男子御三家 麻布・開成・武蔵の真実 (文春新書)

  • 文藝春秋 (2019年11月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784166611393

作品紹介・あらすじ

鬼才、秀才、そして変人……。麻布、開成、武蔵の謎に迫る!

麻布、開成、武蔵は、東大をはじめとする最難関大学に毎年数多くの合格者を送り込み、高度成長時代以降、受験界では「男子御三家」としてその名を轟かせてきた。三校とも非常に個性的な教育をおこなうことでも有名だ。

著者は中学受験塾講師として25年以上にわたって指導を重ね、数多くの教え子を男子御三家に送り込んできた。今回、著者の教え子をはじめ数十人の男子御三家卒業生が取材に協力してくれたが、その一端を読むだけで各校の雰囲気が伝わってくる。

「麻布の学校生活……。人生であんな楽しかったことも逆につらかったこともない。ぼくは麻布で人生を終えるべきだったといまだに思っています。だから、いまは『余生』を過ごしているわけです。それこそ三島由紀夫が『本当は戦中で死ぬべきだったのに、生きてしまっている』、そんなふうに語ったことがあるみたいですが、同じメンタリティですね」(麻布出身の大学生)

「開成に入ったらただ単に『勉強ができる』というより『こんなに頭のいいヤツがゴロゴロしているんだ』って衝撃を受けました。東大法学部に入ったときも、東大の大学院に進んだときも、開成に入ったときのような衝撃は全く感じられなかった」(開成出身の大学准教授)

「これから先も武蔵のいいところはそのまま残してほしいです。延命させるために学校の教育方針を変えるならば、最終的には衰退して潰れてしまっても構わないと思う」(武蔵出身の大学准教授)



本書では、各校が求める生徒像、6年間の学園生活の詳細、さらには男子校ならではのぶっちゃけトークも炸裂。

受験期のお子さんを抱えている家庭だけでなく、男子御三家OB、「教育とは何か?」を考える全ての人にアピールする好著である。

感想・レビュー・書評

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  • 言わずと知れた男子エリート育成の中高一貫男子校。
    勉強ができるのはもちろんですが、それぞれに個性があるのだと謳っているのがこの本です。

    ちなみに入試日は一緒なのでここから一校えらぶことになります。
    でも筑駒(開成は東大合格者数ナンバーワンだが、こちらは東大合格率ナンバーワンしかも国立だから安い)とは併願できるので、筑駒落ちて開成に行くことになり半泣きになった子もいるそう。

    それと灘など西日本の名門を第一希望とする受験生たちが「開成合格」の勲章だけを狙って大勢受験しに来ます。
    それに対して「開成を熱望する子に合格してほしい」からか、入試問題には東京に関する問題が盛り込まれているそう。
    こういう話大好き♪

    最近「武蔵凋落」がささやかれています。
    佐藤優さんの本では武蔵を誉めていました。
    (80冊位読んでいるので、どこで読んだか覚えていません。)
    ただ、彼が『埼玉県立浦和高校 人生力を伸ばす浦高の極意』で対談した浦和高校校長杉山剛士さんは定年退職した後、昨年から武蔵の校長になったのです。
    だからか、佐藤さん!

    終章では興味深いデータがありました。
    この34年で偏差値がどのように変わったかというもの。
    たとえば神奈川では、なんと聖光学院が栄光学園を抜いていました。
    「塾に通わずとも東大に合格できる」塾・予備校泣かせの学校として有名なのだそう。
    そうそう、栄光って何もしてくれないって言ってたもの。
    時代と共に親の要求も変わってくるようで、これからの変化もまた楽しみですね。

