- 文藝春秋 (2012年4月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (216ページ) / ISBN・EAN: 9784166608577
みんなの感想まとめ
がん放置療法の思想は、症状がない限り治療は不要という新たな視点を提供します。著者は、がんの早期発見や治療が必ずしも寿命を延ばすわけではないことを強調し、過剰な医療のリスクを指摘しています。特に、誤診や...
感想・レビュー・書評
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症状がなければ、治療は不要。これが、がん放置療法の思想。症状がないうちは、「もどき」である可能性がある。生活を改善すれば癌が消えることも大いにありうることと思う。もし、癌を見つけられてしまったら、この本を読んで、放置を実践しようと思う。
・マンモグラフィは絶対に受けては行けない。
→これほど強く言い切っているとは思わなかった。アメリカで、40歳以下の人は、マンモグラフィを受けないことが推奨されていることは知っていたが、推奨ではなく、禁止とは、びっくりした
・がんは原発部分が発見された時点で、すでに転移している。
→発見できないもっと小さいときに、転移はしている。
・もどきが非常に多い。
・組織検査でも1%は誤診(癌でないのに、癌と診断している)がある。
・医者が癌だと思えば、証拠が見つかるまで、検査を繰り返す。挙げ句の果てに、全摘手術をして、良性で良かったですね。という。患者は全摘で命に関わるけがを負うことになったというのに。
・定期検査を受けても、寿命は変わらない。リードタイムバイアスのまやかし。早期発見すれば、発見からの生存期間は長くなるが、後で発見してすぐに亡くなっても、トータルの生存期間は変わらない。
・膀胱癌。進行癌なら、転移ありで全摘しても意味読み終わった。もどきなら、なおさら。
→もっと早くこの本に出会っていれば。
・膀胱癌を放射線治療する場合でも、病変を削らないほうが、放射線を精密に当てることができて良い。削ってしまうとうまく放射線を当てられない。膀胱は放射線感受性が高いため。
・患者の検査をしないと、病院収入は700円にしかならない。
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2014.11―読了
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ガンを放置してみると様々な経過を辿ることが分かる。たいした変化がないケースもあれば、がん自体が縮小し消失してしまうケースもある。がん放置療法期間中は、がんであることを忘れて何も検査をしないのがベスト。何も検査をしないのがどうしても耐え難いのであればPSAを測ればよい。それにしてもひとたび放置療法を始めたのであれば、症状がでない限り、どこまでPSAが上昇しても静かに様子を見ていればよい。そもそもガンは自分自身の一部。それを叩こうとしたら体の方が参ってしまう。たくさんの証言が、ガンは放置に限ると思わせる。
そんな中、見逃せないのが血中コレステロールの値が低い人ほどガンを含めて死亡率が高くなっているという事実。一番短命なのは超肥満グループではあることは論をまたないところではあるが、以外にも二番目に短命なのは痩せすぎグループ。実はコレステロールは細胞の壁を作る重要な成分で、これが足りなくなると正常細胞が弱くなりがん細胞の増大と侵入を助ける事になるのだ。コレステロールが減るとがん死亡率が上昇するということである。メタボにならない程度においしいものを食べる。これも立派なガン治療。自然体が一番ということ。 -
がんもどき理論でおなじみの近藤医師の臨床医としてのまとめの本だと思った。2014年に定年退職を迎えるそうで、数々の今までの症例の人のその後を紹介しており、固形がん(血液がんとかは含まない)の部位別に、症例を2~3例ずつその後を含めて紹介している。
部位別とはいえ、がんもどき理論やがん幹細胞についてのことなども時折ふれている。個人的には入門的な説明の本ではなく、それらの本で近藤理論ある程度知った人がその後の最新医療の知識やこの治療方法による患者のその後を知るための本という位置づけだと思う。
医学界に賛否両論を巻き起こした本だが、最近の免疫療法の発達などがんへの治療も進んでいる。少しずつ、癌の本質、治療法が進んでいると感じた本だった。 -
重い内容だ!
