独裁の中国現代史 毛沢東から習近平まで (文春新書)

  • 文藝春秋 (2019年2月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784166612062

作品紹介・あらすじ

1949年、毛沢東は北京の天安門で中華人民共和国の建国を宣言しました。2019年はそれからちょうど70年になります。

朝鮮戦争、ソ連との大躍進と飢餓による死、文化大革命、米中国交回復、天安門事件――。農村部で勢力を蓄えた共産党が中国全土を支配し、GDP第二位の「超大国」となるまで、この国の歴史はまさに巨大なトラブルの連続だったといえます。そして今でも、一党独裁体制、民族弾圧、さらには都市と農村の格差といった矛盾を抱えています。

その源はどこにあるのか? そこで鍵となるのは、やはり建国以来この国に君臨した毛沢東でしょう。独裁も不平等も国民監視システムも民族紛争も、毛沢東の作り上げてきたものの延長上にあるといえます。

では「中華人民共和国」というシステムはどのようなものなのか? それを理解するには中国内部だけではなく、世界史的な視点が必要になります。

習近平は、まさに文革世代。毛沢東的独裁の申し子ともいえる存在です。これから中国がどこに向かっていくのかを知るためにも、この70年の歴史を振り返り、その内在論理を解明する必要がある。

2019年の世界を読み解くのに必須の一冊。



序章 中国共産党という組織

第一章国民党と共産党 コミンテルンが生んだ双生児

第二章毛沢東の“国盗り”戦術

第三章 中華人民共和国の誕生

第四章 大躍進 史上最大の災厄

第五章 世界史から見た文化大革命

第六章 新たな独裁者鄧小平

第七章 習近平 引き継がれる独裁の系譜

みんなの感想まとめ

中国共産党の歴史を通じて、独裁体制の成り立ちやその影響を深く理解できる一冊です。特に、毛沢東から習近平に至るまでの権力闘争や、民族問題に対する視点が新鮮で、読者にとって非常に興味深い内容となっています...

感想・レビュー・書評

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  • 中国共産党の歩みをざっと把握できます。
    習近平がどのような土壌で生まれたのか、中国がチベット・ウイグルに対してどのような考えから弾圧しているのか、それらがアンチ・中国に走ることなく説明されていました。
    中華人民共和国がどのような国か理解できる良書です。

  • 中国現代史の概説書。分量も少なく、内容も簡潔で読みやすい。

    尖閣諸島、台湾・香港、新疆ウイグル自治区など、現代中国が引き起こす問題の根源を中国共産党の独裁に見出し、現代史を辿る試みは面白かった。全く中国史の知識を持ち合わせずに読み進めたが、大躍進政策や文化大革命等の解説が分かりやすく、見識を広める良い機会になった。

    中華民国の祖である孫文が強い漢民族中心主義であったことを考えると、現在の中国共産党の苛烈な少数民族への弾圧はその系譜に連なるものであると理解出来た。

    一元的でゆとりのない中国政治に抗うために、リベラルデモクラシーの復権が欠かせないと痛感した。

  • 私のような、中国について無知な人間にもとてもわかりやすい。ですます調の文体が柔らかく読みやすい。

  • 今まで中国人(漢人)の書いた近現代史と中国に詳しい日本人の書いた近現代史のよみものはそれなりに読んだことはあったが、中華人民共和国の少数民族出身の方が書いた近現代史は記憶にある限り読んだことは無く、非常に興味深い視点が多かった。とくに国民党と共産党の内紛や大躍進、文革等の権力闘争において周辺民族の立ち位置と関わりが詳しく述べられている点は非常に勉強になった。
    以下雑感
    ・漢人を大量に移住させ人海戦術で他民族を併合したり他国の地方の首長を取ったりする方法は中華近現代の基本戦略として強力すぎるものの、急激な中国の人口減は今後この戦術を不能にしていくのではないかとも思う。
    ・闘争は1流、為政は3流といえば毛沢東だが、ゴロツキを使って領主を排除し地域社会を壊滅させる、民衆の不満を権力闘争に上手く利用したうえでさらにその不満の表明を左遷や粛清の理由にして最初味方にしていたものすらも最終的に排除する、などなどまさに畜生
    ・親も共産党エリートで北京に生まれながら文革の下放にあって満足に学ぶことができなかった習近平の生い立ちは若干同情するところがあると初めて思った
    ・鄧小平や胡錦濤はエリート中のエリートと認識しているが、結局は中華思想に突き動かされる歪な大民族集団の重要な歯車でしかないのだと再認識した。
    ・私自身純粋なマルクス主義に明るくはないものの、古今東西の左派の歴史を見る限り左翼思想というのは文明社会に発生する癌のようなものにしか思えない。

  • 2019年発行だからとても新しい。

    毛沢東は、農村のゴロツキなどと結託して、地主から土地を取り上げて農民に与えたが、その後 人民公社化することで、土地を国有化して農民から取り上げた。

    笑ってはいけないのかもしれないが、思わず笑ってしまう政策として、スズメの駆除がある。スズメは米を食い荒らすので、洗面器などを叩いてうるさくして眠れないようにして落とすことを真面目にやった。しかしその結果、害虫が増えて穀物は全滅した。

    1972年のキッシンジャーによる米中接近は、米国にとっては、中国を将来的に大規模市場とする目論見であり、確かに中国は市場経済を受け入れたが、著作権保護などの国際ルールを守らず、環境破壊を引き起こすなどの野放図な振る舞い三昧でかつ、海外への膨張志向も強くなっている。

