人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊 (文春新書)

著者 :
制作 : 井上智洋 
  • 文藝春秋
3.59
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  • (19)
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本棚登録 : 789
レビュー : 88
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166610914

作品紹介・あらすじ

【AIが発達すると人口の9割の失業状態に!? そのとき経済はどうなる?】人工知能(AI)が目覚しい発展を遂げています。小説を書いたり、囲碁をしたり、ツイッターでヒトラーを肯定する発言をして、日々ニュースを賑わせています。また、AIを搭載したロボットも活躍しています。pepperは感情を読み取ることが出来ますし、ダヴィンチは外科手術をこなしますし、iPhoneに搭載されているSiriは道案内もしてくれます。このまま技術開発が進んでいくとどうなるのか……? 著者は、2030年には、人間並みの知性を持ったAIが登場する可能性があると指摘します。ホワイトカラー事務職は真っ先に職を奪われます。医者も弁護士も失業の危機に瀕しています。最大で人口の9割が失業する可能性もあると筆者は推計しています。一部の資本家以外の労働者は飢えて死ぬしかないのでしょうか?AIによって奪われた労働は、BIで補完しよう!それが筆者の提言です。BIとはベーシックインカムのこと。社会保障をBIに一元化して、子供から大人まで一律で約7万円/月を支給するという仕組みにしようというのです。AIの未来、資本主義の未来、労働の未来、社会保障の未来まで、気鋭の経済学者が語りつくします!

感想・レビュー・書評

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  • もう10年もするとどうせリタイアするからなあ。前倒しで雇用崩壊してくれないかしら。なんでもロボットがやってくれる世界が来るとは思っていなかったけれど、ちょっと期待してはいた。それがどうやらあと2~30年ほどでやって来そうな気配がある。私たちがやって来た仕事のほとんどをキカイ(AI)がやってくれる。そうすると我々は失業する。そうなったとき、どうやって生きていけばよいのか。そこに登場するのがベーシックインカム(BI)。生活保護とは違うという。すべての人に(子どもから大人・老人まで)月額7万円なら7万円が支給される。財源は増税だという。たくさんもうけている人にはたくさん税金を納めてもらって、均等に配分する。審査など必要としないので、事務処理がずいぶん削減できる。マイナンバーと銀行口座を紐付けすればすぐにできそうな施策だ。そんなことすると、皆働かなくなって税金を納める人間がいなくなるのではないか。けれど、まず働く必要がなくなるのだ。そして、1割くらいのそれでもお金儲けをしたい人たちが大量に儲けて税金を払う。この社会の格差が最大限にまで広がってしまうのか。そのとき、テロはなくなっているのか。私の読み方が甘いのかも知れないが、結構本書を読んでいると楽観的に感じてしまう。「手段より目的を高く評価し、効用よりも善を選ぶ。物事のなかに直接のよろこびを見出すことのできる人、汗して働くことも紡ぐこともしない野の百合のような人」ケインズの言うこういう人に私もなりたい。

  • 人工知能の現状と発達の可能性・限界,発達が経済に与える影響を論じた上で,人工知能によって代替され失業する労働者の生活を保障する仕組みとして,ベーシック・インカムの導入を提唱する.人工知能にはヒトの脳の個々の機能をモジュールとして捉えてその再現を目指す「全脳アーキテクチャ」方式と,ヒトの脳の神経構造そのもの(コネクトーム)の転写・再現を目指す「全脳エミュレーション」方式があり,いち早く実現するとされるのは前者というのは勉強になった.本書とは関係ないが,以前NHKの番組で,ロボット研究の第一人者である石黒浩氏が,「遠い将来人間は自身の身体を機械で置き換え,有機物でできた身体を捨てて無機物からなる存在に進化する」という見通しを出していたのを思い出した.一方本書はそのように,人工知能をヒトが自身の脳機能に組み入れ・置き換えるという段階に達するには,まだ100年以上かかるという見通しで,そうした事態までは想定していない.人工知能に辛うじて勝てる上位の人間になれるとは思えないし,かと言って失業者の生活を保障する仕組みが,何かとレスポンスの遅い日本で整うのかという疑問もあり,数十年後の将来に対してやや暗澹たる思いを抱く.

