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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784166611911
作品紹介・あらすじ
ベートーベンが「市民」をつくった?
「近代+土着」でドイツを勝利させたワーグナー。
歴史の流れがするすると頭に入る、斬新な音楽史&世界史。
「歌は世につれ、世は歌につれ」と言いますが、これは流行歌だけに限った話ではありません。
一般大衆から遊離したハイカルチャーに思えるクラシック音楽も、実は社会、経済と
深いつながりがあるのです。
19世紀に質量ともにピークを迎えたクラシック音楽は、
大都市の市民階級という新しい消費者に向けられた最新の文化商品でもあったのです。
誰が注文し、いかにして作られ、どのように演奏され、どこで消費されたか。
クラシック音楽を知れば世界史がわかる! といっても過言ではありません。
博覧強記の片山杜秀さんが縦横に語りまくる本書を読めば、
激動の近代ヨーロッパの歴史が楽しく頭に入ります。
・音楽が時代の影響を受けやすい経済的理由
・宗教改革で音楽は「簡素」になった
・「時代遅れ」だったバッハ
・トルコ軍楽隊が西洋に与えた影響
・なぜモーツァルトは就活で苦しんだのか?
・革命の騒音が音楽を「爆音化」した
・産業革命が楽器を一変させた
・ベートベン最大のヒット作は「戦争の再現ドラマ」
・世界中が真似たワーグナー・システム ほか
みんなの感想まとめ
音楽と歴史の深い関係を探求する本書は、クラシック音楽がどのように社会や経済と結びついてきたかを解き明かします。ベートーヴェンやワーグナーをはじめとする音楽家たちの作品が、彼らの生きた時代の影響を受けな...
感想・レビュー・書評
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タイトルにベートーヴェンとあるが、ベートーヴェンはちょこっとしかでてこない。この本は、あくまでも西洋史を辿りながら音楽史の変遷を語る本である。グレゴリア聖歌からワーグナーあたりまで。
クラシック音楽は好きなので、音楽家の生きた時代を知ることは楽しい。ここ数年、歴史の本を少し多く読むようになったことで、前よりも音楽史の流れがわかるようになったこと(なった気がすること)は嬉しい。
芸術ってやっぱり自己表現なんだなと改めて思う。創作者の内から滲み出てくるもの。自分ではコントロールできない衝動や、そのように作らざるを得ない感覚があるのではないか。
そしてまた、その滲み出た自己表現はオリジナルであるようだけど、必ず社会に影響を受けている。社会を反映している。というか、反映していないのであれば、民衆には理解されずに時代と共に淘汰されてしまう感は否めない。
ルターのところの解説がおもしろかった。聖歌をラテン語ではなくドイツ語で作曲した。このことで新約聖書の内容が民衆にも示された。まさに「その時、歴史は動いた」的な感じがした!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
教会音楽?クラシック音楽?バッハ?ベートーヴェン?ワーグナー?なにが違うの???
…と、音楽的素養のない私にはそう感じられるのだが、この本を読んで、世の中や教会の権威、音楽の受け取り手の世界史の中での変容に応じて(またはあらがう形で)、音楽が歴史を紡いできたことを知ることが出来た。当時の世の中の受け取り手に向けて、こういう意味合いで作られた音楽…という作品の背景を知り、敷居の高い音楽、全く分からない音の羅列を、理解するヒントが得られたような気がする。
ベートーヴェンの運命の、覚えやすい冒頭のメロディーは、なぜそうなっているのか、が分かる。 -
ベートーヴェンの話だけでなく、それ以外の話も面白く興味深かった。たとえば、「ヴァイオリンは挟むし高い音が耳元で鳴るけれど、操作性優先のため仕方がないというのは西洋的な考え方だ」とか、宗教改革によって、歌詞は日常的に使うドイツ語、シンプルの単旋律のメロディのような新しい音楽が生まれたとか(ルターすごいな)、アマチュア合唱で演奏会に参加する形態はヘンデルのころからあった(その集大成が「第九」)とか、ワーグナーはベートーヴェンに足りないと感じた、総合芸術としてのオペラの道を突き進むことになったとか、マラ3はマーラー版『ツァラ』であるとか。
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音楽はそもそも教会、王侯貴族、ブルジョア階級の権威を表す手段であったから、今日でもなんとなく権威があるように捉えられている。
古代以前の音楽は楽譜が残っていなため詳細不明。判明している起源は教皇が編纂したグレゴリオ聖歌であり、9世紀頃の成立。ネウマ譜に残されており今日の楽譜の起源。単旋律(モノフォニー)、声楽のみが特徴。
12世紀ルネサンス後複線律(ポリフォニー)が盛んとなる。伊のパレストリーナが代表格。科学発展による神の世界の秩序の複雑化が背景にある。宗教改革を機に教会権威は落ち、ポリフォニーから独唱の時代となる。
ルネサンスと宗教改革を経て音楽の主要舞台は教会から世俗へ移行。王族や富裕層がパトロンとなる。バッハはモノフォニー時代に逆行しポリフォニーに拘り厳格厳密な音楽を構築。当時は流行らなかった。
モーツァルトの頃には宮廷財力が低下。就職活動に苦労しフリーの音楽家として生計立てる。当時は軽薄とされ評価が高まるのは19世紀後半以後である。
ハイドンはハンガリー大貴族付の楽団長として活躍後、ロンドンでも活躍。交響曲の父とされる。その弟子ベートーベンは市民にわかりやすく覚えやすいメロディーを追求。成り上がりの小金持ちを退屈させないため。
ポストベートーベンのロマン派はシューマン、ショパン、シューベルトなど。ワーグナーは民族主義を追求。19世紀後半以降は資本主義の加速と機械化、グローバル化に伴う市民の不安感が作曲のテーマとなり、無調楽曲など作成される。 -
音楽は一人では演奏できないから、極めて社会的営み。だから当時の社会がわかる。と非常に納得感のある講義でした。聞き手、楽器製作の技術、お金の出どころなどなどの条件で音楽性自体も変わってくるのだな。
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タイトルを見て面白そうだったので衝動買い。
