マインド・コントロール 増補改訂版 (文春新書)

著者 :
  • 文藝春秋
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レビュー : 32
  • Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166610747

作品紹介・あらすじ

「本書は21世紀の必読書である。」――佐藤優氏(作家・元外務省主任分析官)推薦!問題は、カルト宗教やテロ集団だけではない。自己愛と孤独の現代、マインド・コントロールの罠に落ちる人は、ますます増えるだろう。古くから暗示や催眠術として存在したマインド・コントロール。その後、心理療法として発展し、ソ連やアメリカにおいては、行動を直接コントロールする「洗脳」技術が国家レベルで研究された。現代ではあらゆる組織、家庭の中ですら、技術の応用が見られる。心の崩壊と戦う現役の精神科医が、マインド・コントロールする側の特性、されやすい人のタイプ、その歴史、原理と応用など、「騙されたと気付かれずに騙す技術」のすべてを解説する。2012年に刊行され、各界で話題になったロングセラー、待望の新書化!第一章 なぜ彼らはテロリストになったのか第二章 マインド・コントロールは、なぜ可能なのか第三章 なぜ、あなたは騙されやすいのか第四章 無意識を操作する技術第五章 マインド・コントロールと行動心理学第六章 マインド・コントロールの原理と応用第七章 マインド・コントロールを解く技術

感想・レビュー・書評

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  • 「マインド・コントロール」という単語を聴くと、どうもなんだか新興宗教やテロ組織による洗脳とその果ての危険な非社会的行為を思い浮かべてしまう。

    本書は、そんな思い込みに、新たな視点を与えくれた点でとても興味深かった一冊。

    マインド・コントロールは、必ずしもわかりやすい悪人たちに悪用されるばかりではなく、近代化の歴史と並行するように、多くの医師や研究者たちの手により、催眠療法や暗示的療法、ひていはカウンセリングとして、精神的に苦しむ人々を救うものとして何度も模索され、善用のための道を探られてきたこと。

    その反面、革命や大戦、冷戦といった争いの中で、米・ソを筆頭に各国の中枢機関が、マインド・コントロールを、国民の全体主義化や敵国の情報収集に利用しようと、少なくない頻度で、時に被験者にとっては拷問にも等しい研究にまで手を出し、悪用に拍車をかけていたこと。

    マインド・コントロールの、実に曖昧で諸刃の剣としての性質が、多くの事例を引き合いに書かれています。

    普段は新書を読まないので、なかなか興味深く読めたのですが、全体的には、マインド・コントロールの負の利用の歴史的経過について述べた分量が多かった気もします。

    もっと、マインド・コントロールの、善用事例や、身近な活用方法、例えば、素人でも心をプラスに保つための方法みたいなものの分量が多かったら、より面白く読めたかもしれない、とも思う作品でした。
    でもそれだと、下手すると、研究新書ではなく、小手先のハウツービジネス書になってしまうから、難しいかな…。

  • マインドコントロール。
    今までにたくさんの人から怪しげなマルチ商法のビジネス話をされた経験がありますがああいう人たちを見るたびに完全に洗脳を受けてはるんやなぁと思ってました。
    その人に悪気はなく、むしろ僕のことを思って言ってるのにみたいなノリで。
    冷静に話を聞いてると話し方とかうまい人もいますしね。
    こりゃアホやったらハマってまうやろなぁみたいな。
    何言ってるかわけわからん人もいましたが。w
    で、思ったわけです。他人をマインドコントロールできればビジネスにも繋がるし自分の思うままにできると。
    この本にもありましたが主体的に考えることを許さず、絶対的な受動状態を作り出すことがマインドコントロールの基本であって、会社、団体に属することで狭いトンネルに入り視野を奪い、他の選択肢のないところまで狭めていく。
    そのトンネルの中が世界のすべてになるわけです。
    経営者は少なからずそういう心理があると思います。
    テロリストの心理とかにも触れてたのでおもしろかった。

