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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784166611539
作品紹介・あらすじ
日本史は暗記科目じゃない!
天皇、土地、宗教、軍事、地域、女性、経済。七つのツボを押さえれば、日本史の流れが一気につかめる。
最もコンパクトな日本通史、登場。
大事なのは疑問を出す力、仮説を立てる力、そして常識の力。
人気歴史学者が面白くかつ明快に日本史を解説する。
「天下分け目の関ヶ原」は三度あった
律令制は「絵に描いた餅」
応仁の乱、本当の勝者は?
銭が滅ぼした鎌倉幕府
皇位継承 ヨコとタテの違い
川中島の戦い、真の勝者は武田信玄
貴族と武士の年収は一桁違う?
などなど、目からウロコのトピックも満載
感想・レビュー・書評
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具体的なテーマごとの切り口で学者ながらに堅苦しくなり過ぎず、非常に面白い本。読みながら著者の思想を調べてみると、見えてきたのは「仮説主義への寛容の延長で司馬遼太郎も擁護し、実証主義に頑なな他の学者を批判したことで、賛否ある立ち位置にある、という印象」。要は、ただの作り話だろうと司馬遼太郎的歴史観を痛切に批判する学者を批判した学者であり、歴史における〝遊びの部分“の必要性に理解を示した。そりゃあ、この本も面白いはずだろうと合点した。
― おそらくヤマト王権は白村江の敗戦によって、自分たちは何者なのか、というアイデンティティ・クライシスに陥ったと考えられます。なぜなら、天智、天武、持統といった天皇は、その後、相次いで独自のアイデンティティの核となる「ヴィジョン」を打ち出していったからです。そもそも「天皇」という呼称自体が、この時期に生まれました。それまでの「大王」から名前を変更し、自分が中国や朝鮮とは異なる、独自の存在であることを強調したかったのだと考えられます。『古事記』(七一二年)や『日本書紀』(七二〇年)の編纂もこの時代に始まります。
― 歴史をみるうえで重要なのは、文書に示された建前や形式よりも、それが実際にどのように機能していたか、現実を動かす力を行使していたのは誰かだと私は考えます。そこで承久の乱以降の幕府と朝廷の関係をみていきましょう。昔も今も誰が実権を握っているかを最も雄弁に語るのは、人事です。承久の乱以後、次の天皇を誰にするかは、朝廷の一存では決められなくなりました。鎌倉幕府の承認が必要となったのです・・・幕府によって、天皇は現実の政治と関わることも厳しく制限されます。武家に官位を与えることは禁じられ、諸大名の京都立ち入りも制限されました。天皇は御所から出ることも禁じられ、外出するには幕府の許可が必要でした。
ー なぜ天皇が必要なのか?その根本的な要素のひとつが、土地です。つまり室町幕府は、複雑な土地の権利関係を整理することができなかった・・・これを変えたのが戦国大名。
天皇を切り口とした論理展開だ。この流れを見るだけでも、ただ単に事実の列挙ではなく、物事の本質を見抜くような論理構築があって、その論理の不足を仮説で補ったり、実証の繋ぎ方を工夫している様子が分かる。読み手もこの方が面白い。
― これは余談になりますが、江戸時代になると、遊女、女郎といった職業への差別意識が強くなっていきます。おそらく、これは性の問題と関係していると思います。梅毒が日本に入ってくるのは戦国時代で、用心深い徳川家康などは遊女との接触を自ら禁じていた。遊女が歴史的な事件を引き起こした例で有名なのは、後鳥羽上皇の寵愛を受けた亀菊という人ですね。彼女は後鳥羽から摂津国の荘園を与えられたのですが、この荘園の地頭が命令を聞かない、というので、後鳥羽が怒る。そして幕府に地頭を廃止せよと要求したことが、上皇と幕府の関係を悪化させ、承久の乱の一因となるのです。
