体制維新――大阪都 (文春新書)

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レビュー : 275
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166608270

感想・レビュー・書評

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  • 橋下さんの政策が分かる本。何度も読み返したい。

  •  橋本大阪市長による「大阪都構想」について、考えと想いを綴った一冊。「大阪」の改革を通して、「日本」を変えようとする強い意志を感じる。
     
     つまり、「身近な住民サービスは基礎自治体(区)が担い、大阪全体にかかわることは広域自治体(都)に任せる。」そのシンプルな考えが、この構想の基本ということらしい。役割分担・適材適所の再確認が必要ということだ。

     そして、それは大阪だけの話ではない、日本全国の地方分権を推し進め、国のあり方を変える。道州制にも波及する。

     明治維新から変わることのない、この国のシステムを変えるときがきた。

     今の日本が、現状維持ではダメなことは多くの人が感じている。でも、感じるだけで終わるのか、挑戦するのか、立ち向かうのか。当然、立ち向かう勇気が必要である。

     日本の「体制維新」前夜である。

  • 言いたいことはとてもよくわかった。言う通りのような気がする。

  • もう一回読まないと分からない。堺屋太一さんRIP

  • 正直、東京に住んでいると、大阪都構想が実現すると何がよくなるのかピンとこなかったんですけど、これを読んで非常によく理解できた。
    主張されていることはごくごくシンプルなんですよね。
    中央が号令かけて地方を画一的に統制し、恣意的に分配するやり方はもう時代に合わない。
    地域地域で、最適な形を自ら選択できるようにすることで活力を生む。
    シンプルかつ真っ当な考え方です。

    それと、政治と行政の役割分担について。
    政治家はビジョンと方針を示し、行政は実務が回るよう細部を組み上げる。
    お互いが衝突する際は、とことん議論を尽くす。
    これもまたシンプルかつ真っ当。

    そして、組織マネジメントの大切さ。
    政治家は政策を示すことより、体制・組織をデザインすることに注力すべし。という慧眼。

    なんだか拍子抜けするくらいシンプルで真っ当です。
    過激なところなんて全くありません。
    「ハシズム」だ「独裁」だ、と批判している人はこれを読んだのでしょうか。

    とはいえ、職員基本条例や教育基本条例がシンボリックに取り上げられるのは、橋下氏から「仕掛けている」面もあるように感じます。
    その点は”小泉流”な「わかりやすい敵を作る」手法の踏襲に思え、ポピュリスティックに感じられるのも事実ですが。

    主張がシンプルな分、同じ内容が繰り返されて、読み物としてはやや冗長。
    それと、「第三の敗戦」「下り坂」など堺屋氏の時代認識は的を外しているような気が。

  • 大阪都構想のことがよくわかります。
    堺屋氏が書いている 一章「大阪の衰退、日本の衰退」で大阪都構想の必要性が明快に書かれています。ここだけ読めば本質はわかると思います。

    対談部分は同じことの繰り返しな感じがしたので読み飛ばしてもよいでしょう。
    橋下氏の執筆部分は具体例、府知事時代の体験話もあり面白かったですが、あらゆる反対意見に反論・論破しようとしているので、本として冗長な部分が多いかと思います。

    政治と行政の役割分担についてよくわかり勉強になりました。

    大阪都構想は日本全体の構造的問題を指摘しているので大阪府民以外も読んで役に立つと思います。

  • 何となく嫌いな橋下さんの、何が嫌なのかを知りたくて買った本。
    橋下さんのことがだいぶわかった気がする。

  • 大阪都構想と聞いたことはあるものの、中身をしっかり知ろうとしたことかなかったので、この本を通じて、体制という地味だけど抜本的な改革かできる仕組みの話、政治と行政の違い、大阪市とその他の市町村のアンバランスさが詳しく分かった。

