日本破滅論 (文春新書)

  • 文藝春秋 (2012年8月20日発売)
3.93
  • (24)
  • (29)
  • (15)
  • (4)
  • (2)
本棚登録 : 232
感想 : 21
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (264ページ) / ISBN・EAN: 9784166608713

作品紹介・あらすじ

震災復興の遅れ、脱出できないデフレ、不毛な議論の続くTPP、否応なく巻き込まれるグローバル恐慌、橋下徹を生んだポピュリズム、「ネバーギブアップ」で進める増税……。これらの「危機」をもたらした犯人は誰だ? 政治家、官僚、学者、マスメディア……『公共事業が日本を救う』の藤井聡氏、『TPP亡国論』の中野剛志氏、気鋭の論客二人が、「日本衰亡の真相」を撫斬りにする。

みんなの感想まとめ

本書は、日本の政治や経済、社会における危機の本質を鋭く分析し、痛快な対話を通じてその根源に迫ります。著者たちは、構造改革やデフレ、大増税、自由貿易至上主義、ポピュリズムといった現代の課題を取り上げ、こ...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 痛快!

    破滅論に秘められた、物事を達観し、本質を見抜くという思考回路。

    この国の政治、経済、社会に危機をもたらす、構造改革、デフレ下の、大増税、自由貿易至上主義、ポピュリズム・・・

    その根本にある日本の病理が透けてみせる。

    ヨーロッパの大学で学んだお二人の痛快な対談でした。

  •  

  • 決めるのが政治でなく、議論するのが政治。なるほどと思う。
    フレーズで洗脳し闇雲に決めることに、違和感を覚えた。その理由も、そこにある気がした。
    しかし、しょーもない議論に時間を使うのは勘弁願いたい!

  • 社会
    経済
    政治

  • 何年か前に手に入れて半分ほど読んでいたものの、諸般の事情で中断していたので最初から読み直した。対談本なので気楽に読めそうとおもってチョイスしたけど、出版は5年前なので出てくる話題がどうしても古さを感じさせる。これはまあしかたがない。5年前というと第2次安倍政権発足前で、当時は民主党野田政権だった。そのような事情から本書では民主党政権に対する批判がいろいろ出てくる。さすがに5年前となるとわたしの記憶もかなりあいまいで、「ああ、そういえばそんなこともあったな」と前政権時代を回想するのにはいい機会だった。
    とはいえ当時は民主党政権末期で政権交代の熱はすっかり冷め、それどころか政府の震災対応をめぐってかなり批判的な世論もずいぶん見られた。そんな時期に注目を集めていたのが橋下氏であり、これを反映してか本書はひとつの章をまるまる使って「橋下現象」批判を展開している。まあ「橋下現象」批判を彼らが展開するのはとくにおどろくことでもないのだけど、しかし批判のボリュームがわたしの想像以上だったので、さすがに食傷気味だった。さらにいえばその主役が政界引退を表明した現在となっては、敵のいないところに弾を撃っているような空しささえ感じる。もちろん「橋下現象にはそれだけの勢いがあった」ということはできるし、実際このことはたとえば去年から今年にかけて東京で巻きおこった「小池現象」からもある程度の類推が可能だろう。とはいえ「小池現象」は先日執り行われた総選挙でひとつの区切りを見せたことは記憶に新しいわけだけど。
    ただ橋下氏本人に対する評価はともかく、「橋下現象」に対する本書の分析は的を外しているようにわたしは感じる。「橋下現象」というのは、平たく言ってしまえば【本来の意味における】「反知性主義」(つまりは反権威主義)であって、最近の事例でいえば「トランプ現象」がそれに近いのではないか。つまりは「反知性主義」といってもそれは知性そのものの否定ではなくて、知性とはなんであるか、どうあるべきかの判断が権威主義的に決定されていると感じる人がそれだけいて、その人たちのフラストレーションが爆発して政治的ムーヴメントを発生させたと解釈する方が説得力があるとわたしは考える。だから「橋下現象」をイデオロギーで解釈することにはそもそも無理があるだろう。この文脈で保守とは本来なんであるかというような話を展開したり、「橋下現象は冷戦構造を引きずっている」と言っているご本人が、むしろ冷戦構造というイデオロギー的な枠組みにとらわれているような感さえある。さらにつけくわえるなら「橋下現象」の背景には大阪特有の事情というものも多分にあるわけで、そういう事情に特段ふれずに「今や勝ちに乗じているだけです。なぜ今、組合叩きが流行っているかと言うと、組合の力が落ちているからです」と言われても説得力がないだろう。
    だから「橋下現象」を理解するのにウェーバーだのトクヴィルだのオルテガだのノエル・ノイマンだの、そんなむずかしい話は持ち出さなくていい。というか、その種の議論こそがまさに権威主義的に見られるわけで、自分からわざわざ相手の射程に入っていって何がしたいのか、とはおもうところ。とはいえ「反知性主義」ということばが本邦で広く流通したのはここ2,3年の現象だと記憶しているので(そしてこの概念に対する理解が本邦で深まった背景には、森本あんり氏の著書の影響が小さくないだろう)、5年前の時点でここを見据えた議論を展開するのはたしかに困難ではあるだろう。
    対談本なので議論がラフなのはしかたないし、つまらないということはなかったけれど、結論をいうとやはり食い足りなかった。とくに著者たちが自分たちから提言をするという場面では観念論的でどうも輪郭のぼやけた感じになって、わたしが期待していたのとは議論の方向性がちがった。「正直、このくらいの議論ならたとえばツイッターでだれかが書いてる話を見ているだけでも、タダでかなりの部分勉強できちゃうよなあ、いまの時代」とおもってしまったあたり、わたしの感性も本書を入手した数年前とくらべてかなり変わったのだとおもう。
    あと、最後の章でやたらマクドナルドが槍玉に挙げられるのはさすがに気の毒だとおもった。しかもマクドナルドはある種の経済学をたとえるのに持ち出されるだけで、マクドナルド自体はさほど関係ないけど、まあ「プリウス」みたいな役回りなんだろう。このあたりのレトリックにも時代を感じた。

