- 文藝春秋 (2018年2月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784166611591
作品紹介・あらすじ
毎日の生活の中には知的好奇心を刺激する素材があふれている。
テロのニュースを聞き、その背後によこたわる歴史を考える。
自然災害の報をうけて、火山国、地震国という日本の宿命を改めて問い直す。
オリンピックをみながら、あの戦争を思い起こす。
横綱誕生のニュースから、トランプ大統領の今後を想像する。
バーの店主だった時代を回想し、いまのジャーナリズムに檄を飛ばす。
そして、みずからの病から、人間の生と死へ思いをはせる。
日々、接するニュースや、足を運んだ展覧会、取材であった科学者の言葉などから、思考の材料を取り出す。そんな「知の巨人」のあざやかな手腕が味わえるエッセイ集。
〈目次〉
第1章 生と死に学ぶ
第2章 歴史と語らう
第3章 科学を究める
第4章 戦争から考える
第5章 政治と対峙する
●特別講義●
・最先端技術と10年後の「日本」
・ノーベル賞興国論
感想・レビュー・書評
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2013-2017のエッセイを順不同でまとめたもの。
近年の立花隆さんが思っている事が分かる。
日本の最大のセキュリティー問題は、安保法制やサイバー攻撃による情報漏洩でなく自然災害にある。
日本の政治状況は(与党も野党も)あまりにひどい。安倍首相の美辞麗句をならべた演説の裏側を見たらぞっとする。
経済成長の時期(機会の窓)は、日米欧露は終わった。中国も2025まで。これからはブラジル、イラン、インド。特にイランに注目。
日本は電子部品と各種素材が高品質で世界的に優位であり堅実な成長が見込める。かつて民主党が行った事業仕分けのような愚策で、日本の産業を支えている科学技術の予算を削ってはいけない。
最終章の「特別講義 未来を描く‐最先端技術と10年後の日本‐ノーベル賞興国論」は、悲観社会になっている日本に希望の光を見せてくれる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
時事問題を独自な視点で詳細な取材をもとにした深い論考だ。彼は知的好奇心が旺盛なのか、「もっともっと知りたいことが山のようにあった」し「読みたい本が山のようにあった」から不思議に思ったこととか、怪しいと思ったことなんかを徹底して調べ、考察をめぐらせている。この表題の「知的ヒントの見つけ方」なんかは上手く考えたものだ。読者に別の観点から思考をめぐらせ、新鮮な共感を与えている。
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「知の巨人」と言われる立花隆のエッセイ。
世の中の動きを、立花さんがどんな風に眺めているのかをちょっぴり覗かせてもらっている楽しさを味わいながら読了しました。
この人の興味関心の広さと深さは、やっぱりすごい。とにかく、幼少の頃から、活動している時間を一瞬たりとも無駄にしていない感じ。気になったことをきっちり論理的に掘り下げずにはいられない、考察しては検証することを繰り返してきた人なんだなぁと改めて感じました。
上野周辺で育ったことで感じてきた戦争・戦後観、長年通い続ける恐竜展、日本にとって科学技術が果たす役割、世界史への造詣と結びつけて考察される現代の国際情勢、そしてなによりも、田中角栄研究(まだ読めてない!)で発揮された政治の闇への鋭い視線。
日本は、こんなことでいいのか?そろそろ危ないんじゃないのか?と警鐘を鳴らしつつ、若い世代の中には希望の光が見える…とのエールも。司馬遼太郎もそうだったなぁ。
何気なく書かれていた文だけれど…
「文章力は基本的に自己を見つめる力に比例する。内省力といってもよい。」
背筋が伸びました。 -
月刊誌に投稿されたエッセイ集。10年ほど前の出来事について書かれているが、ずいぶん昔の事のように感じる。最後の章で未来についてまとめられているが、日本の技術力があれば世界をリードしていけると楽観的に述べられている。
『悲観主義を克服する方法は、同じ状況でも、見方次第でチャンスが無いように見えたり、逆にいくらでもあるように見えたりするのです。この世の中は、悲観論者は自分の予測通りに失敗し、楽観論者は自分の予測通りに成功していくものです。楽観主義で行きましょう。』 -
もっともっと、社会情勢や政治に関心を持たねば、と思わされる。
自分が歳を重ねたからかもしれないが。
ただ、科学技術の話は少し難しかったかな。 -
再読中
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読了 20211227
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晩年の立花さんらしい、味のある短編文章の数々。若い人たちへのメッセージもうれしい。
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日々のニュースや取材などを通して、立花隆さんが思ったこと、感じたことが綴られた本。
本書は、月刊「文藝春秋」の巻頭随筆と特集記事をまとめたもの。
