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Amazon.co.jp ・本 (232ページ) / ISBN・EAN: 9784166608997
作品紹介・あらすじ
単なる算術的な意味ではなく、実質的な意味での「20世紀」は、第1次大戦に始まり、2008年9月のリーマン・ショックで終わりを迎えたと言える。米国発の世界不況はとどまるところを知らない。各国は不況対策のため財政赤字を拡大させ、ユーロ体制は最大の危機を迎えている。アメリカにモノを売ることでバブル崩壊後を辛うじて凌いできた日本も、いまや茫然自失の態だ。今後どうなっていくのか予測できないこの事態に、「21世紀」を生きるわれわれは対峙し、活路を見いださなければならない。だが「20世紀は終わった」と自覚せずに「21世紀」の展望は開けてこない。「20世紀」とは第一次大戦に始まる「総力戦」の時代だった。この戦争に勝利するには、物的資源から人的資源まで国力のすべてをかける必要があった。イギリスではロイド・ジョージが、兵器、物資の増産のため福祉政策を拡充し、総力戦に備えた国家体制を整えることで敗北の危機にあった国を勝利に導いた。戦争に国民を総動員するには、労働者階級の国家への忠誠心が不可欠だ。福祉政策はそのためのものだった。この傾向は第一次世界大戦後も続き、各国とも社会保障制度を整え、住宅、公立学校、鉄道、道路、下水道を整備した。日本もこれに倣い、1921年10月、ドイツのバーデンバーデンに集まった小畑敏四郎、岡村寧次、永田鉄山ら若手将校は、第1世界大戦から「欧米諸国が総力戦に備えた国家を構築しているのに対し、日本は大きく立ち後れている」という教訓を引き出し、陸軍の刷新と総動員体制の構築を誓う。第2次世界大戦は総力戦のピークとなった。総力戦体制はその後も形を変えて続いた。戦後、繁栄を謳歌したわれわれのライフスタイルがまさにそれだったのである。しかし、「20世紀」も終焉を迎えつつある。「21世紀」を生きる指針を見出すべく、世界が総力戦を目指して突き進んでいった「20世紀」という時代を、キーとなる人物と出来事から検証する。
みんなの感想まとめ
20世紀の歴史を政治、経済、文化の視点から総合的に概観した一冊で、特に第一次世界大戦が歴史の転換点であったことを強調しています。著者は平明な語り口で、さまざまな出来事を手際よくまとめており、知識の整理...
感想・レビュー・書評
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20世紀を政治、戦争を中心に概観した1冊。史上初の国家間の総力戦となった第一次世界大戦が、特に大きな歴史の転換点だったと説く。著者の近代史に関する本も読んだが、こちらのほうが切り口が明快で分かりやすく感じた。
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知識の整理には良い一冊。コンパクトにまとまっています。
学校で習った歴史上の人物と最も印象がかけ離れているのは、なんといってもフランクリンルーズベルト。
学校ではまるで聖人君子のようなイメージでならっていたが、どうだろう。
今ではどちらかと云えば、無能、戦争責任、など負のイメージが強い。
今は学校でどのように教えているんだろうか。興味がある。 -
思索
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20世紀の歴史の大まかな流れを、政治・経済・文化の各方面について簡単に解説している本です。
著者自身の歴史観に基づいて、20世紀のさまざまな出来事を解釈・評価するような内容だと予想していたのですが、そうした叙述が正面に押し立てられるような印象はありません。平明な語り口で20世紀の歴史を手際よくまとめています。
著者のファンにはすこしもの足りない内容かもしれません。 -
ネットワークの戦いが恐ろしいのは、ビンラディンを殺害しても、また別のような活動家が出てくること。ネットワークに中心はない。以前のようにボリシェビキをつぶせばいいというわけにはいかない。
日本は国際連盟で人種平等は国家の威信をかけて要求した。
帝国主義時代、世界の覇権国であったイギリスは条約を締結した以上はそれを守らないと国際秩序は保てないという意識をもっていたが、一報ドイツはイギリスと正面衝突さえしなければ、多少強引なことをしても構わないと思っていた。
亡命者が多くて困った東ドイツ政府は西ベルリンへの交通を遮断するために壁をつくった。 -
【総力戦が日常生活をも規定してきた20世紀】20世紀という時代の本質を捉えずに21世紀の展望は開けてこない。キーとなる人物と出来事に焦点を当て、20世紀を振り返る。
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20130725
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歴史の大きな流れを縦糸に、それぞれの時代を代表する人物を横糸に、なかなか面白い本だ。決して堅い本ではない。
第一次世界大戦、第二次世界大戦、そして冷戦と、二十世紀は正しく戦争、総力戦の時代である。登場する人物も、チャーチルあり、フランクリン・ルーズベルトあり、チャップリン、マリリン・モンローありと、それぞれ簡単に出自から生涯を俯瞰し、それぞれの人物に興味を抱く内容となっている。 -
被治者から抜け出すには治者になるしかない。
著者プロフィール
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