  • 田舎育ちの私には、名門中学への《受験戦争》という言葉がイマイチピンとこない。1978年に東京の私立大学に入学した際、同学年の生徒の名前と出身校一覧名簿が渡された。その中で、目立って多かったのは、やはり麻布、開成、武蔵出身者でした。当時は、東大合格者数で有名なところ位の知識しかなく、あの頃、この種の本が手元にあればと残念です。
    さて、「男子御三家」とは、東大進学者の多い麻布、開成、武蔵各私立男子校を解説したものです。
    まず、各校OBの顔ぶれを見ておきましょう。
    【麻布高校卒業生】
    福田康夫 - 元内閣総理大臣 昭和30年卒
    橋本龍太郎 - 内閣総理大臣 昭和31年卒
    平沼赳夫 - 元経済産業大臣、運輸大臣 昭和33年卒
    与謝野馨 - 通商産業大臣、自民党政調会長、経済財政担当大臣、官房長官、財務・金融担当大臣 昭和33年卒
    広瀬勝貞 - 元大分県知事、元経済産業事務次官 昭和36年卒
    谷垣禎一 - 元自由民主党総裁、元金融再生委員会委員長、元国家公安委員会委員長、元食品安全担当相、元財務相 昭和38年卒
    橋本大二郎 - 元高知県知事 昭和40年卒
    中川昭一 - 元経産相、元農水相、元財務・金融担当相 昭和47年卒
    鈴木俊一 - 衆議院議員(自由民主党)、元五輪担当相、元環境相 昭和47年卒
    前川喜平 - 文部科学省事務次官:昭和48年卒
    古賀茂明 - 経産官僚、内閣審議官:昭和49年卒
    中山素平 - 日本興業銀行頭取、経済同友会代表幹事 大正12年卒
    八尋俊邦 - 三井物産社長、経団連副会長 昭和7年卒
    堤義明 - 元西武鉄道・プリンスホテル会長、元西武球団オーナー 昭和28年卒
    小松達也 - 元サイマル・インターナショナル社長 昭和28年卒
    中松義郎(ドクター中松)- 発明家 昭和20年卒
    宮台真司 - 社会学者、東京都立大学人文社会学部教授 昭和52年卒
    成田悠輔 - 実業家、経済学者、イェール大学アシスタント・プロフェッサー 平成16年卒
    吉行淳之介 - 芥川賞作家 昭和17年卒
    山口瞳 - 直木賞作家 昭和19年卒
    北杜夫 - 芥川賞作家、医師、斎藤茂吉の子息 昭和20年卒
    なだいなだ - 作家 昭和21年卒
    倉本聰 - シナリオライター 昭和28年卒
    川本三郎 - 作家・文芸評論家 昭和38年卒
    久米明 - 俳優、声優 昭和16年卒
    牟田悌三 - 俳優 昭和20年卒
    フランキー堺 - コメディアン、俳優、ジャズドラマー
    仲谷昇 - 俳優
    神山繁 - 俳優
    加藤武 - 俳優 昭和21年卒
    小沢昭一 - 俳優・漫談師 昭和22
    高田尚平 - 将棋棋士 昭和56年卒
    青嶋未来 - 将棋棋士 平成25年卒
    ときど - プロゲーマー

    【開成高校卒業生】
    岸田文雄 (1976) - 現衆議院議員、内閣総理大臣
    小林鷹之 (1993) - 現衆議院議員
    松本大 (1982) - マネックス証券社長・共同創業者
    大野晋 (1937) - 国語学者(大野の語彙法則発表、『日本語練習帳』著者)、学習院大学名誉教授
    猿谷要 (1941) - アメリカ史学者、東京女子大学名誉教授
    橋爪大三郎 (1967) - 社会学者(巨匠小室直樹門下生)
    東京工業大学名誉教授、大学院大学至善館教授
    武見太郎(中退) - 世界医師会会長(第29代)、日本医師会会長(第11代)
    中村真一郎 (1935) - 作家
    福永武彦 (1935) - 作家
    虫明亜呂無 (1941) - 作家、評論家
    吉村昭 (1945) - 作家
    逢坂剛 (1962) - 直木賞作家
    矢田稔 - 俳優
    岡村喬生 (1950) - オペラ歌手
    蜷川幸雄 (1955) - 演出家、映画監督
    猪俣公章 (1957) - 作曲家
    落合陽一 (2006) - メディアアーティスト、筑波大学図書館情報メディア系 准教授
    伊沢拓司 (2013) - クイズプレーヤー、YouTuber、QuizKnock編集長
    角野隼斗 (2014) - ピアニスト
    水上颯 (2014) - 元クイズプレイヤー
    渡邊恒雄 (1943) - 元読売新聞グループ本社社長、読売新聞代表取締役社長・会長・主筆、元読売巨人軍オーナー / 5年制の旧制開成中学校を4年で修了(飛び級)
    荻昌弘 (1943) - 映画評論家
    鴨下信一 (1953) - プロデューサー、演出家、TBSテレビ相談役