  • 人を自在に操るマインドコントロールというものがよく理解できた。
    テロなどの凶悪犯罪の背後にはこういったものがあるということを知っていると、解決するためにどうすればいいかが見えてくるのではないか。

  • この著者の本はたくさん読みました(精神科医が書いていることもあり、機能不全家族をどのように捉えたらよいのか、私なりに大変参考になりました)が、特に本の後半で精神保健福祉法第22条について書かれていたことが目からうろこでした。
    私なりに法律には詳しいつもりでいましたが、これまで精神的に大変な人と関わることが少なかったので盲点でした。多読で知識を増やすことも大事だということを、この本を読んで感じました。

  • 「マインド・コントロール」と言われても、カルト教団や独裁政治と縁のないみなさんには関係ないと思うかもしれない。しかし、現代社会では様々なマインド・コントロールが使われ、私たちの意思決定を左右している。この本で自分の本当の意思を取り戻そう。

  • かつてカルト宗教や独裁国家で使われた、他人の心理状態を操作し、支配し、人形に変える。政治だけでなく、マーケティングでも使われる。しかし、他人を操作するというネガティブなこともあるが、ポジティブな面もあるという。
    スポーツ選手、受験生、仕事での啓発がそれだ。
    「脳はオーバーフローになり、主体的に情報を取捨選択できなくなり、考える力も抵抗する力も失っていく」。これが怖い。

  • 自分には関わりのないことと思いながら読み始めたが、CMや広告もマインド・コントロールの一種だと知り、急に自分事となった。

    さらに、子育てにおいては自分が子どもに対してマインド・コントロールを行う側になり得るとは、想像してもいなかった。
    確かに親子の関係においては、親の立場が圧倒的に強く、子をマインド・コントロールすることは容易かもしれない。マインド・コントロールにより子どもの人生を狂わせることもあるが、やる気を引き出す方向に持っていければ、子の成長にプラスになることもわかった。

    自分は子どもをマインド・コントロールしようとしていないか?を確認するためにも、時間を置いて再読したい。

  • 宗教や捕虜に対するマコ(略)えげつない。善意でも、例えばうつ病患者の脳に幾度も通電(激痛なので強制的に眠らせつつ)し記憶を失わせ、良い思考法を強制する治療もあった。マコされてみたいが意思の強い者を取り込むまでの工程がなんせえげつないから無理そう…断定しないで仄めかす&ABどちらを選んでも同じ方向になる選択肢を提示する、くらいは実用したい。マコは良い方向に導く為にも使える、脳をビジーにすると主体性がなくなる(子の教育に言及)、孤立&情報に溺れる現代人に自らの運命を選ぶ主体性はあるのかという問いにハッとした。

    ほか。私は幼少期に与えられないものが多かったせいで、常にハングリーな人間になってしまったのかなと思ったりもした。

  • マインドコントロールについて分かりやすくまとまっている本。
    国家レベルやカルトが使う洗脳というイメージが強かったが、一般の生活や企業活動にも広く使われていることが分かる。内容を知ることで対策も立てられる。良書。

  • 新書にはもっともない程の内容。
    だが、それをわかりやすく解説しているのがこの本を良書たらしめていると思う。

    マインドコントロールの手段を知り得てこそ、初めてその対抗手段が分かるというものである。

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著者プロフィール

1960年、香川県生まれ。精神科医、作家。東京大学哲学科中退、京都大学医学部卒業。同大学院で研究に従事するとともに、京都医療少年院、京都府立洛南病院などで、困難な課題を抱えた若者に向かい合う。現在、岡田クリニック院長(枚方市)、大阪心理教育センター顧問。著書に、『愛着崩壊』(角川選書)、『愛着障害』『愛着障害の克服』(以上、光文社新書)、『パーソナリティ障害』(PHP新書)、『母という病』(ポプラ新書)など多数。小笠原慧のペンネームで『DZ』(横溝正史ミステリ大賞受賞、角川文庫)などの小説作品がある。

「2019年 『話を聞きたがらない夫 悩みを聞いてほしい妻 精神科医が教えるコミュニケーションのコツ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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