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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784166609116
作品紹介・あらすじ
中国共産党第18回大会で、胡錦濤が総書記と軍中央委員会主席を退き、習近平が党・軍権力の継承を受けた。習近平は習仲勲元副首相を父に持つ。抗日戦争と国民党との内戦に打ち勝った、毛沢東率いる共産党高級幹部の子弟グループ「太子党」を権力基盤とする。幹部養成機関の共産主義青年団(共青団)から権力の階段を一歩一歩進んだ胡錦濤が、サラリーマン社長だとすれば、習は、危機を救うため創業者一族が切り札として担ぎ出した2代目社長に当たる。
だが、江沢民、胡錦濤の歴代総書記による長老支配は依然残っており、三つ巴の権力構造が確定した。今後の政権運営には、習、江、胡の3者間で大枠の合意事項が形成されていると思われる。中央政界ではそれを「中南海の密約」と言う。本書は、密約の中身を解き明かすことによって、中国の今後を読み解こうとする試みである。
対外的にはアジア重視戦略に傾いた米国との主導権争いや東シナ海、南シナ海を巡る領土紛争、国内では、政治・経済改革の停滞が招いた不平等な分配や腐敗問題が深刻化し、一刻の猶予もない危機の時代を迎えてはいるが、政治の中枢である中南海の内幕は、各派閥が既得権益擁護の死守を目指して権力闘争に明け暮れている。
新たに発足した最高指導部に対し、中国国民の間には、新政権に対する刷新の期待よりも、コップの中の騒ぎに白けた失望感が漂う。一方、尖閣諸島の国有化で緊張化した日中関係の中、毛沢東の強国路線をDNAに持った習近平体制の発足は、日本にとっても大きな関心事である。
読売新聞中国総局長である加藤隆則氏とその右腕の竹内誠一郎氏が、中国政治の舞台裏を明らかにする。
みんなの感想まとめ
中国の政治の複雑な内幕を深く掘り下げ、現政権の背景と課題を明らかにする一冊です。本書は、習近平政権の成立に至るまでの権力闘争や、江沢民、胡錦濤との関係を「中南海の密約」として解説し、政治的合意や暗黙の...
感想・レビュー・書評
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習近平個人の話ではなく、中国を理解するために書かれた書。中国では法とは別に潜規則なるものがあるらしい。ただ中国はけしからんと批判するだけでは何も生まれないという文章が全てを物語っている。
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書名の「密約」は、江沢民の引退直後に胡錦涛に「重要事項は江沢民に相談する」と合意させたような明示的な約束も含むが、より広く、中国社会全体で政治に関し暗黙の前提となっている合意事項をも指しているようである。
出版時(2013年)直前の数年を中心に、新指導部選出、薄熙来事件、毛沢東崇拝の勃興、習近平のキャラクターと政策の方向性、天安門事件の評価、メディアと民主化の動き、少数民族問題、対日政策、と幅広く取り上げている。
あっと驚くスクープや、習近平政権の方向性を断じるような評価があるわけではない。が、筆者が前書きで「メディアがしばしば用いる単純な色分けは…裏返せば、複雑さを切り捨てることになる。本書は、この複雑さにこそ中国の密約を理解するカギがあると考え…」「習近平個人の性格と党の性格とを不必要に関連づけることにも慎重でなければならない」と書いてあるとおり、単純化できないのが現在の中国だろう。
現在(2016年)、対日関係は本書出版当時と比して良いとも悪いとも言い難い。一方でメディア、民主化、少数民族に対してはより締め付けが厳しくなっているのではないか。 -
中国軍部は今が日本を攻撃するチャンスと いう考え
政変ありやなしや -
成治のやり方も中国は違うようだ.法に基づく決定もあるが,本書では「密約」としている隠された決定事項が重要としている.特に引退した上層部の声はいつまでも拘束力がある.
莫大な数の人民を制御するための仕組みがどのようなものか,そういう片鱗を知ることができる. -
【各派閥による凄まじい権力闘争を描く】習近平政権となっても、江沢民、胡錦濤による長老支配は続く。この三者の合意を中央政界では「中南海の密約」と呼ぶ。その中身とは?
