仮面の日米同盟 米外交機密文書が明かす真実 (文春新書)

  • 文藝春秋 (2015年11月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784166610532

作品紹介・あらすじ

「アメリカが日本を守ってくれる」幻想を打ち砕く、衝撃の米外交機密文書の数々



日本領海・領空に軍事的侵入を繰り返す中国。核ミサイル小型化を進める北朝鮮……でも、日米安保があるからアメリカが守ってくれる。日米同盟をより強化するために、安保法制を整備しなくてはならない……これが安倍政権の論理である。

だが、それは「美しい誤解」にすぎない、と著者は主張する。なぜなら新ガイドライン(今年4月改訂)の原文や、著者が大量に発掘した米外交機密文書によると、日本が武力攻撃を受けた場合、アメリカが主体的に血を流す気などさらさらないことがわかるからだ。

たとえば、

①新ガイドラインの日本語訳には、日本が武力攻撃を受けた場合、「米軍は(中略)打撃力の使用を伴う作戦を実施することができる」とある。最後の「できる」の部分は、英語の原文では「may」となっており、「してもよい」「する可能性がある」のレベル。この他にも日本政府は作為的かつ重大な「誤訳」を数多く積み重ね、あたかも米軍が率先して日本防衛にあたってくれるかのようなムードを広めている。

②尖閣問題で、アメリカは中立の立場をとれる逃げ道を用意していた。米国国務省は領土紛争に巻き込まれることを恐れ、1971年春にquit claimという法理論の適用を決めた。日本外務省にとって極めて重大な情報だが、その事実を全く認識していなかった。

③フォード政権文書にも「在日米軍は日本の防衛に直接関与しない」と明記されている。

④沖縄「普天間移転は必要なし」が米国務省の基本的立場。そもそも返還交渉の時から、米側は日本を手玉に取ってきた。

……こうした驚愕の機密文書がこれでもかと列挙される。

安倍政権はもちろん、日米関係にも激震が走る話題作だ。

みんなの感想まとめ

日本の安全保障に関する現実を鋭く掘り下げた本作は、日米同盟の幻想を打ち破る内容で構成されています。著者は、米外交機密文書を通じて、アメリカが日本を守るという前提がいかに誤解に基づいているかを明らかにし...

感想・レビュー・書評

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  • 先ずは自分の身は、自分で守る。自分1人では、弱いから、力のある親分にすがる。でも、親分にすがれば、金か血を求められるのは、古代より当然のこと。平和ぼけした日本人は、アメリカが、そんな御人好しの紳士の国でないことを肝に銘じなければならない。

  • 東2法経図・6F開架:319.1A/H34k//K

  • この本を読んで、まず衝撃としか思えない。

    一般論としてこの本だけで全て判断するのは正論とは言い難いが、私は20数年間生きてきて、いかに普段の生活の中で触れるメディアの情報を得るがまま、鵜呑みにしてたんだと実感した。

    特に、異なる言語を通すことによって、翻訳の仕方、異文化のニュアンスの解釈で、さらに紆余曲折している可能性があることを受け止める必要がある。

    特に、アメリカは日本を守ってくれるという錯覚。

    『英語版ガイドラインでは、日本が武力攻撃を受けた場合、作戦の実施は自衛隊が主たる責任を持つとしている。が、日本語版ガイドラインでは、責任を省略して翻訳せず、あいまいな作為的翻訳をしていた。』

    とあるように、実際に国と国の文書間でも、このような事実が見受けられ、日本では日本の解釈が全てと認識していくのは疑義があり、自分でもしっかりと真実を追求する必要があるのではないかと感じた。

  • 公表された米国外交文書を紐解けば、日米安保条約に基づく本邦防衛は一義的に本邦の自助努力によるものへと変化しており、駐留米軍の役割は基本的に兵站のみ、その防衛対象は韓国、台湾等の東(南)アジア(除く日本)となっている、との指摘。

    従って安保ただ乗り論は的外れだし、米軍駐留費用負担も根拠がないことになる。

    問題は、それを前提とした国のかじ取りができる胆力を持った政治家がいるかどうかだろう。

  • 日本が攻撃されたら、アメリカが守ってくれる。
    なんとなく日本人が信じ込んでいる日米同盟について、冷静に現実を伝える一冊。

  • 内容自体はこれまでにも他の学者なりライターなりが指摘してきたことだが、それを米本土のアーカイヴを参照し歴史的事実としてクリアに提示。
    まーしかし中韓に舐められるな毅然とした態度を取れ!って人らは壮絶なまでに軽蔑され冷笑され威圧されてきたこの屈辱の歴史を前にしたらまず真っ先にアメリカにNOを突きつけるのがスジだと思うのだけどね。
    それともアメリカさまになら存分に舐められたいわーご褒美だわーとかいう特殊性癖の持ち主なのかしら。

  • フーン、そうだったんだ!所詮は1人間のなせる技? 
    自分がかわいいからなぁ。

  • アメリカが日本を守ってくれる、それは日本人の思い込みに過ぎない。
    在日米軍は日本本土を防衛するために日本に駐留しているわけではない、韓国台湾および東南アジアの戦略的防衛のために駐留している。
    尖閣諸島の領有権に対するアメリカの立場、
    アメリカはなぜ、尖閣諸島の領有権が日本にあることを認めないのか、
    沖縄返還協定、ニクソン訪中、日米繊維問題、米台湾関係、
    領有権争いに、巻き込まれたくない、アメリカ

    作者の主張とは異なるが、アメリカの意向の中に、日本中国の間に紛争の種を残しておきたい日中が協力関係を強めることに、歯止めをかけておきたい、と言う意見のほうに強く惹かれる。

  • 最初の3章だけでも読む価値ある。新しいガイドラインでは意図的かどうかは別にして誤った翻訳によりアメリカが日本を守る態勢が後退している現状が隠されている。米軍は日本防衛のためでなく自国の世界戦略のために駐留している、そのために日本を守ることはある、こんな考えてみれば当たり前のことを本書は米国の文書を繙いてそれを証明した。集団的自衛権を行使できるようになることにより日米同盟の片務性を解消して日米同盟を強化して抑止力を高めようなど…
    後半は沖縄の返還、繊維問題、尖閣諸島と今の日米同盟に関わる歴史を解説。尖閣諸島について米国のスタンスがわかる。

  • 米国が沖縄返還交渉の裏で台湾と繊維交渉を行い、その論点に尖閣諸島の領有権があったことに驚いた。

  • キッシンジャーは今でも、最強の中国ロビイストなどと陰口をたたかれている。中国を得意とする人間同士の関係によって、天安恩事件の試練を克服し、中国はWTOに加盟し、世界経済に組み込まれた。

  • 明日は米側にとっては「リメンバー・パールハーバー」の日。そのアメリカが日本を守ってくれていると日本人は今でも信じています。でも実際はそうではないらしい。このことに関してマスコミは大々的に大問題として取り上げてきたのか、私は詳しくは知らない。大方の日本人はやはり、沖縄をメインに日本の各所にある米軍基地に配備された飛行機や軍隊によって私たちは守られているのだから、米側への”思いやり予算”は仕方ないものと考えています。日本の政府もアメリカが日本を守ってくれると信じているのか、それともいつもの隠蔽か騙しか?

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著者プロフィール

ジャーナリスト

「2023年 『SNS時代のジャーナリズムを考える』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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