継体天皇と朝鮮半島の謎 (文春新書)

  • 文藝春秋 (2013年7月19日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784166609253

作品紹介・あらすじ

見えてきた謎の大王の実像



子のない武烈天皇が崩じたのち、傍系、地方出身にもかかわらず、

天皇の座についた継体天皇。

王位簒奪者か、大和の救世主だったのか?

真の継体陵とされる今城塚古墳の石棺は、なぜ九州から運ばれたのか?

緊迫する朝鮮半島との関係にどう対処したのか?

古墳、石棺、冠、大刀、鏡など考古学上の新しい成果と、

文献からの考察を突き合わせ、古代史最大の「空白」がいま、明らかになる――。

『謎の大王 継体天皇』から12年。古代史ファン待望の新作



第一章 新たな謎の始まり

第二章 近江国高島郡と継体天皇

第三章 継体天皇のルーツを探る

第四章 冠と大刀

第五章 継体天皇と渡来人

第六章 有明海沿岸勢力と大和政権

第七章 百済文化と継体天天皇

終章 継体天皇とは誰か

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

古代の日本と朝鮮半島の関係を探る本作は、継体天皇の実像に迫る魅力的な考察が展開されています。傍系ながら王位に就いた継体天皇の背景や、彼を支持した地方豪族の存在が明らかにされ、特に古墳や遺物を通じた考古...

感想・レビュー・書評

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  • 継体天皇の父祖の系譜を近江の古墳の考古学の成果を受けて比定し、応神天皇の子孫がいかに近江に根を張り、土着していったかを明らかにした。また継体天皇の大和入りに年月がかかった理由を東大和と西大和の豪族の対立があったからだと考え、具体的には反対勢力の葛城氏が没落し蘇我氏が取って代わった為、大伴、物部といった東大和の豪族に擁立された継体天皇が大和に宮を構えることができた。この考えは面白い。何故、蘇我氏が葛城氏に代わる形で歴史の表舞台に出てきたのかが納得いく。五経博士のくだりも面白かった。ただ対外的な部分や磐井との関係、秦氏との繋がりなどは引っかかるところもある。

  •  古墳時代の六世紀、遠い血縁、地方の出身と言う背景にもかかわらず、大王となった継体天皇。
     なぜ継体天皇でなくてはならなかったのか。どのような勢力が継体天皇を支持したのか、と言う問題を通じて、朝鮮半島と日本列島にまたがって活動していた、当時の有力者達の姿を説明する一冊。
     河内馬飼首が渡来系の豪族ではないかとか、江田船山古墳の有名な鉄剣には、筑紫君磐井を中心とする有明の豪族連合を牽制する狙いがあったのでは、などなど。言われてみれば…… と言う話が多く、興味深い内容でした。

  • 謎のママなのは本題通りと言えばそうなんだけど

  • その血統に???がつく第26代継体天皇。それまでの仁徳朝がいったん途絶えた後、はるか5代前まで遡って「ぢつは親戚だよ〜」とやってきたストレンジャー(もちろん大伴氏、物部氏のバックアップあってのことだけれど)にいったいどんな強みがあったのかを、朝鮮半島との関係を鑑みながら書かれた本。

    学校の日本史の時間では、この時代には任那という日本のテリトリーが朝鮮半島にあり、継体天皇はそれを失ったことになっている。

    けれどこの本では、そもそも継体天皇がベースとしていた(今の)琵琶湖北岸、東岸には鉄器等の外来文化が強く根づいており、彼の重要な経済的地盤となっていたこと、そしてさらに琵琶湖から桂川経由で(今の)高槻や枚方にも商圏を拡大したなかなかのやり手であった、ということになっている。

    つまりですね、古墳時代の前期には奈良盆地から二上山を越えた難波津、すなわち近鉄エリアの範囲にしか過ぎなかったヤマト王権を、一気に京阪、阪急、琵琶湖線、湖北線まで拡大したのが彼だったわけです。凄いよね。

