- 文藝春秋 (2016年10月20日発売)
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感想 : 43件
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784166610969
作品紹介・あらすじ
『新・戦争論』『大世界史』に続く、累計50万部を突破した最強コンビの第3弾!
どの先進国でも、大衆迎合型のポピュリズムが勢いづいています。英国EU離脱にしても、米国大統領選での共和党候補トランプの躍進にしても、フィリピンのドゥテルテ大統領誕生にしても、社会の指導者層やエリート層に対する大衆の不満が爆発した結果です。つまり従来のリーダーやエリートのあり方それ自体が問われているのが今日の状況で、現代世界を理解するには「リーダー論」が不可欠となっています。
現在、エリートやリーダーのあり方が以前と大きく変わっているのは、経済のグローバル化、すなわち新自由主義の浸透と深く関係しています。格差が拡大し、階層が固定化し、エリートと国民の間の信頼関係が大きく損なわれてしまったのです。
ここから、大衆の間に「強いリーダー」を求めるポピュリズムが生まれる一方で、エリートほど新自由主義的な価値観を当然視して、権力を持ったエリートが、社会全体に対する責任を思う前に、自己利益や自己実現ばかりを優先するナルシシズムに陥っています。さらに、教育格差と経済格差が連鎖することで、「エリートVS大衆」という対立がますます激化しています。
このような難しい時代に、リーダーやエリートや組織のあり方を改めて考えるのが本書です。「組織が弱いところに強いリーダーは生まれない」「何気なく覚える社風や社訓が組織を支える」「角栄ブームは組織が崩壊した日本の病理」「向上心が強いエリートほどナルシシズムに陥る」「トランプのような「俗流哲学」は馬鹿にできない」など、随所に目からウロコの話が満載!
感想・レビュー・書評
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各国の情勢やリーダーについて勉強不足を感じた。
やや昔の本で変わっているところもあるが、風潮としては大きく変わらないので、学びになるところも多く、日本の核使用を政府は認めている見解であることや、一方でそれが現実的には不可能なこと、沖縄の問題、新自由主義の現状や問題点、経済の回し方などの箇所が印象的だった。
他の著作も読んで学びを深めたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
僕はリーダーシップに興味があって色々な本を読んだりしています。そんな文脈で新・リーダー論というタイトルに惹かれてこの本を読んだ訳ですが、タイトルと内容の不一致が大きいなと思いました。
この本は、各国の政治のリーダーや情勢について、池上氏と佐藤氏がひたすらあれこれ話しているという対談本です。内容は本当に知識豊富な2人が、深い議論をしていて、色々と考えさせられるもので面白かったです。政治経済に関する背景知識がないと理解できないところも多く、普段あまりニュースも見ない、新聞も読まない僕にとっては難しいとも思える本でした。
この本の想定している読者層がどういった方なのか分かりませんが、イントロが無いままに難しい議論が始まる章が多いです。個人的には池上彰氏のもう一つの特徴は分かりやすくニュースを伝えるところだと思うので、基礎知識などを池上氏がイントロでもう少し丁寧に書いてくれたら読者層の幅が広がるのにな〜というもったいなさは少し感じました。
2016年の本ということで出版からだいぶ経っていますが、トランプ、プーチン、習近平と大国のリーダーが今も変わっていないのであまり違和感なく読めました。 -
この本は自分にはまだ早かった。理解できそうな部分だけ読んだ。
かなり悲観的な内容に感じるが、テーマがテーマなだけに仕方ないか。
リーダーは集団の中から生まれる。それは政治、宗教、ジェンダー、人種等あらゆる問題、敵が存在する状況も、条件として加える必要があるかもしれない。
たしかに、強いリーダーって逆境から生まれるし、平和な時はリーダーの存在感って薄い気もする。じゃあ、リーダーなんて生まれない世界が理想郷なのか。リーダーってなに。お腹いっぱい。 -
数年前に読んだ。感想は読書ノートに記載。
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池上彰と佐藤優の対談第3弾。
世界のリーダーたちを検討しつつ現代に必要なリーダー像を語る、的な?
面白くないはずないよね?ええ当然のように面白かったです!
面白かったけど、これ実際に会話してるとこにいたとしたら、まっったく、参加できる気がしないわー。(まあ参加を求められることもないだろうけど。)
話題の広範さはもちろん、打てば響く感が半端ない。
スコットランドが独立・EU加入したら、中央ヨーロッパ標準時を採用すればいい→金融市場がイギリスより有利になる、とかすぐに思い至るもの!?
なんか当然のように話してるんだけど!
