児玉誉士夫 巨魁の昭和史 (文春新書 904)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 232
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (380ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166609048

作品紹介・あらすじ

戦前は国粋主義団体を渡り歩き、戦中は陸軍特務機関に身を潜め、そして戦後は政界のキーマンを操った…ロッキード事件の渦中で世を去ったこの傑物の実像を、CIA文書など新発掘の米公式文書を基に描き出す。

感想・レビュー・書評

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  • 児玉誉士夫とその周辺の動きを追うだけで戦後の政争の動きをだいたい把握できてしまうのは、それほどの影響力を持っていたということだろう。政争の知略戦がリアルで面白かった。
    https://longtime1116.hatenablog.com/entry/2021/08/26/000000

  • やっぱり昭和史は面白い。
    本書で取り上げられてるのは、ちょうど僕が生まれる直前辺りまでか?

    案外、身近なものほど知らなくて、そして面白かったりする。

    児玉誉士夫は名前くらいしか知らなかったけど、かなり面白い人物。単純な善悪で計れない。ただ、本書を読む限り「自主防衛」の実現の為に、あらゆる手段を講じている。

    あんまり興味のなかった昭和の政治家にも興味が湧いた。岸信介、田中角栄、中曽根康弘、鳩山一郎、河野一郎。この辺の人の評伝とか読んでみたい。

    あとはやっぱり笹川良一のことも知りたいかなあ。

  • 東2法経図・6F開架:289.1A/Ko18a//K

  • 戦前は国粋主義団体を渡り歩き、戦中は陸軍特務機関に身を潜め、そして戦後は政界のキーマンを操った…ロッキード事件の渦中で世を去ったこの傑物の実像を、CIA文書など新発掘の米公式文書を基に描き出す。

  • テロリストして出発し、陸軍の手先として中国で児玉機関で動く。インテリジェンス機関であり、現地調達が原則だったようだ。
    戦後は、鳩山、岸へと近づく。自主防衛のできる国づくりを求めて。

  • 児玉誉士夫云々より、アメリカもここまでやるか…ひどいな、というのが一番の感想。児玉の考えてきた自主防衛がかなっていれば、米軍基地も無くなって、基地問題も無かったということか。竹島も尖閣も、児玉みたいな人がいなくなっちゃってグズグズになってしまったんだろうな。

  • 感想未記入

  • 【昭和裏面史の主役を、アメリカはどう見ていたか】戦前は右翼の大立者として、そして戦後は55年体制下のフィクサーとして暗躍した児玉。その生涯をCIA内部文書をもとに描き出す。

  • 岸が政権を維持するために巨額の政治資金を必要としたにもかかわらず、児玉に頼らずに済んだのはCIAが資金援助していたから。

    児玉とすれば、日本の総理大臣がかつての敵国の諜報機関から資金をもらうこと自体が許しがたかった。
    佐藤は河野が嫌いだったから、政権中枢から追いやりたかった。佐藤が総理になって河野は憤死した。
    佐藤と岸は命をかけていた。
    児玉が会談に入ることによって、非公式の色を出しやすかった。民間時だったから。

  • 児玉誉士夫の歴史を追いながら、戦中の陸軍のマネーロンダリング(阿片の密売、中国での没収資産の物々交換、老朽化兵器の売却)や、戦後のCIAやG-2といったアメリカのインテリジェンスが日本の防共化のため選挙に金をばらまいて大きく関与し、時の総理を資金面で支え動かしていたことがわかる。児玉は日本の防共・自立のために、ときにCIAと協働しつつ、ときにCIAとライバル関係になりながら、同様にお金の力で政党競争や選挙に関与していった。戦後に防共として蒋介石を支援した台湾義勇軍のことなどもこの本からよくわかり、おもしろい。児玉、米インテリジェンス、蒋介石といった戦後のインテリジェンスの結びつきから、防共のための国家を超えた裏の連携があった。

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著者プロフィール

有馬哲夫(ありまてつお)
1953(昭和28)年生まれ。早稲田大学社会科学部・大学院社会科学研究科教授(公文書研究)。早稲田大学第一文学部卒業。東北大学大学院文学研究科博士課程単位取得。2016年オックスフォード大学客員教授。著書に『歴史問題の正解』『原爆 私たちは何も知らなかった』『こうして歴史問題は捏造される』『日本人はなぜ自虐的になったのか』(全て新潮新書)、『NHK解体新書』(ワック新書)など。

「2021年 『一次資料で正す現代史のフェイク』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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