何のために働くのか 自分を創る生き方 (文春新書)

  • 文藝春秋 (2013年6月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784166609215

作品紹介・あらすじ

やりがいのある仕事に出会えない。そもそも働くことの意義を見いだせない。仕事をめぐる悩みを抱える人はますます増えている。これから就職する学生も今、働いている社会人も働く目的についての羅針盤を失っている。

そこで、長年、商社マンとして世界で活躍してきた寺島実郎さんがグローバル時代のなかで役に立つ「働く」ことをめぐる新しい羅針盤を悩める学生、社会人に向けて語る。

寺島さんが自らの体験から重要視するのは、「ツトメ」と「カセギ」を両立させること。「ツトメ」とは社会的な貢献を果しながら、自分のやりがいも得られる仕事。「カセギ」とは経済的な自立をかちとるためにする仕事。

この二つを両立することが、今や非常に難しくなっている。

どうすれば、両立できるのか。その問題を寺島さんが自分の体験を振り返ることで、読者とともに考えていく。まず、「自分探し」などせずに、まず社会に向け、自分を開き、何かしらの仕事に自分を埋没させてみよう。その体験を通して、「自分」が見えてくるはずだ。

正しい時代認識なくしては、「人生のマネージメントはおぼつかない」。

IT革命の意味、シェールガス革命から始まる新しいエネルギー地図、第6次産業としての農業の可能性、技術力を高めずして日本は生き残れない、アジアが世界の中心になる

、など、これからの世界の見方も伝授する。

感想・レビュー・書評

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  • 第1章 働く意味を問う/第2章 創造的に働くフロントランナーに学ぶ/第3章 わが人生を振り返って/第4章 新しい産業社会への視線ー時代認識への示唆/第5章 企業の見極め方/第6章 人は何のために働き、そして生きるのか

  • 筆者が導き出したメガトレンド(新しい産業社会)への認識とそれらへの示唆には頷かされる。アジアダイナミズムやITの流れは正にその通りだと思う。また、日本の人口の増減や少子高齢化の流れの捉え方も参考になった。

  • このタイトルに関する内容が書いてあるのは第1章のみだったような印象。 それ以外は、これからの日本ないしは国際社会についての未来予想図や、評価されるであろうビジネス形態などが著者の意見として述べられていた。日本の武器は技術力のみである!みたいな。 目の前のことに懸命に取り組むことで現状は打破できる、働くことを通して世の中や時代に関わり歴史の進歩に加わる、職業に貴賎なし 「事実かどうかではなくそのような思いを心に抱いて生きることが大事」、たしかに。 幾度となく出てくる「青い鳥」という表現、おもしろい。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/685559

  • 寺島実郎「何のために働くのか--自分を創る生き方」(文春文庫)を読了。
    大学生を含めた若い世代にぜひ読んでほしい本だ。

    企業に勤めながら、仕事を通じて時代と格闘し、成長を続けてきた男の物語である。
    寺島さんは卒業時に、アカデミズム、ジャーナリスム、産業現場という3つの選択肢を考えたのだが、数十年経ってみると産学官とジャーナリスムの仕事をするという現在の場にたどり着いている。原点に回帰したという以上に、関心と興味を持ち続け結果的に3つの選択肢のすべてを実現しているということもできる。

    1980年からの7年間に及ぶ寺島さんの「失語症」の時代に私は出会っている。
    中央公論の「われら戦後世代の坂の上の雲」で名前は知っていた。ニューヨークとワシントン時代には現地に何度も訪ねたし、帰国の度に東京で何度も会っている。その間がメディアへの論文や著作を出さなかった「失語症」の時代だったのは初めて知った。「われら戦後世代の坂の上の雲」から「地球儀を手に考えるアメリカ」までの期間である。海外での知見を深めるうちに、自分でわかったつもりでいたが、まったくわかっていなかったことに気づく。半知半解の自分に気づき沈潜する時代だ。この期間、大きな時代の波に飲み込まれ格闘する中から寺島さんは失語症状態を脱していく。

