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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784166611409
作品紹介・あらすじ
騒然とした日々の出来事から、普遍の教訓を抜き出す珠玉のエッセイ集。
「イスラム国」が引き起こした戦争とテロが世界を震撼させる一方で、EUは揺らぎつづけ、ついにイギリスが離脱。その間も難民の流入は止まることがない。アメリカではトランプ大統領が誕生し、その発言が物議をかもす。そして日本はいまだ不況から抜け出せず……まるでローマ帝国の滅亡を思わせる激動の時代に、私たちは生きている。
古代ギリシア、ローマ帝国、ルネサンス時代の歴史との対話を、およそ半世紀にわたってつづけてきた著者は、移りゆく日々の情勢を扱いながら、そこから歴史の教訓を抜き出す。
「宗教は、人間が自信を失った時代に肥大化する」
「民主政が危機に陥るのは、独裁者が台頭してきたからではない。民主主義そのものに内包されていた欠陥が、表面に出てきたときなのである」
「歴史を経ることで人間は進歩するとは思っていない」
また、世界情勢だけではなく、祖国日本への愛にあふれた提言や、先達として後輩女性への率直なアドバイスもつづられる。
月刊「文藝春秋」の好評連載「日本人へ」第4弾。
みんなの感想まとめ
激動の現代社会を背景に、歴史からの教訓を引き出すエッセイ集は、著者の独自の視点が光る作品です。世界の混乱や難民問題、さらには日本の政治状況を鋭く分析し、ユーモアを交えながら深い洞察を提供します。特に、...
感想・レビュー・書評
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「逆襲される文明 日本人へⅣ」塩野七生著、文春新書、2017.09.20
252p ¥994 C0295 (2024.05.31読了)(2019.09.01購入)
「文藝春秋」に2013年11月号~2017年9月号まで連載したものをまとめたものです。
【目次】
Ⅰ
国産で来た半世紀
イタリアの悲劇
帰国してみて
なぜ、ドイツはイタリアに勝てないのか
ユーモアの効用
ほか
Ⅱ
一神教と多神教
ローマに向けて進軍中
テロという戦争への対策
地中海が大変なことになっている
「イイ子主義」と一般人の思い
ほか
Ⅲ
「保育園落ちた日本死ね」を知って
EU政治指導者たちの能力を問う
ローマ帝国も絶望した「難問」
両陛下のために、皇族と国民ができること
「会社人間」から「コンビニ人間」へ?
ほか
●世界で存在しないもの(58頁)
世界で四つ存在しないものがある
アメリカ人の哲学者、イギリス人の作曲家、ドイツ人のコメディアン、日本人のプレイボーイ。
●多神教と一神教のちがい(146頁)
多神教と一神教のちがいは、神の数にあるのではない。自分は信じていないが信じている他社の信仰は尊重するのが多神教で、反対に一神教になると、自分が信じている宗教だけが真の宗教で、他のすべて邪教になってしまう。邪教の徒であるからには殺すのもOK、奴隷にするのもOKということになるのだ。
☆関連図書(既読)
「ローマ人への20の質問」塩野七生著、文春新書、2000.01.20
「日本人へ リーダー篇」塩野七生著、文春新書、2010.05.20
「日本人へ 国家と歴史篇」塩野七生著、文春新書、2010.06.20
「日本人へ 危機からの脱出篇」塩野七生著、文春新書、2013.10.20
「ルネサンスの女たち」塩野七生著、中公文庫、1973.11.10
「神の代理人」塩野七生著、中公文庫、1975.11.10
「海の都の物語(上)」塩野七生著、中公文庫、1989.08.10
「コンスタンティノープルの陥落」塩野七生著、新潮文庫、1991.04.25
「緋色のヴェネツィア」塩野七生著、朝日文芸文庫、1993.07.01
「ローマ人の物語Ⅰ ローマは一日にして成らず」塩野七生著、新潮社、1992.07.07
出版社からのコメント(amazon)
この激動の時代、ともすれば日々のニュースに振りまわされてしまいがちです。
しかし、ローマに住み、ヨーロッパの歴史との対話を長く続けてきた著者は、時事問題の奥に、普遍の教訓が隠れていることを教えてくれます。
しかも、このエッセイは歴史の専門用語などをつかうことなく、日常的な言葉でつづられているのです。それでいて、奥の深いことが書かれているのです。
また、男性読者が多い印象を持たれているかもしれませんが、このエッセイ集には女性へのアドバイスも少なくありません。
