ネジと人工衛星 世界一の工場町を歩く (文春新書 877)

  • 文藝春秋 (2012年9月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784166608775

作品紹介・あらすじ

可住地面積当たりの工場密度が日本一の東大阪市は、製品出荷額が1兆2898億円にのぼります。なかでも多くの中小企業が集まる高井田地域では、ネジ、バネ、パチンコ玉から新幹線、航空機、人工衛星の部品まで多岐にわたる製品が生まれています。不況、後継者難、大手メーカーの海外移転、中国や東南アジア勢の猛追……。様々な困難を乗り越えながら頑張る13社を訪ね歩きました。

より良い製品を作ることで信頼を得る。モノに自信があるから客に媚びない――。ここには「モノ作りニッポン」の原点があります。

みんなの感想まとめ

ものづくりの真髄を探る旅が描かれた本書では、工場密度日本一を誇る東大阪市の高井田地域を舞台に、ネジやバネから新幹線や人工衛星の部品まで、多様な製品を生み出す中小企業の姿が紹介されています。各社の経営者...

感想・レビュー・書評

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  • 2015/11/14

  • もの造りをやってる人間に取って、非常に重要なコメントがてんこ盛り。

    同世代の方が多く登場されてるし、益々のご活躍を祈ります!

  • SLBA選定図書 2012年度 第3期 Bセットから

    ネジ、バネ、パチンコ玉から新幹線や航空機の部品、小型人工衛星まで。
    「モノ作りニッポン」の原点を求めて工場密度日本一の町を歩く。

    分類 509/シ

  • 高井田の町工場のおっちゃん達へのインタビュー。平成20年の統計では東大阪は工場の数は全国4位、密度では大田区の5割ましでダントツの1位。しかし全盛期の半分に減っている。
    紹介されているのはバネ、金型周り、金属加工などなど。
    生き残るための考え方は各社それぞれだが共通するのは、機械を買って来て機械任せでは大手や中国に勝てないこと。
    また、中国の技術が上がってきていることもわかっていてそれでも勝てる部分は有ると。
    ちょっと気になったのは工場が減った分住居が増えて工場に対する苦情が増えていること。
    おっちゃん達の多くは同世代からちょっと上が中心なので中国に負けん様に頑張って欲しいもんですわ。

  • 日本最大の工場密集地(東大阪市・高井田)を丹念に取材し、大企業を支える町工場の現在を伝える。モノを造るとは単に機械に材料を流せば済む話ではない。図面の修正から切削に至るまで技術者の経験の蓄積に支えられている。経営・技術・歴史、13の物語。

    塩野さんは、やはり「聞き書き」の“名手”。「コピペ」の“名手”佐野眞一さんは塩野さんを見習うべきだろうry

  • ≪目次≫
    第1章  信用
    第2章  技術
    第3章  矜持
    取材を終えて

    ≪内容≫
    聞き取りの名手、塩野米松が東大阪市の中小の工場主から、世界一の工場の実態を聞き取りしたもの。「安かろう不味かろう」の中国とは違い、機械に頼らず、人間の力で様々な部品を、工作機械を作り上げている人びとの姿が読み取れる。

  • 20121201 仕事ってなんだろう。技術立国日本、言葉では簡単、今の政治家に読んで感じて貰いたい。
    (´-`).。oO(

  • 生まれ育ったのがこの地域の近隣だったのですが、そのことが自分の考え方や行動に大きく影響しているのだとはじめて気づきました。
    この本に登場する話は仕事の話しなんだけど、いわゆるビジネスの香りがまったくしない。
    最先端のテクノロジーほどそれを具現化できる職人を必要としているのが現実で、昔みたいな手の感覚だけじゃないITツールを駆使して定量化された近代的な職人のニーズはもっと高まるのだと思う

  • 子どもたちにも読ませたい。不況に負けない強さを感じる。大人だけど、読んでワクワクした。忘れてはいけないこと、それは仕事に対する希望、ロマン。

  • 塩野米松と工場?と思って購入。
    東大阪の中小零細工場主たちからの聞き書き。
    自分の取材活動のなかでふつふつ感じていた疑問に少し答えてくれた。

    特に印象に残ったのが
    「東大阪の工場主達は機械の番人になることを拒んだ」
    「人のいない工場から知恵が生まれてくるだろうか」
    というあとがきのフレーズ。
    今は自動的にいろいろ作れる時代だから、大部分のモノは人件費安い海外で作って、日本ではそれ以外の開発とか設計とか一部高性能品の製造に注力すれば配当入ってきてハッピー。
    という一種のモデルが円高が進む日本にはあるけれど、それは30年後も通用するのかな。職人は今でも減り続けている。

    おっちゃんたちみたいな人に話を聞きに行こう。


    以下あとがきの引用。

    父や先輩たちの仕事の教え方はほぼ昔ながらの徒弟制度に近い。見て覚えろというだけ。
    微妙な刃先の感覚、火花の色、目に見えていそうで見えない部分の処理、音による傷の判断、手に持った時の違和感、みな自分で体得しなければならない。それを身につけ、感覚の一部のして初めて一人前になれる。それを体に覚えこませるためには経験と失敗から学ぶしかないのだ。
    「機械ができることだけするんなら簡単ですわ」「それやったら機械を買った中国に仕事持って行かれます」「自分たちのように注文通り、正確に、少量それを作れるのはそうはいません」「それは長い経験積んだもので、一日じゃできません」「薄利多売は大きな所に任せておけばいい」

  • 塩野米松というと、マタギ、山菜取り、民芸品製作職人など歴史の彼方に置き忘れられたような職人の生活を紹介する所謂「絶滅種」保存会のようなルポライターという印象が強い。つまりそうした職業に興味が湧かなければ買わない本なのだが、ついつい今回は書店で買うものが見当たらないことと、大阪の町工場が取材対象という塩野にしては珍しいことから手を出してしまったものだ。

    大阪の町工場の経営者へのインタビューを再構成して語りの形式を取っているものの、一工場あたり数ページのものとなっているのでツッコミが不足している感は否めない。本当はこうした職人たちにはもっともっと面白い逸話があったかも知れないのだが表面をなぞっただけの平坦な話になってしまっているのが残念。

    塩野米松が取り上げたということで大阪の町工場もひょっとして絶滅危惧種認定が近いということにならなければ良いが。

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著者プロフィール

1947年秋田県角館町(現仙北市)生まれ。作家。東京理科大学理学部応用化学科卒業。アウトドア雑誌の編集に携わるかたわら執筆活動に入る。小説で芥川賞候補4回ノミネート。『木のいのち木のこころ』『失われた手仕事の思想』『手業に学べ』『大黒柱に刻まれた家族の百年』など、聞き書きによる著書を多く著す。2003年に絵本『なつのいけ』(絵・村上康成)で日本絵本賞大賞受賞。1950~60年頃の子どもたちの生活を描いた絵本『おじいちゃんの小さかったとき』(絵・松岡達英)がある。他に『正吉とやぎ』など。

「2022年 『少年時代 飛行機雲はるか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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