  • 橋下知事(当時)と堺屋太一による大阪都構想を始めとする体制改革についての考えを書いた本。今まで漠然としかわかっていなかった橋下氏の考え方がよくわかった。考えには全く同意であり、官僚機構の特徴をよく理解していると思う。同じような内容が何カ所かに出てきており、冗長な感じはある。
    「新聞は、もっと話し合いをしろ、議論を尽くせと書きます。もちろん議論すべき問題は議論を尽くすべきだと思います。しかし権力の再配置に関しては、話し合いでは絶対に決着がつきません」p74
    「あれだけ「市町村別(試験の)結果の公表をしたら過度な競争が生じる、不当な学校序列が生じる」と主張していた文科省や教育委員会、そして有識者、朝日新聞や毎日新聞は、その後の総括をしていますか?」p79
    「(私立、公立高校の無償化について)公立高の尻にも火がついたのです。今までは、授業料が安いから、タダだから、という理由で生徒が入学していたのが、どんどん私立に流れるようになったため、定員割れの全日制公立高校が3割も出た」p135
    「日本の行政機構のシステムも基本は明治以来の中央集権体制。4年の任期のお客様知事よりも、国の判断に従うのは当然といえば当然です」p139
    「日本の行政システムは、決定権者をはっきりさせると権力の集中になることを恐れて、できる限りぼやかすシステムを構築した。そして責任者をあいまいにして、誰も責任をとらなくてもよいシステムにした。だからいつまでも議論ばかりし続け、決断・決定ができない。反対論者が1名でもいると、今決断しなければならないことでも先送りになる。決定できないと最後は現状維持になるのです」p211

  • http://naokis.doorblog.jp/archives/osaka_capital_plan.html【書評】『 体制維新――大阪都』〜3年前に書いた書評

    これまで数多くの政治家の本を読んだが、政治哲学がしっかりしており、群を抜いて秀逸である。橋下徹氏が独裁者にならないか?という点を危惧をしていたが、政治と行政の役割をはっきりと述べ、行政に対する信頼・思いやりが感じられた。たとえば、都構想の政治決定は政治家、区割など精緻に練らなければならないものは行政の役割が大きいことを述べ、行政なくして大阪都構想は実行不可能であることを、しっかりと述べている。

    メディアでは、いかにも政治と行政が対立しているように報道されるが、視聴率稼ぎのためにメディアが煽っている可能性が高い(私は、そんなテレビ報道も新聞も見ないので、実のところよく知らない)。

    大阪都構想についても、本書を読む限り、全面的に賛成だ。日本全体、政策の変更だけでは行き詰っており、体制の変更こそが必要だと言っている。ここで言う体制変更とは、明治維新のような体制変更である。版籍奉還、廃藩置県、通貨切替(円の導入)等により、幕藩体制のしがらみを断ち切った。大名と武士の奉公関係が消滅したのだ。

    橋下氏は、今の行政官僚は身分制度になっていると断罪する。いったん、身分をゼロクリアし、適材適所ができれば、行政能力が格段に高まるだろう。

    そして、なぜ大阪都なのか?

    本書を読むまで、恥ずかしながら知らなかった。世界の大都市間の競争に勝ち抜くため、広域行政単位を大阪都に集約、また地域密着の行政は、区長選挙導入による特別区に集約させる。大阪市という行政単位は、通勤圏を含めた「大阪」を考えると狭すぎ、地域行政を考えると大きすぎる。

    区長は市長により任命され、しかもすぐに転勤してしまう。区民に選出された区長ではないため、区民のための仕事に本腰が入らず、柔軟で地域ごとの特徴をふまえた行政サービスができていない。

    また、大阪市内の施策は大阪府は口を出せないことにより、大学や水道局等、さまざまな公共施設がことごとく二重持ちになっている。東京都特別区を考えれば分かることだが、特別区には大学も水道局もない。すべて都が運営している。首都大学東京よりも、大阪府立大学・市立大学の運営コストのほうが大きいなど、いったい、大阪府民・市民は、いったいどれだけの負担を強いられているのだろうか?事実、大阪市は、東京都や横浜市より、圧倒的に一人当りの公債残高が多い。

    ここで述べられている体制変更は、大阪のみならず道州制の導入のように、日本全国で必要なのだろう。しかし、橋下氏も指摘のとおり、道州制の合意形成プロセスは、大阪都の非ではない。まず、大阪から体制変更を行い、その効果を国民全体が理解をすることにより、初めて、道州制の議論も本格化するのではないだろうか?

    明治維新もそうであったように、また橋下氏ご本人もそうおっしゃっているとおり、この体制変更は、とてつもなく大きな権力闘争を伴う。本書を読んでいて感じたのは、ひょっとして、橋下氏が暗殺されてしまうこともありうるのではないか?しかし、彼はすでに腹を括っているように感じる。

    橋下氏は大阪都の実現に政治生命をかけている。大阪から日本を変えるため、なんとしても橋下氏にがんばってもらいたい。

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