聞く力―心をひらく35のヒント ((文春新書))

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 9359
レビュー : 1317
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166608416

感想・レビュー・書評

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  • 話し方の極意というよりは、対談の魅力に気づかされる本でした。特に、渡辺淳一さんと黒柳徹子さんのエピソードがお気に入りです。
    私たちは有名人を、メディアによって作られたキャラクターとして捉えています。「この人はこういう人」として位置付け、単純化してしまいます。うまく言えない!

    対談とは、単純化されたキャラクターから、その人の個人の内面まで踏み込んでいく作業だと思いました。人生観やエピソードを聞いていくことを通じて、その人の人間像が深みを持ちだし立体的になっていくのが面白いと思います。
    芸能人であれ、スポーツ選手であれ、政治家であれ、対談やインタビューを受ける方はその分野のプロフェッショナルです。そんな方の話の節々に現れる、凡人には到達できない高み思考には多々驚かされます。一方で、そんなすごい人が些細なことで落ち込むことがある、と語っているとそこに人間らしさを感じて、無性に好きになってしまいます。到底個人的には話す機会などない、世の一流の人間と、一対一での交流、対話ができるのが対談やインタビューの醍醐味でしょう。

    テレビや雑誌など別のメディアで見たとき、
    発言の背景を知っていると、さらに楽しめると思いました。





    ———

    インタビューは苦手
    私はずっとインタビューが苦手でした。
    有能なインタビュアーとは、相手が答えに窮するほどの鋭いツッコミを入れる人をイメージしていたからわたしには無理だと思ったのです。

    面白そうに聞く
    そう それで? 面白いねぇ どうして? それから?と相槌を打ちながら、
    相手がこの人に語りたいと思うような聞き手になる。

    メールと会話は違う
    表情や動作とともに言葉が伝わって来るのと、画面の文字だけの場合とでは、ずいぶん印象がちがう。

    自分の話を聞いて欲しくない人はいない
    流暢に言いたい言葉が出てこない人は確かにいるかもしれないけれど、自分の話を全く聞いてもらいたくないと思っている人は、そうはいないでしょう。

    質問の柱は三本
    「質問は一つだけ用意しなさい。本気で相手の話を聞けば、必ずその答えの中から、次の質問が見つかるはずである。」
    でもさすがに質問を一つしか用意していかないのは心配なので、今は大体質問の中に三本ぐらいの柱を立てるようにしています。

    あれ?と思ったことを聞く
    資料から、疑問に思ったことを率直に相手にぶつけると、それだけ相手の仕事に注視していることが伝わって、本当は他の資料が読み切れていないにもかかわらず、思わぬ話の広がりにつながることはままあります。

    段取りを完全に決めない
    こっちの話題が面白いに違いない。あっちの話はそんなに面白くないだろう。聞き手が勝手に決めつけることが、どんなに危険であるかを、その日、つくづく思い知りました。

    相手の気持ちを推し量る
    本題に入る前に、まずその眼帯の苦しみを聞き手が理解していることを示す。そういう気持ちを伝え、様子を測りつつ、こちらの聞きたいことをぶつけていかなければ、相手は聞き手に心を開きにくいだろうと思います。

    自分ならどう思うかを考える
    ちがう思考や行動を経験した他人の気持ちの一部だけでも、自分の何かの経験を重ね合わせることができた時、相手に対するより深い理解と興味が生まれるのだと思います。


    会話は生ものだと心得る
    人からいい話を聞こうと思って、あらかじめカッチリバッチリ聞くことを決めて臨んでも、思い通りにいくことは、まずありません。でもだからこそ面白いのです。

    P94

    脳みそがを散策する
    人間が人間と語り合う会話だからこそ、どこかへ飛んでいき、どこで何に気づくかは計り知れない。

    話が脱線した時の戻し方
    まず、脱線した話によーく耳を傾けて、じっくり聞いて、とことん楽しむ。なぜなら、その話は思いも寄らぬ面白い話に発展するかもしれないからです。また、それらのなかに、自分の本来聞きたかったテーマに関する言葉がなにかひとつぐらい落ちていないかと必死に探すのです。

