日本語とハングル (文春新書)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166609734

作品紹介・あらすじ

ハングルが日本語の謎を解き明かす仮名、漢字、外来語と様々な文字が入り乱れる日本語は不思議な言語。その面白さは、近くて遠い韓国語とハングルから見えてくる!

感想・レビュー・書評

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  • ハングルや韓国語の視点から見た日本語の特徴を述べる。音節文字のかなでは母音・子音の連なりは表せない、アルファベットではこんどは文節の区切りは表せな、ハングルだと文節もその中の母音・子音の構造も透けて見える。それを手掛かりに日本語の面白さや特徴を分析する。以前の著書でも述べられていたような話も含まれているような。

  • 言語を比較して眺める試み。日本語の特徴がよくわかる。日本語だけなら自明のことでよくわからないがハングルという比較対象があることでなるほどという感じ。日本語が母語でよかったとしみじみ思う一冊。

  • 定価:本体770円+税
    発売日:2014年04月21日
    ページ数 240ページ
    判型・造本・装丁 新書判
    初版奥付日 2014年04月20日
    ISBN 978-4-16-660973-4

    [担当編集者より]
    日本語は不思議な言語です。仮名、漢字、外来文字と様々な文字が他では考えられないほど入り乱れています。ある言語の特徴は他言語との比較から初めて見えてきます。例えば学校で「S(主語)V(動詞)O(目的語)」という英文法に触れた人ならば、そこで日本語との違いを実感したはずです。しかし実は、英語や中国語以上に、似た文法の韓国語と現代言語学にも匹敵する言語思想を基礎に人工的につくられたハングル文字との比較を通して、日本語の面白さはよりはっきりと見えてきます。そのことを教えてくれる画期的な本です。
    http://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784166609734

    【個人的メモ】
    ・日本語 Windows でハングルを使うには? (東京外国語大学大学院 総合国際学研究院 趙義成研究室)
    http://www.tufs.ac.jp/ts/personal/choes/etc/hangeul/

    【簡易目次】
    第一章 ハングルから照らすアングル ――いい按配の構図 011
    一‐一 文字化、言語か 012
    一‐二 言語と国と民族と 019

    第二章 ハングルから日本語の音と文字を照らす――文字のガラパゴス列島を行く 031
    二‐一 驚異! 文字のガラパゴス列島 032
    二‐二 音から文字へ 039
    二‐三 ハングルは仮名みたいなものじゃない――我が身を顕わに 054
    二‐四 仮名と訓読み――極限用法への道 062

    第三章 ハングルから日本語の語彙を照らす――単語の饗宴・単語の迷宮 077
    三‐一 語彙のレイヤー ――やまとことばアマルガム 078
    三‐二 固有名詞の魔窟――なんでそう書くの 096

    第四章 ハングルから日本語の文法を照らす――西欧語文法よ、さようなら 103
    四‐一 語順を制する者が、文を制する――文の相似形 104
    四‐二 助詞が微笑む――てにをはの落としどころ 108
    四‐三 主語はお入り用ですか 119
    四‐四 猫である――同定詞の〈である〉ファミリー 136
    四‐五 日本語形態論をハングルで解剖する 159

    第五章 ハングルから日本語の“書かれたことば”を照らす――文体万華 179
    五‐一 〈話されたことば〉と〈書かれたことば〉 ――全然違う!180
    五‐二 韓国語の〈書かれたことば〉 187
    五‐三 日本語の〈書かれたことば〉の触感〔テクスチュア〕――見るほどに 194

    第六章 ハングルから日本語の“話されたことば”を照らす――えっ、私、こう話してた? 205
    六‐一 〈話されたことば〉はマルチ・トラックだ――ね、聴いてるの? 206
    六‐二 誰も見たことのない〈話されたことば〉を覗く 214


    ※以下の詳細目次では、本書に振られていたルビを亀甲括弧〔 〕で括った。(例 工夫〔コンプ〕 )

    【目次】
    はじめに [003-005]
    目次 [007-010]

    第一章 ハングルから照らすアングル ――いい按配の構図 011
    一‐一 文字化、言語か 012
    〈ハングル〉は文字の名称。〈韓国語〉〈朝鮮語〉は言語の名称/ハングルはどんな文字/〈韓国語〉も〈朝鮮語〉も同じ言語の名称/〈日本語〉よ、君の名は――日本列島における/日本語、その〈内〉と〈外〉――境界づけ/三省堂『言語学大辞典』は凄い
    一‐二 言語と国と民族と 019
    国と言語はまったく一致しない/言語と民族も一致しない/姉弟〔きょうだい〕だって言語は異なりうる/〈日本語〉よ、君の名は――朝鮮半島における/倭とか唐とか言うなっつーの

