではないかと結んでいる。もし、そうだとしたら、知る限り20世紀以降でブータンを除き、王国が誕生した国はないはずなので、新しい国家の形をなそうとしているのかもしれない。
世界の王には若年で即位する例もあるとして明治天皇が14歳で即位したと紹介しているが、その例は不適切。明治憲法の元でも天皇に絶対王政のような権力はなかったのだから。北朝鮮が目指しているとしたら朝鮮版絶対王政なのかもしれない。
訳者名がないので著者が日本語で書いたものと思われる。中国の朝鮮族出身の知日派の学者が、朝鮮半島、中国、日本を冷静に分析して日本人へ伝えてくれることは日本にとっても非常に有益だと思う。
読書時間:約1時間25分詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
金日成、金正日、金正恩と続く北朝鮮のトップ。金正男も含め、生い立ちが批判でもなく持ち上げるでもなく書かれているので、そのロイヤルファミリーがどのような人物たちであるのかを知るには良い一冊だと思う。
ただ、この本の初版が去年。金正恩が世襲を終えた今読むとちょっと興ざめしてしまうような内容になってしまったことも否めない。
著者があとがきに書いている夢、東京から新幹線に乗り、下関から海底トンネルで釜山へ、ソウルを経由し平壌へ。その後北京へ。
そんな世の中が来るとすれば、いいんだろうなぁ。
国家間の政治的、軍事的なイザコザが無くなっても、そういう構想が出たらきっとどの国の新幹線技術を使うかでモメるんだろうなぁ… -
金父子のそれぞれの生い立ちから指導者としての立場・環境の違いなどを周辺人物なども含め過不足なくまとめている。新書とはいえ、独裁国家を知るのに重要な独裁者研究の本としてしっかりまとまっている。11年初頭に出版された。
一時、正恩の兄の正哲が正日の後継者に内定したとの観測が韓国政府高官を始め日本や海外の専門誌などでも広がっていたが、それについては根拠となる朝鮮労働党系の文書が偽物だった可能性もある一方(韓国の元統一部長官でも文書の真偽を確定できなかった)、北朝鮮内部での後継者選びがかなり錯綜していたと指摘しており、北朝鮮の重要な動きを見通すことの難しさを示している。
また著者は、今後の正恩政権の国内的な安定は、周辺のパワーエリートをどのようにうまく采配するかにかかっているとするが、ただ、正日と違って生まれた時からプリンスとして育てられてきた正恩が人心掌握の能力があるかどうかについては疑問を示している。本書が出版された段階では正日があと数年は持ちこたえるとみられていたようだが、昨年末の「急死」を受け、正恩は後継者としての実績作りに相当急いでいるのではないかと思われた。ただ、外交面では利害関係国が引き続き北朝鮮には何もできない(しない)状況が続きそうだ。
http://hon.bunshun.jp/articles/-/35 -
本書は、2011年(平成23年)2月の発行だが、2011年12月17日の金正日死亡後の北朝鮮の後継体制などを的確に予想しており、現在の北朝鮮情勢を先取りした本であると思った。
本書では、北朝鮮における金一族のロイヤルファミリーの内実を詳細に描いている。その内容は真偽不明の内容も多く、確認するすべもないものではあるが、「金氏王朝」の詳細な描写は迫力があるとしか言いようがない。
本書の北朝鮮における「絶え間ない粛清」や「恐怖政治」には、それが事実であるならば、戦慄を覚えるものである。数百年前ならばいざ知らず、現在において体制を維持する手段として「処刑」や「収容所」などが通用する国家が存在することには嫌悪感しか感じ得ない。それが、現実に日本の近くにあるとは・・・。
本書では、後継体制についても詳細に触れているが「金正恩パワーグループの新しい顔ぶれをみると張成澤(金正日の義弟)の息のかかった人物が多いこと、軍人事に大物が布陣していること・・・当中央政治局のメンバー11人の政治局の平均年齢は79.8歳・・・この年齢構成ではこの先数年も保てないかもしれない」と考察している。しかし、北朝鮮国内には既に粛清によって反対派は存在しないだろうし、経済的には中国が支えるだろうから、そう簡単には体制崩壊とはならないだろう。
本書では「北朝鮮の経済規模はトヨタ自動車の10分の1しかない。トヨタの2007年3月期決算における売上は約24兆円にたいし、北朝鮮のGDPは2兆5000億円しかない。その半分以上を軍隊の維持、通常兵器の生産、核開発、ミサイル実験などにつぎ込んでいる」と分析している。明らかに異常で、通常ならばとっくに国家破産してもおかしくないのだが、「中国が国家運営に最低限必要な食料と原油を提供している」から、かろうじて生きながらえているという。中国にしてみれば、自国の経済発展が国家にとって至上命題であるから、東北アジアの混乱は避けなければならないし、隣に米軍基地がある統一韓国ができることは避けたいのだろうが、飢餓にあえぐ北朝鮮国民のことを考えると、国家の非情さには慄然とする想いがした。
金正日は、軍事優先の「先軍政治」を標榜した。現代においてなんとも違和感のある政治体制だが、歴史を見ると軍事クーデターで軍人が政権を握る例はいくらでもあるし、国王が軍事の統帥権を掌握するのは当たり前と言えるのかもしれない。北朝鮮の場合、「社会主義」とか「労働党」とかを標榜しているから「三代世襲」にも違和感を覚えるが、本書のいうように「金王朝」の国王独裁国家と見れば違和感はなくなるのではないかと思った。本書によると、北朝鮮は2009年4月に憲法を改正し、前文にあった「共産主義」「社会主義」という表現を削除したという。今後北朝鮮は、カンボジアやタイのような王制国家に変身するのだろうか。
北朝鮮の実情を広く知る上でも、良い本であると思った。 -
かなり良くまとめてある。正男が暗殺され、気になり借りて読んだ。2009年にも暗殺未遂があったとか。北朝鮮が存在できる理由をもっと深掘りして欲しかった。
-
どちらかというと、淡々と、「建国」から第一書記までを綴っている。
裏がそうあるわけでもないし、総書記存命中の本ということもあって、すでに情報が古い感じがする。
今の状況が判るかといえばそうではないし。 -
北朝鮮マニア必読。金日成 金正日 金正恩 を取り巻く親族の情報満載。
著者プロフィール
李相哲の作品
本棚登録 :
感想 :
