それでも、逃げない (文春新書)

  • 文藝春秋 (2019年12月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784166612437

作品紹介・あらすじ

乙武洋匡が三浦瑠麗に、その生い立ち、家族、孤独を訊ね、

三浦が乙武の不倫騒動、さまざまなチャレンジでぶつかった困難に迫る!

両者が聞き手と答え手となり、攻守を入れ替えながら、

およそ一年にわたって続けた対話の記録です。

どんな質問にもすべて受け切る。

時には政治、社会を論じて、四方八方めった斬り、

時には最もプライベートな領域にも踏み込む。

話題の二人が包み隠さず語る過激で優しい対話集。

感想・レビュー・書評

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  • 昨年の夏『孤独の意味も、女であることの味わいも』を読んだので、三浦瑠麗さんより乙武洋匡さんのことが知りたかったのです。

    でも『孤独の~』の反響やそれについての感想が聞けてよかった。
    それと瑠麗さんが鈴木涼美さんの本を読んでいると知り意外で驚き、興味を持ちました。

    乙武さんの例の騒動については、
    ここで初めていろいろ考えさせられました。
    個人的に「不倫」については、「すごくイヤと思う時」と「なんとも思わない時」があるんですね。
    自分がどこで区別しているかわからないけど、
    乙武さんについては後者みたい。

    それより、ずいぶん前に乙武さんが期限付きで小学校教諭をしていた「さわやかな姿」をテレビで見た気がするのですが、東西線高田馬場駅ホームで「このまま飛び込んだら楽になれるのかな…」と思うほど苦しんでいたそうです。
    (例の騒動の時でも、そこまでは思わなかったのに)

    確かに普通の公立小学校に乙武さんみたいな有名人が入ってきたら、まったく対等には関われないでしょう。
    もし当時の同僚の先生たちがこれを読んだらどう思うかな。
    きっと彼らも日々やるべきことで精一杯だったのではないかしら。
    ただ、一読者でしかない私には、こういうことを書いてくれた方が面白いですが。

    ただし、いろいろな仕事をしてきた乙武さんにとって、
    〈唯一「ここが俺の主戦場だ」と思えたのは、教員時代の三年間だったのかもしれない。
    あんなにつらかったのにね〉とのこと。
    なるほどー。

  • シャーデンフロイデ?本著でも、一番の友人として語られる夫の逮捕により、今、世間では三浦瑠璃への風当たりは強く、半ばゴシップネタと化している。それでも、逃げない。タイトルは、そんな今の状況とは全く関係ない。自らの生い立ち、生まれながらの個性から、逃げないという意味だ。五体不満足の乙武さんと、自らは女性である事をバックボーンとして語る。

    乙武さんの質問の仕方、トークの配分や形式のせいだろう。本著は、ほとんどジェンダー論だ。それに加えて、流暢な三浦瑠璃の世間を一括りに別物と評価しての自分語り。こうした自己特別視と相対的な世間に対する無意識の尊大さが、三浦瑠璃叩きに繋がっていく。関わり方は不器用なのに、語彙だけ的確で器用な自己表現。この後の炎上を知る由もない、アンバランスな三浦瑠璃が見ていて危うい。

    プリミティブなあいつは気に食わないという感情。障がい者と女性は似たようなハンデ。こちらも危うい、乙武さんの話ぶり。切り離せない個性に対し、その生きにくさを差異性として逆利用しながら付加価値化した分だけ、厳しい人生を送ってきた。付加価値で得しながら、差異で様々な色眼鏡に逢い、肉体のハンデを背負う。二人は前向きだが、行間に見る、対話が切ない。女性における肉体のハンデ、三浦瑠璃は性犯罪の被害者でもある。

    今、三浦瑠璃の置かれた状況は分からない。ふふんと世間を嘲り笑っている気もするし、パートナーの苦しみに寄り添い深く傷ついているようにも思う。シャーデンフロイデの現代日本語訳は、メシウマらしい。最低な言葉だ。


  • 三浦さんと乙武さんによる対談。三浦さんの話を乙武さんが聞いている様子が、とても心地良い。

    「弱い存在を守ることと、リアリズムに立つことは、両立します。
    私にとって理性で物事を判断するということは、けっして感情を殺すことではなくて、真実を見つめ続ける強さを裡に養うということです。」
    強くて美しい、大好きな女性だなと思う。

    以下、共感したところ

    --------

    「自分を伝え、相手をわかろうとする行為が関係を疲弊させる可能性ってありますね。とりわけ女性にとって、パートナーに自分を理解してもらうということは大事なように思います。
    男性の多くが求めているように、単に相手に「受容される」というのではなくてね。でも、たいていの場合その望みは完全に満たされることがない。理解してもらえない気持ちを抱えながら、ぎりぎりのところを生きている女性は多いのではないかな。」(三浦さん)

    男性の「受容されたい」と女性の「理解されたい」は似ているようで全く違う。理解してもらえない気持ちを抱えながら、ぎりぎりのところを生きている。読んでいて胸が痛くなる言葉。

    --------

    「自分が愛や献身を捧げる男性を、何をくれるかという比較衡量で選んだりはしない。
    結局のところ「自分」について考えているだけ、自己中心的にみえる。」(三浦さん)

    女性を悲しませて「自分が情けない」と感じる男性に、「そうじゃなくて」と思ってしまう。

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    「特定の人との閉ざされた関係性を構築することに、どうしても不安がつきまとってしまう」(乙武さん)