    第二章 ハングルから日本語の音と文字を照らす――文字のガラパゴス列島を行く 031
    二‐一 驚異! 文字のガラパゴス列島 032
    絢爛たる〈エクリチュール=書かれたもの〉の驚異/日本語の文字をめぐる絢爛豪華=エクリチュールの群雄割拠カテドラル/〈書かれたことば〉のマルチ・トラックを実現する極限の離れ業〔アクロバット〕=振り仮名/ハングルの世界の〈振りハングル〉〈振り漢字〉
    二‐二 音から文字へ 039
    仮名もローマ字もハングルも「表音文字」? 何が違う?/言語音を区切るのだ――音節/文字よ、言語音を区切るのだ――音節の区切りは見えるのか/漢字と音節/漢字の〈形音義トライアングル〉/藤堂明保編『学研漢和大字典』(一九七八)は凄い/ネットは一音節で発音できないネット/モーラ言語の〈みそひともじ〉/文字は単なる表記の装置に留まらない、言語を創り変えてゆく装置でもある/一音節が二音節になっちゃう――そこがネックなのだ/二音節が三音節になっちゃう――そこがキムチなのだ
    二‐三 ハングルは仮名みたいなものじゃない――我が身を顕わに 054
    ハングルは音節をどう表したのか/ハングルは音節の内部構造が常に見える文字だ/音節末の子音をどうする?
    二‐四 仮名と訓読み――極限用法への道 062
    音節の内部構造も見えず、仮名は不便じゃないの?/仮名には多様なヴァージョンがあった――変体仮名〔へんたいがな〕/人と「人」とのインターフェイス――例えば変体仮名/〈IT人文ルネサンス〉の豊穣へ――例えば仮名よ/音読みと訓読み、万葉仮名の離れ業〔わざ〕――古く朝鮮語でも行われていた/訓読み――漢字の極限用法/万葉仮名から日本語の上古〔しょうこ〕の音を探る

    第三章 ハングルから日本語の語彙を照らす――単語の饗宴・単語の迷宮 077
    三‐一 語彙のレイヤー ――やまとことばアマルガム 078
    言語の混淆〔こんこう〕――英語/日本語、韓国語、アイヌ語の系統は――言語学的には不明である/奈良の都は咲く花の/日本語の語彙は三つのレイヤーからなっている/縁〔えん〕は異〔い〕なもの味なもの――これもまた縁〔えにし〕かな/語種のハイブリッド――混種語/韓国語も日本語そっくりの三つのレイヤーからなる/訓読みアナキズム/韓国語圏の漢字語=漢語――工夫〔コンプ〕せよ/愛なき衆生〔しゅじょう〕
    三‐二 固有名詞の魔窟――なんでそう書くの 096
    語種は音の平面、漢字の表記は文字の平面/朝鮮半島の固有名詞/日本語の人名、いかなる〈語種〉のレイヤーにありや