    みんなでウケる
    聞き手全員が大いに楽しんでいると分かると、ゲストは嬉しくなるものです。
    少しでも面白いな、と思ったらそれを表情や態度でちょこっと話してに伝えてみてください。聞き手のそういう反応だけで話の内容はずいぶん違ってくると思います。

    最後まで諦めない
    人は皆、自分と同じ顔で、喜んだり悲しんだり寂しがったりするとは限らない。

    素朴な質問を大切に
    デーモン閣下のエピソード
    P126

    お決まりにならないように
    これはお決まりの答えだなとおもったら、その答えの中をぐじゃぐじゃ探って細かく分析し、しつこく食いついていけば、きっと新たなエピソードが発掘されるはずです。

    聞きにくい話を突っ込むには
    P135

    先入観にとらわれない
    人はそれぞれに、それぞれの人に向き合う顔がある。しかし、向き合っている相手からしてみれば、自分の知らない思いもよらない顔を発見した時、ショックを受けるのではないか。

  • "阿川さんの人柄がにじみ出ている本。
    聞く力とあるが、キャッチボールの極意のようなものがつづられていると感じた。
    コミュニケーションは相手とのキャッチボール。
    相手のコメントに対して、瞬時に反応する必要があるし、その反応次第で会話の行方が変わってくる。相手の機嫌を損ねてしまう場合もあるし、饒舌になるほど上機嫌になるかもしれない。各界のプロフェッショナルとの対話で磨かれたインタビュー術が展開される。
    参考にはならない。阿川さんにしかできない技だから。"

  • 人とのコミュニケーションは、うまく話すことよりも、いかに相手の話に興味を持って聞くことが出来るかどうかであるということを学べる。
    日頃から聞き上手な友達と話しているときはとても心地良いと感じており聞くことの大切さは感じていたが、改めてきちんと相手の話を聞けていない自分を認識。全くの初対面の人にも、親しい人としているような“会話”ができる阿川佐和子さんの凄さを改めて感じる。相手の気持ちを推し測る、上っ面な受け答えをしない、会話は生もの、知ったかぶりをしない、喋りすぎない、相手のテンポを大事にする。今までとは違う見方で「サワコの朝」を見てみようと思う。

  • エッセイ的な感じ?

    それなりに面白いが役に立つかどうかはまた別問題かも。

  • 阿川佐和子さんが、連載している対談について書いた本。経験談を基に、対談において相手から聞き出すコツをまとめている。文体がやさしく、読みやすい。エピソードが面白い。
    「質問は1つだけ用意しなさい」p52
    「トークは生もの。だから予定通りには、まずいかない。そして予定通りにいかないほうが、面白い」p95
    「ただ聞くこと。それが相手の心を開く鍵なのです」p149
    「これはこれは。また今日は一段と。(三宅氏)」p242

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  •  インタビュアーとしての豊富な経験をふまえ、人から話を聞き出すコツをあれこれ綴った一冊。1993年に始まり、すでに900回を超えた『週刊文春』の人気連載「阿川佐和子のこの人に会いたい」の舞台裏を中心に構成されている。

     各界著名人へのインタビューをめぐるエピソードが、矢継ぎ早に登場する。しかも、著者の語り口は一貫して軽やかなユーモアに満ちているので、読み物として面白い。阿川佐和子のエッセイのファンなら、本書も楽しめるだろう。

     だが、インタビューのコツを読者に教える実用書としては、あまり役に立つとは言えない。実践的なインタビュー入門としては、ベテラン・ライター永江朗の『インタビュー術!』あたりのほうが、はるかに有益だ。

     てゆーか、そもそも著者は実用書にしようと思って書いてはいないのではないか。実用性より話の面白さをつねに重視している印象なのだ。

     それでも、いくつか参考になる点はあった。
     たとえば、インタビュイーが取材テーマから脱線した話を延々とつづける場合の、話の戻し方のコツ。

    《お相手が一気呵成に話しているのを、どうにも止められないと思ったら、とりあえず話の流れを耳に入れます。そろそろその話にピリオドが打たれそうな気配を感じた頃合に、ちょうどその頃合に人間は誰でも息継ぎをします。出した息を吸い込まなければならない。その短い瞬間を狙って、》