これまで、あまり触れてこなかった方にも是非、読んでいただきたい一冊です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
塩野七生の「日本人へ」の第4段
トランプ登場による、世界の混乱と、彼女自身もこたえようがない難問である「難民」を問う。
国家のリストラである難民については、リストラしない国が成功することを、最終的にのべている。
そして、なぜこうも簡単なことを、学会もマスコミもと指摘しないのだろう。と疑問をあげて、筆をおく。 -
文藝春秋に2013年から2017年に掲載された塩野七生先生のエッセイ。気軽な文体のなかに、たまに鋭い名言が隠れているのが良きです。この世代の女性は気骨がありますよね。それでいてユーモアたっぷりで。憧れます。という事で、人生の道半ば女性の私にとっては、塩野七生先生は、理想の人生の大先輩です。
すいません、恐れ多すぎること言いました。
イタリアやヨーロッパに住んでいる人の生の声が読めるのも楽しいところです。とくにこの頃は、シリアからたくさんの難民がイタリアに流入していて、おまけに若年層の失業率は40%超え。やれ少子高齢化だ、社会保険料が…、と問題だらけの日本ですが、他国も大変なんだな…としみじみと思いました。というか、ヨーロッパって世界の知性と良心なんじゃなかったのー!?と叫びたくなるほど、結構エグい話もたくさんあって、野次馬的に楽しめます。
手元においておいて、元気になりたい時に読みたいエッセイです! -
シリーズ第4弾。なんだか、一番面白く読んだ気がする。
消費が冷え込むことの恐ろしさ、一神教と多神教、EUについて、レンツィについて、ギリシャ問題、難民問題、消費税について等々。
イギリスのEU離脱や難民問題があって自分の中でも多少EUや政治について興味が湧いているのかもしれない。政教分離はいつの間にか常識と考えていたけど改めてルーツを確認した。確かにイスラム世界は政教分離していない。消費税の在り方なんかはとても良さそう。
「保育園落ちた日本死ね」を知って、も良かった。少し前に全文を読んで、正直読んでみると案外的を射てるんじゃない?と思ってたんだけど塩野さんは日本の衰退の始まりになるかもしれないとしていてハッとした。たしかに言葉ひとつで気分がプラスになることもあるしマイナスになることもある。そして確かに「保育園落ちた日本死ね」は確かにリズムが良い。これはプラスに生かさなければ。
さらに、人間社会の人々を三種類に分ける話もなるほどと思った。一番目は「機会さえ与えれば生産性を発揮できる人たち(一割)」、二番目は「安定を保証されることで生産性を発揮する人々(八割)」、三番目は「経済効率だけを考えればリストラ要員になってしまう人びと(一割)」で、塩野さんは自身が政治家や経済人なら三番目の人たちを養うことに徹すると。それは人権尊重だけではなく、「安定」層の八割に情況の変化によっては背後の崖から急落下かもという不安を感じさせないためであると。確かに一割がリストラされてしまえば「安定」層の人がリストラ候補ということになってしまい生産性が下がってしまう。一割をカットしてさらに八割の人の生産性が下がっては全体としてはとてつもない影響だ。
イギリスが国民投票をやった時に、バカなことをやったなとは思っていたけど、塩野さんも正面から批判していてちょっと仲間意識。
民主政と衆愚政について考えさせられた。政治家には国を舵を任されているということをより認識して国をリードしてもらいたい。胆力が必要。国民も監視する意識が重要だろう。
横浜の学校で起きたという、福島からの避難児童へのいじめについてはずっと日本に住んでいるのに知らなかった。放射線を扱う仕事をしている身として、福島の風評被害については思うところがあるのだけど、本当にこういう話を知ると日本が残念になる。放射線について正しい知識を広めていない専門家の努力不足もあるけど、塩野さんの言うように、みんな自分のことだけじゃなくて想像力を持とうよ。
負けないための「知恵」も考えさせられた。政治が安定していること、失業率が低いこと、今のところにしろ難民問題に悩まないですんでいることが日本は他の先進国に比べてそろっており、負けないで長続きするために重要であると。
また、「自らの持てる力の活用」や「強圧的で弾圧的で警察国家的な恐怖政治は短命で終わる」などは政治のみならず自分の仕事についても当てはめて考えることができた。自由と秩序。負けずに成長していくために参考にしていきたい。