この「・・・と思います」の「思います」が仮説である。だが、歴史は残された文書からしか把握しきれない限界があるため、こうした解釈の余地というのはどうしても出て来るものだと思う。歴史は仮説を用いずに認識し得ないものではないのか。ストーリーテラーの面白さと共にそんなことを考えた。詳細をみるコメント2件をすべて表示-
雷竜さんこの著者の著作はどれも歴史の大家だからこそ書ける内容なので、面白いですね。歴史は多角的にみないと本当のオモスロさはわからないのは、人間が一面...この著者の著作はどれも歴史の大家だからこそ書ける内容なので、面白いですね。歴史は多角的にみないと本当のオモスロさはわからないのは、人間が一面だけ見ていてはわからないのと同じなのでしょうね。2025/09/10 -
Rafさんコメントありがとうございます。雷竜さんも本郷氏の著作を多数読まれてますよね。私も手を出してみようかな…と思います。コメントありがとうございます。雷竜さんも本郷氏の著作を多数読まれてますよね。私も手を出してみようかな…と思います。2025/09/11
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出来事の羅列ではなく、天皇や軍事、女性など7つのテーマに分けて日本の歴史の流れを説明してあるので、面白かった。
天皇の権力が強いと後継者が兄弟など横に広がるというのが、なるほどと思った。 -
オーディブルにて。
この方が監修された歴史マンガでの解説が面白くて好きになった。「日本史を疑え」も面白かったので他の本も手に取ってみた。
天皇、宗教、土地など日本史を横串で見る視点がとてもわかりやすい。女性の私からすると、「女性」から見る日本史が最も興味深かった。日本では女性の地位が低いと言われるが、それは江戸時代に徳川家康が儒教を重んじたためだと言う。歴史から振り返って今の日本の現状についても考えてみたい。 -
日本史のこぼれ話を集めたような一冊。
天皇と将軍、どちらが上か? きっかけは1221年の後鳥羽上皇が敗北した承久の乱で形勢逆転。
神道と仏教の関係
江戸のお寺は「役所」の存在も兼ね備えていた。
荘園は口利き的な要素もあり、自分達の土地を自分達で守ろう!という意識のもと、武士が発生した。 田舎の武士は在地領主、京都の武士は貴族を守るため、と起こりは異なれど、発生したのはこの辺りから。
貨幣経済の発展により、鎌倉幕府は潰えた。
信長が実現させた自由とは?
悪党たちが戦い方を変えた(ルール無用)
日本は「ひとつの国」ではなかった? -
本郷和人さんが、七つのテーマ、天皇、宗教、土地、軍事、地域、女性、経済を軸に歴史の大きな流れを論じています。
彼が歴史についていつも心がけているのは、できるだけその時代の「リアル」に迫りたいということだそうです。
だから読んでいる私も俯瞰しているのではなくとても近くで見ているようで、面白かったです。
もう図書館に返すけど、また借りて読みたい。
本郷さんも磯田道史さんと同じく「歴史が好きで好きでたまらなくてこの職業についた」みたいに見えるけど、「なるべく他人と付き合いたくないから学者を目指しました」なんておっしゃっています。 -
日本史を通じて繰り返して現れる一つのパターン、それは徹底した競争排除であり、「安定&まったり」を志向する心性であり、組織原理の要としての「世襲制度」である。
ヨコ一線での競争は常に長く続かない。
社会を揺るがす劇的な変化は「外圧」という名の外から危機がない限り、起こりようがない。
古代のヤマト政権を根底から揺さぶったのも、白村江の敗戦から侵略されるかもという恐怖がキッカケだった。
外圧によって初めて天皇家は、他国との差異を意識し、独自のアイデンティティに目ざめるのだ。
しかしそんな緊張状態が弛緩するのは早かった。
唐の衰退とその後の分裂と内乱により、背伸びした無理な建前は崩壊してしまう。
大陸の先進性に習う形で律令制を進めたのに尻すぼみになったのはなぜか?
遣唐使の派遣を打ち切ったのは?
