- Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
- / ISBN・EAN: 9784166608324
作品紹介・あらすじ
ウォークマンに代表される「技術のソニー」ブランドはなぜかくも凋落してしまったのか。それを解くカギは大賀、出井、ストリンガーと続く経営陣の知られざる暗闘にある。そして、経営の失敗がいかに企業ブランドに影響を与えるか、その恐さが見えてくる。ソニーで起こっている経営問題は決して他人事ではない。
感想・レビュー・書評
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非難ばかり
結果から悪いところばかり取り上げて、たらればで責め立てるのは簡単詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ソニーの創業から現在に至るまでについて書かれた本。過去技術のソニーとしてエレクトロニクス業に特化した事業を展開し、ウォークマンなど画期的で人々の琴線に触れる商品を供給してきた。しかしながら、昨今ではストリンガー会長のエンターテイメント重視の経営より、技術力は衰退し、革新的な商品が生み出されなくなっている。またこれに伴い技術力の高い人材がサムソンやLGへ流出するという事態まで起きている。アメリカは元来製造業はうまくいかず、エンタメ重視の経営で評価されてきた。そのアメリカのストリンガー氏を会長に据えるのは技術のソニーの終焉を意味する。また、ストリンガー氏は日本のソニーの会長でありながら、日本には月に1週間程度しか滞在しない。さらに、重大な問題が起きたときにも自ら謝罪の場に立つのでなく、現場のトップに謝罪させる。このように現在のソニーは創業者である盛田氏による技術のソニーとしての面影はない。さよなら僕らのソニー。
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•ソニーがハードからソフトへと転換を図ったこと、技術軽視に傾いたこと、技術者の流出、経営状態が悪化した経緯がよく分かる。
•一方で出版後10年以上経った今、ソニーはソフト変換の成果をもとに大復活を見せている。当時の判断は間違っていないとも言える。
•さらに、ハードの凋落もイメージセンサーやデジカメのコア技術で復活を見せており、その後10年で何が起こったのか、興味深い。 -
どの世の中でも、本当に会社や組織を良くしたいと思う強烈なリーダが必要である、と思う。
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1962年、アメリカ・ニューヨークの一等地である五番街に「SONY」のショールームが開設された。終戦からそんなに経っておらず、まだまだ反日感情の強いアメリカで、その玄関にたなびく日章旗(日の丸)に当地の日本人は勇気付けられたが、それは社長の盛田氏の「悲願」であると同時に「覚悟」でもあった。1980年代の「ウォークマン」や家庭用ビデオカメラ「ハンディカム」など、独特のアイデアと技術力で世界を相手に急成長し、あのスティーブ・ジョブズ氏までが憧れた“SONY”の神話が、その後の経営判断によって崩壊していった経緯をたどる。本業であった「モノづくり」からコンテンツビジネスに、目先の利益を追い求めてハードからソフトに方向転換した「采配ミス」が、日本を代表する企業を苦しめたと分析するのはジャーナリストでノンフィクション作家の立石氏。
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これが現実なのか、と思ってしまうが大企業、グローバル企業はこういう問題をいつもはらんでいることだと思う。
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企業の衰退について。
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ソニーの迷走を経営陣に焦点を当ててまとめた本。出井氏やストリンガー氏の経営方針が井深氏、盛田氏が創った古き良きソニーをどう変えてしまったかと切々と著している。
ソニーファンであった著者のソニーへの愛を感じるが、ソニーとの別離(=ソニー復活の諦め)の宣言ともとれる。
『週刊ダイヤモンド』の特集「さようなら!伝説のソニー」とセットで購入。