一切なりゆき 樹木希林のことば (文春新書)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 332
  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166611942

作品紹介・あらすじ

150万部突破!2019年9月10日の樹木希林さん特別番組「~おもしろうて、やがて不思議の、樹木希林~」も話題です。

樹木さんは活字において、数多くのことばを遺しました。語り口は平明で、いつもユーモアを添えることを忘れないのですが、じつはとても深い。彼女の語ることが説得力をもって私たちに迫ってくるのは、浮いたような借り物は一つもないからで、それぞれのことばが樹木さんの生き方そのものであったからではないでしょうか。本人は意識しなくとも、警句や名言の山を築いているのです。それは希林流生き方のエッセンスでもあります。表紙に使用したなんとも心が和むお顔写真とともに、噛むほどに心に沁みる樹木さんのことばを玩味していただければ幸いです。

感想・レビュー・書評

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  • 最近読んだ読書術の本に「ベストセラーは必ず買って積んでおくだけでもよい」というようなことが書いてあったのでまず、この本を買ってみました。
    色々なところで女優の樹木希林さんが発言したことばをまとめたもので、こころに染みることばはたくさんありました。
    私は、自身が病弱なので、特に希林さんの「がん」という病気に対する姿勢には身につまされました。
    私は、死に至るような重篤な病気はひとつもありませんが、1週間全部、通院でスケジュールが埋まるだけで、気が滅入り、病院で待っているだけでイライラしてきます(病院では気が散るので私は本は読めません)。希林さんとは年齢差や性格も全く違う方なので、そんな境地には至れない私ですが、あまり不幸に思わないようにしたいと思いました。

    希林さんの映画は『そして父になる』でお見かけしたのが最後でしたが、惜しい方が亡くなられて、もっと出演作を拝見したかったと思いました。
    娘さんの也哉子さんがエッセイストでいらっしゃることを初めて知り、お人柄を本書で知り、その作品も是非、拝読してみたいと思いました。

    本分P122より
    「私は最近、放射線治療の後遺症じゃないかと思うんだけど、肩がゴキン、ウアッてなることがあるの。そういうとき「痛い」じゃなくて「ああ気持ちいい」っていいかえちゃう(笑)。それが、当たり前なんだと受け取って生活していく面白さっていうのがあるなって思うんだ。私にはいい塩梅にがんっていうのがあるから、いろんな意味で有効に使ってるのよ。何かを断わるときには、「もうがんが大変なの」とさえ言えば、「あっ、そうですね」となるし。まあでも病気をしてから少し謙虚になりました、私」(「体はちょっとアレだけど、怖いのもがなくなって年をとるのも、悪くない」2016年6月)

  • 「おごらず、他人と比べず、面白がって、平気に生きればいい」
    娘の内田也哉子さんによる喪主代理挨拶の中のこの一文(生前、希林さんから也哉子さんへ贈られた言葉)が樹木希林さんの全てを表している。
    希林さんの遺した言葉の数々は常に自然体でユーモアに満ちていて、我々の心に穏やかにじっくりと染み渡る。

    「自分の身の丈にあったレベルで、そのくらいでよしとするのも人生」
    「年齢に沿って生きていく、その生き方を、自分で見つけていくしかない」
    「自分の最後だけは、きちんとシンプルに始末すること」
    「楽しむのではなくて、面白がる」
    「存在をそのままに、あるがままを認める」

    自分を含め周知の人を俯瞰的に冷静に見据える希林さんの、すっきりとシンプルな生き方。
    希林さんのどの言葉も的を得ていて私もお手本にしたいけれど、「それは依存症というものよ、あなた。自分で考えてよ」と表紙のお写真のように軽やかに笑いながら、希林さんに突っ込まれるに違いない。

  • あまり芸能人をおっかけて読むようなことはないのですが、ブックオフで何冊かかった時に、一冊この本を加えました。

    希林さんが亡くなったのは、2018年9月15日だったようで、もう2年近くなるのですね。がんと闘い続けてこられた人生でしたが、亡くなったときの世間の衝撃は、まだ記憶に新しく感じます。

    希林さんは、60歳で網膜剥離、そのあと乳がんから、がんが全身に転移し、それでも決して思いつめることもなく、自分らしさを失わずに人生を走りぬかれたように感じました。

    闘病以外でも、夫婦生活の在り方が話題となった、あの内田裕也氏との生活においても、闘われていたように感じましたし、そのもっと前の育った家庭においても、子ども時代を闘ってこられたようにも感じました。

    「一切なりゆき」というタイトルが付いた経緯は知りませんが、人生を自分なりに噛みしめて生きてこられた人の「達観」が込められ言葉のように感じます。

    希林さんの人生を振り返る材料として、you tubeにあった内田裕也氏のロックンロールしている若いころの映像や、都知事選に出たときの政見放送の映像を見ましたが、やっぱり変わった男の印象はぬぐえず、がんになるストレスの主な要因はここにあったのではと勝手な想像をしてしまう反面、希林さんも同じレベルかそれ以上のユニークさの持ち主だったのかもとか、希林さんだからこそ、内田裕也氏を伴侶として、人生を楽しめたのかもとか、どんどん勝手な想像が膨らむエピソード本でした。

    勝新太郎氏に「お前を超えているのは一人もいない」と言わせしめ、北野武氏に「普通の役者と出ると差がつきすぎちゃう」と言わせしめた名女優の生き方を語る言葉が印象的でした。

    「人の人生に、人の命にどれだけ自分が多く添えるかという、その体験の豊富さが、いい役者かそうでないかというふうに思うんですよね。その人の悲しみを自分のことのようにして悲しめる。離れていてもちゃんと苦しみが・・・。そういうことの場数だと思うんですよね。」

