- 文藝春秋 (2017年2月17日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784166611188
作品紹介・あらすじ
どんな失敗をしてもいい。学生時代にやった失敗は絶対に無駄にならない。
――第一章・山中伸弥
ある種の小さな挑戦とか、冒険、あるいは身近で未知なるものに出会うという機会を求めていくことは、非常に大切なのではないかと思います。
――第二章・羽生善治
僕はこの仕事を始めたころ、なぜ撮るんだろうという、すごく根本的なことで悩んだことがありました。
――第三章・是枝裕和
自分にしかできないことは何だろうと、思っていたほうがいい。あなたというのは、この世にひとりしかいないんだから。
――第四章・山極壽一
あんな偉い人でも、なんだ自分と同じじゃないかということを感じ取ってほしい
――永田和宏
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
多様な視点からの対話を通じて、自己探求や挑戦の重要性が浮き彫りになる一冊です。著名な専門家たちが、自身の経験や哲学を語りながら、失敗や挑戦がどれほど価値のあるものかを伝えています。山中氏は「問い」を見...
感想・レビュー・書評
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京大名誉教授でありかつ詩人の永田和宏氏と山中伸弥氏、羽生善治氏、是枝裕和氏、山極壽一氏という超一流の人たちの講演とその後の永田さんとの対談を収録したのが本書である。
山中さんとの対談では、大学はそれまでと違い答えがある問題の正解を探すのではなく、誰も答えを知らない、もしくは答えがあるかどうかもわからないが、大切な「問い」を自分で見つけるという態度を学んでほしい、というところが心に残る。大学に入ったときにまず第一に欲しい言葉だ。自分はこれがわかっていなかった。
羽生さんとの対談では、ミスをした直後には後悔して過去に引きずられることなく「自分の将棋は次の一手からはじまる」とその場に集中する、というところが心に残る。それはすでにもう起こったことなのだ。
是枝監督が、名作『そして父になる』でのリリー・フランキーの深い演技に触れるところは印象的。ぜひ読んでほしい。
山極教授が、他の霊長類と比べて人間の一番重要な能力は「諦めない」というところという視点は面白い。
それだけの人からは、やはりとても素敵な話を聞くことができるのだと思う。
本として、軽く読める分量。対談本としては、コンセプトも理解できるし、よくできている方だと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
山中伸弥さん、羽生善治さん、是枝裕和さん、山極寿一さんそれぞれと永田和宏さんとの対談。
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みなさん本当によくものを考えていらっしゃる。永田さんが聞き上手。iPSのiが小文字なのって…
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先に読んだ続編もそうそうたる人たちだったけど、本書はそれを上回るような山中伸弥、羽生善治、是枝裕和、山極壽一というすごい面々。ま、男性ばかりという点では、女性と男性が2人ずつだった続編のほうがバランス的にいいけどね。
もともとは永田和宏さんが教鞭をとる京都産業大学で学生向けに開いた講演会を本にしたもの。ホストの永田さんはすごい面々に、失敗を語ってほしいと依頼したとか。失敗を語ってもらうことで、学生たちに身近に感じてもらい、そうすることで「この人のようになりたい」というあこがれやロールモデルを見出してもらうようにしたいとの思いから。
そういえば書中で、たしか永田さんが、最近の若い人たちは目指したり尊敬する対象がいないんじゃないかみたいなことを述べていて、ふと思ったことがあった。最近……でなくてもここ20年くらい、「尊敬するのは親」なんてのたまう若者が増えてきた気がする。これが以前だったら、歴史上の偉人とか身近でも恩師のような立場の人が挙がっていた気がするんだけど……。こういう傾向も永田さんの懸念とシンクロしていると思う。
4人ともすごいんだけど、確かに身近に思えてくる。すごく頑張るのではなく、目の前の状況を受け入れ、その場その場でちゃんとやってきたということなのかなあ。
講演の後に永田さんとの対談があるんだけど、これがすごくいい。ゴリラの研究をしてきた山極さんのところで、コミュニケーションの何たるかに触れているんだけど、まさに一人でしゃべるのと会話のやり取りをするのとの違い……というか、意味ある会話の魅力が詰まっている。 -
どの人もさすが第一線で活躍されている方。こんな風に歳をとりたい。
山中伸弥…20代はなんでもいいから失敗してでも打ち込めるものを見つけて貰いたい。それと体力は裏切らない。
羽生善治…失敗を挽回できないほど重ねないこと。ミスを重ねないためには「その時点から見る」という視点が大事。「次の一手から始まる」とその場に集中していく。様々な物差しを持つと何かに挑戦する時に必要以上に不安にならないし考えすぎない。結果だけを求めると上手くいかず苦しくなることもあるが、プロセスの中で「面白い!やって良かった」という感動を見つけられることが挑戦を続けることの支えになる。挑戦をスムーズに続けるにはどこまでアクセルを踏んでどこでブレーキを踏むか適切な判断ができるかにかかってる。相手の立場で考える難しさ。相手の立場に立って自分の価値観で考えてしまう。
是枝裕和…読者は目に見えない存在。うなづいているかどうか殆ど自信が持てない。だがみんなに分かってもらおうとすると最大公約数になってしまい、何も面白くない。もっともらしい言葉がないのがいい。
世界はいつも自分の文脈の中で認識される。文脈を外れてそれ以外の見方で接することは中々難しい。悪を排除して解決できることなんて、実は大した問題ではない。真っ白と真っ黒を放棄したグレーゾーンの中で物語を作り続けたい。