    私の場合は、全共闘運動が吹きすさぶキャンパスのなかで大学1年生の後半に失語症にかかりそこから脱出するのに1年以上かかっている。自分の言葉がないことに気づいて次第にものがしゃべれなくなっていった。受け売り的知識でつまった頭でっかち状態から脱するために、自分に欠けていた行動力を自覚して、激しく「行動」する中から光を見つけようと決心する。そしてその舞台を探検部に設定する。1年間の怒涛の行動の時代を経てようやく自分の言葉を語れるようになっていく。

    この本のキーワードを以下にあげていく。

    寺島の自分史から。

    「マザコン」「読んだこと、感じたことがににじみ出るような文章を書き、それを人に読んでもらうこと」「短歌」「自分の書いた文章で、人の心をつかまえたり、人の気持ちを動かしたりする。そういうことに自分が向いているのではないか」「三つの選択肢。アカデミズム、ジャーナリズム、産業現場」「マージナルマン(境界人)」「中央公論の粕谷一希」「1980年のわれら戦後世代の坂の上の雲」「折り合い」「2か月で辞表、大原寛」「IJPC(イラン・ジャパン石油化学)」問題解決のために情報を集める」「1980年以降7年間の失語症時代」「NYC、WAS」「問題解決をしてきたことが誇り」「知的三角測量」「知的インフラとしての人的ネットワーク」「サムライ・イングリッシュ」

    働く意味

    「カセギとツトメ」「不条理の克服」「歴史の進歩」「天命」「天職」「まっとうな大人」「教育が残る」「使命感の自覚」「一点の素心」「こだわり」「小成」「謙虚」「出会いと自覚」「時代認識」「6つのジャンル:環境、新エネルギー。医療・介護・健康。次世代ICT。食と農業。グローバルサービス、エンターテイメント、観光、文化交流。新しい公共、NPO、NGO」「企業モノ小説」「自分のネットワーク」「親というハードル」「新渡戸の武士道と内村の後世への最大遺物」「高尚なる生涯」「歴史における個人の役割は重い」「個人・組織・国家「アーチスト・オブ・ライフ」「ワークウェア(能動的福祉)社会の地平」

    メガトレンド

    「グローバル化と全員参加型秩序」「アジアダイナミズムとネットワーク型の世界観」「IT革命の本質」「食と農業の未来」「技術と産業の創生とTPP問題」「エネルギー・パラダイムの転換」

  • 就活生の自分にとっては、学びになりました。

    企業を見る時のポイント
    ○ビジネスモデル
    ○自分はこの会社に何を交換できるのか

    働くこととの究極の意義
    ○カセギ 経済的
    ○ツトメ 社会貢献度


    自分の仕事で歴史を変えられる

  • 時代的背景もあるので、必ずしも全てに頷ける内容ではなかったですが、その時代を働き抜けた人の知見本として読みました。良本でした。

    自分の処方箋は以下。

    抜粋"働くことを突き詰めると、「カセギ」と「ツトメ」という二つの要素に行き着くのではないか。カセギは経済的自立、ツトメは社会参画や社会貢献を指す。
    現代においては、その両方が一体となった手応えのある仕事に必ずしも出会えるとは、限らない。"

    抜粋"どんな仕事でも、結局人間と向き合って相手の心を動かさなければ絶対に成功できない"

    抜粋"企業の見極め方。じぶんが何をしたいのか。
    じぶんならどう貢献できるか、どうするかという観点から企業と向き合ってみる。
    じぶんが経営者ならどう変化、進化させるか。未熟でもいいから考えをまとめてみる。そのために業態変化や企業経営に関する書物や文献に少しずつ興味をもち、理解を深めておく。
    この人のもとで働きたいと思えるか。
    自分の額に汗して、靴を履き潰して動く。相手の目を見て話をして、自分を評価してもらい、生身の人間を動かすこと。それが、働く。..人間に対する好奇心がなければ、仕事はうまくいかないのだ。"