    で、そして従来は「(せっかくの植民地)任那を失った」という捉え方ではなく、運営コストを考えた上でとっととそんなモンは百済に譲り、代わりに中国からのエンジニアや文人をコーディネートしてちょうだいな、と持ちかけた賢帝だったということになる。

    さらに当時の百済の武寧王の棺桶は、日本特産の高野槙で作られているそうな。棺桶の材料を提供するくらいの親密な外交関係を築いていたわけですね。

    中学や高校の日本史ではほんの1,2時間で語られてしまうような内容が、ぢつはとってもエポックメイキングな時期だった、ということでした。

  • 武烈天皇が世を去り、本流の天皇家の血筋で厚意を継ぐ者がいなくなった。そのときに白羽の矢が立ったのが、応神天皇の五世孫で、近江・北陸の地を拠点とする継体であった。

    本書は、傍流の継体がヤマト政権の権力を継承し、どのような内政、外交を行ったのか、その当時の日本国内の勢力図がどのように変遷していったのかを、文献や出土品、ときには古墳に用いられている石棺の石の産地などから解き明かしていく。
    朝鮮半島にみとめられる前方後円墳の意味するところ、百済王の墓に使われている日本固有種の木材、継体の出身地に根を張っていた渡来人、ほど近い若狭から開ける航路などから、継体は半島への渡航歴もあったのではと著者は推測する。
    ともすればよくわからない点の多い印象だらけの古代史だが、丹念に資料を読み解けば意外なほどに活発な当時の外交関係までもが見えてくる。
    非常に興味深い一冊。

  • 継体天皇と所縁が深いとされる琵琶湖湖畔の古墳などの遺物から、継体天皇の権力の背景が、百済との交流を活発に行った地方豪族達に支えられていたのではないか、という考察。中々面白かった。琵琶湖沿岸の高島とか守山とか、前から行きたかったけど、ますます行きたくなった。
    興味深ったのが、日本人が氏姓名を使い始めたのは、継体天皇時代に百済の領土を保障する代わりに来日したとされる五経博士の影響によるもので、しかも中国や現在の朝鮮半島と違って二字姓が多いのは、二字姓が多かった百済王朝の影響ではないか、という話。ま、実際、明治維新まで庶民の大半は苗字なかったし、稲荷山鉄剣の銘文の祖先の名前にも苗字はないし、しかもオホヒコとか、単に「長男」を指す「太郎」みたいな名前だし。それで無問題だった日本人、古代から肩書きや地名で人を呼ぶ文化だったんだろうなあ。それが五経の影響で支配階級はちゃんとした姓名を持つように至った、と言うのは興味深いし、当時としてはさぞ画期的な意識の変化だったんだろうな、と想像出来て面白い。でも、明治政府が全国民に苗字導入を決めなかったら、日本人も未だにタミル人みたいに名前しかない人が多かったかもしれない、というのもまた面白いけど、それでタミル語=日本語のルーツ説を思い出したりなんかして。

  • まともな本。継体の実像にかなり迫っている。

  • 継体天皇は朝鮮半島から渡来した王位簒奪者だったっ!
    なんていうトンデモ本ではなく、『古事記』『日本書紀』を
    読み解き、古墳や出土品から継体天皇のルーツを
    探るというとっても真面目な本である。

    皇統から限りなく遠い応神天皇5世孫である継体天皇が
    何故、天皇として即位することになったのか。

    朝鮮半島からの渡来人と、地元の豪族との住み分けが
    なされていた土地での渡来文化の普及等、興味深い
    話ばかり。

    継体天皇のことがもっと分かれば、現在の皇室に繋がる
    流れも判明するんじゃないか?あ…もしかして、何か
    都合の悪いことがあるのかなぁ。

    しかし、いかんせん読んでいる私に古代史の知識がないっ!
    あ…古代史ってより日本史全般が苦手なのだわ。

    古代史の研究者ってすごいよね。5世紀くらいってほとんど
    資料が残っていないのに、発掘品などからいろんな推測を
    打ち立てていくんだもの。

    こういう作品を読んでいると、日本っていう国は古くから朝
    鮮半島や中国大陸からの文化を吸収して発展して来たの
    だってのが実感できるよね。

    レイシストは歴史を勉強した方がいいよ。

  • 年末に、筑紫国磐井の墓といわれる岩戸山古墳を見てきて
    磐井を倒した大和政権側の継体天皇に興味が出たので図書館から借りた。
    Amazon 書評では朝鮮半島の国の人にとても言えないことが書かれていと記載あった気がしたが実際読むとそのような箇所は1つも発見できなかった。