これだと、ガンに対する覚悟がしやすい! -
よく、医療や経済とか専門分野で一般人が常識と思っていることと対極のことを主張する諸所の本がある。
専門家同士が反対のことを主張し、最終的には素人である我々に決定させることがよくある。というか、世の中のほとんどがそういうことになっている。私から見たら”何のための専門家なんだ”と思う。
本書も”がん”は、早期発見、早期切除、だめなら薬物療法、放射線療法等。という我々(私だけかな?)の常識に対して、”がん”はみつかっていても、基本的には放っておけという内容。
著者の主張は、”がん”には本物ともどきがあり、もどきは放っておいてかまわない。本物も見つかるときには、すでに転移しているのだから切除しても意味がない。抗がん剤も毒でしかない(その理由は良くわからなかったけど。)という内容。だから、無理に切除とかの外科的治療をすると、生活の質(QOL)が低下するので、放っておくのがベスト。それで死ぬのであれば、何をやっても死ぬという内容。
本書だけ読むと、そうかな?とも思うが、実際に自分がもしがんを言われ、治療を勧められたら、どうするだろう。
それ以前に専門家同士で素人にもわかる指針を出してもらいたい。(ムリか?) -
組織検査で癌と確認された後、放置した場合の実像。大学病院で、多種、様々な進行度300人超を診てきた経験から、転移しないタイプのがんがある。
最初のガン幹細胞が生まれた時点でタイプが決まる。転移タイプなら発見された時には手遅れ、無転移タイプなら治療は要らないと。結局、ガンって、だれでもなっているものなのかも。 -
近藤先生、すごい。
このような内容の本を書いていると、周囲からの反発もかなりのものと思われる。でも、近藤先生のような考えをもつ医師を求めている人は多くいる。願わくば、現役を続けてほしいです。 -
様々な実例を挙げながら、ガンを発見しても放置して経過を見るガン放置療法を紹介する。
要するに、悪性の転移するようなガンは発見した時には手遅れだし、害を及ぼすようなガンもどきは取る意味はない、よってガンは手術で取り除くことは意味がないというのがこの先生の主張である。素人としては本当か?と思うが、なかなかに説得力がある。
治療法というのは一度流行ってしまうと治療しない場合との比較が難しく、本当に代償に見合った効果があるのかを判断すること困難になってしまうことは確かにそうだと思う。
追記
色々と悪い意味で話題になってる人なのか。。。 -
現代医学の無力さ、医療界のおかしさを感じた本。
各癌ごとに、標準医療での生存率と、実際に著者が診た放置療法のケースが対比されていて参考になる。
著者は研修医時代から教授になるまで強力な抗がん剤を用いた治療を行っていたが、患者の寿命がかえって縮まっていると、目の前の現実を直視して再構築したのが、がん放置療法。これを大学病院が認めたというのが凄い。この方法だと病院収入は1人700円になってしまうから、全国的に広めるのは難しい。この方法が試みられないのは、病気を放っておくというのが日本では倫理的に許されないこと、医者自身も癌は切って治すとしか思っていないこと(養成制度や研修の問題)、診療加点制ゆえに経営がなりたたなくなることなどがあるだろう。著書は淡々と事例ケースを読みあげているが、このような背景が読んでいるうちに頭をかすめてしまう。 -
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本当に、ガン治療で苦しんでいる患者さんを見るのが辛いです。治療しなければ、苦しまないのに 。
知人のお母さん、膵臓癌でしたが、オペせず ある意味オペできず自宅療養を選択して ほぼ最期まで 自宅で過ごされていました。
やはり 実感として 経過観察が、一番良い選択ではないかと思っていましたが、この本を読んで 確信しました。 -
癌の研究をずっとされてきた近藤医師が、最終的に辿りついた「癌治療法」は、特に何も治療行為をしない「がん放置療法」だったということを、実際の症例を踏まえて、この本で紹介しています。
彼の本を初めて読んだのは、かなり前のことなので、近藤氏もそろそろ高齢なのかと思ったら、本に書いてあった通り、来年(2014)にも定年を迎えられるとのことです。最近、近藤氏が何冊か本を出されたなと思っていましたが、現役の間に自分のしてきたことの「まとめ」をされているのですね。
この本の中で印象的だったのは、本当の癌は進行速度が本当に早く、見つかった時には既に他の臓器や体中に広まっていて手遅れということです。そういえば、私が子供の頃の癌のイメージはこのようなものでした。
最近の検査によって癌と診断されるものの多くは「癌もどき」であり、それは、この本で提唱されている「放置療法」で、つまり何もしなくても消えてなくなるということです。本などで時々紹介されている「癌が消えてなくなった」というのは、これを指すのだなと私は理解しました。
最初の部分に、すべての癌は、「本物の癌」か「癌もどき」のどちらかに属し、本物は初発がん発見のはるか以前に転移している、他方、がん発見当時に転移がない「もどき」は、放置しても初発巣から転移が生じないことが確認できた(p11)と書かれていて、この本の神髄だと思います。
以下は気になったポイントです。
・本書が対象とするのは、肺がん・胃がん・膳立腺がん・乳がんなどの、「固形がん」であり、急性白血病や悪性リンパ腫のような血液系がんは、抗がん剤で治る可能性があるので、対象外となる(p14)
・本物と「もどき」は顕微鏡で見ると、細胞の形が同じなので、病理検査で区別することができない(p26)
・転移がある本物のがんの場合、PSAは途中で落ち着くことなく、直線状に上昇する(p44)
・宿主を死なすことはない、ラテント癌をわざわざ見つけ出してきて治療へ駆り立てるのがPSA検診(p51)