  • 【北海道大学蔵書目録へのリンク先】
    https://opac.lib.hokudai.ac.jp/opac/opac_link/bibid/2001582274

  • ●働くことを突き詰めると、「かせぎ」と「つとめ」という要素に行き着く。

  • 物知らずの猿にはなるな。
    カセギとツトメの両立の現実だけで満足ぜず、歴史の進歩も意識する。

  • "これから社会に巣立つ学生に向けた人生訓。社会に出てさまよっている人にもお勧めの本。
    大学生になった甥っ子に進呈したいと思った。
    世の中の読み方の一つを学べる。たとえば、アメリカという国を知りたいと思ったら、日本とアメリカ、中国とアメリカ、韓国とアメリカというように様々な国々との関係を見つめるということを言っている。
    日本という国が世界でどのように見られているかも意識して生きていかないといけない。
    特に、今後企業はグローバルな市場でビジネスを進めていくことになるし、国内にいてもコンペチターは諸外国企業だ。広く世界の動きを見つめて自分がどんな立ち位置にいたいのかを決めること。そのうえで、どんな分野に興味を持って働けるのかを見極めよう。
    どんな時代でもその時代を生きる人にとっては、厳しく苦しいものだ。振り返ってみたときに、人それぞれ楽しいと思ったり、楽だったと感じるもの。今の時代に生きる若者も、厳しさだけを見つめずにチャンスや将来の可能性を見つめてみよう。親の意見もほどほどに聞いて、生きている時代が違う中、親の意見だけを聞いていては将来自分が困ることになるかもしれない。親が先に死ぬのが自然。自らの足でしっかり立ち、ひたむきに人生を駆け抜けてほしいと切に思う。"

  • このタイトルに関する内容が書いてあるのは第1章のみだったような印象。
    それ以外は、これからの日本ないしは国際社会についての未来予想図や、評価されるであろうビジネス形態などが著者の意見として述べられていた。日本の武器は技術力のみである!みたいな。
    全体としては求めていた内容と少し違ったが、第1章50ページは参考になる部分が多かった。

    目の前のことに懸命に取り組むことで現状は打破できる、働くことを通して世の中や時代に関わり歴史の進歩に加わる、職業に貴賎なし
    「事実かどうかではなくそのような思いを心に抱いて生きることが大事」っていうところ大事。
    本の内容とは関係ないが「職業に貴賎なし」という言葉を最近やたらと見たり聞いたりする。
    そういったツールに触れる機会が多いからなのか、アンテナが張ってるからなのか。

    何はともあれ、アベノミクスの三本の矢ぐらい人に説明できるぐらい知っておきたいな…

    あと、この本で幾度となく出てくる「青い鳥」という表現、なんだかおもしろい。

  • 有名人の迫力がすごい。それだけで説得力。よんでよかったとは思わせてくれる。

  • 著者の「世界を知る力」に引き続いて読んだので、多少重複部分はあったが、またしても今までの自分の価値観に照らして腹落ちした部分が多く、自分の人生観を検証する意味でも、いい読書でした。
    そのポイントは、一つは「素心」でいること。何事も、謙虚さを持って、ヒトや物事に対面することの重要性。
    もう一つは「情報」の解釈として、「情けに報いる」ということ。当然ながら、ヒトとの情報共有の前提として、いかに相手を信頼できるかということ。本書で明記している「こいつには、他のヒトより早く本気で伝えてやろう」と相手に思わせる人間的魅力をつけること。
    この言葉には、身震いさえしました。
    私も、人間的魅力と高尚な知性を兼ね備える経験を重ねて、本書のタイトルである、とてつもない大きな問いに対する答えをみつけなければと、思いました。

  • 流し読み。
    本書で述べられている「最近の若者」像に当てはまらなかったので腑に落ちる部分は少なかった。

  • 元物産マンの寺島実郎氏の著作。以前、講演会に参加し、主体的に社会との関わりを持ち、積極的に自分の考えを発信する同氏に刺激を受けた。本書を読み終えた時には、その時と同じような刺激を得ることができた。元気になれた。