山極壽一…勝つ論理と負けない論理。どちらも共存するためのルール。勝とうと思ったら相手を屈服させなければならないから、恨みを買ったり、相手が自分を避けたりする。しかし負けない論理のゴールは相手を押しのけることではなく友好的に共存することだから相手を失わない。自分にしかできないことは何だろう、自分だからこそできることを探す。それが自分の知識をまとめることにも繋がるし、他人が考えたのではないことを自分が考えることにも繋がる。動物は諦めが早いが、人間はしつこい。 -
図書館で借りた本。iPS細胞の山中伸弥さん、将棋の羽生善治さん、映画監督の是枝裕和さん、ゴリラなどの研究者でも有名な京都大学総長の山極寿一さん。京都大学名誉教授でもあり京都産業大学タンパク質動態研究所所長の永田和宏さんが上記の方々との対談を集めた対談集でもあり、講演内容も掲載されている。偉大な肩書きを持つ人達がどのように育ち、人生の分岐点でどう決断したか?挫折にぶつかった時、何を思い乗り越えてきたか?など為になる話が多く読めた。
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久しぶりに良い新書に出会えた。
様々な分野の先生方、誰でも名前を知っているような方々がどうやってそうなっていったか、「何者でもなかった頃」が見えるようだった。
確かに元々持っていたセンスはあるのかもしれないけど、そういった方でも道を迷いながら、それでも興味を追求して今があるのだと思った。
私も人生に一本の線がひけるような人になりたいと思う。 -
山中先生の話が一番印象的でした。
それ以外の方は昔からそれなりに天才なのかな。
特に羽生さんは子供の頃から少し違いますね。
ミスが起きたら引きずらず、そこから勝負開始と切り替えるという考え方はとても参考になりました。
この本の素晴らしい点は、この本に登場するスターと自分の差が少しだけ近く見えることです。
これまでは何周遅れているのか、はたまた同じ競技をやっているのかすらわかりませんでしたが、そんな方々が少し身近に感じることができる良書でした。 -
(07.24.2017)
勉強になった。やはり成功する人というのは、努力の量も質も違うと感じた。 -
久々にワクワクする新書
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何においても、まず、とても読みやすい。
新書とは疎遠の人間でもサラサラ〜っと読めてしまう。特に聞き手や対談相手に生物寄りの研究者の先生が多いこともあって、高校生物程度の知識がある人ならなおさら読みやすいのではないかな(少なくとも生化学をかじった私にはストンとくる話が多かった)。
あと、帯の先生方の笑顔がとても良い。私はタイトルよりも、聞き手よりも、対談相手よりも、なによりも帯に惹かれて買ってしまった。いい買い物だった。 -
各界を代表する人物がそれぞれの人生を振り返り語った講演の記録。
羽生氏や是枝氏の章を読んでいて、先入観を捨てて、思考の枠組みを限定しないで物事を考えることの重要性を感じた。しかし、それは自分の中にしっかりとした思考の軸があるからこそ可能になるわけだが。
そして「何者」でもないということは、逆に言えば「何者」にでもなれる可能性があるということだから、それを実現するために、自分のやるべきことを見極め一つずつこなしていこうと思った。
「クリエイティブなことをしようと思ったら、先入観を完全に頭の中から消し去るのが理想です。それが難しくても思い込みはとりあえず脇に置いて、様々な可能性を排除することなく、まっさらな状態になってどう見えるかを考える。それが、新たなものを生み出す第一歩になるのではないでしょうか。」
「先入観が崩れないとワクワクしないんです。映画監督がそういうものなのかどうかはわかりませんが、今、何かおもしろいことが起きた、おもしろいことが生まれていると感じる反射神経や動体視力がカメラマンに必要なのは当然ですが、実は監督にこそもっとも求められる能力ではないかと思っています。」 -
著名人の過去をインタビュー形式で振り返っている、特に山中先生の所はとても面白く、あっという間に読み切ってしまいました。挑戦の大切と、自分もそうしたいと思えた。
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https://opac.kokushikan.ac.jp/opac/volume/809052?current=2&total=2&trans_url=%2Fopac%2Fsearch%3Fbase_url%3Dhttps%253A%252F%252Fopac.kokushikan.ac.jp%26count%3D50%26defaultpage%3D1%26defaulttarget%3Dlocal%26order%3Drecommended_d%26searchmode%3Dcomplex%26title%3D%25E5%2583%2595%25E3%2581%259F%25E3%2581%25A1%25E3%2581%258C%25E4%25BD%2595%25E8%2580%2585%25E3%2581%25A7%25E3%2582%2582%25E3%2581%25AA%25E3%2581%258B%25E3%2581%25A3%25E3%2581%259F%25E9%25A0%2583%25E3%2581%25AE%25E8%25A9%25B1%25E3%2582%2592%25E3%2581%2597%25E3%2582%2588%25E3%2581%2586%26title_op%3Dand
京都産業大学での講演・対談シリーズ「マイ・チャレンジ 一歩踏み出せば、何かが始まる!」を収録
「私は、どんなに偉い人でも、初めから今のように偉かったのではないという、当たり前のことをもう少し若い人たちに実感してもらうことが、ぜひとも大切なことなのではないかと考えている。〈中略〉そんな自分と同じだと感じてもらう一方で、しかし、彼らはどこかで〈一歩〉を踏み出したのだということも、ぜひ知ってほしいし、感じて欲しいことである。」
~永田和宏 本文「はじめに」より~ -
・ミスにミスを重ねてしまう原因として「その時点から見る」という視点が欠けてしまうことがある。「今初めてその局面に出会ったのだとしたら」が大切。
・我々は世界に接する時に常にある文脈でしか世界に接せない。
著者プロフィール
山中伸弥の作品