    【武蔵高校卒業生】
    柴山昌彦(1984)- 衆議院議員、元文部科学大臣、弁護士
    木原誠二(1989)- 衆議院議員、自由民主党選挙対策委員長、元内閣官房副長官
    柴田翔 (1953) - 芥川賞作家、東京大学名誉教授
    景山民夫 (1965) - 直木賞作家
    ささきいさお (1961) - 歌手、俳優、声優
    宮川一朗太 (1984) - 俳優

    私の知っている比較的有名な人のみピックアップしていますが、全体的に麻布高校卒業生は政治家や官僚、開成高校や武蔵高校卒業生は作家やゲームプレイヤー、音楽家など芸術分野で活躍している人が多い。
    本書では、各校出身者の特徴をプラモデル製作で例えている。
    麻布:組み立て説明書は無視、感覚だけで独創的かつ味のあるものを製作(鬼才)
    開成:組み立て説明書を一言一句しっかり読み込み精巧で完璧なものを作る(秀才)
    武蔵:組み立ての途中で各パーツにのめり込んでしまい、なかなか作品が完成しない(変人)

    以下は私の備忘録。
    ・横浜男子御三家は、浅野、栄光学園、聖光学院
    ・横浜女子御三家は、フェリス女学院、横浜共立学園、横浜雙葉
    ・男子新御三家は、海城、駒場東邦、巣鴨
    ・女子新御三家は、鷗友学園女子、吉祥女子、豊島岡女子学園
    《麻布高校》
    ・所在地は広尾の愛育病院近く
    ・生徒が教員にタメ口
    ・麻布の教員92人のうち、女性は10人、麻布卒業生は12人(2019年)
    ・二度の学園紛争、特に1970年に山内一郎理事長の独裁反対への闘争は、「麻布の自由」を死守した事件として有名(山内は、後に2億円以上の横領も発覚)
    ・反権力の象徴人物として前川喜平があげられているが、(宮台真司や古賀茂明も含めて)唯我独尊過ぎる
    ・創業者の江原素六の「青年即未来」

    《開成高校》
    ・所在地の西日暮里駅
    ・麻布や武蔵の私服とは違い、ペンと剣の校章が入った黒ボタン詰襟学生服
    ・勉強が出来るのは当たり前、しかし反日政権となった岸田文雄元総理の母校なので株を下げた
    ・学校の4大理念、「回物政務」「ペンは剣よりも強し」「質実剛健」「自由」
    ・運動会の運営リーダーとなる応援団長と組責任者は生徒の代表
    ・文化祭(開成祭)運営も生徒主体
    ・麻布、武蔵と違い、完全中高一貫校ではない。中学入試で300人、高校入試で100人の外部新入生が入ってくる

    《武蔵高校》
    ・東大入学者数は激減しているが、母数となる一学年の生徒数が違う。開成高校400人、麻布高校300人、武蔵高校は160人
    ・武蔵の教育方針「学校は学問をする場所です。(受験)勉強は各自勝手にしなさい」
    ・所在地は江古田。近くには、日大芸術学部、都立豊島高校、武蔵野音大、武蔵大学
    ・建学の3理想、「東西文化融合の我が民族理想を遂行し得る人物」「世界に雄飛するにたえる人物」「自ら調べ自ら考える力ある人物」
    ・2000年より高校入試は廃止され、完全中高一貫校へ
    ・武蔵の文化祭(記念祭)に遊びに来る女子高は、女子学院、豊島岡、雙葉、富士見

    ・2019年の東大合格者数を見ると、共学高ではないところが多い。ベスト30の中に男子高が18、女子高が3(桜蔭、豊島丘女子学園、女子学院)を占める
    ・その理由として思春期に異性を意識せず勉強に没頭出来る環境も大きい
    ・2019年の男子高偏差値トップは、筑波大付属駒場(73)、開成高校(71)、聖光学院(69)、麻布(67)、栄光学園(66)、慶応普通部、早稲田、浅野(64)、武蔵、海城、駒場東邦、早稲田学院(63)
    ・実は、最近開成高校と筑波大附属駒場を併願して、両方受かったら筑波大附属駒場を選択する生徒が多いらしい