医療や歴史、科学などのニュースや取材を入口に、現代日本が抱える問題の本質や社会のあり方などについて立花隆さんはどう考えているかが書かれています。 -
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立花隆氏の本はとっつきにくいものが多いのだが、これは比較的すんなりと読み流せる。
文藝春秋の巻頭随筆等において記したものを、生と死、歴史、科学、戦争、政治の5つの括りにまとめたもの。氏の思考回路、筋道をどの様に展開していくかを肩肘張らずに理解する事ができる。
毎度のことだが、氏に触発され本格的題材を扱う書籍がまた増えてしまった。 -
こちらも良書。素晴らしいです。
何より情報が早いので、刊行されて数年経って読んでも全く古くない。
立花隆は一つの窓です。
私の評価⭐︎三つは、相当良い時につけます。 -
立花隆の本はよく読んでいるけれど、このエッセイは何となく歯切れの悪さみたいなものを感じた。現政権についてもいくつか予想を書いているが、当たっていない。気鋭のジャーナリストとして活躍してきた彼も、歳と共に気力が無くなってきているような印象を受けた。
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本書は、「知的生産」等の著作のある立花隆氏が、毎日の生活の中で気になったことについて書いた「エッセイ」となります
著者が時事モノについてどのように捉え、どのように考えを展開するのか、どのようなものに「知的生産」の着眼点となる「知的好奇心」を抱いているのか、という点でなかなか興味深い内容でした
そういう点で着眼点自体は非常に興味深かったし、それについて筋道立てての推測など理論展開など勉強になる点も多かった
なお、
・小池都知事が日本の政治を面白くしていくだろう
・そう遠くない将来に白鳳に引退を迫ることになるのは稀勢の里だろう
・(金正男暗殺事件をうけて)トランプ政権が本気で金正恩つぶしに出る
等まったく当たらない予想などや、
・民主党政権が、日本が科学技術によって支えられている現実を無視し、関連予算をカットしたのは愚策である
・太陽光発電に対する補助金は、税金のムダで割高な買取価格の恩恵は受けるけど、技術開発には手を出そうとしない孫正義のような人間を潤すばかり
といった辛辣な苦言などもあり、そういった点でも面白かった -
老いてなお知的好奇心を持ち続け、多くの人を啓蒙している人がいるということだけで、何かしら勇気付けられる気がする。未来を、悲観論ではなく楽観論で思い描くことは大切なことなのだ。
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20181008 理路整然。久しぶりに読んだが分かりやすい論旨は変わらない。今、これから起こることに対しての予測なのだが理詰めなので信頼性が高い。数年での変化でなく。数十年単位での変化で考えていかないといけないのではないか。年寄りに希望が持てる未来でありますように。
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著者が2011年から連載している、『文藝春秋』の巻頭随筆をまとめた新書の第2弾(第1弾は2014年刊の『四次元時計は狂わない』)。
書名から、立花が自分の「知的生産の技術」を開陳した本だと思って手に取る人もいるだろう。が、そういう話はまったく出てこない。
立花の「知的生産の技術」本としては、『「知」のソフトウェア』(古い本だが、いまでも十分読む価値がある名著)や、『ぼくはこんな本を読んできた』所収の「体験的独学の方法」「『実戦』に役立つ一四ヵ条」がすでにあるので、それらを読むとよい。
「巻頭随筆」というと、大物作家が日々のよしなしごとを綴るような内容を連想する向きが多いだろう。が、立花はジャーナリストだけあって、本書のエッセイに身辺雑記的なものはない。
科学や政治などの分野を中心に、その月に起きた出来事を俎上に載せた時評的内容のエッセイである。
立花のその手の著作というと、昔『週刊現代』に連載していた時評をまとめた『同時代を撃つ』というのがあった。これはなかなか優れた時評集で、講談社文庫版の全3冊を私は何度も読み返したものだった。
週刊誌連載だった『同時代を撃つ』に比べ、本書は月刊誌連載だけにもう少しゆったりとした、スパンの長いテーマが選ばれている。
老いたりとはいえ、立花の時代を見抜く目にはまだまだ鋭いものがある、と感じさせる一冊になっている。
終盤には立花へのインタビューをまとめた2本の長い記事――「最先端技術と10年後の『日本』」と、「ノーベル賞興国論」――を収録。
2本とも内容が濃く、読ませる。日本の未来について明るい希望が湧いてくるような内容である。 -
雑誌掲載のエッセイをテーマ別にまとめたもの。全体を通して、日本の科学技術への信頼感と、安倍政権への不信感が印象に残った。後段については、今日の迷走を示唆するものとして意義深い。
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【データから見える】
題名の意図に沿っているのは最終章だけです。
それでも十分参考になります。 -
立花さんの文章力と調査力の高さが改めて分かった。
色々なトピックで面白かった。
著者プロフィール
立花隆の作品
