新選組 粛清の組織論 (文春新書)

著者 : 菊地明
  • 文藝春秋 (2016年4月20日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166610730

作品紹介・あらすじ

【殺した敵(25人)より、粛清した味方(40人)の方が多い!】 江戸の農民出身である近藤勇、土方歳三、沖田総司らは、京都で剛剣を振るい、最期まで武士らしく散っていった――それが一般的な新撰組の「正の歴史」だろう。 だがしかし、新選組のヒーローであるはずの土方歳三と近藤勇が、“局中法度”の名の下に、大量の味方を惨殺していたことはあまり知られていない。 総勢約520人の隊士のうち、40人が粛清・暗殺で命を落としたとされる。芹沢鴨、新見錦(以上局長)、山南敬助(副長)、伊東甲子太郎(参謀)、藤堂平助(隊長)、武田観柳斎(軍師・隊長)ら幹部クラスも犠牲になっているのだ。池田屋事件を含む、京都市中警備という正式な隊務で殺害した敵が25名なのだから、その多さには戦慄が走る。 なかでも有名な粛清は、①芹沢、②山南、③伊東グループの御陵衛士粛清事件「油小路の変」だろう。 幕府に顔が利いた新選組の始祖・芹沢一派を殲滅して「近藤・土方政権」が確立するや、今度は組織のブレーンであり、江戸道場時代からの仲間であった山南を切腹に追い込む。そして次の大粛清は、近藤が組織拡大のため三顧の礼で迎えた伊東一派だ。尊皇(伊東)vs佐幕(近藤)思想観の対立化が表面だつと、今度は再びナンバー2を脱退させ、江戸の道場時代からの仲間(藤堂平助)もろとも惨殺する――。 ならず者集団を統率するとは言え、組織に反する者は幹部でも殺す。殺された彼らは本当にただの〝悪者〟だったのか? 粛清された〝敗者〟の視点から、組織が抱える暗部をえぐり出す、全く新しい新選組論!

新選組 粛清の組織論 (文春新書)の感想・レビュー・書評

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  • 幕末に幕府方として一陣の風をおこした新選組に関する一冊。
    反幕の諸士暗殺よりも組織内での粛清で命を落とした人が多かったのは意外ですが、それだけ乱れていた一団を英雄のように扱う、歴史というより世間の見方にはあきれてしまいます。

  • 新撰組粛清されし者達にスポットを当てた本。読んでみると永倉新八とかよく粛清されなかったものだと思う。本書は淡々と時系列に沿って粛清された芹沢鴨、伊藤甲子太郎などを取り上げているが彼らは暗殺されなかったらどうなっていたのか想像してしまった。近藤が最後に官軍に粛清されるというのが痛烈なオチ。

  • 新撰組といえば、武士よりも武士らしく生きた集団。滅びの美学に殉じたことでも有名。しかし、組織としての新撰組は内部粛清を繰り返した。芹沢鴨、山南敬助、伊東甲子太郎などの幹部クラスを含めて約40人もの組織員が死罪や暗殺などに処されている。その数は戦闘で命を落とした者よりも多い。

    オウム真理教やあさま山荘事件のように過激な無法組織が信賞必罰と規律維持を極めると、「死」をもって償うという結論に達するのは必然だろう。しかも、新撰組隊士にとって担保となるのは自らの身体だけ。守るべき財産も家も名誉もない彼らに罰を与えるには「死」という選択肢しか残らない。その結果、新撰組が規律を守るためには粛清しかなかった。

    とはいえ、そんなことを繰り返していたら貴重な人材は殺されるか、逃亡するか。そして、凡人だけが残った新撰組は自然淘汰されただろう。現在のシャープや東芝で優秀な社員ほど先に辞めていくことと同じ。しかし、新撰組は人材難で崩壊する前に親会社の幕府が崩壊し、トップの近藤勇も斬首して、やむを得ずに解散。

    幸か不幸か、新撰組は「粛清好きな過激集団」という悪名を残す前に滅びることができた。

  • 【殺した敵(26人)より、粛清した味方(40人)の方が多い! 】
    この触れ込みに興味を持って読んでみましたが、別段取り立てるものもなく、また組織「論」と言うには疎かな内容でした。また史実と著者の説が混同していて、本当の事なのか定説なのか分からなくなる部分も多く、そのあたりをすっきりさせてほしいと感じました。
    僕の評価はA-にします。

  • 粛清された側からみる新選組論。個人的には山南と芹沢が面白かったな。新選組の本格的な研究はまだ始まったばかり、だからこそ面白かった。

  • 新選組を好きな人なら、そんな新たに買うこともないかなぁと思った。
    組織論とうたっているが、特に論でもない。事実が書かれているのみ。

  • 【サクセスストーリーの裏に大粛清あり! 衝撃の新選組論】殺した敵は25人、粛清した同志は40人! 芹沢、山南、伊東ら?粛清された敗者?の視点から組織の暗部を描く全く新しい新選組論。

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