    第四章 ハングルから日本語の文法を照らす――西欧語文法よ、さようなら 103
    四‐一 語順を制する者が、文を制する――文の相似形 104
    文法の相似形/「哺乳類と爬虫類と鶏」とか言うな/構造は複雑な文までよく似ている
    四‐二 助詞が微笑む――てにをはの落としどころ 108
    後置の助詞と前置の前置詞、そして接辞〔せつじ〕/「は」と「が」と「ゼロ」の物語/にっぽん語、のの字のの字のおもてなし
    四‐三 主語はお入り用ですか 119
    〈主語なし日本語は非論理的な言語〉論/日本語も韓国語も主語は必要なときだけある/日本語に主語を認めない文法論、大いに一理あるのだが/「マンモスは陸に住む動物か、哺乳類か」と問うな/一つの〈かたち〉は一つの文法的な働きしかないわけではない/言語外のことと言語内のことを区別する/言語外現実・意味上の〈主体〉と、言語内の要素・形に現れた〈主語〉/主体と主語が区別できないsubject/主語否定論/結局、〈主体〉とは? 〈主語〉とは?/ことばとして〈形にすること、しないこと〉を学ぶ――文を超えて見よ/思っていることを、書けばいい?――そりゃ、だめだ
    四‐四 猫である――同定詞の〈である〉ファミリー 136
    主語も主語だが、述語が面白いのだ/「本である」のパラダイム転換〔シフト〕/文体の違いが悩ましい/僕って何?――それってゼロ体。/補充法、風と共にgo、went、gone/〈書きことば〉の文体は〈だ体〉と〈である体〉/〈書かれたことば〉=存在様式。〈書きことば〉=表現・文体。/〈書きことば〉の新たな〈非敬意体〉は生まれるのか/〈疑問形〉の形はちょっと疑問だ/韓国語の〈…である〉も知湧き肉躍る面白さだ/日本語や韓国語の〈…である〉は、常に〈繋辞〉というわけではない/猫である――危ない〈省略論〉/〈同定詞〉identifierとしての「である」「だ」、そして‐이다〔イダ〕/韓国語の〈‐이다〉〔イダ〕ファミリー
    四‐五 日本語形態論をハングルで解剖する 159
    形態論と統辞論/改めて、文法とは? 文法論とは?/文法は言語に内在する体系である/文法論と日本語の学校文法/学校文法の活用論が使えない!/日本語の動詞の活用を見る/音→文字の〈転写〉、文字→文字の〈翻字〉/五段活用は子音語幹の動詞、一段活用は母音語幹の動詞/ハングルで日本語の動詞の活用を書く/一五世紀のハングル=訓民正音で日本語の動詞を書く/●日本語東京方言の子音語幹の動詞「切る」と母音語幹の動詞「着る」を訓民正音で書く/日本語の活用の仕組みを知る

    第五章 ハングルから日本語の“書かれたことば”を照らす――文体万華〔ばんか〕 179
    五‐一 〈話されたことば〉と〈書かれたことば〉――全然違う!180
    多くの言語には〈話されたことば〉だけあって、〈書かれたことば〉はない/〈書かれたことば〉は言語場を超えて行き、権力を支える/言語の存在様式である〈書かれたことば〉と、表現・文体である〈書きことば〉/口語体と文語体――いずれも〈書かれたことば〉の文体だ
    五‐二 韓国語の〈書かれたことば〉 187
    韓国語の〈話されたことば〉と〈書かれたことば〉/ハングルの誕生――それは驚愕のドラマだ/生き続けてきたハングル
    五‐三 日本語の〈書かれたことば〉の触感〔テクスチュア〕――見るほどに 194
    日本語の〈書かれたことば〉――文体のテクスチュア/音読する言語場――〈書かれたことば〉から再び〈話されたことば〉へ

    第六章 ハングルから日本語の“話されたことば”を照らす――えっ、私、こう話してた? 205
    六‐一 〈話されたことば〉はマルチ・トラックだ――ね、聴いてるの? 206
    〈話されたことば〉についての文法論はよちよち歩き/〈話されたことば〉の発話の構造――〈書かれたことば〉と決定的に違う!/〈マルチ・トラック〉のエディタ、ワープロソフトよ、出〔い〕でよ/〈話されたことば〉の記録をとる――これが泣けるのだ
    六‐二 誰も見たことのない〈話されたことば〉を覗く 214
    日本語の〈話されたことば〉を初めて見据える/文はいかに終わるのか――文を見る視座/対照言語学が教える日本語と韓国語の〈会話のスタイル〉/他に照らして、初めて自らが見える――対照言語学

    おわりに――始めるために(二〇一四年三月 野間秀樹) [227-233]
    日本語の五十音をハングルで書く [234-235]
    ハングルの字母表(反切表) [236-237]

  • 「ハングルの誕生」のあの野間さんの本だから、と新刊時から気になっていた。
    ハングルから日本語を見ると、共通点も、それぞれの特質も見えてくる、というのだ。
    文字と音声、語彙、文法、文体、そして最後に談話分析。言語学の主な領域をカバーする内容。

    知らないことがたくさんあった。
    ハングル(韓国、朝鮮語という意味ね)での漢語は、固有語を駆逐して代わりに居座っていく入り方をしているとのこと。
    日本の音読みと訓読みとは違うけど、固有語と共存していると思っていたので、びっくり。
    韓国語の「の」にあたる助詞は、エと発音するあれ(文字が入力できない...)だけど、日本語ほど使わないこととか。