すべて外圧が緩んだからに他ならない。
もともと律令制なんて最初から無理だったし非現実的だった。
根幹ともいえる班田収授法からして現実には機能していない。
やがて荘園が生まれ公地公民が崩壊していったのではない。
そもそも最初から存在しなかったのだ。
さらに厳しい選抜の科挙制度なんて最後まで日本に根を下ろすことはなかった。
危機が去ると天皇自身も、外向きの猛々しき武の王から、内向きの雅な王へと変質していく。
これまで自ら政務に当たっていたのが、摂関政治で藤原氏に政治の主導権を明け渡す。
藤原氏は外戚というポジションを独占し次々と后を送り込む。
天皇家の男性と藤原家の女性による「万世二系」状態が作られる。
外戚まで世襲化したのは日本だけだろう。
他の国では基本、皇帝や王が代替わりするごとに権力闘争が発生して、外戚を占めるグループがころころ変わっているからだ。
外戚というシステムが固定化されるのは、武家政権においても同様であった。
鎌倉将軍の外戚であった北条氏、足利将軍家における日野氏というように、繰り返し現れている。
競争による軋轢や熾烈な闘争による地位の奪い合いを避け、権力をタテ型に世襲化して安定を志向するのは、日本人の変わらぬ性質だと思われる。
「安定&まったり」をよしとする基本原理は、八百万の神を奉る多神教の宗教観に根ざしている。
だから日本ではどこまでいっても一神教は定着しなかった。
面白いのは天皇家が、祖先神とつらなる神道と外来の仏教、どちらを歴史的に重視してきたかというと、神道ではなかったということ。
それは、神官よりも僧侶の方が、与えられる位が格段に高かったことからもわかる。
事実、江戸時代まで天皇や皇后の葬儀はずっと仏式で行われていた。
なぜか?
それは仏教が厳しい修行を必要とするものから多分に儀礼儀式化していったため朝廷政治と親和性が高かったこと、そして仏教も日本的に世襲化されていったことが関係している。
武家の宗派である禅宗でさえも世襲的に変質していき、あちこちで修行するスタイルから、師匠から弟子へ教えを受け継がせる直系相続のスタイルに変化していった。
何でもかんでも世襲化させるのは日本人特有なのだろう。 -
■ Before(本の選定理由)
日本史を年号では無く、7つのフィルタを使ってみると流れが見えてくる、という趣旨らしい。発送が素敵。
■ 気づき
7つのうち、女性と経済が面白かった。のだけど、新書に詰め込んだこともあって、7つのテーマはバラバラ点在し、別個の話のよう。勿体ない感じがした。
■ Todo
溢れた情報もキュレーションの方法次第で、新しい価値は生み出せる。 -
歴史の授業だと、その時代の出来事やなんかを追いかけて古代から近代までやりますけど、まあそれは政治がメインなわけです。その背景が面白いのに授業では時間がないから、興味のある人はご自由にどうぞ、になってしまう。
本書ではテーマ別に古代から近代までざーっと流して解説してもらえるのが、新しく感じます。7テーマ取り上げるので、ざーっとにはなっちゃうんですけど。概要を掴むには良い分量で、全く飽きずに読めるのと「そういえば習ったな…」を別の視点から見られるのが面白いです。 -
歴史好きといっても池波正太郎と司馬遼太郎の小説を読んで大河ドラマを観るくらいで歴史に詳しいわけでもない。そんな私が本郷さんのこの本を読んで、もう一度これまで読んだ本を読み直したいと思いました。歴史を学ぶことは今を理解することにつながります。
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通史に真正面から取り組もうとすると疲れるし、いろいろなところで引っ掛かって、たいてい途中で心が折れる。
本書は、コンパクトにまとめまっていて短時間で最後まで読み通しすことができるのが、まず一番よいです。
かなり前に出版されたものですが、取り上げられているテーマ自体は定石で、気になりませんでした。
一般書であることが意識されていますが、専門研究者としての著者の見方や個性もうかがえ、読みやすさにつながっていると思います。
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歴史が好きだからかな、日本史を疑え、に引き続き楽しめました。女性の地位の歴史、経済から見た歴史、鎌倉武士の年収等々。
最後にあったように現代につなげて比較してくれると、わかりやすいし、興味深くなる。 -
<目次>
第1章 天皇を知れば日本史がわかる
第2章 宗教を知れば日本史がわかる
第3章 土地を知れば日本史がわかる
第4章 軍事を知れば日本史がわかる
第5章 地域を知れば日本史がわかる
第6章 女性を知れば日本史がわかる
第7章 経済を知れば日本史がわかる
<内容>
ちょっと視点を変えて、日本史を俯瞰した本。専門家でない限り、こうした別の視点から日本史を描いてもらえると、新しい発見があって楽しいです。また授業への参考にもなってきます。もうちょっと書いてほしかったですね。 -
日本史を一気通貫でざっくりと改めて学びたい、そんな欲求からこの本を読んだ。
結果としてこの本ほど当初の目的に見合うものはない。
日本の誕生〜江戸時代までを7つの軸でざっくり読む。
それにより日本がこれまでどういうベクトルで変わってきたのか、それがいまの日本にどうつながっているかを知ることができた。
当たり前だが、日本史は人名や役職、当時の呼び名など、専門用語が多い。
にも関わらず読みやすい文章なのは筆者の筆力があることは言うまでもなく、親しみやすい人柄が浮き出ているように感じる。(筆者のことは知らないが.