でも、これは良かった。
読みやすい。
そして的を得た指摘。
およそ芸術と名の付くものに共通する点も多い事柄。
その作品は誰のために作られたのか。歴史の流れに於ける聴く側と作る側の関係の変遷を概観する事で新たな視点が加わった。
多くの場合、今までは作品をそのまま1つの存在として観たり聴いたりしていて、その背後にある事柄・歴史をほとんど意識して来なかった。
耳を凝らして聴いても聴こえて来ないもの、幾らじっくり観ても見えてこないものには無頓着だつた。
他の本を読んでそういうことの重要さは理解していたつもりだったが実践を伴っていなかった。
この本を読んで背後に、ある何かを考える際の指針を得た気がする。
今後は面倒でも作品の背景も調べて観たり聴いたりする様に心掛けたい。 -
脳内革命が起こった。何回読み直しても新しい発見があります。
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第3章までは、普通の音楽史に書かれている普通の進行だが、第4章の「ベートーベンの時代」から面白くなってくる。
市民の時代において、市民と向き合うことで生まれてきたのがベートーベンの音楽である。
キーワードは、①わかりやすい(簡易・単主題) ②うるさい(刺激・エネルギー・力) ③新しがる(資本主義・驚き)
ちょっと強引に作曲家と時代を関連付けすぎていると感じる部分もあるが、代表的作曲家が存在した時代背景についての認識を持っているのと、持たずにいるのでは、聴こえてくる音が全く違ってくるだろう。
ベートーベン以降はシェーンベルクに至る(ロマン派から近代)、社会と音楽の変遷が非常分かりやすくまとめられている。この様な説明を受けると、それぞれの作曲家が出てきたのは偶然ではなく必然だったのだと思わされる。
この本で直接的に書かれているわけでは無いが、ワーグナーとヒットラーが台頭してきた背景があまりにも似ているのにビックリ。
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グレゴリオ聖歌からラヴェルまで、
世界史と音楽の並行的進化を見ていく。
その先の現代音楽編も読んでみたいところ。
「そういうとこだぞ」と、クラシック音楽の隘路を的確に指摘しているんだけれど、それは人の欲望の原理——人が欲しがっているものを欲しがること——に根ざしているので、いまさら克服はできなそう。
「クラシックのファン」からは嫌われそうな書き振りがいたるところにあるんだが、もちろんわかっててわざとやってると思う。 -
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音楽屋でないのが全章に渡り良くも悪くも楽しい
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音楽好きに推奨。ベートーヴェンとバッハの音楽の創り方の違い、言語化できるようになって嬉しい気持ち
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背ラベル:762.3-ベ
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表題は引きつけるためのもので、内容は少し違う。
いわゆるクラシックの歴史を、世界の歴史の流れの中で説明しました、という本。
ベートーヴェン関連の部分は知っていたが、ワーグナー関連の部分は知らないこともあり、なるほどと思えた。
クラシックを聞く耳が変わる。 -
ブックオーレ
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著者は音楽評論家としても著名な政治学者。表題にややズレがあり、グレゴリオ聖歌から20世紀初頭までの西洋音楽史を政治的な背景をベースに解説するというもの。インタビューをテープ起こしして書かれているのもあり、全編が話し言葉で読みやすい。しかし、我田引水な箇所や、牽強付会な決め付けとしか思えない箇所が散見されるのは、かなりいただけない。また、編集の方もきちんと情報源などのウラを取っているとは思えない雑な箇所が目立つ。さらに、著者が単純にキライだからだろうが、ロマン派を語るのにチャイコフスキーやブラームスを完全スルーというのもいただけない。
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インタビューから文字起こししたという経緯の本らしく、随所に「え?そうなの?」というようなエピソード(特にシェーンベルク!)が散りばめられていて、なかなかに読ませる。ただし、題名の「世界史がわかる」はオーバーな題名。正確には、世界史の「一部がわかる」程度で、世界史というよりは音楽史の本である。
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クラシック音楽は他の芸術とは違い、作り手よりも受容先の状況が重要となる演奏する人と聴衆がいなければ成り立たないので、死後評価される画家、文学者のような人はほとんどおらず、異端の音楽家というのもクラシックの世界ではほぼいない。
元々教会音楽から始まった受容は王侯貴族、大都市のブルジョアと受け継がれる。グレゴリオ聖歌は、もっとも神の作り出したものに近い人間のみで奏でる音楽であるが、それに宗教改革を経て、ラテン語から現地の言葉、歌いやすいメロディといった世俗的な要素が加わっていき、王侯貴族のオペラや室内楽になっていった。バッハは教会に所属して音楽を作っていったが、どちらかというと後世に評価された作曲家である。モーツアルトの頃には王侯貴族から市民への富の移転が進み、需要家としてのシフトもおこる。ヘンデルはロンドンに行って成功したが、モーツアルトは失意のうちになくなる。ベートーヴェンは、市民階級に受け入れられるようなシンプルなメロディーの繰り返しを用いて、わかりやすく、うるさく、新しい音楽を作っていった。市民階級の成熟とともに、精緻化が進み、クラシック音楽の中での差異化がすすみ教養としても分化が進む。 -
社会史の観点で音楽史をざっくり語ったもの。重厚な読書ができた気はしないが、1日で読み終わる平易さがお手軽で、教養に富んだ筆者の語り口も面白かった。
著者プロフィール
片山杜秀の作品
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