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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784166610822
作品紹介・あらすじ
栄枯盛衰の激しい飲食業界。その中で、50年間、半世紀にわたり頑固に味を守り続け、各界の大物に愛されてきた一人のシェフがいる。井上旭。京橋のフレンチの名店、「シェ・イノ」のオーナーシェフである。
まだ日本人がフランス料理を知らなかったころ、井上は単身フランスに渡り、72年に現金5000円を握りしめて帰国。そこから物語は始まった。
この移り気な時代に、なぜ、「シェ・イノ」だけが特別なのか? 舌の肥えた客を惹きつけ続ける「超一流」の秘密を、巨匠が初めて明かす──。
時代の流れが加速し、一年前の流行ですら時代遅れだと見向きもされず、効率化ばかりが優先される社会。本場フランスでもそれは例外ではなく、時に業者からの取り寄せのフォンで間に合わせるということも多々ある。
そんな中、ソースの神様、ジャン・トロワグロから伝授された味を井上は今日も守り続ける。ルセット(レシピ)は文字では覚えられない。映像で記憶するのだ。
そして、絶対音感があるように「絶対味覚」があると井上は語る。
パリではチャップリンやオナシス、サンローランが愛した「マキシム」で腕をふるった。一流の客との出会いが「味」につながっていると語る井上の秘密に、佐村河内報道で知られる神山典士が挑んだ意欲作。
経営者や飲食業者だけでなく、すべての働く者や、一つの道を志すものへのヒントが詰まった珠玉の一冊。
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
料理の奥深さと、シェフの人間性が融合する世界を描いた一冊です。創業者の自伝的な視点から、フランス料理の真髄や、井上氏が受けた影響、特にトロワグロから学んだ「気品」や「風格」の重要性が強調されています。...
感想・レビュー・書評
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シェ・イノの創業者による自伝的な書。
色々刺激になる話が多い、すごいエネルギーをお持ちの方だったんだなぁ。
・「創造のない伝統に進歩はない。伝統を持たない創造には、持続力がない」
・「トロワグロ」でのソース作りの経験が井上にとって衝撃だった。また、「気品」や「風格」を生み出す「人間性」の大切さを学んだ
・調理場での緊迫感とは裏腹に、ひとたびホールに出ればお客の心を捉える接客をする
・「ルセット」は楽譜。頭のなかで理想とする味覚がイメージできていないと、鍋の中で生み出すことはできない
・素晴らしい料理には「味」だけでなく人間性を加味した「味わい」が必要。料理は味覚や食欲を刺激するだけでなく、脳に働きかけて、お客に新しい人生やロマンを提示するもの
・和食には醤油や味噌といった調味料や、昆布と鰹節でとる「だし」といった絶対的な武器がある。どんな素材を使ってもそれなりの味に仕上がってしまう。フランス料理の場合は絶対的な武器がない
・フランスでは、季節ごとにとれるジビエが最高の食材とされ、秋から冬はジビエ料理が主流
・ソースは大事だが、あくまでもソースは「メインの食材を最大限生かす」もの
・牛の骨やスネ肉と野菜からブイヨンを取り、それをベースにコンソメを引く。ブイヨン作りは血抜きや臭み抜きを徹底する
・超一流の料理は「遊び」から生まれると信じ、積極的に超一流の食事/酒/人との付合いに投資した
・ワイン生産者は、まずはハーフボトルから詰め始める。次にマグナムやアンペリアルで、ふつうのボトルは最後
・お客が購入したワインの120%分を次の月の仕入れに充てることに詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「料理は文化であり、レストランはそれを表現する舞台である」ージャン・トロワグロの薫陶を受ける料理人、井上旭氏の言葉。欧州での修業や日本での活躍についての文章の端々にフランス料理の奥深さと料理人の凄まじい矜持が溢れている。フランス料理の何たるかは決して一言で表せるほど単純ではないが、本書を通じてそれが確固たる文化としてどのように存立しているか、その世界観を少し知ることができた。
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2016.10.08読了
1度はシェ・イノに行って、お店の全て(料理、ワイン、サービス、空気)を味わってみたいと思える一冊。まさしく一流のプロを感じた。
なるほどと思ったところ
・「気品」「風格」そして真に問われるのは、技術のさらに奥にある「人間性」
・和食の味覚の組み立ては「引き算の美学」。それに対してフランス料理は「足し算の美学」。和食は食材が持っている味を引き出すため出汁をベースにして味覚をあまり加えない。フランス料理は食材、調味料、アルコール等を正しく濁らずに加えていけるかどうかが料理人の腕の見せ所。
2016.10.02読書中
なるほどと思ったところ
・味覚には時間軸があり、最初の一口とその皿を食べ終える頃の一口では感覚が違う。そのことも十分に計算に入れてソースの味付けを変えていくことも大切。
・ワインを使う時のタイミングと分量、そして熟成感にソーシエのセンスが光る -
20160810 フランス料理の巨匠でもプロとしての取り組み方は日本そのもの。日本として世界に通じて行く事ができる事の証明。グローバルが叫ばれている今、感慨深い。
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【変わらないことが、新しい──何が客を惹きつけるのか?】栄枯盛衰の激しい飲食業界で、四十年間トップを独走し続けてきた井上旭、初の著書。一流の客を魅了してきた「超一流」の秘密とは?
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