臆病者のための億万長者入門 (文春新書)

著者 :
  • 文藝春秋
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レビュー : 106
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166609703

作品紹介・あらすじ

株を始めるなら、この1冊という信用を得てロングセラーとなった『臆病者のための株入門』から8年。ついに『臆病者のための裁判入門』に続くシリーズ第3弾が出ました! 今回は株だけではありません。宝くじ、年金、生命保険、株、投資信託、為替、不動産からアベノミクスまで、年金崩壊から国家破産と不安が尽きない時代に「虎の子」をどうすれば守り、増やせるのかでお悩みのあなたの疑問にすべて答えます。臆病者の資産運用を指南する決定版です。億万長者になるのは簡単だ!年金問題は個人的に解決できる宝くじを買う人は資産運用に成功できない金融商品は「理不尽な買い物」株価はどのように決まるのか?株式市場はまるごと買える暴落こそが投資の最大のチャンス長期的には高金利の通貨は安くなるマイホームと賃貸、どちらが得か?不動産の適正価格の割り出し方国家破産は怖くない あなたの常識は大丈夫? 銀行、証券会社にダマされない資産運用の常識を伝授します。

感想・レビュー・書評

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  • 億万長者になる方法よりも損をする方法の方がたくさん書いてある本。
    「億万長者」で想像する水準ではないかもしれないが、
    お金持ちになる方針も読み解くことができる。

    ○億万長者になる方針

    『収入の10~15%を貯蓄に回す倹約を続けていれば、
    誰でも彼らのように億万長者になれるとスタンリーはいう』

    『人生を経済的な側面から見れば、その目的は次の2つにまとめられる。
    1 人的資本を労働市場で運用して大きな富(効用)を得る
    2 金融資本を金融市場で運用して、最小のリスクで最大のリターン(利益)を得る』

    『金融資本の運用で損をする最大の原因は、投資に過度なリスクを取ることでなく、
    騙されて有り金すべてを失ったり、手数料をぼったくられることだ。』

    つまり

    ・働きつづける
    ・収入を貯蓄にまわす
    ・金融資本を分散して投資する
    ・うまい話にだまされない

    ことで十分なお金持ちになれる。

    ○金融資本の運用のヒント

    ・金融商品の価値は将来価値を割り引いて現在価値に直したものの合計。
    ・ポートフォリオ理論。価格の相関の低い資産に分散投資する。
    ・長期的には為替リスクはないので、全世界に分散投資すべき。
    ・資本主義が拡張し続けるのであれば、株式は平均的にレバレッジの分だけ高利回り。
    ・(上場?)株式のリスクプレミアムは5%といわれている。
    ・インサイダーマーケットのプロでない限りインサイダーマーケットを避ける。

    ○確実に損をする方法

    確実に儲かる話はない。確実に損をする方法はたくさんある。
    逆に確実に得をするのは、錯覚を利用して金融商品を割高に売りつける売り手。
    売り手のことを考える=だまされないことが金融リテラシー。

    以下損をしないための具体的な知識。

    ・定年制は強制解雇。定年後も働き続けられれば大きな人的資本が残る。
    ・専業主婦(主夫)になって労働市場から富を全く得られなくなると、人的資本が1億円毀損する。

    ・保険のコストは一般に高いので、貯蓄で保障できるリスクは保険に頼るべきでない。
    ・生命保険は宝くじ。貯蓄とは全く関係がない。
    ・医療保険と呼ばれているものは(国保を除いて)事実上失業保険。

    ・過去の実績を調べると、アクティブファンドの成績はパッシブファンドを超えない。
    ・株式市場は効率的なので、よく知っている日本株に投資する(ホームバイアス)ことは根拠がない。

    ・マイホーム購入はレバレッジをかけた不動産投資。資産配分のバランスを崩す。
    ・マイホーム購入が得に見えるのはレバレッジで収益が拡大するからだが、損失も拡大する。
    ・不動産市場はインサイダーマーケット。うまい話は素人には流れてこない。

  • トレーディングの世界は「みんなが美人だと思う美人に投票するゲーム」
    これが株取引を一番よく表現できてると思います。
    ある程度適正な価格はROEとかで測れるんでしょうけど取引価格は買いたい人と売りたい人の気持ちで変わります。
    自分が美人と思っても周りのみんなが美人と思うかが問題ということです。
    つまりみんなが思う美人を予想するゲームと喝破されてます。

    ホリエモンについても書かれていて著者がよく言われる制度の歪みを利用して大儲けしただけと言われてます。
    ただ誰もが天才的に歪みを見つけれるわけではないですし僕はやっぱり彼は天才やったんやなあと思います。

    僕らがなれるデイトレーダーについても書かれています。
    大儲けしたデイトレーダーは時間に余裕がある主婦や専業トレーダーなんですよね。
    僕ら仕事持ちは精神的に耐えられないというところを実体験を交えて書かれています。