    田舎で神童と呼ばれていた兄の親友の弟が、東大現役合格するも、入学後上位10%の生徒は普段部活で忙しく勉強しなくても成績トップで地頭力の差を痛感させられたと嘆いていたのを思い出した。御三家男子高も、勉強出来るのは当たり前、学校も受験勉強の指導ではなく、将来役に立つ学問の仕方を学ばせる場と割り切っている。急激に偏差値を上げている高校は、逆に受験勉強に特化した教育をしているようだ。さて、あなたが受験生を持つ親なら、どこを目指す?
    私なら、武蔵高校かな、知らんけど。

  • 男子御三家、麻布、開成、武蔵の実態。

    鬼才、天才、変人という違い。

    勉強が出来て当たり前、それに加えてスポーツや専門性、趣味などを追求して秀でた天才が多い。

    などなど、それぞれの学校の卒業生からの
    実体験を交えた知られざる世界。

  • 【麻布、開成、武蔵の謎に迫る!】鬼才、秀才、変人……全国屈指の名門進学校は、教育内容も校風も生徒も個性的だった。「日本の頭脳」を量産する秘密を解き明かす。

  • 息子を中学受験させる予定はないが、男子校について知りたいと思い読んでみた。ちなみに自身は中高一貫私立女子校出身。
    麻布、開成、武蔵、それぞれの学校の個性が非常にわかりやすくまとめられており、学校の成り立ちや行事なども詳しい。6年間を通じて濃い学生生活を送れるのは、女子校も同じだと思うが、この3校は特に個性的な教師が多く揃っていると感じた。この3校を志望する子を持つ親はぜひ読んでおくべき一冊。

  • 2024年3月31日読了。男子御三家と言われる都内の進学校、開成・麻布・武蔵の学校と生徒の特色を比較・まとめた本。一言で「秀才・奇才・変人」とは言いえて妙。学校の特色・文化はその学校で教える教員や学ぶ生徒ら「人」が作っていくものだから、やはり歴史のある学校ほど濃厚な面白みが出てくるものなのだろう。全員が全員そうなのではないと思うが、集団の序列や規則に敏感な処世術に長けた開成生や「自由」を最重視し権威や押し付けられたルールにいちいち食って掛かる麻布生には、自分や自分の息子は合わないだろうなあ…と感じる。女子の御三家や神奈川の御三家など御三家にも色々あるし、早慶だのGMARCHだの、まとめて一くくりにして比べてみることが人間は大好きなものだ。

  • 開成・麻布・武蔵の特徴について、先生や卒業生のインタビューも交えながら紹介した本。

    三校それぞれの特徴はあれど、共通しているなと感じるのは、「自由」と「自主性」じゃないかと思った。
    中学受験は早熟な子が有利だと言われるが、学力が高い子達は、「自学」する能力にたけて、ある程度「自立」しているので、「自由」「自主性」を基調とした高度な教育が実現するのだろう。

    これが、中堅~上位層の学校だと、学校側が手取り足取り大学進学に向けて、子供の面倒を見ているような印象を受ける。高校以上は割と自主性を持たせても、中学生の時までは、取りこぼしないように、こまめにチェックし世話を焼く体制があるように見える。

    我が子は、親が構いすぎて、いい意味でも悪い意味でも、手厚く世話されることに慣れている。まして、早熟でもない。

    学力が伴えば、御三家のような学校で学ぶことにあこがれるけれど、我が子のタイプを思うと、ゆっくりステップアップできる面倒見のよい学校のほうがあってるのではないかと思ったりした。

    いずれにしても、能力相応なところが一番ふさわしいから、あとは本人がどれだけここに行きたいという気持ちがあるかと、最後まで伸び続ける力があるかだけど。

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著者プロフィール

中学受験指導スタジオキャンパス代表、国語専科・博耕房代表。主な著書に『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(文春新書/文藝春秋等)、『令和の中学受験 保護者のための参考書』(講談社)等がある。

「2023年 『国語で「論理的思考」を育てる 書く・読むドリル 小学5・6年』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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