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密約って、日本やアメリカ、ロシア、韓国あたりとの密約と思いきや、過去の権力者(江沢民、胡錦濤とう)と権力の密約のことだったんだね。
内向きな政治ばかりやっている中国らしいな。しがらみ多過ぎて思い切ったことできそうにないね。澱が溜まり過ぎている。鄧小平くらいまで遡らないと澱がない時代ではなかったんだろうね。個人としてどうこうというより、党としてどうなのかが優先される事がよく分かった。そして、それがメンツ重視という仮面になるんだな。うんうん。
この本読んで、薄キ来の事件がよく分かったし、こないだ捕まった周永庚が捕まったわけもよく分かった。
毛沢東の亡霊に踊らされてるようにしかも見れないんだけど、今毛沢東が地方に出てきて同じ主張したら全力で弾圧するんだろうね。鄧小平がきっちり毛沢東政策を総括していなかったからなのでしょう。そして、それは共産党にはできないこと。ダブルスタンダードを内包させて成長させて行くしかなったことが鄧小平にできたこと。
奥深い。
しかし、中国人の名前がツラツラ書かれると読みづれぇ。 -
中国は「政治(駆け引き)」の国で有る。宗教は認められていないが「字を書く」名教という宗教が存在する。
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密約の内容にそれほど意外性はなかった。最高指導者と言ってもしがらみは多い。ところどころ独自の考察が見られ、これからは読売新聞の中国関連記事は見逃せない。
あまり表面に出ない習金平の人となりを少しづつ拾い上げている点が好感持てた。 -
本書はやはり「密約」という言葉に集約されていると感じました。毛沢東から始まり現在の習政権にいたるわけですが、一党独裁という体制は崩れておらず、それが政治にブラックボックスをもたらしています。
このような体制が今の中国の礎を築いた毛沢東の亡霊に縛られているのかな?とも思います。独裁者を出さない集団指導体制を築いたものの、それが政治の暗部を生んでいるという状況だなあと思わざるを得ない内容でした。 -
現代中国の内情はさながら戦国時代のような面白さに満ちていると思う。
昨年2012年に中国は、10年に一度の最高指導部の交代があったが、それをめぐる奥の院の内情についてさまざまな憶測と未確認情報が飛び交っていた。
本書は、その内幕にだいぶ迫っているのではないかと思えた。
もとより本書のウラをとることはできないのだが、さまざまな情報と重なり合う部分も多く、整合性もある。
「最高指導部人事」「軍人事」「経済政策」「派閥」などが絡みあう中国情勢は、どんなドラマよりもドラマチックであり、迫力とダイナミズムに満ちている。
しかし、本書で書かれているような内情を抱えた中国は、混乱する経済のソフトランディングができるのだろうか。
すでに経済規模で日本を凌駕し、いずれアメリカを追い越すとの考察もあるが、それまでの長く厳しい道のりを中国は無事に進むことができるのだろうかと本書を読みながら考え込んでしまった。
本書は中国の内情に深く切り込んで入るが、ほとんどの情報はすでに知られているものである。
コンパクトにまとめた点は評価できるが、今後の動向や将来の見通し、また理念や思想に踏み込まない編集には物足りなさも感じた。 -
中国の政治の世界はブラックすぎる。やくざ以上にやくざだ。
共産党にとって最も恐れるべきは、毛沢東の名を借りて、批判の矛先が党自身に跳ね返ってくること。反日デモでは毛沢東万歳!は聞こえても、共産党万歳!は一切ない。
旧ソ連はスターリンなど過去の偉人を批判したことで、共産主義に対する信仰が崩れた。軍隊を党から引き離し、政治的中立を守らせたために共産党が消滅した。西側モデルの民主化が進んでいないから政治改革が後退しているというのはおかしい。中国には社会主義民主があり、独自の民主化を進めるべきである。 -
習近平政権の抱える、つまりは中国の抱える問題をわかりやすく書いています。現地で長年取材を続けていると、確かに現状に満足していないけれども、だからといって反日や愛国に流れるのではない、理性的な知識人との交流も増えるのでしょう。そういう声を広く拾っていると思います。
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