  • 先日『年金は本当にもらえるのか』を読んで不明/不安だったことがスッキリわかった。この明解さが橘さんの魅力。

    年金問題は解決可能。しかも、個人的に対応可能、という。え?教えて教えて!
    答えは、「年金に頼らなくてよいように働き続ける」。なるほど〜。私はこれを聞いて怒り出すのではなく嬉しさにうなづいた。
    著者のロジックはこう: もともと年金は「働けなくなった」人の収入補償。自営業は遅くまで働けるから少なめ。サラリーマンは定年があって早くに働けなくなるから多め。どうせ自分がもらえる年金の金額は不透明だから、働き続けるに限る。

    また、目からウロコの、でも確かにそうだよなぁという指摘があって驚く。
    例えば、「厚生年金は強制徴収され選択肢がないが、国民年金は払わないという選択肢があり市場原理が働く。だから国は一定レベルまでしか給付条件を下げられない」とか、「銀行の金利が低いと嘆く必要はない。低いのは名目金利。デフレにより実質金利は低くない。インフレもタイムラグがあるから焦らなくていい」とか、「本当に必要な医療保険は、入院1日目から60日目まで払われるものではなく、60日目までは払われず61日目以降に払われるもの」とか。
    むむむ。

    なかでも本書の白眉は、終章のタイトル「ゆっくり考えることのできるひとだけが資産運用に成功する」というメッセージ。ダニエル・カーネマンの「早い思考」「遅い思考」を取り上げ、後者を使うべきシーンに前者を使ってはいけない、という。ナルホド〜。

  • それぞれの資産のリスクを最小化する
    それぞれの資産のリターンを最大化する
    資産運用に必要なコストを最小化する

    暴落を待って、株価が回復するまでドルコスト平均法で分散投資する

    長期的には高金利の通貨はやすくなる
    金利平衡説

    外貨投資に為替リスクはない

    マイホームの購入はレバレッジをかけた不動産投資で、それは株式の信用取引やFXと変わらないということ

  • 「投資において一番やってはいけないことは、損をしないことではなく騙されないことだ」

    毎回勉強になるが、今回はお金のことで自分の生活と密接しているところから、かなりためになった。

    株式投資・不動産投資初心者のために詳しく記載したあと、裏事情や本質的な部分の解説、考え方、個人(臆病者)のための実際の投資法まで書かれていてる。

    精神論だけの本や小手先のテクニックを記載した本が多い中、本書は淡々と事実ベースで物事を語っている。
    全ページ必読といっていいほど内容が濃い。
    もちろん本書が全て正しいことを言っているわけでもない。ただ合理的なことを書いてあるだけだ。
    本書を参考に、自分にとって最善の策を考えて投資を楽しんでいこうと思う。

    誰でも億万長者になれるのが今の世界。

    それは、億万長者ではないことも自分の責任である残酷な世界なんだ。

  • マーケットの魔術師
    ラリー・ウィリアムズの相場で儲ける法
    株で富を築くバフェットの法則
    ピーター・リンチの株で勝つ
    賢明なる投資家
    ウォール街のランダム・ウォーカー
    証券投資の思想革命
    リスク、神々への反逆

    を参考文献に挙げる

    84 デイトレードで年利2割をあげられるプロはトップの10%
    94 投資家の仕事は損をすること
    ファンダメンタルVSテクニカル
    効率的市場仮説
    金融版バカの壁、平成電電の話
    毎月分配型ファンドの税金

  • 相手から持ってくるうまい話はない、ということが一貫して書かれていると思います。

    誰が凡人にいい話をわざわざ教えてくれるのでしょう。
    いい話と思わせる技術は凄まじく高い人が多いので、引っかかる人が多数でるのでしょう。

  • 資産運用の入門書。宝くじや不動産投資のデメリットを仕組みから丁寧に解説し、分散投資などによってコツコツと利益を生み出していくべきとの論調である。アクティブファンドよりもインデックスファンドが利益を生み出す、うまい話には乗ってはいけない、など、初心者向けとして著者の主張は決して目新しいものではないが、根拠を示して説明がなされているため、読んでいて理解が進みやすい。
    本書の一番のポイントは、資産運用を“儲け”として考えるのではなく“保険”として考えるべき点だろう。平均寿命が伸び老後が長くなる中で、年金だけでは心もとない。また、多額の債務を抱える我が国の経済が、将来どのようになっているかも解らない。そのような不安を解消するためにも、円預金と外貨預金が資産運用のゴールだという。
    外貨預金の知識が不十分な自分にとってはハードルの高い目標設定な気もするが、国家破綻までも想定した場合、入念にリスク分散をしておくべきなのだろう。(個人的には実践には移せないように思うが…。)

  • マイホームVS賃貸論争や不動産についてやっとまともな(=数値で語る)情報が得られた感

  • 株は上がるか下がるか分からない。というのは本当だと思います。

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著者プロフィール

作家。2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)が30万部の大ベストセラーに。著書に『日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル』『橘玲の中国私論』 (以上ダイヤモンド社)など多数。『言ってはいけない ~残酷すぎる真実』(新潮新書)が50万部超のベストセラーに。

「2019年 『1億円貯める方法をお金持ち1371人に聞きました』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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