    文法論になって、面白くなった。
    主語なのか、主体なのか、主格補語か、はたまた別の言い方かという問題も、整理されていて、すっきり。
    文の成分としての主語、言語外の存在を示す主体。で、文の成分としての主語を表すかどうかの選択ができるところが日本語や韓国語の特質だとか。
    「…は~だ」の「だ」はコピュラと習ったけれど、「…は」の部分がなければ、それはコピュラとは言えないというのも勉強になった。ヨーロッパ文法の枠組みがそのまんま適用できないところがここにもあったってことだ。
    で、それを指定詞文と名付け、名詞で終わる名詞文と区別するよう書いてあった。

    最後の談話分析。
    今までどんなものか今一つつかみきれなかったせいもあったけれど、これが色々新しい視座を与えてくれるものらしい。
    日本語も韓国語も、文末が術後で統合されない「非述語文」が半数以上占めるという話も面白い。
    日本語話者は談話時、相手の言葉に重ねて発話することが多いというのも。
    ここは韓国人とは違うらしい。
    相手が話し終わるまできっちり待つという。
    うっかり相手の話に口を出したら失礼に当たるかもしれないのかな?
    なるほど、談話分析、面白い。

  • 中国語との比較も書かれていたので、日中韓で知識を深めることができた。誰にも理解してもらえないけど、隣の国のことは知らなきゃいけないと思うんだよね。文化と言語は切っても切り離せないし、市民レベルで興味を持つことってすごく大切なんじゃないかと思う。嫌いと言うより、前向きな言葉で物事を語る方がはるかに魅力的じゃないか。アウトロバーブにいこうよ。

  • 【ハングルが日本語の謎を解き明かす】仮名、漢字、外来語と様々な文字が入り乱れる日本語は不思議な言語。その面白さは、近くて遠い韓国語とハングルから見えてくる!

  • 言語名と文字名を並べてタイトルした本書を書店で見かけた時は正直かなりの違和感を覚えた。作者名を確認すると斯界の泰斗、『ハングルの誕生』の著者だった。これは確信犯だ!と思ったら何故そんな対比をしたのか知りたくなり結局購入。ハングルを通して日本語を語るという切り口が新鮮。最近、日本語関連書籍にご無沙汰だったので非常に楽しい時を過ごせた。最終章でキム・ジナ博士の近著『談話論と文法論』が激賞されている。以前、この方の博士論文を読んで面白かったので機会があれば読んでみたい。その前に『ハングルの誕生』を再読する予定。

  • あらかじめ断っておきますが、当今流行の「嫌韓本」の類ではありません。
    そんな本には1ミリも興味がありませんので。
    ある種の人たちには溜飲が下がるらしいですが、他国を貶めて自国がいかに優れているかを強調するのって、少なくとも「美しい日本」の国の人たちがすることではないと個人的には考えています。
    ヘイトスピーチやレイシズムなんて言語道断です。
    本書はハングルから日本語を照らすことで、日本語の特異性を際立たせようという大胆な試みに挑んだ本。
    いや、文句なしに面白かったです。
    たとえば、音節の区切り。
    「あめが」
    「アメガ」
    は仮名が文字のうえで3つの塊に分かれていて、形の上で音節の区切りが分かります。
    ローマ字だとどうでしょう。
    「amega」

