- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784166608270
感想・レビュー・書評
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大阪都構想について、すごく簡単に言えば、大阪市の問題点(大きすぎて広域行政と基礎自治が混同・中途半端になり、市民サービスが低下していること、府と市とで二重の経費がかかっていること、府の広域行政としての方針に従わないことなど)を解消するために、大阪市を特別自治区に分割し、基礎自治体としての機能を強化・住民サービスの向上を図るとともに、大阪府が広域行政体として、府全体の発展を目指すもの、のようだ。
また、橋下徹の主張する「政治家はあるべき方向性を示す。その方向性で行政マンが選択肢をつくる。中身を詰める。」という考えには、非常に賛同するのだが、民主党のように「言ってみました。でもできませんでした。」的な詐欺的マニフェストでは困るんですよね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
私の中で道州制と大阪都構想のイメージが一致しないので、読んでみました。
読んでみると、「国ありき」の発想ではなく「大阪の問題」から「日本の有り様」を見ているので、筋は通っているんだけど分かりにくいし、説明不足感が感じられます。
ただ、大阪維新の会の動きの必然性がよく分かり、実際にこの本が書かれた後、知事選&市長選での動きがあったわけですが、そのままの動きとなっています。
橋下さんが市長になってから、実際にドンドン明るみになる大阪市政のえいかげんだった仕事っぷりが、この本の正当性を証明してくれています。この本に書かれている市政は、犯罪に近いイメージでした。
ただ、、、その後の国政への出方が、「?」だったので、★3です。この本を読んで橋下大阪市長の論理的な行動力がよく分かりました。 -
大阪都構想を述べた書。日本に東京以外にも引っ張っていくエンジンを!という発想は分かる。器を変えなくては、システムを変えなくては、そうでなくては政策だけでは革新ができない。
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主張はわかった。
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橋下徹氏の大阪都構想の意図するところを解説。大阪の府と市の構造問題にかなりボリュームが割かれているが、長期的には道州制も見据えた一歩なので大前さんの著者を読んでいればしっくりくる。マスメディアでは報道されない細部についても書かれておりやはりきちんと理解するにはそれ相当なボリュームが必要なんだよなと再認識。ビジネスにおいてはエレベータートークも必要だがただ意志決定を引き出すだけでなく理解を得たい場合もあるんだよね。本を読ませる訳にはいかないが…。
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かつては、人口260万人の大阪市に対して大阪府は840万人にも上る中で、市と府の行政は全く問いっていい程連携がされていない。病院や大学、図書館、美術館などの公的施設は市立と府立が併存し、水道事業は市とそれいがいの市町村では全く別。地下鉄は利用者の7割が市外からであるにも関わらず、市営であり他の鉄道との乗り入れなどの利便性は低い。既に大阪市の役割は終わっているというのが客観的な見方であろう。
また、市の補助金が地域振興会などという訳の分からない団体に流れ、その団体が現役市長の後援会を作り、選挙の際には協力な集票マシーンとして機能する。これを癒着と呼ばずして何と呼ぶのであろう。しかし、こうした実態はおそらく大阪のみならず、多くの地方自治体でも行われているのではないかと邪推せざるを得ない。
大阪の問題は、実は日本の政治・行政における問題の縮図。橋本氏がこの構想を実現出来なければ、日本は再起不能だろう。彼は、現代の高杉晋作だと思います。 -
大阪で区議会選が無いとは知りませんでした。
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内容紹介
「よいことも悪いことも大阪からはじまる」といわれる。長引く経済の低迷、莫大な負債など、大阪を取り巻く情勢はまさに日本の縮図だ。そんな大阪が変われば、日本全体が変わる! いままでの改革はなぜ全て失敗してきたのか? どうして「大阪都」でなければならないのか。いま何をすべきか。橋下徹が掲げる「大阪都構想」は、大阪、そして日本革命の切り札となるか──その全貌を橋下徹と堺屋太一が論じ尽くし、衰退から成長への具体的な「オンリープラン」を提案する。
内容(「BOOK」データベースより)
「よいことも悪いことも大阪からはじまる」といわれる。経済の低迷、莫大な負債など大阪を取り巻く情勢は日本の縮図ともいえる。橋下徹知事が掲げる「大阪都構想」は、大阪、そして日本改革の切り札となるか―。その全貌を論じ尽くす。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
橋下徹 1969(昭和44)年、東京都生まれ。88年大阪府立北野高校卒。第67回全国高校ラグビー全国大会出場、ベスト16。94年早稲田大学政治経済学部卒業、司法試験合格。97年弁護士登録。98年橋下綜合法律事務所開設。その後テレビ等でコメンテーターとして活躍。08年大阪府知事就任
堺屋太一 1935(昭和10)年、大阪府生まれ。東京大学経済学部卒業後、通商産業省(現・経済産業省)入省。70年の日本万国博覧会を企画、開催にこぎつける。78年退官、執筆・講演活動に入る。98年7月から2000年12月まで経済企画庁長官(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
本の感想
この本は橋下徹市長(当時)と作家の堺屋太一氏との対談形式で、大阪府と大阪市の改革の必要性についての議論が展開されている。
この本の最初に取り上げられていたセンチュリー交響楽団・国際児童文学館・ワッハ上方・槇尾川ダムの廃止問題について、橋下徹氏が大阪府知事に就任する直後に改革のメスを入れた問題で、当事のことを思い出した。大阪府だけでなく、大阪市の職員の厚遇問題も取り上げられていて当時の問題点を整理して、大阪府・大阪市の改革の必要性が述べられている。
これから松井一郎大阪府知事・吉村洋文大阪市長の下で大阪都構想の住民投票があるかもしれない。大阪都構想について考え直すには良い本である。 -
大阪都構想を橋下徹自身が語った本。
大阪都構想は、体制すなわち社会システムを変えることである。
パソコンでいうとOSを変えることである。
OSの上のソフトは、OSに合ったものしか動かない。
システムを現代に合ったものに変えなければ、その上で動くソフト(文明)も、その上で行われる政策も現代に合ったものを実現することは難しい。
国は国の仕事(外交、国防、通貨の発行、マクロ経済、高級司法など)を、
広域自治体は世界の都市間競争に勝つための広域行政を、
基礎自治体は「ニア・イズ・ベター」で住民に近いところで、地域に合わせた住民サービスを行う。 -
新しいことをするには、まず体制(システム)を変えないと物事が進まないことを大阪府知事時代の経験を基に本書は書かれている。確かに変革は様々な利害関係を壊すので抵抗勢力があるのはおかしくない。本書で大阪市と大阪府の利害関係もよくわかった。まずはやってみて、ダメなら修正すればいいとの考え方には賛成。