- 本 ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784166611249
作品紹介・あらすじ
抜群の記憶力、発想、決断力、そして人情……
未公開インタビュー記録をもとによみがえる天才宰相の知性と魅力!
没後23年を経てもなお日本人の心を惹きつけてやまない田中角栄。
その角栄はロッキード事件発覚後、マスコミをシャットアウトし、「闇将軍」として権勢を振るっていたが、ひそかに13時間半ものロングインタビューに応じ、みずからの思いを世に出そうとしていた。当時、海外通信社の記者を務めていた著者は、ロングインタビューに立ち会ったほか、約4年間、講演や会議における角栄の発言を記録してきた。
本書はそれらの記録をもとに、著者独自の目線で「天才・角栄」の政治理念を解き明かした作品である。
全編、角栄の名調子が冴え渡る。
「合理性だけを追求してきた日本の頭脳集団は、人間の本質を忘れている」
「総理大臣になってから『勉強します』は許されない」
「外交は“叩き上げ”同士で」
「道徳観のない政治家に人はついてこない」
「俺は自分の選挙区のことは5メートル単位で把握している」
「恋人の電話番号は手帳に書くな。手帳を見ながらダイヤルを回すのでは、恋の成就もおぼつかない」
……
しかも、現代日本の閉塞的な経済状況や、東アジアの安全保障危機をズバリ予言している指摘もあり、角栄の慧眼には驚くばかりだ。
人情の機微を知り尽くした滋味深い言葉も、読む人の心にしみわたる。
そして、脳梗塞に倒れる1年10カ月ほど前におこなわれた最後のインタビューでは、政治と人生に対する達観した思いを吐露しており、枯淡の境地を感じさせる。
どこから読んでも面白くためになり、すべての人に勇気を与えてくれる一冊である。
感想・レビュー・書評
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東2法経図・6F開架:312.1A/Sa85t//K
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佐藤栄作の「田中に会うな、それも一対一では絶対にダメだ。
すぐ丸め込まれてしまう」と
警戒されていたエピソードがいい。
その真骨頂は「発信する力」と
「コミュニケーション力」にこそある。
大局観が素晴らしい。
彼はどこまで未来を見通せていたんだろう。 -
【由来】
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【期待したもの】
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※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。
【要約】
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【ノート】
・
【目次】
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版元が文藝春秋だし、田中角栄だし、「最後のインタビュー」だし。
これは読むべきだろうと購入したのだが…。少々肩透かしだった。
ここ数年、角さんブームらしく、新刊書店では数種類の角さん本が
平積みになっていたのを目にしていた。本書もブーム目当ての便乗
本という感じかな。
政界引退後にマスコミをシャットアウトしていた角さんが、何故、
著者のインタビューだけを受けたのかは謎だけど、合計して13時間
にも及ぶインタビューは貴重ではある。
ぶっ通しでのインタビューではないので、話が細切れになるのは分か
るのだが、角さんの話をまとめた間に著者の推測を交えた解説が入る
のが邪魔だった。
ただ、角さんの考えていたことは伝わって来る。この人は本当に学歴
の人ではなく学力の人だったんだなと思う。だから、自分の頭で考え
る政治家だったのだろう。
学歴だけが立派な今の政治家を、角さんならどう見るのだろうな。
あ、それなら大川隆法先生が角さんの言霊を伝える本を書いている
から、それを読めばいいか。読まないけど…。
角さんもそうだが、政界のフィクサーだった児玉誉士夫だとか、スケー
ルが大きかったと思うのは、現在の私が年齢を重ねて年下の政治家さえ
いるのだけが原因だとは思えないんだが。
今のフィクサーって竹中平蔵とかか?ちっさいなぁ。
いささか期待外れの本書だったが、周恩来やフルシチョフとの会談の
裏話は面白かった。
「私が田中角栄だ。小学校高等科卒業である。諸君は日本中の秀才代表
であり、財政金融の専門家ぞろいだ。私は素人だが、トゲの多い門松を
たくさんくぐってきて、いささか仕事のコツを知っている。一緒に仕事
をするには互いによく知り合うことが大切だ。われと思わん者は誰でも
遠慮なく大臣室にきてほしい。何でも言ってくれ。上司の許可を得る
必要はない。できることはやる。できないことはやらない。しかし、
すべての責任はこの田中角栄が背負う。以上」
44歳の若さで大蔵大臣に就任した時、大蔵省幹部を集めての挨拶の
言葉。最後の一文、この言葉を言い切れる政治家が今もいるかな? -
1994年まで新潟に暮らしていた、それも田中角栄氏の選挙区にいた。その頃は選挙権がある歳ではなかったが、精力的な政治手腕とロッキード事件による逮捕を比較的近い位置で見ていたのかもしれない。だからこそ、どういう事を語っていたのか知りたくなり本書を手に取った。政治の裏の裏までは理解しようがないが、本書を読む限り、先を見据えた政治家だったと、原子力政策など裏目に出たものもあったが、論理があり決定、実行した人だったと感じる。
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ヘーゲル 現実的なものはすべて合理的であり、合理的なものはすべて現実的である
思った通りにはならないが、やったようにはなる 日光 輪王寺の門跡の書
古参秘書 山田泰司
上京後 正則英語学校(現正則学園高校)、錦城商業学校(現錦城学園高校)、中央工学校
三舟 勝海舟、山岡鉄舟、高橋泥舟
日ソ不可侵条約を破って参戦したととは別だ。日本があっさり無条件降伏したときに、中国は母のものとに帰れと言って、何百万人もの人間を全部日本へ送還した。ところがソ連はシベリアに強制連行し、重労働させた。火事場泥棒だ。この連中とその親族縁者がなくなるまでは50年以上かかる。この感情を払拭することはできない。たとえ不毛の土地だろうが、経済価値がなかろうが、そこに生まれ育ち、骨を埋める人にとっては別なんだ。地球上、どこよりも離れがたいんだから。そういう意味で、北方四島を返さない限り、日ソの真の友好はない。そう明確に答えた。
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