- 文藝春秋 (2015年12月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784166610563
作品紹介・あらすじ
絶望の老人社会を告発する、硬骨の社会派ノンフィクション!
川崎市の老人ホームで入居者が謎の連続転落死を遂げ、ヘルパーが老人を虐待する映像が公開されて世間に衝撃を与えた。
だが、これは氷山の一角に過ぎない。近い将来3人に1人が高齢者となる日本では、老人をめぐる状況が凄まじい勢いで悪化しているのだ。
たとえば……
・全国各地に「無届け老人ホーム」が増加。行政に届けを出さず、古い空き家を利用したホームが多い。男女混合で雑魚寝させる「お泊りデイ」施設も。排泄物の臭気が充満する不衛生な環境で、ノロウイルスが蔓延したり、転んでケガするケースが続出。それでも「安い料金」が魅力となり、入居させたい家族は後を絶たない。
・北海道には「老人下宿」なるものが増えている。狭い部屋が与えられ食事が出るが、経営者が逃げてしまい、入居者が突然放り出される例も。
・一方で、特別養護老人ホーム(特養)を経営する社会福祉法人のなかには、濡れ手で粟のボロ儲けをし、まさに「老人食い」で肥え太っているものもある。政治家の介在が見え隠れするケースも。
・個人の介護計画を立てるのはケアマネージャー(ケアマネ)。ところが、ケアマネが特定の施設にカネが落ちるよう誘導しているケースも多発。無意味に高い料金を払わされる老人が多い。
・未婚率の上昇とシングルマザーの増加により、低所得の独居高齢者は激増。年金をきちんと払っていても、年金基金が破綻し、実質無収入となる老人も増えている。
・国民健康保険が払えない老人たちも多い。だが、群馬県前橋市などの自治体は、低所得の老人からも無慈悲な「強制徴収」に踏み切っている。
……等々、枚挙に暇がない。
団塊世代が後期高齢者入りする2025年以降は、もっと悲惨な現実が待ち受けている。
はたしてわれわれは自分を守るためにどうすべきか? そのヒントが本書にある。
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
高齢者を取り巻く厳しい現実を描いたこの作品は、社会の隅々に潜む問題を鋭く指摘しています。特に、経済的な困窮が多くの高齢者に影響を及ぼし、国民健康保険や税金の負担が重くのしかかる様子は、読者自身にも身近...
感想・レビュー・書評
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少ない収入から、国民健康保険代、税金など何万円と毎月徴収される。厳しい節約生活を余儀なくされる話が自分にも当てはまり身につまされる。それでも生きていかなければならない。
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介護職員は人手不足である。理由は周知の通り、労働対価が見合わないからだ。待遇が見合えば、介護の仕事をしたいと思うのか?実は、したいと思う人が多いことを知っている。
とても、とても、とても、勿体ないことだ。
一方で、社会福祉法人の理事長や管理ポストが多額で売買されている。これは何を意味するのか。 -
なんと、目標の1/4突破しました!
ひとつひとつの内容がどれもインパクトがあり衝撃的。問題点が出るわ出るわで驚きです。
私が老人になる頃、果たしてこのような問題はどのように進んでいくのか気になります。 -
老人そのものというより、介護産業に焦点があたっているが、それはそれとして勉強になった。
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病気で突然人生設計が狂うことがある。とにかく健康に注意し、多少なりとも蓄えをしておくことが大事と考えた。
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【老後はブラック。それでも長生きしたいですか?】酸鼻をきわめる「無届け老人ホーム」や「老人下宿」の現場、一度の病気で貧困層に転落してしまう高齢者の急増…大好評連載を書籍化。
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2015年の発刊だから今から15年も前の著作である。
この本の中では、2025年問題が取り上げられているが、今2025年になった時点でどんな振り返りが出来るのだろうか。
この本は、2014年から2015年3月まで朝日新聞の経済面に連載された「報われぬ国」という記事を元に執筆されたという。 -
気持ち悪くて読まなかった
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東2法経図・6F開架:367.7A/A82r//K
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そう遠くない将来に不安を感じて同じテーマの本を何冊か読んでいますが、本書は福祉、年金、保険など高齢者にかかわる制度の仕組みや問題点について詳しく説明してあるので、とても勉強になりました。
最初にいくつかのショッキングなエピソードが出てきます。ここを読むだけで歳を取るのが怖くなります。キーワードは「人手不足」。ハコを作っても職員がいない、だから定員にならなくても入居することができない等、やるべきことの順番が違うのではないかと思いました。
また、かなりのページを割いている社会福祉法人の問題には驚きました。ファミリー企業を使った利益抜き取りや自治体からの天下り問題。悲しくなってきます。他にも年金や公的医療保険、介護保険などの問題点について色々知ることができました。
今後の高齢化社会を乗り切るためにはどうしたらいいか。いくつかの「なるほど」と思う提案がありました。本書は2015年に出版されたものですが、これを機会にもっと関心を持ってこの問題を見ていきたいと思いました。 -
20170809 誰もが幸せになるために努力して来た結果だとするとあまりにも切ない。国のあるべき姿は時代で変わって良いと思う。そろそろ、50年先のあるべき未来に向かって行動していく時だと思う。必要なのはその絵を見せてくれるリーダーだと思う。戦後からの脱却、過去を見てる限りこの国の未来は悲しい絵にしかならないのではないだろうか。
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元々、朝日新聞の連載だったもので、連載当時から話題になっていた。公的な介護制度の落とし穴や悪徳介護事業者の実態について述べている本。全国紙ならではの取材力を使った細部にわたるデータの数々には感心させられる。老後や介護について興味があるなら、一度読んでおいて損はないと思う。
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日本の将来が空恐ろしくなる。個人でも何かしら対策しないといけない。まずは知識をつけるところから始めよう。
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20160611
現在の日本の社会問題として、老人の貧困があげられる。
その問題に朝日新聞の記者たちが切り込んだ。
老人を取り巻く環境は様々だ。
おもに、介護にかかる費用の高騰や、その劣悪な環境が問題とされている。
社会福祉を食い物にする者の存在や、杜撰な国保の体制。
こういった問題を明らかにすることが出来たことが、日本の社会福祉を良くするための一歩だろう。 -
よくできたルポだと思います。介護の現場からすると、細かいことですが、送迎の費用5㎞2,100円を”ボッタクリ”かと疑うと書かれると、えっ!と思います。大阪では、介護タクシーを頼んでも、30分2,750円前後かかります。付き添いのあるなしにもよります。題の「老人地獄」は、もとの「報われぬ国」の方がベター。年金のことが意外とくわしく書かれています。
朝日新聞経済部の作品