紹介されていた『「ニッポン社会」入門』を読んでみたくなった。今年の夏はそれで乗り越えるかな。
塩野さんの作品(このシリーズ以外)を読みたくなった。たくさんあるけどどれがいいかな。 -
著者の『日本人へ』も、4冊目。
本書は、文芸春秋2013年11月から17年9月号まで掲載したものをまとめたものらしい。相変わらず、快刀乱麻のごとき筆の運びに、読むたびに爽快感を覚える。
著者専門の、ローマ帝国の民主政を論じたかと思えば、国内に転じ、安倍首相さらに女の政治家たちにも一言。
「政治権力とは、廃車世代からの禅譲を待つのではなく、自分から奪いにゆくものなのだから」と、檄を飛ばす。
さらに、現在世界で起こっている諸々の不幸もユーモアで味付けするだけで、印象が変わると助言する。
「笑いという武器は、人間を冷静にするのに役に立つ」と。
そこで思いついたのは、尖閣諸島をガンダムやゴジラに守ってもらおうというアイデアだそうだ。世界中の話題になり、中国人にもファンがいるから、丸く収まるのではないか、と。
その尖閣諸島に北朝鮮の難民が上陸した場合、主権国には救助に向かう義務があるらしい。そこで、日本と中国の舟が鉢合わせしちゃったり、とも綴っている。
読んでいて、思わず笑ってしまった。
やはり、こういう発想は、日本を外から見ている著者ならではないかと。 -
相変わらずの塩野七生節。
時間のある時にさらっと読むには丁度良い。 -
久々の新刊は、塩野氏のクールなプロフィールがグラビアとなったカバー大の帯をつけて登場した。
一国の存亡を見つめる大作をいくつも世に送り出しつつ、男女の機微にもするりと入り込む、よくありがちな、仕事一本やりではないところが格好いい人の姿である。
今回は、各国の政治家に対する言及が多い、となると、塩野氏のこと、支持に関しても明快だ。
2013年11月〜2017年9月の「文藝春秋」に掲載されていたものなので、一つの政権が立ち、倒れるところまで含まれているものもある。そして、それぞれに塩野氏の意見や提言が何にひるむことなく書かれているのが頼もしい。
政治家に言わせれば、「そんな単純なものではない」のかもしれないが、どちらかというと、「石橋をたたいて渡らない」になりがちな自分自身の行動を顧みるにつけ、とにかく、完璧を期す前にやってみるしかないと思わせられるだけの決然たる背中を見せられた思いだ。
そのなかでも、「政治家は、使い捨て」というのがよい。使って捨てられたのなら、本望である。似たようなのが、「一発屋」で、一発でも世を穿ったのだから、十分大成功と思うのは余談。時が変われば、適材も適所も変わるものであり、その一時の適材として選ばれ働けることを良しとする気概が仕事を生み、政治屋ではなく、政治家となるのだ。
戦後70年というが、今、平和がおびやかされているように感じる。つまり、我が家や職場の上空を厚木からの飛行機が低空飛行する轟音を聞くからで、報道とが相まって心を怯えさせられるのだけれども、では、日本が勝ち取るパクスニッポン(?)とは、どんな形だろうか。
100年にも満たない期間でしか、まだない。しかし、ローマ、ヴェネツィアの繁栄といえば、1000年というのだ。そう、100年後では、孫の代までだが、1000年後は、世界平和のレベルといえよう。しかし、政治は、それを目指してこそ、である。
政治とは、リストラをしないでの回復、経済とは、リストラをしてでもの回復、と塩野氏はいう。
高校で、ギリシャの政治を世界史にて習った時に、ギリシャの民主制と衆愚制、その境は何に発するのか、との思いは未だに解決を見ていない。そもそも、政治経済にさほど興味もなく暮らしている自分は、民主制の一員というより、衆愚制の一員といわれても言い返す言葉はない。
さて、明日はどうなるのだろうか。少なくとも、民主制であるとの自覚は持たねばなるまい。
他サイトより転載 -
「想像力とは相手を思いやる力」。はい。そうだと思います。プラス優しさだと思います。はい。
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【待望のシリーズ第四弾!】「イスラム国」の台頭、激発するテロ、軋むEU、トランプ登場…ローマ帝国滅亡を思わせる激動の時代、歴史は何を教えてくれるのか。
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国内の情報にどっぷり浸かって狭まった視野を広げてくれる一冊。
2017年までの時事問題を扱っているが、古さは感じない。やはり賢者は歴史から学ぶのだと痛感!