・米国では2011.10.8に全ての年齢の男性に対して、PSA検査は勧められないと勧告案が出された、米国でも日本でも、PSA検診は医療機関の経営や医者の経済的利益にあまりに大きく組み込まれているので、自発的に止めるのは難しい(p52)
・子宮頚部の上皮肉がんは、そのように診断されても99%が「もどき」(p59)
・5ミリの腫瘍の癌が1センチになるのと、2センチが4センチになるのは時間は同じ、ただし後者は急に大きくなったと感じてしまう(p95)
・2009.11月にアメリカでは、マンモグラフィによる乳がん検診は40代の女性には勧勧告した(p102)
・私たちの体には60兆の細胞からつくられていて、1個の細胞には、2万個を超える遺伝子が存在している、癌細胞は、そのうちの複数のがん関連遺伝子が変異して発生する(p104)
・本物の癌と、がんもどきは、正常幹細胞から癌幹細胞が発生する時点で決定づけられている、がん発生後に、遺伝子変異が重なって悪性度が高まるというのは誤り(p109)
・がん細胞の遺伝子は、正常細胞の遺伝子と共通しているので、「非自己」と認識されることが殆ど無い、がん幹細胞が、がん腫瘤に育ったということが、免疫がガンに負けた証拠になる(p136)
・食事療法で注意する点は、痩せすぎ、コレステロール値を下げることはいけない(p137)
・ガンは遺伝子の病気なので、ストレスで癌になるというのは、信憑性に疑いがある(p172)
2013年4月7日作成 -
読んでよかった
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"がん"と"がんもどき"の違いがよく理解できた.また、「がん細胞が転移して他臓器にとりついた時期は、通常数十年も二十年も前のことです」という記述は非常に納得できるものだ.そうだとすると、早期検診/早期発見の掛け声は何なのか、不明瞭で不必要なお金の存在があると感じた.
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流石の近藤さんです。ほっておいていいがんがあるという考えは間違ってなかったです。人はいづれ死ぬのは当たり前、それを今一度人類は共有する必要があるね、先ずはまわりから…
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「がん」には進行性の恐れのない「がんもどき」があり、これは転移しない。一方、「転移するがん」は、がんが発生したときに既に決まっている。「がんもどき」が「転移するがん」に変わることはない。ところで、「がんもどき」の方が「転移するがん」よりも割合が高いのに、現在の病院では転移進行するがんとして治療を進める。そこには、「がんもどき」と「転移するがん」の識別が困難である医療の現状がある。「がんもどき」はもちろん手術や抗がん剤の治療はすべきではない。「転移するがん」は、、現在の医療では治ることはなく、治療は命を縮めるだけである。従って何れにしても、放置療法が望まれる。以上が、著者が放置療法を進める理由である。目からうろこの情報だった。
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http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4166608576
── 近藤 誠《がん放置療法のすすめ ~ 患者150人の証言 20120419 文春新書》
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本当に癌は放置しておくと増えて人間を殺すのか?
早期発見の場合でも、生活の質を落としていなければ治療する必要はない。定期的に検診をし、癌の増大や苦痛な症状が出てきたら治療するという筆者の考え方が基本。
本書では肺がん、胃がん、前立腺がん、乳がんなどのいわゆる固形がんを扱う。血液系のがんは抗がん剤で治る可能性があるので対象外。
本文では、各がんのケーススタディを二つずつ紹介。
自分がガンになったらこれを含め、作者の本を読もう。 -
腑に落ちました。
がん治療だけでなく、諸事には諸説あるものですが、最終的には自分自身で選択することですからね。であるとするならば、この本に書かれている内容は、自分自身ががんになった場合の最有力候補になり得る”治療法”です。少なくとも抗がん剤はご遠慮賜りますし、手術も遠ざけるでしょう。
正直な医療が「標準」になる日は訪れるのか・・・。
その日が来るまで現状を放置することは許されないですけどね。 -
前立腺がんの治療法の一つに除睾術が挙げられているのにビックリしました。もちろん「薬で男性ホルモンの分泌を抑え続ける」のと、「ホルモン分泌の源を切除する」のどちらを選ぶかは本人の考え次第ですが、ふたつの道が示されなければ選びようがありません。
知り合いが前立腺がんのホルモン療法をすすめられた時は「女性ホルモンを注射で補って男性ホルモンの働きを抑える」か「薬で男性ホルモンの分泌を抑える」かの二者択一でした。
生殖期を過ぎた女性が乳がん、子宮がん、卵巣がんを患ったら、切除が選択肢に上がらないことはないのに、男性は違うんですね・・・・。
この本を読むと「経過観察」も立派な療法だと思えて来ます。
ただ、『患者よ、がんと闘うな』も「闘うな」=「あきらめろ」と誤解されたし、今回も『がん放置療法のすすめ』は「すべてのがんを放置するすすめ」と受け取られかねない危うさがあります。印象的なタイトルは、タイトルだけで一人歩きするから、惹句にもなるし、胡散臭いと嫌われることにもなる諸刃の剣ですね。
著者はすべてのがんをいつまでも放置しろとは決して言っていないので、目次だけでもみんなに読んでほしいと思います。目次には「自覚症状が出るまで」放置してよしのがんが並んでいます。
ここに載っていないがんは、近藤誠医師も認める闘う価値のあるがんです。
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