    映画「あん」の中で、徳江の役を演じた希林さんが、作品(映画)について語った言葉も印象的でした。

    「映画の中の徳江さんもそうであったように、病気をして、72歳になった私がわかったことは、決して病気だからといってかわいそうなのではないということ。たとえ病気であっても、生きる希望をもって生きていく。そうやって命を使いつくしていったんじゃあないの、ということをこの作品を通じて伝えたいです。」

    作品を通じてだけでなく、自身の人生を通じて、そのことを伝えられたように感じます。

    • 夜型さん
      おはようございます。いいね!ありがとうございます。
      不登校新聞という小さなメディアに寄稿していたのを思い出しました。
      亡くなってからもう...
      おはようございます。いいね!ありがとうございます。
      不登校新聞という小さなメディアに寄稿していたのを思い出しました。
      亡くなってからもうそんなに経つんですね。

      https://futoko.publishers.fm/article/9204/

      https://toyokeizai.net/articles/-/238438
      2020/08/11
    • abba-rainbowさん
      夜型さん、いつもありがとうございます。コメントと、情報提供もありがとうございました。全部読ませて頂きました。

      特に癌を患われてからの希林さ...
      夜型さん、いつもありがとうございます。コメントと、情報提供もありがとうございました。全部読ませて頂きました。

      特に癌を患われてからの希林さんは、生老病死の四苦を超越した感がありますね。そういう方の自然なコメントには力がありますね。
      ご両親も素晴らしいなと感じました。
      2020/08/11
  • 内田裕也が何故この人を愛し
    なのに何故いっしょに暮らせなかったか
    よくわかる気がした
    この人めちゃくちゃロックンロールだもん 笑

  • 独特の感性を自身の言葉で。

    地上にすぽーんといて、肩の力がすっと抜けて、存在そのものがはっと息を飲むような人間になりたい。
    相当な境地だけど、なんかわかるなー

    おごらず、他人と比べず、面白がって平気に生きればいい。楽しむんじゃなくて、面白がって、ってとこがポイント。

    2020.9.18

  • どうやったら希林さんのように朗らかに生きれるのかな
    どうやったら悲しいことを乗り越えられるのかな

    「それは依存症というものよあなた 自分で考えてよ」




  • 自分を客観的に見る事が出来る人かつ自分の感覚を信じられる人だったから、芸能界で長く活躍出来たのかな。それは見習いたい部分もあったけど、振り回された家族・特に娘さんは辛い部分も多かったでしょうね。最後の也哉子さんの喪主の挨拶が感動的でした。

  • 名女優が語り尽くした生と死、演技、男と女。さまざまな雑誌に掲載された樹木希林の言葉をまとめる。ユーモアと洞察に満ちた希林流生き方のエッセンスが満載。樹木希林年譜、内田也哉子による喪主代理の挨拶も収録。

    昨年5月末に図書館で予約してようやく借りれた。
    今までに読んだ樹木希林の本に重なる部分もあるので,一度読んだような気がしたけど,どの話も興味深い。

  • 樹木希林さんの様々なインタビューを
    生きること、家族のこと、
    病いのことカラダのこと、仕事のこと、
    女のこと男のこと、出演作品のことという
    6つの章に分けて、まとめた1冊です。

    ご本人が永眠されたあと、
    ご本人の生前の言葉を集めて
    切りとって本にするのは、
    実はあまり好きではありません。

    どうも商売気のにおいを感じてしまい、
    素直に受けとれなくなるからです。

    とは言うものの、
    樹木希林さん自体は好きなので、
    ようやく予約しなくても図書館にあったため
    借りてみました。

    読んでいて気になる言葉が多かったのは
    生きること、病いのことカラダのこと、
    出演作品のこと、という3つの章でした。

    これは、わたし自身がいま、
    実生活で気になっている項目たちだから
    目にとまったのでしょう。

    「楽しむのではなくて、面白がることよ。
    楽しむというのは客観的でしょう。中に入って面白がるの。面白がらなきゃ、やっていけないもの、この世の中。」(64ページ)

    特にこの一節は、
    じっと眺めてしまいました。

    楽しむのではなく面白がる、という考え方が
    新鮮だったからです。

    人生を愉快にすごすコツは
    外から眺めるのではなくて
    中に入って自分のこととして見ること
    なのですね。

    今まで仕事が楽しくなかったのは、
    外側から眺めていたからかもしれないな、と
    つくづく思いました。

    と、
    結局なんだかんだ言いつつも
    「一切なりゆき」のなかに入って
    面白がれたわたしでした。

  • 大好きな女優さん。凄いな、の一言。若い頃は色々と言われたみたいだけど、自分も周りの人も納得させてしまう生き方がかっこいい。

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著者プロフィール

1943年東京都生まれ。女優活動当初の名義は悠木千帆、後に樹木希林と改名。文学座附属演劇研究所に入所後、テレビドラマ『七人の孫』で森繁久彌に才能を見出される。ドラマ『時間ですよ』『寺内貫太郎一家』『ムー』などの演技で話題をさらう。出演映画はきわめて多数だが、代表作に『半落ち』『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』『歩いても 歩いても』『悪人』『わが母の記』『あん』『万引き家族』などがある。61歳で乳がんにかかり、70歳の時に全身がんであることを公表した。夫はロックミュージシャンの内田裕也、長女にエッセイストの内田也哉子、娘婿に俳優の本木雅弘がいる。2018年9月15日に逝去、享年75。

「2019年 『心底惚れた 樹木希林の異性懇談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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