  • かせぎ(金銭的)とつとめ(社会的)
    社会から不幸な境遇を少しでも解消し、一歩でも前に進める
    素心をもつ

    確かにそう思うよ
    でもこの変化著しく、ネット情報に振り回される世の中で、どこまでここまで考えて就職活動できる人がいるか。。
    今でも自分はできていないかなと。

  • タイトルの通りの我が悩み事の解決の一助になればと手に取った。
    正直はじめににおける著者の論理、すなわち母の愛や先祖を例に出し私たちはこの世に生かされてるので日々を大切に生きなければいけない、という論理は言ってることは正しいと思うのだが甚だタイトルからの逸脱が激しく当たり前のことを回りくどく、それも度々古い歌を例に出して説明されても共感しがたいので先を読むのが思いやられたのだが、我慢して読み進めると1章以降はなるほどという内容が展開される。

    1章
    さすが現役の学長というだけあり就活生や新卒の気持ちをスカッとするほど的確に代弁してくれている。やれ個性を伸ばせと教育されても現実は社会に出たら所詮は代えがきく歯車としての扱いしか受けられないのである。しかし落胆しているだけではダメだ。または青い鳥を探しているだけでもダメだ。具体的に起こすべき行動が次章に書かれている。

    2章
    生きがい・やりがいは探すものではない。創り上げるものだ。この両者の違いは大きい。前者は目の前の物事からの逃げの思考、後者は目の前の物事に向き合い、その中から喜びを発見する姿勢だ。何事も一生懸命やらないと、その先のものは掴めない。

    3章
    驚くべきことに、前の2章よりも面白かった。のれまで著者がどういう人間か分からずに読み進めて来たのだが、著者の生い立ちや学生時代や会社に入ってからの体験談を読むにつれ共感を得た。著者が持つ特異な思想と成功体験は純粋に励みになった。そして未来の自分と重ねたい姿に思えた。

    4章〜6章、おわりに
    4章では21世紀の課題について触れている。それ以降の章ではもう1度タイトルの話題に戻って話を展開している。結論から言えば何のために働くのか、その答えと答えに対するアプローチは人によって違う。万人に共通の解決策など無い。ただ、5章には少々耳が痛い話も乗っている。近頃の若者は就職面接で福利厚生などの質問は一切せず、企業にどう自分を育ててくれるのか、その辺りを追求する傾向があるらしい。私個人的にはそれ自体は成長したいという気持ちの現れなので悪いこととは思わないが、著者に言わせれば求めるばかりで、どう貢献するかが抜けている、だそうだ。

  • 「人は何のために生き、何のために働くのか」をはっきりさせることが必要。大事なのは"与えられた持ち場で、「カセギ」と「ツトメ」の両立を実現する。目の前の仕事に挑みながら、その延長線上で、世の中をよりよい方向に変えるために力を尽くす"ことだ。

  • 働く目的は「カセギ」(経済的自立)と「ツトメ」(社会参画)
    内村鑑三の名言「誰もが後世に遺せるものは、高尚なる生涯である」(『後世への最大遺物』より)

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著者プロフィール

1947年生まれ。早稲田大学大学院政治学研究課程修了後、三井物産入社。調査部、業務部を経て、ブルッキングス研究所に出向。その後三井物産ワシントン事務所所長、三井物産常務執行役員等を歴任。現在は日本総合研究所会長、多摩大学学長。著書に『人間と宗教』『日本再生の基軸』(岩波書店)、『ユニオンジャックの矢~大英帝国のネットワーク戦略』『大中華圏~ネットワーク型世界観から中国の本質に迫る』(NHK出版)、『若き日本の肖像』『20世紀と格闘した先人たち』(新潮社)他多数。

「2022年 『ダビデの星を見つめて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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