  • 著者は経済学者であって、人工知能を専門とする科学者ではない。ということがすべて。

    冒頭に「私が特に注力したいのは、汎用人工知能が2030年頃に出現するならば、それ以降、経済システムの構造がどのように変化し、それによって経済成長や雇用がいかなる影響をこうむるかといった議論です。」とあるが、まさにその「出現するならば」という仮定の部分に関して実際には「出現しない」というのがその道の専門家の意見なので、もはや読む価値はない。

    あくまで「経済学本」として読めばまだ面白いが、人工知能について知りたいと思って手に取ってしまったのが間違いだった。

    33
    アメリカでは2000年以降、所得の中央値は下落しているにもかかわらず、一人当たりのGDPは上昇しています。(一般的な労働者は貧しくなっているが、金持ちは更に豊かになっている)

    86
    全脳エミュレーションと全脳アーキテクチャ

    98
    様々な欲望をおのずと獲得できるようなAIが開発できたら、そのようなAIは生命的であるといえます。

    158
    バクスターは作業ごとのプログラムを必要とせず、人間がその腕を動かすことで、作業のやり方を覚え混ませることができます。日本でもファナック車が、ディープラーニングの美術を用いて、人間に教えられることなく様々なものをつかんで運ぶロボットの開発に成功しています

    174
    19世紀の第一次産業革命の頃に、蒸気機関などによる機械的生産を導入した欧米諸国と導入しなかったアジア・アフリカ諸国との間に経済成長に関する最初の「大分岐」が生じました

    194
    所得は「資本の取り分である利子・配当所得」と「労働の取り分である賃金所得」に分けられ、資本分配率は前者の割合を意味します。この資本分配率が上昇しているがために、所得格差が拡大しているとピケティは指摘しています。
    (純粋機械化経済に至ると)労働者階級は賃金が得られなくなることにより消滅し、資本家階級が全てを手にすることで資本主義は終焉します。

    226
    一国の経済にとって実質的なコストと言うのは、お金を使うことではなく労力を費やすことなのです。
    (使ったお金は別の国民の手元に移るだけ)

  • 人工知能と経済、特に雇用の関係について考えたい人には必読の書だろう。人工知能の基礎知識についても大まかにではあるが書かれているし、それが雇用に与える影響についてもよくまとめられている。ただ、それらはあくまで著者の仮説であり、予想に過ぎない。一つの仮説が崩れれば、すべてが狂ってくるたぐいのものであり、本書に書かれていることがそのまま現実になるとは思わない方がよい。

    ただ、こういったことが起こるかもしれず、その際に社会を維持するためにはベーシックインカムというシステムという選択肢があることを知っておくことは意味のあることだろう。ちなみに本書の最重要ポイントは人工知能ではなく、ベーシックインカムにある。その点は買う前に知っておいたほうがいいかもしれない。

  • これまでのAIに関する情報を整理し、ベーシックインカムが解決策であると論じている。帯の広告が訴えるほど新しい示唆は得られなかった。

  • 何かおかしい気がする論考だけれども、何がおかしいのかは、よく分からない。
    でも、トンデモ本の匂いがする

  • 全体的にとても有用。BIに関する部分も分かりやすく、基本的な考え方を説明してくれているので役に立つ。

  • 著者の説明が非常にわかりやすい。それだけに、最終章でベーシックインカム(BI)に論点が移る流れが非常にわかりにくい。AIが高度に発達した社会にはBIが必要としつつ、筆者はAIが発達しない社会においてもBIが導入されるべきと主張しており、BIに対する主張にいささか唐突感を覚えた。

  • ★4.6(3.57) 2016年7月20日発行。2回目の読了だったとは。今回改めてこの本の素晴らしさを実感できた。前読んだときはベーシックインカムなんてあり得ないと思ったが、今回読んでみると、確かにこの考えもあり得るかもと。それにしても2030年以降の世界が、ディストピアになるかユートピアになるか・・・。真剣に我々の未来を考える必要があるのに、今の若者はこの現実に気付いているのだろうか。日本が今後どう進もうと、世界は待ってはくれない。一刻も早くこのAIの世界に追いついていかないと・・・。この第四次産業革命がスタートすると思われる2030年、この予言の書の結果は如何に。ディストピアでないことを祈る。

  • 2018.05.20読了

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