そうかと思えば「半沢直樹が…」とか「釣りバカ日誌の…」とか言ってるとちょっと笑う。 -
池上彰と佐藤優の3冊目の対談。
内容は3冊ともに、その時々のホットな国際的な時事問題であるが、タイトルは「新・戦争論」「大世界史」と、今回は「新・リーダー論」と、必ずしも内容全体を著してはいない。
タイトルのような内容も入ってはいるが、むしろ直近の国際情勢の分析と割り切って読むことをお勧めします。そういう読み方をすれば、いつもホットな国際問題について切り込んだ、深い洞察力を感じさせてくれるシリーズです。
内容は、「新自由主義」下における格差の拡大や階層の固定化により、それへの大衆の不満と、それに迎合する大衆迎合型のポピュリズムが台頭し、その結果エリートと国民の間の信頼関係が薄れ、民主主義がうまく機能しなくなっている・・・米国のトランプであり比国のドゥテルテ、また英国のEU離脱の国民投票実施等。
佐藤優はそのような政治家の先陣を切ったのは、フランスのサルコジだという。
エマニュエル・トッドの言葉を引用して「サルコジの否定性が人々を引きつけた。強いものへの敬意、弱者への軽蔑、金銭への愛、不平等への要求、攻撃の欲望、イスラムやブラックアフリカの人々をスケープゴートに仕立て上げる手口、目まぐるしい自己陶酔・・・」
言葉だけを聞けば、トランプの事だと思ってしまうほど類似している。
ここで考えなければならないのは、現在の「新自由主義」と、かつて米国レーガン大統領や英国サッチャー首相が「新自由主義」を掲げて登場したときと、社会的背景が違っている。
当時は社会民主主義が蔓延しており、国家による富の再分配で「ゆりこごから墓場まで」と言われた時代だった。そういう環境で、レーガンとサッチャーは、批判を顧みず敢えて「これでは国家も社会も弱体化する一方だから競争原理を導入しろ」と主張した。
ところが新自由主義が社会の隅々にまで浸透した結果、それがいまや素晴らしいことだと思われている。特にエリートほど新自由主義的価値観を当然視して、社会に対する責任を思う前に、自己利益を優先している。
金が全ての価値基準になってしまった。
他に、プーチン、エルドアン、金正恩、トランプに乗っ取られた共和党、ヒラリー、英国のEU離脱、パナマ文書、オバマの広島演説・・等々の話題満載だが、上記の「新自由主義」の部分だけでも、しっかり理解できれば、この本を買って読んだ価値があると思います。 -
やっと読み終わった~。2016年の本だけど例によって読み応えが。教養…。
この二人がずっと本を(しかも新書とか手に取りやすい形で)出してくれているのは本当にありがたいことだ。精進いたします。 -
池上さん+佐藤優さんの本って初めて読んだけど、出版から2年半をしてこの迫力。ただのトレンド本ではない。すごいわ。何冊も読みたい本が登場したので、今後読んでいくの楽しみ。
「思考の一貫性の欠如」「知的凡庸さ」「攻撃性」「金銭の魅惑への屈伏」「愛情関係の不安定」(エマニュエル・トッド「デモクラシー以後」)。なるほど。これは国家のリーダーのみならず、企業のリーダーにも当てはまるのかな?それとも「アトム化」を防ぐ疑似宗教的な企業体のトップは、リーダー的要素においては国家のリーダーを既に超えたのだろうか?? -
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佐藤優氏の「皮肉な事に平和と結びつくのは、平等ではなく、格差。そして、平等に結びつくのは戦争なのです。」は、インパクトあった。確かにこれまでの歴史は過去もそして今現在もそうだったという不都合な真実だなと。
トランプ大統領になったら、戦争は起きないという洞察も今現在は当たっている。
リーダーという観点から特定の宗教団体をあげたり、共産党の前の書記長の名前を出すあたりもキリスト教の氏の独特なメッセージが織り交ぜられていて本の幅を広げている。
この本の締めは、キリストの言葉をひいて、「ナルシズムの肥大した根拠のない全能感を持つような指導者は必要ない。民衆の前にへりくだることができ、弱い人と共に進むことができるリーダーが、本当に強いのである。」と。そして、日本に居るとも。
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お二人とも頭良くて高学歴なんですが、叩き上げっぽいんですよね。
いろいろな経験をされている気配が、あちこちで感じられます。
佐藤さんは、アントニオ猪木とロシアのスポーツ観光国家委員会初代トップのタルピシェフ氏の対談の通訳をされたそうで、そのときのエピソードが面白かったです。
また、佐藤さんが拘置所でどうすればいいかの話をすると池上さんが「佐藤さんは身をもって体験されたのでしょうが、国家権力はそれほど怖いものです」と言われます…。
そしてもうひとつ面白かったのは、トランプの集会に、ABC,CBS,NBC,CNN,FOXは入れますが、その他海外メディアはダメ。
日本の民放テレビ局が「入ろうとしたが入れてくれない」と騒いでいたのですが、池上さんたちがトランプのバッチをつけてトランプの旗を持っていたらちゃんと入れたそうです。