  • 震災を食うという考え方を重要視すべきだと感じた。社会的な危機に陥ったとき、それを克服しようと大きな発展が生まれる可能性がある。

  • 非大衆人でありつづけたい。多数決の怖さを意識することが、基本かな。

  • ■書名  日本破滅論 (文春新書)
    藤井聡 / 文藝春秋 / 本 / 2012年08月20日 / Amazonで見る ¥ 809

    ■全体的な感想
    藤井先生と中野先生の対談本。
    現在のマスメディアの論調と対極の考え方をされる先生二人の話は面白い。
    京都大学で同じ研究室に所属しているというのに驚きました。

    このお二人の主張は
    ・構造改革が日本をデフレ化し経済成長率も低迷させた
    ・日本以外の先進国は、ケインズ流で公共投資をして需要を喚起して経済成長を成し遂げている。
    ・TPP反対
    ・橋下氏の全否定

    という「異論」である。

    公共投資によってムダと思える建物がたくさんできてしまっていることも一方で事実であるのであるが、このお二人の話にも説得力がある。

    もう少し主張をよく聞いてみたいと思いました。
    面白い本です。

  • 対談本にしては綺麗にまとめられた良書!!

    誰もが社会に対して薄々感じている違和感の正体がわかりやすく解き明かされる内容である。
    多方面の知識、視野をいかした話題のようだが、述べていることは実は当たり前で尤もなことばかりである。

    また対談を通して、著者陣の志や姿勢、そして人としての魂を感じ取れるのも読みどころ^^

  • 無思考、無教養はいただけない。ムードに流れず、自分の頭と心で判断したい。

  • 自分がいかに無知であるかを痛感させられた
    政治、経済、パラダイム、柔軟性と時代を見据える視野の広さを養うことで一個人として恥じぬ生き方をしていきたい

  • 閉塞感の打破といって、橋下維新に期待している。彼のいう「船中八策」は、この20年間、机上空論しか知らない学者がつくってきた安っぽい物語。80年代から世界をおかしくしてきた新自由主義の、30年も流行遅れの物語を「維新」と名づけて持ち出したにすぎない、との著者(中野)の指摘に耳を傾けるべきだ。

  • 中野「マクロ(経済学、その他産業政策など)で物事を判断するには「見」の判断ではなく、「観」の目がないといけない。ちょっと引いて全体を見ないといけない。かつての経団連の人たち、例えば石坂泰三や土光俊夫なら、たとえ自分の会社が損をすることがあっても一歩引いて全体のために発言するような度量があったのではないか。そんなエリート経営者がいたと思うんです。

    ところが今は、「見」の目で持って自分の会社と自分の利益のことばかり考えている。今の瞬間、株価を上げるにはどうすればいいか、終身雇用を辞めて非正規雇用の派遣労働を増やせばもっと楽になる。法人税を下げればもっと負担が減る。そんなことばかり考えている。日本経済のためと言いながら自分の都合しか考えていない。とてもエリート経営者・財界人とは言えません。」

  • 政治に関する話はいいとして…

    最初のうちはいいのだが、途中から橋下批判、それもtwitterで悪口書かれたとかいう話が何度も…
    そして橋下大阪市長の周囲の学者批判とか。この人たちの思想からすると批判の対象になるんだろうけど、なんせ橋下批判がしつこいので、坊主憎けりゃ袈裟までという感じがする。
    橋下批判も、政治思想、政策に対することではなく、悪口書かれて恨んでるだけに思える。

    因みに僕は橋下市長派ではありませんし、確かにあの人はtwitterで自分を批判した人に対して、連続して批判返しtweetしてるのを見て気分が良くない(というかあっちもしつこい)ですが、それにしてもこの本の橋下批判は読んでて気持ち悪かった。

    あと、売国奴でBKDとか…寒い

    それ以外の政治に関するお話とかは、読んで勉強になった。

  • 藤井、中野両氏の対談をまとめたもの。『日本の未来、大丈夫か!』と危機感を持っているなら、必読です。

  • 尊敬する藤井先生と中野先生、師弟の対談。楽しみだ。

全16件中 1 - 16件を表示

この本が好きな人におすすめの本

著者プロフィール

中野剛志(なかの・たけし)
一九七一年、神奈川県生まれ。評論家。元京都大学大学院工学研究科准教授。専門は政治思想。九六年、東京大学教養学部(国際関係論)卒業後、通商産業省(現・経済産業省)に入省。二〇〇〇年よりエディンバラ大学大学院に留学し、政治思想を専攻。〇一年に同大学院にて優等修士号、〇五年に博士号を取得。論文“Theorising Economic Nationalism”(Nations and Nationalism)でNations and Nationalism Prizeを受賞。主な著書に『日本思想史新論』(ちくま新書、山本七平賞奨励賞受賞)、『TPP亡国論』(集英社新書)、『日本の没落』(幻冬舎新書)、『目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】』『全国民が読んだら歴史が変わる奇跡の経済教室【戦略編】』(ベストセラーズ)など多数。

「2021年 『あした、この国は崩壊する ポストコロナとMMT』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中野剛志の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×