  • 古代史にはそれほど興味はなかったのですが、本書は面白かったのであっという間に読み切ってしましました。本書では継体天皇という謎の大王とその継体天皇の出自や支持勢力についての考察が書かれています。本書の著者、水谷さんは古代史が専門で過去に「謎の大王継体天皇 (文春新書)」、「謎の豪族 蘇我氏 (文春新書)」などの著書を世に送り出しています。まさにこの時代のスペシャリストといってよい方だと思います。それゆえに内容はかなりハイレベルで、想定される読者も日本の古代史についての基礎知識がある人だと思われます。しかし、僕のような門外漢でも興味を保ちつつ読み進めることができたのは、面白いトピックを織り交ぜつつ文章が書かれているからだと思います。本書を読んで、謎の大王継体の姿に迫ることができたと思います。

  • 【見えてきた謎の天皇の素顔】『謎の大王 継体天皇』から十年。考古学上の発見も取り入れて新しい継体像を提示。傍系・地方出身の天皇がとった東アジア戦略とは?

  • 古代、天皇を出す家系は複数あった可能性。
    九州から関東まで以外に広い朝廷の勢力圏。
    朝鮮半島との濃い交流。

  • またもや古代史❤
    朝鮮に前方後円墳!!萌え

  • 主に考古学の視点から継体天皇に迫…ろうとして結局はぼんやりとしか輪郭を取れなかった印象。考古学にありがちな大胆な推論はなく、生真面目に最新の調査結果を追いかけているが、残念ながら新書の読者層にはあまりマッチしないかもしれない。歴史学、考古学に親しんでいないと、肝心なことが何も書かれてないじゃないかと怒られそう…

  • 『謎の大王 継体天皇』(2001年)の続編。
    前著と違って内容が各論的なのだが、専門的な難しさを感じさせない平易な文で読みやすい。

  • 1.新たな謎の始まり
    2.近江国高島郡と継体天皇
    3.継体天皇のルーツを探る
    4.冠と大刀
    5.継体天皇と渡来人
    6.有明海沿岸勢力と大和政権
    7.百済文化と継体天皇
    8.継体天皇とは誰か

    Emperor Keitai was a Japanese, not a Korean. He was supported by immigrants from the penninsula who settled in his hometown.
    The emperor introduced Korean and Chinese culture in a positive attitude. For example, the Gokyo Hakase, or five doctors specialized in Buddhist sutra. They made great influences on Japanese culture and civilization.

  • たまに来る古代史ブーム。

    とにかくこの人の文章が面白くない。
    人の研究の観察とそれらに対する感想が大部分。

    要は、継体天皇は近江・越前・美濃・尾張に地盤をもっていて、その地盤は朝鮮半島との交易によって豊かになっていて、その先進文化ともしかしたら渡航した経験によって天皇に推戴されたんでないか、ということ。

    まぁこういうのは確証できるわけないんだから(陵墓発掘できないし)、妄想を楽しむものなのであって、その割には筆力がなくて肩すかしでした。

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著者プロフィール

水谷 千秋(みずたに ちあき)
1962年生まれ。龍谷大学大学院博士後期課程単位取得。文学博士。現在、堺女子短期大学副学長。専門は、日本古代史。主な著書に、『継体天皇と古代の王権』(和泉書院)、『謎の大王継体天皇』『謎の豪族蘇我氏』『謎の渡来人秦氏』(いずれも文春新書)、『古代豪族と大王の謎』(宝島社新書)がある。

「2022年 『日本の古代豪族 100』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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