    無意識のリスク分散だろうか。閉じ込められる不安みたいな気持ちは凄く分かる。

    --------

    「魂に関してですが、人は悲しい経験をして、それをどう受け止めるか、それによって魂を育てることができるのではないかと思います。それにどう向き合ったかで魂にどれだけ敏感になり、どれだけその動きに耐えられるか、感じ続けられるかが決まるのではないかと。その意味では、魂がない、なんて人は当然いなくて、魂を感じるしんどい作業をやるかどうか、常にそれを感じてあげられるかどうかということなんじゃないですか。」(三浦さん)

    三浦さんが「魂」という言い方をしているのが凄く素敵だなと思った。聴き慣れた言葉で言えば感受性なのだろうけど、そこに魂があると感じているからこその表現。
    茨城のり子の「自分の感受性くらい」を思い出した。

  • 出版社も、炎上目的で本を量産することが常態化してしまったと思います。とても話題なお二人なので、そのコメントも、もちろんコメンテーターとしての役割は、非常にあると思いますが、
    なんというか対談から、なるほどなと視点を期待してしまう私からすると、正直な所、どうかなと思う次第です。

    お二人とも、語る根拠を自身の「経験」から、
    導くという話法は、私には、あまり受け入れるものではありませんでした。経験から、語るなんて当たり前じゃんと思うかもしれませんが、全くそうではなく、その経験から、智慧として導き出される知識は、正直、あまり人様の役には立ちません。

    もう少し自分のソトの視点から語る方が、
    有用な場合も多々あります。

  • 2人の強烈な個性や思想を対談形式で本気でぶつけ合う様子は、読んでいて清々しく感じた。
    それぞれ抱えているものがあり、心の内面まで深く分析して言語化する能力は素晴らしい。
    2人とも冷静さと情熱を兼ね備えている。

  • 思考法・考え方が好きな乙武さんと三浦瑠麗さん。読者がハラハラ、ドキッとする程の双方からの切り込み感で御二人への理解がより深まりました。
    選挙目前の6月歌舞伎千穐楽で会場の外に出るとスゴイ満面の笑みで乙武さんが待ち構えていた時の笑顔が目に焼き付いています!!

  • 自分の考えを持っているお二人のストレートな対談

    プライベートから社会論まで、つつみ隠すことなくお話していた
    本音を言ってよい

    三浦さんの当時小1のお子さんが、ベトナム戦争を夏休みの課題にした話がよかった

    《要約》
    117地図、登場人物、年表、説明を作り、
    物事を構造化して見ることができるようになる
    構造化しないと自分の印象だけを述べるだけになる
    相手の立場に立って物事を考えてみないと紙に落とし込めない
    これは何も政治学に限らず、人間が他者と触れ合っていく上で基本的なこと

  • 三浦さんに「女性」としてどうなのか、と角度をつけて乙武氏が聞く。
    男と女などを切り口にすることで、雑で政治的で、人目を引く話にする役を、乙武氏が引き受けているように見える。
    三浦さんは、そこを丁寧に指摘しつつ、少しサービスとして、言える範囲のはなし、限定した話として答える。
    この本の仕立てに、「炎上マーケティング」の匂いぎする。
    勿体ない。

  • 本の存在が解りました。

  • インタビュー形式の自叙伝。なんか面白くない。
    まとめようとしないでダラダラと話してるのが苦手だった。
    立場が固定してる割に固定してませんよみたいな形で話してるのが好きではなかった。そして自分への批判の対応も固定している。うーん。

  • マイノリティのカテゴリを背負いながらも強い存在となった今は称賛される一方でSNSでは理不尽に叩かれ続けている。二人が「それでも、逃げない」わけがフランクな対談の中で明かされていく。

  • 小坂井 S289/ミ/19 棚:

  • 考えていることを、こんなに分かりやすく文字に落とし込めるのが素晴らしい。説得力あるわ。


  • 読了。何年かに一度出会える良い本であった。自分も頑張って、生きていこうとしてくれる本であった。


  • 戦争は人間が極限状態で行うこと。一方で日常的に人間gあ行うことが政治。人間とは、、と考える過程でその都度取り上げたいテーマを考えてきた。
    アカデミアの世界は、、トランプ現象以降、少し感情的になり過ぎている。基本的ないことが論じられr図に、政治的風刺画をスライドで見せて、トランプは弱者の敵だというメッセージを繰り返すだけならばそもそも研究者である意味がない。アカデミアの世界ではノンプロフィットが重要なのではなくて、インディペンデントが重要。

  • 乙武さんに対するイメージが変わりました。

  • 【天下国家、プライベート何でも答えます!】乙武が三浦に、生い立ち、家族、孤独を訊き、三浦が乙武の不倫、選挙活動に迫る! 話題の二人が包み隠さず語る過激で優しい対話集。

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著者プロフィール

国際政治学者。1980年神奈川県生まれ。東京大学農学部卒業。東京大学公共政策大学院修了。東京大学大学院法学政治学研究科修了。博士(法学)。専門は国際政治。現在、東京大学政策ビジョン研究センター講師。著書に『シビリアンの戦争』(岩波書店)、『日本に絶望している人のための政治入門』(文春新書)、『「トランプ時代」の新世界秩序』(潮新書)。

「2017年 『国民国家のリアリズム 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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