    「a me ga」
    とか
    「a-me-ga」
    のように空白やハイフンを入れないと音節の区切りは分かりません。
    ハングルはちょっと表記が難しいですが
    「□」が「m」で、「ト」が「a」。
    「□ト □ト」で「ma-ma」
    となります。
    音節の区切りがはっきり見える上に、何と文字という形から言語音が透けて見える、つまり音が可視化されているんですね。
    □□□
    <その文字は音節構造が見えるのか>などという問いは、ローマ字だけ見ても、仮名だけ見ても、漢字だけ見ても、そしてそれら三つを併せて見ても、立て得ない問いなのです。だから<ハングルから日本語>、なのです。(P61~62、「だから」から「日本語」までは傍点が打ってある)
    □□□
    どうですか、面白くて興奮しませんか?
    紹介するとキリがないですが、ハングルとの比較を通して日本語の言語としての圧倒的なパフォーマンスも浮き彫りにされています。
    著者はこう述べます。
    □□□
    多様な文字を自らのエクリチュールの血脈に取り込み、宿し、多彩なエクリチュールを育てゆく日本語の<書かれたことば>の世界。日本語は文字についての考え得る、ほとんど限界に近いパフォーマンスを発揮しているといっても過言ではありません。(P38、文章の冒頭から「発揮している」まではゴシック体で表記)
    □□□
    ハングルという文字から日本語を照らす、という本筋からはややずれるかもしれませんが、「話されたことば」の文法論の話が特に面白かった。
    「書かれたことば」の文法論は世に数多あり、「話されたことば」についても日常の中で観察して考えた文法論は存在します。
    ただ、「話されたことば」を厳密にデータ化し、これを踏まえて考察した文法論はこれまでほとんどありませんでした。
    こうした困難な試みに挑んだ研究をまとめたのが、金珍娥(2013)「談話論と文法論―日本語と韓国語を照らす」(くろしお出版)です。
    日本語の東京ことばの話し手40組、80人、韓国語のソウルことばの話し手40組、80人、異なり人数計160人の自由会話を録画録音して分析しています。
    それによると、日本語の総文数は9070文、韓国語の総文数は7103文。
    同じ時間なのに韓国語より日本語の方が多い。
    理由は
    「日本語は韓国語より<発話の重なり>が多い」
    からだそう。
    日本語では何と、半分ほどの発話が、相手との重なりを示しているというのです。
    一方、韓国語は2割ほどです。
    同書は会話スタイルの特徴について「日本語は共存型、韓国語は独立型」と結論しています。
    □□□
    要するに日本語は相手と共に話しながら、発話帯を一緒にオンにして会話を楽しみ、韓国語は相手の話に傾聴しながら、発話帯が重ならないようオン、オフに配慮しながら会話を楽しむというわけです。(P223、「日本語は」から「会話を楽しむ」までは傍点が打ってある)
    □□□
    このレビューでも時々言及していますが、「話されたことば」と「書かれたことば」という言語の存在様式と、「話しことば」と「書きことば」という表現・文体の区別という、大切なことも学ぶことが出来ました。
    興味のある方はどうぞ。

  • ハングルというものがようやくわかってきました。
    そして日本語の面白さ・豊饒さも、ハングルとの比較で浮かび上がってくるような構成の本。ためになりました。

  • いやー、こんな視点で日本語を見つめるなんて、思いませんでした!ハングル文字面白いー!

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著者プロフィール

野間 秀樹(ノマ ヒデキ)
●言語学者。美術家。
●著書に、『言語存在論』(東京大学出版会)、『言語 この希望に満ちたもの:TAVnet時代を生きる』(北海道大学出版会)、『新版 ハングルの誕生:人間にとって文字とは何か』(平凡社。韓国語版は、朴守珍・金珍娥・金奇延共訳、돌베개〔トルべゲ〕)、『K-POP原論』(ハザ)、『韓国語をいかに学ぶか』(平凡社)、『図解でわかる ハングルと韓国語』(平凡社)、『한국어 어휘와 문법의 상관구조〔ハングゴ オフィワ ムンポベ サングァングジョ〕』(韓国語 語彙と文法の相関構造、太学社〔テハクサ〕、大韓民国学術院優秀学術図書)、『史上最強の韓国語練習帖 超入門編』(ナツメ社)、『史上最強の韓国語練習帖 初級篇』(高槿旭と共著、ナツメ社)、『新・至福の朝鮮語』(朝日出版社)、『韓国語学習講座 凜 1 入門』(金珍娥と共著、大修館書店)など。
●編書に、『韓国語教育論講座1–4』(くろしお出版)、『韓国・朝鮮の知を読む』(クオン。韓国語版は、김경원〔キム・ギョンウォン〕訳、위즈덤하우스〔ウィジュドムハウス〕)、『韓国・朝鮮の美を読む』(白永瑞と共編、クオン)など。
●大韓民国文化褒章。アジア・太平洋賞大賞。ハングル学会周時経学術賞。パピルス賞。
●美術家としては、東京、札幌などで数回の個展、リュブリャナ国際版画ビエンナーレ、ブラッドフォード国際版画ビエンナーレ、プラハ、オストラヴァ、ワルシャワ、ポズナニ、京都、名古屋、横浜、ソウル、大邱などで各種の美術展、また現代日本美術展佳作賞など。
●東京外国語大学大学院教授、ソウル大学校韓国文化研究所特別研究員、国際教養大学客員教授、明治学院大学客員教授・特命教授などを歴任。
●韓国と日本、双方の血を嗣ぐ。
 twitter.com/nsem17657228

「2024年 『定本 韓国語講座』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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