...)
日本史をもう少し勉強したい、そんな気持ちも芽生えるいい読書体験でした。 -
時代を貫く“軸”を示す。天皇とは、政治と宗教の結びつき、土地の支配をめぐる争い、経済の変遷、女性の役割、地域の自立性、そして軍事の実像。複雑な出来事の背後には共通する構造がある。表層にとらわれず“ツボ”を押さえることで歴史の姿が鮮やかに立ち上がる。点を面に、時代を流れに――見方をしぼると学びは深くなる。
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豊臣政権
西向き、朝鮮出兵、中央集権、重商主義、貨幣経済、
貿易重視
新自由主義、貧富の格差
徳川政権
東日本重視、地方分権、農本主義、内需拡大
格差が少ない、セーフティネット
清盛
西日本中心の日宋貿易
頼朝
関東、土地の安堵
天智天皇
朝鮮進出、白村江の戦い
天武天皇
遣唐使一次廃止、古事記、国内集中
明治政府
朝鮮併合、薩長を中心とした中央集権、貿易重視
現代
冷戦終結以降新自由主義、グローバリズムに触れ過ぎた反動が来て、国家主義、ナショナリズムの内向きの傾向。逆に触れ過ぎない様に気をつけつつ、歴史に学び、東京一極集中を防ぎ、地方分権、内需拡大を目指すべき。 -
オーディブルで読了。
テーマごとに切り口を作り、読み進めるごとに同じ出来事が違う切り口として光が当たるのが面白い。
人間や年号を覚えたりするかったるいことをせずに楽しく日本の歴史に触れることが出来るので良い。 -
897
師直ほどの 傲岸 不遜 な武士でさえも、天皇を必要としたのはなぜなのでしょうか。その鍵は、やはり「職の体系」にあると思います。 室町時代の武士は、土地の権利をめぐる論理として、「職の体系」以上のものをまだ構築できなかった。もし今、天皇家を滅ぼしてしまったら、土地の権利は大混乱をきたす。領主たちの自力救済にまかせたら武力抗争が頻発するだろうし、武士たちに対する幕府の信用も丸潰れになってしまう。今以上の混乱が訪れる。師直をはじめ室町幕府を支える武士たちは、そのように考えていたのではないでしょう
軍事がわからないと日本史はわからない。と言っても、別に私はタカ派でもなんでもありません。事実に基づいてこの国のあり方を考えていく上で、軍事というものの考察は非常に重要だ、と言いたいの
にもかかわらず、ことに太平洋戦争ののち、軍事史の研究はなおざりになってしまいました。 その原因のひとつはやはり敗戦のショックでしょう。何百万人という犠牲を出したことで、戦争=悪、軍事=悪であるという認識が日本国民のなかに刷り込まれた。これは心情的にはよくわかります。 そして、もうひとつはイデオロギー的なものです。戦後、皇国史観を奉じてきた歴史家たちがパージされると、今度はその反動でマルクス主義的な唯物史観が勢いを持つ。そのなかで戦前の軍国主義の否定から、軍隊=悪、自衛隊=悪という図式がつくられてしまった。こうした事情で、トータルな歴史科学としての軍事史研究はほとんど進まなかった、というのが私の考え
なぜ江戸時代になって女性の地位は低下したのか? ひとつには儒教の影響が強まったことが挙げられるでしょ
こうしてみると、「日本は昔から女性の地位が低かった」と批判されるときの「昔」とは、相当の部分、江戸時代を指していて、それ以外の時代には、女性はその時代なりの地位を占め、影響力を発揮していた、といえるでしょ -
鎌倉
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