  • ふむ

  • 897

    靖国問題は国内政治のために利用されただけだと考えています。そもそも中国はそれまで靖国神社を問題になどしていなかったのです。  靖国問題をめぐっては、日本国内でも大きな議論となり、左右両陣営に分断されました。それもまた中国側の狙いどおりです。日本は中国に踊らされているのです。それを見た韓国が同様の手法で日本を攻撃するようになりました。慰安婦や徴用工問題などでクレームをつけて日本を踊らせる。日本もいちいち踊るから、彼らの術中にはまるの

  • kindle unlImited.
    著書はモンゴル人で天安門世代。
    書かれている内容は、おおむね既に知っていることだけど、中国内の少数民族から見た中国という視点そのものが新鮮だった。

  • 本書は孫文から習近平までの中国を中立的な視点で振り返る。特に毛沢東時代の記述が豊富で、彼がかつて掲げていた理念と実際に行った政策との間には矛盾が満ちていることを指摘している。また、現在まで受け継がれている漢民族至上主義的思想がいかに実践され、中国共産党による一党独裁のための土壌がいかに作られてきたのかを論じている。

    非常に興味深い内容で、平易な書きぶりなので、サクサクと読むことができた。今日の中国に関する問題を考える上では、まず中華人民共和国の歴史的経緯を知っておくべきであり、そうした面でこの本は有益だと考える。

  • 図書館で借りた。
    中国の現代史をざっとおさらいできる。著者が中国内モンゴル出身で日本に帰化された方なので、歴史事実を述べるだけでなく、非常にリアルな証言もある。

    個人的な発見としては、「中国の歴代王朝のいくつかは、北方遊牧民の征服王朝である」という聞き慣れた意見を、ある意味では中華人民共和国もその一つであるとみなせるという考え方にはハッとさせられた。

  • 去年帰国した時に買ってあった中国関係の新書。旅のお供に読了しました。
    内モンゴル出身で日本に帰化した文化人類学者の筆者が、第3の視点で中国現代史を紐解く。
    中国では伏せられていたり、逆に外国からだとスルーされるようなことも取り上げられたりで、ちょっとしたお勉強。
    但し、これは堂々と本棚に置いておけない本ですね。

  • 中国の現在の政治体制のルーツが分かった。独裁、密告、下克上、、著者は批判的な姿勢なので多少は割り引いた方がいいかもしれないが、それでも中国の今後が空恐ろしい。

  • 東2法経図・6F開架:222.07A/Y57d//K

  • 近代から現代への歴史描写がコンパクトにまとめられていて、現代中国を理解するのに最適な内容。この史実をいまの日本の政治家達はどこまで理解しているんだろうと、全く不思議に思う。が、それとお構いなく自立しているのは、それはそれで凄い。

  • 共産党について良くまとまっている。
    日本人や漢民族が書くと独特の偏りがあったりするが、
    どちらにも属さない作者の独自の視点がある点も良い。

    中国という国の国家観。
    共産党とはどのような組織なのか。
    歴史を通して概観でき、本質がわかる。

  • 墓標なき草原、依頼様会議英志の中国論は各刮目すべきものがあるある。本書も中国の歴史を毛沢東から習近平まで独裁こそが中国の歴史である、上から下まで庶民に至るまで長い歴史の中で実に空いている中国人の考え方がよく理解できる。モンゴル人の立場から漢民族の中華帝国に対する考え方、
    中国の独裁体制は信用スコアビジネスと非常に親和性がある、共産党独裁をますます強化させる側面を持っている。
    大神の父、毛沢東思想によって教育された子供たち、

    中国の最大の弱点は、言論の自由、学術の自由が保障されていないこと。中国の研究者は自分たちは北京原人の子孫であり、人類の起源は中国だと主張し続けている。中国ルーツ以外の

  • 中国4000年といっても、中華人民共和国とするならばその歴史は新しい。この本を読むと中国共産党がいかにして広大な国土を共産党の国として作り上げてきたのかが、歴史的背景を紐解きながらわかりやすく書いてある。
    正直、共産主義の怖さを改めて知った。ひとりの独裁者が絶対的な権力を持ったとき、多くの犠牲者を出すのはこれまでの歴史が証明している。
    今の中国もそういった危うさを持っているし、同じアジア圏の日本は、この国とどのような外交関係を保っていくのかを常に緊張感を持って考え、実行していかなければならないと思った。

  • 【独裁国家はいかにつくられたか?】建国から七十年。独裁、民族弾圧、格差、国民監視の大国はいかに築かれたか? 世界史的視点で、中国の成り立ちと未来を解き明かす。

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著者プロフィール

楊 海英(よう・かいえい):1964年、南モンゴル・オルドス高原生まれ。静岡大学人文社会科学部教授。専攻は文化人類学。北京第二外国語学院大学日本語学科卒業。著書『モンゴル人の中国革命』『内モンゴル紛争』(ちくま新書)、『紅衛兵とモンゴル人大虐殺』(筑摩選書)、『墓標なき草原』(岩波現代文庫、司馬遼太郎賞)、『チベットに舞う日本刀』(文藝春秋、樫山純三賞)、『モンゴル帝国』(講談社現代新書)、『中国を見破る』(PHP新書)など多数。

「2024年 『アルジャイ石窟』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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