ぜひ多くの人に読んでほしい。 -
"ローマ人の物語"で有名な塩野七生のエッセー集。政治・社会問題から女性論・天皇陛下や日本人への想いまで、歴史知識に裏打ちされた現実主義的で冷徹な視線で話を進める。もちろんそれだけでなく、"尖閣にガンダムやゴジラを"というウィットにとんだ提言もあり、また、日本を語るときのある種のウェットさ、切なさも文章からは伝わってくる。
それにしても彼女の語る欧米事情や政治論・女性論は、日本のマスコミの論調とは大きく違って聞こえる。個人的には彼女の方がしっくりくるのだが。
彼女のような人に国を率いてもらいたいと思ったりもするけれど、たぶん今の日本人にはそれを受け入れる度量がないだろうなとも思う。 -
ローマ人の物語などを執筆した塩野氏のエッセイ集。ヨーロッパに住み、国際的な視点で、かつ欧米の文化、宗教を知り尽くした塩野氏ならではの視点で、世界で今起きている事件に鋭い視線で切り込んでいる。
ヨーロッパの人々の考え、一神教と多神教など、なるほどと思う。 -
欧州に住まう塩野氏による著書
通読して得た印象はこちら
①私の日本に対する感想≒著者の日本に対する感想
②私の欧州に対する感想≠著者の欧州に対する感想
概ね著者が日本の感想を書くときは一時帰国に際するもの
つまり、著書と私で得ている情報が近しい
よって①は妥当
では②だが、著書は自らが住まう地域の感想であるのに対して、私はメディアを通しての感想しか抱けない
①②からメディアというのは非常に情報を選定、もしくは偏向していると考えられる
故に①についても偏向した情報を元に著者も私も感想を抱いていると考えられる
げに恐ろしき情報かな -
3-2-?
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『逆襲される文明』という題名は、本書のなかのここ↓からとったと思われます。
「ヨーロッパは、進歩したと思いこんできた自分たちの文明に逆襲されているのである」
私自身つい先日、9・11の前年に刊行された
カレン・アームストロング著『イスラームの歴史』をいう本を読んで、
いろいろ考えさせられました。
それから15年ぐらいたって書かれたこのエッセイで、
地中海付近はその後こんなことになっているのだというのが身に沁みました。
イタリアに50年暮らす塩野七生女史は、「押し寄せる難民」というものを身近で見ているのですね。
彼女はローマ帝国時代の蛮族の侵入を想像します。
彼女らしいですよね!
それ以外にも、イスラム国の蛮行、欧米のいろいろな問題、祖国日本のことなど、とても面白いエッセイでした。
もうすぐ『ギリシア人の物語』最終巻が刊行されますが、
この手の本格的歴史エッセイはそれで終了する予定だそうです。
数年前テレビで「あと二人、描きたい人がいる」をおっしゃっていて、
それはフリードリッヒ二世とアレクサンダー大王だったのですが、
無事書き終えられたということで一ファンとしては安心しました。
今回の文藝春秋のエッセイのようなかたちで執筆を続けていただけたら、
それでも良いかと思います。少し残念ではありますが。
おからだを大切に。
骨折などしないように、栄養にもお気をつけてください。 -
塩野さんの著作は、何冊もの「ローマ人の物語」を始めそこそこ読んでいますが、本書は最近出た塩野さんのエッセイ集です。
「歴史事実は一つでも、その事実に対する認識は複数あって当然で、歴史認識までが一本化されようものならそのほうが歴史に接する態度としては誤りであり、しかも危険である」
という記述が強く印象に残りました。 -
この著者の作品を初めて手にした。きっかけは、誰だったか著名人のオススメだったように記憶するが正確なところは忘れた。
難解な問題を非常に分かりやすく書いており、肩の力が抜ける(笑)共感できる内容がいくつもあるが、中でも消費税の使い方案は秀逸だ。
他の作品も読んでみたい気になりますね。
塩野七生の作品
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