↑以上は余談になるのでしょうけど、最後に佐藤さんがこのように言われたのは大事。
こうであればいいなと思いました。
「ナルシシズムの肥大した根拠のない全能感を持つような指導者は必要ない。
民衆の前にへりくだることができ、弱い人々と共に進むことができるリーダーが、本当に強いのである。」
さて、各章ごとに、この本に登場したかたのコメントがピックアップして書かれているので、メモします。
1 リーダー不在の時代―新自由主義とポピュリズムー
サルコジの否定性が、人々の心を引きつけたのだ。弱いものへの敬意、弱者への軽蔑、金銭への愛、不平等への欲求、攻撃の欲望…(エマニュエル・トッド)
2 独裁者たちのリーダー論―プーチン・エルドアン・金正恩―
仮にプーチンがロシアの国情に合った強いリーダーだとしても、プーチンがいなくなった後のことが心配だ。(池上彰)
3 トランプを生み出したものー米国大統領選1-
マスコミについて私が学んだのは、彼らはいつも記事に飢えており、センセーショナルな話ほど受ける、ということだ。(ドナルド・トランプ)
4 エリートVS大衆―米国大統領選2-
産業革命以来、格差を減らすことができる力というのは世界大戦だけだった。(トマ・ピケティ)
5 世界最古の民主主義国のポピュリズムー英国EU離脱―
EU離脱決定を受けて、これまで考えられなかった現象が生じている。多くの英国人がアイルランドのパスポートを求めている。(佐藤優)
6 国家VS資本ーパナマ文書と世界の富裕層―
資本の論理からすれば、節税は当然だが、国家にとって租税回避は、国家への反逆に類する。これは、国家対資本の闘い、見えざる第三次世界大戦だ。(佐藤優)
7 格差解消の経済学―消費増税と教育の無償化―
2兆円に相当する消費税1%の増税で、0歳から22歳までの教育を無償化できる。給食費や私立大学の学費など数千億入れても6兆円。消費税1~3%で賄える額だ。(佐藤優)
8 核をめぐるリーダーの言葉と決断―核拡散の恐怖―
列席できないまま、あるいはアメリカの大統領が広島を訪問する場面を見ることができないまま死んでいった多数の被爆者が頭に浮かんだ途端、涙を抑えられなくなりました。(池上彰)
9 リーダーはいかに育つか?
理想的リーダーが、突如、単独で現れることはない。組織内で一つずつ経験を積んで、その組織にふさわしいリーダーが徐々に育っていく。(池上彰) -
相変わらず素晴らしすぎる良作。目から鱗です。
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「人は独りじゃ生きていけない」「助け合うことが大切」は綺麗ごとじゃなく、今の日本に本当に必要とされている理念なのだ。
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池上彰と佐藤優の対談本
様々なリーダーについて語っている。
ちょっと内容が難しいかな。
でもサクサク読めました。
相変わらず知的好奇心を刺激されます。
現代にはどんなタイプのリーダーが適しているんでしょうね…。
考えさせられます。 -
池上彰氏と佐藤優氏の対談本第3弾
とてもわかりやすく、内容が深い。
対談の中で取り上げられる書籍もまた気になったりと、知的好奇心が広がっていきます。 -
「世界を揺るがした巨人たち」(政治家編)も読んだがちょっと期待外れだった。
池上さんと佐藤優氏の対談の本書は、単なる解説にとどまらずに内容が深い。普段マスコミの場で慎重な池上さんも本書では「リベラル」に見えるが、池上さんもつい本音を引き出されてしまっているのではないか。
それにしてもラスプーチン佐藤優氏は凄い。「知性」とはこのような人を語る言葉なのだろう。二人の対談を読んでいると世界の見方が変わっていくように感じた。
2017年8月読了。 -
「平和」な「格差」に甘んじるか?
「平等」な「戦争」に突入するか?
逆説的ですが戦争のない平和な社会が格差を固定化して来た一因になっていると。
戦争になれば金持ちも庶民も戦争に行かなければいけません(もちろん特権階級は違うのでしょうが)
また戦費調達のためにあるところから取らないといけないので累進課税がキツくなります。
また教育が格差を固定化している面もあります。
アメリカの学生の多数は自分でローンを組んで学校に行くそうです。
奨学金もあるでしょうが銀行ローンが多いでしょう。
ローンを払ってまで人生に逆転を賭ける子供達が多く出てくる社会なら良いですが奨学金の返済で泣きを入れてる何処かの国なら借りてまで大学に行かなくても…という風潮になってもおかしくありません。
僕は給付型奨学金を増やして総合大学を旧帝大プラス有力私大程度に淘汰し職業訓練校を増やす戦前の学制に戻す方が教育による所得格差がなくなるのではないかと思います。
中途半端な総合大に行って就職先がないローンを抱えた学生を再生産するくらいならよほど健全やと思います。 -
2017/05/07
著者プロフィール
池上彰の作品