     ――“息継ぎの合間を狙って脱線を戻す”というのである。これは、なるほどと思った。

     “事前の準備は大事だが、準備してきたことにとらわれすぎてはいけない”という話が、形を変えて何度も出てくる。
     インタビューはつねに「生もの」であり、予想と違う展開になることもしばしばであるし、そのほうが結果的によいインタビューになることが多い。それなのに、本番での話の流れを無視して、用意してきた質問(つまり、事前に予想した流れ)をこなすことばかりに汲々としていては本末転倒だ、との趣旨である。
     これも、私自身の経験に照らしてそのとおりだと思う。

     また、著者の言う「『段取りだけにとらわれて、話の内容に心が向いていない』下手なインタビュー」というのは、むしろインタビュアーとしてそこそこの経験を積んだ者こそが陥りがちな「惰性」であろう。著者の次のような述懐を、私も肝に銘じたい。

    《ときどき、自分で質問しておきながら、心のなかで「あー、いかんいかん。段取りをこなしているぞ」と思うことがあります。そういう場合は気を引き締めて、時系列に質問しながらも、どこかに面白いものが転がっていないかを吟味するのです。》

  • 筆者の紹介欄を見ると、対談を900回以上してきたということだったのでそれだけ続くのは凄いと思った。
    文章の端々から謙遜のような、自らを卑下するような印象を感じた。驕らず、人の話を真摯に聞こうとする姿勢があったからこそこれだけ長くインタビュアーとして活躍してきたのかもしれない。

  • 新書だけど読みやすい。聞くことって大事って頭ではわかっているけど自分の気持ちが先行してなかなかできない。何度も読み返して阿川さんのような聞く力手に入れたい!

  • まず、読もうと思ったきっかけは、理想とする女性像で、阿川佐和子さんだったから読んでみた。
    読んでみて、阿川さんらしい(本の中では"らしい"とは言われたくないようでしが…)聞く姿勢、意識について、ユーモアを交え、高慢な雰囲気なく語って、面白いなぁとつい笑ってしまったり、謙虚でかつ周りから認められている女性でありたいと思った。

  • こんな大ベテランになっても、まだまだ勉強中と思っているし、あと自分の失敗談を隠すことなく語ってくれる姿も素敵。そしてお茶目。こんな風に年を重ねたいなぁと思った。

    当たり前のことのようで、できていないかもな〜気をつけたいなと思ったこと。

    ほうほう、へぇ〜、それで?、なんで?など、ニコニコして面白そうに聞くことが大事。そうすることで相手は楽しく話をしてくれる。それが相手の心を開くことになる。
    →これは本当にそう、慣れた相手に対しておろそかになってないか?

    誰しも自分の話をしたくない人はいない。
    インタビューするにあたって、インタビュワーの話をしすぎないことは大事だが、相手の話を引き出すための自分の話はあり。
    メールと会話は違う。やっぱり直接話すことで伝わることはたくさん。
    相手の自虐や落ち込みに対する慰めの言葉やフォローは誠実に。2秒の間が有効なことも。
    相手の目を見る
    相手と視線の高さを合わせる。気がつくと上から目線で腕を組んでえらそうになっていないか?

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著者プロフィール

阿川佐和子

1953年、東京生まれ。慶應義塾大学文学部西洋史学科卒。エッセイスト、作家。99年、檀ふみとの往復エッセイ『ああ言えばこう食う』で第15回講談社エッセイ賞、2000年、『ウメ子』で第15回坪田譲治文学賞、08年、『婚約のあとで』で島清恋愛文学賞を受賞。12年、『聞く力――心をひらく35のヒント』が年間ベストセラー第1位、ミリオンセラーとなった。14年、第62回菊池寛賞を受賞。

「2019年 『いい女、ふだんブッ散らかしており』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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